「21世紀の中国社会」新世紀ロマンティクス　文字読みさんの映画レビュー（感想・評価）

2024年。ジャ・ジャンクー監督。21世紀の中国社会の変化を、世紀転換期の狂騒や失業、三峡ダム建設と水没地域、コロナ過の日常、の3つの地点をベースに、これまでの自身の作品やニュース映像を用いながら、一組の男女の行方を描く。
21世紀の20年余りを描こうというのはかなり大きな試みだが、それを具体的な小さな場面の集積として描いてしまう。プロモーターとキャンペーンガールという格差カップルの行方を追いかける「物語」になっているが、女のほうは実際に監督の妻であり、これまでの作品の主演であるだけに、「監督夫婦の21世紀」を描いているようにも見える。