「世界は美しいもので溢れている」グランドツアー HKさんの映画レビュー(感想・評価)
世界は美しいもので溢れている
ベースは西洋人からみた東洋の異国情緒の描写だが、
その取り上げる視点、表現方法がとてもユニークで面白い。
カラオケを熱唱するおじさんとか、
街中をたくさんのバイクが交差して走る様子とか、
普段それだけを観ていても何とも思わないのに、
組み合わせる音楽の効果もあって、
なんだか特別な美しいものを観ているようで
時折感動してしまうのが不思議。
日本パートの違和感も、逆に日本人にはなかなか思いつかない表現で、
新たな価値が付与されるようで面白い。
異国で婚約者を追いかける女、逃げる男という物語設定は、
それ自身で何かを主張、語るためのものではなく、
美しいと感じる様々な事物を魅せるための土台でしかないんだろうなと思った。
人生は必ずしも不可逆的に一直線に進むモノではなく、
観覧車のように同じところに戻ってきてしまったり、輪廻転生を繰り返すもの、
そんな東洋的な思想も肯定的な通奏低音として流れているようで
不思議と幽玄さや深みも感じる映画でした。
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