サブスタンスのレビュー・感想・評価
全543件中、161~180件目を表示
モデルや俳優が老いて売れなくなり薬物に手だしましたっていう話しなの...
モデルや俳優が老いて売れなくなり薬物に手だしましたっていう話しなのだがその薬物が結構なSF設定になっていてかなり面白い
その中に美に対する執着、嫉妬、賞賛への渇望などのテーマが盛り込まれている
女性に対する視線、扱いに対するカウンターだと思うが、根本的な問題は自分を受け入れるかどうかとかそういうのはおいて、お前たちの求めているのはモンスターだといわんばかりの皮肉も混じった描写の数々がまあ下品
デミムーアがなかなか狂気じみてる怪演というか50代の頃よりBBAの方がパワフル過ぎ(エアロビやってたからか)。マーガレットクアリーも女性像を見事に演じているし、何よりデニスクエイドのステレオタイプで品無いクチャラーがキモくて最低すぎるw
キューブリック味を感じたり爽快だったり中々面白かった
老いを受け入れるって難しいよな
痛々しすぎるけど、大きな警告になってる
ルッキズムという言葉初めて知ったけど、
まさにルッキズムに対する警告の映画ですね。
見た目重視、年齢重視、若ければ若いほど良い
美イコール若さ、みたいな考え方の社会はこのようなモンスターを生んでしまうという…
デミ・ムーアまだまだ綺麗です、妙齢の美です。
でも、少しストーリーにいくつか無理があって
例えば番組一つを外され、プロデューサー1人にトイレで陰口たたかれたくらいであんなに落ちますか・・・
あの薬に手を出す前に、まだまだ別の意味の努力できたと思うんですよね
もう少し、例えば視聴者からもクレームあるとか大失敗するとかないと、説得力に欠けます。
新しいスー役は可愛く上手かった(アンディ・マクドウェルの娘と聞いて、お母さんと似てて感激)。
というか、この子とことん過ぎて引くくらい強い・・・
自分の母体を殺しちゃうなんてね・・・描写も超グロいし、メンタルもやばい。
正直、リセットしようとして2度打ちし、モンスターになる展開からは、私はいらなかったです。
あそこまでは、いくらなんでも。
あの容姿で大晦日のステージに立てるわけがない。周りも気づくでしょ!!
体調悪い人は観ない方がいいと思います。
元気な私でも、この映画、少し吐き気がした…
ゴアの様式
「往年の美女が失われた美貌をとりもどすために禁忌を犯して惨劇を招く」系のプロットはもう昔話レベルの定番だから、どう料理したって「今にそぐわない感」はぬぐえないだろう、とあんまり期待はしてなかったけど、そういう映画じゃないと最初のワインで溺れるハエのシーンで気づかされた。1カット1カットの説得力がすごすぎる。プロデューサーの醜悪ぶりはエビをぐちゃぐちゃ頬張るシーンだけで、十分分かるし、どう説明しても納得できそうもないサブスタンスの存在を、USB一本で実在させてしまう。言葉もテーマもいらないのである。
グロくて悲惨な描写の連続だけど、これを元人気女優の惨劇としては捉えたくはない。最後のシーンで監督は案外エリザベスを美しさの殉教者として丁重に扱ったような気はするのだ。グロをきわめて崇高さを醸し出すのはクローネンバーグ流だけど、その辺りのゴアの美学をしっかり受け継いでいるのではないか。強さは有無を言わせず成り立つのに、美しさは異性に評価されなきゃ成り立たないなんて理不尽すぎるよな。
切ないボディホラー
サントラだけを先に購入して、車で爆音で流す日々が続いておりましたが、やっと鑑賞できました。
傑作です。
監督のコラリーファルジャがハリウッドから一歩引いた目線で描くエンタメ業界は、滑稽でありながら洒落にならないぐらいグロテスクです。「わたしかわいそう」みたいなお説教めいた表現がないのも良いです。
ボディホラーとしては、血が見たくてやってきた私のような人間がキャッキャ言うには十分すぎるぐらいで、実際ちょっと胸焼けしました。CGは最小限で、特殊メイクや血のりで生身の表現が追求されています。特に注射針の場面はどうやったんだろうと思っていたのですが、あれは監督が自分の腕に実際に針を刺して撮影したようです。
映像表現も秀逸で、シャイニング、ザ・フライ、遊星からの物体X、キャリーと、様々な映画からモチーフをうまく持って来ているのも、監督の凄いこだわりがあってこそ。均整の取れたワイドショットに、あまり喋らない人物や、凶器のようにコツコツ鳴る足音は、映像も音響も一級です。
そして、ストーリーの展開は、予告編で想像していた以上に凄まじいものでした。
ジャンルはホラーですが、どこかコメディのようなドタバタ感もあります。
まずは、Amazonの宅配ボックスみたいなところに届けられるキットで、お洒落なデザインはかっこいいのですが、「必ず横になってから使用してください」みたいな注意書きぐらいは、あってもいいのではないでしょうか。エリザベスもスーも、顔面から前にぶっ倒れていて、不安になりました。
ハーヴェイがエビを食べまくる場面もどこか可笑しく、頭を取っ払って体だけをかじり取る描写は、まさに女優を見た目だけで機械のように食い尽くすエンタメ業界のようで秀逸なのですが、「さすがに一回黙るか、なんか飲めよ」と思ってしまってからは、笑いが止まらなくなりました。
※ハーヴェイを演じたデニスクエイドは、この場面のためにエビを2キロ食べたらしいです。元々のキャスティングはレイリオッタで、彼が亡くなったためデニスクエイドになったようですが、この場面はレイリオッタだと怖すぎたのではないかと思います。
エリザベスとスーも、お互いのことを他人のように扱い始める辺りから、なんかコメディぽくなってきたように感じました。
エリザベスは「あいつは好き勝手にしてルールを守らない」と愚痴り、スーは「私は働きづめなのに、あいつは食っちゃ寝しやがってよ」とキレる上に、二人ともそれをコールセンターにぶつけます。コールセンターの人は度々「You are one.」と言い聞かせていましたが、我慢強くて偉いです。
この下りを観ていてふと、君ら記憶は引き継いでないの? と不思議になりました。看護師はじっちゃんバージョンでもエリザベスのことを知っていたので、本来記憶は引き継がれるはずです。しばらくこの疑念は続いたのですが、自己嫌悪が加速して二重人格のような状態になっているのかと思い至ったときに、割と背筋が凍りました。人格が真っ二つに分かれているなら、お互いのことは見えなくなります。
ホラーとしてはドタバタ感が強いですが、心理的な部分は結構怖いです。というか、そっちがメインな気がします。
そして、ただ怖いだけではなく、切ない。
スーが看板を飾る中、フレッドの誘いに結局足が向かないエリザベスは、もう見ていられないぐらいでした。メールでフレッドから届く「Are you okay?」は、友達や話し相手がいないエリザベスに対して劇中でかけられた、唯一の心配の言葉です。
終盤、「あーもうめちゃくちゃだよ状態」になってから、イヤリングをつけたり、一束だけ残った髪の毛を巻いたりする様子は、それまでにエリザベスが通ってきた道を見ている以上、あまりにも切ない描写でした。
そして、自分の名前が刻まれたウォークオブフェイムの上で、ずっと値踏みされ続けてきた肉体から解放されたときの、エリザベスの幸せそうな表情。
こうやって並べて書いているだけでも、泣けてきます。
演じたのが、子供のころから色んな映画で観てきたデミムーアだからこそなのかもしれません。なんだか、フレッドの気分です。
※海外のレビュー動画で言及されていましたが、フレッドが電話番号を書いた紙は健康診断の結果で、彼はコレステロール値がめちゃくちゃ高いらしいです。
スーを演じたのはマーガレットクアリーですが、愛嬌とブチ切れのコントラストが素敵すぎて、この方が出る映画は全て観ようと心に誓いました。確か次はコーエンの「Honey, don't!」です。
鑑賞中は、こんなバービー人形みたいな人だっけと思っていたのですが、スーは胸などを盛って完璧な身体を作り上げたらしく、これ自体が人の求める「あり得ない完璧な身体」を皮肉っているようで、コラリーファルジャはハリウッドに中指立ててるなーと、後からしみじみしました。
2時間20分、普段は電気が点かない頭の奥底に、直に電流を流された気分です。
そして、私が男である以上、その理解にも限界がある気がしました。
スーが隠し部屋を作るためにプロ顔負けのDIYスキルを発揮しているのを見て、「スパークル工務店」でセカンドキャリアを築こうぜと思ってしまったので。
やはり男は、どこまでいっても男なのだなと。
美に囚われた女性が辿る凄惨な結末に目を背けたくなる。
これは...とんでもない映画が誕生しましたね。
7日間で入れ替わらないと何かとんでもない事が起こるんだろうなぁと誰しも想像できるのですが、結構親切に、何が失われるのかは教えてくれるんですよね。それをわかったうえで、それでも止まれない。一つだったはずの自分が、憎むべきもう1人の自分となっていく。老いている自分の7日間の空虚さみたいなものを残酷なまでに映してくて精神的に苦しいものがあった。何度メイクをしても、若きもう1人の自分を超えられないと言う現実。嫌ですねぇ。もう終盤早く終わってくれと願うばかりでした。クライマックスでそこまでするかと。とにかく見応え抜群でした。
「いつまでも美しくありたい」という女性の願望を皮肉った作品。 本年度ベスト!
まるで「笑ゥせぇるすまん」を実写化したような雰囲気(笑)
予想以上にホラー要素が強く、良い意味で期待を裏切られた感じ。
デミ・ムーアさん演じるエリザベスが若返ると思っていたら、完全に騙された気分(笑)
若返りへの憧れが、やがて嫉妬心へと変わっていく様が見どころって感じだった。
若返りの薬の説明書があまりにも簡素だったり、医師免許もないエリザベスが手順通りにある事を行えたり、薬の宅配ボックスが少なすぎたりと、鑑賞中はツッコミどころ満載だけど結構楽しめた作品だった。
終盤のクライマックスのステージ上のシーンからは良い意味でB級映画に変貌(笑)
もう笑って観るしか無かった。
だけど外見が変わったエリザベスがイアリングをするシーンは女性が自分を美しく見せたい感じに悲しくも切なくなった。
スー役のマーガレット・クアリーさんの美しさと体を張った演技には脱帽。
そして、デミ・ムーアさんがこの作品に出演を決めたこと自体が素晴らしい。
さすがベテラン女優さんだと感じる。
鑑賞中、あの薬の値段が気になって仕方ありませんでした( ´∀`)
看板に偽りなし
映画のキャッチコピーには大抵不満があるんですが、このサブスタンスの「可愛いが暴走して、阿鼻叫喚」というコピーは正にその通りだったと、大満足のニコニコで劇場をあとに出来ました。
「今の時代に、なんちゅうもんを観せてくれたんや…なんちゅうもんを…」
「こんな面白いボディホラーは観たことがない………いや、そやない。何十年か前に観たことがある。面白い、ほんま面白い…」
と、まるで京極はんのごとき独り言を呟きながら、思い出していたのはクローネンバーグ作品や「悪魔の毒々モンスター」に「アキラ」や「ロボコップ」。
特にクライマックスのひどくてグロくて、でも物悲しい“アレ”は懐かしいB級ホラー映画のテイストで、観ているこちらは終始満面の笑みでしたよ。
この役を引き受けたデミ・ムーアとスーを見事に演じきったマーガレット・クアリーも天晴れ。
「可愛いが暴走して、阿鼻叫喚」が看板に偽りなしで、今年のベストに躍り出ましたわ。大満足!
ありのままの自分を輝かせて
私の世代からすれば、デミ・ムーアは人気女優。80年代~90年代、多くのヒット作や話題作に出演。ゴシップも多く提供。良くも悪くも“スター”であった。
しかし、今の若い世代でデミ・ムーアを知ってる人はどれくらい居るだろう…?
何せ最後に出演した大規模作品は2003年の『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』。その後も映画に出演はしていたが、小規模作品にぽつりぽつり。無論、主演作など無い。
2000年代に入ってからは人気と活動に翳りが見え始め…。近年は目立った出演作も活動もナシ。
過去の人。閉店ガラガラ。あの人は今…?状態。
男優は老いても身体を張ったアクションでまだまだ第一線で現役バリバリも多いが、女優は…。
人気と若さを失った女優に、ハリウッドに居場所は無い。色々変わっていくハリウッドなのに、これ(男尊女卑)だけは変わらない。
そんなデミ・ムーアが、やってやった!
昨年のカンヌ国際映画祭で熱狂された時から見たかった作品。
ひょっとしたら今年のアカデミー賞関連作品で一番気になっていたかもしれない。
デミ・ムーアの奇跡のカムバックが専らの話題だが、彼女が各映画賞で大健闘した事を称賛したい。
人気はあったものの、演技力は対して評価されず、映画賞とは無縁。“ポップコーン女優”と形容され、絡む映画賞と言えばラジー賞くらい。ノミネートは常連、受賞も何度か。
そんな彼女の演技が大絶賛! キャリアベストの賛辞が飛び交い、悲願のアカデミー賞初ノミネート!
残念ながら受賞はならなかったが、何だかとても嬉しかった。
そもそも実力は充分にあったのだ。それを活かせる作品や役に巡り合わなかっただけ。
それ見たか、アカデミー!批評家ども!
彼女が実力を出し切れたのも、今の自分だからこそ出来たこの役。
だって、自身のキャリアを彷彿させ、セルフパロディにしか思えない。
通りに名も刻まれた人気女優、エリザベス・スパークル。…かつての。
若さも美しさもまだ失ってはいないが、衰え、人気も落ち…。
今唯一の仕事は、朝のエクササイズ番組。
まだ充分美しいが、番組プロデューサーはそうは思わない。ババァを降ろせ! 若くてキュートな娘に変えろ!
女性を見た目と若さでしか見ないプロデューサーは、ハーヴェイ。明らかにアイツでしょう。名前からして。当初はレイ・リオッタの予定だったが、死去により、デニス・クエイドが怪演。
周りに言われなくとも痛感する自分の若さや美しさの衰え。加えて、失職。
悪い事は続き、交通事故…。
大事な身体や命に別状は無かったが、診察室で堪らず泣く。
強い女性を体現してきたデミ・ムーアも実際にこんな泣きたくなる事あったんじゃないかなぁ…と、何だか胸が詰まった。
そんな彼女に、若い男性看護師があるものを渡す。それは“サブスタンス”と書かれたUSBメモリー。
自宅マンションに帰って再生すると、何か薬品の紹介…?
再び若さと美しさを得られる。でも忘れちゃいけないのは、“あなた自身”。
何をどう見たって怪しい…。メモリーをゴミ箱に捨てる。
が、どうしても好奇心と謳い文句に逆らえず、記された番号に電話を…。
謎めいた声から指示を受ける。あるものが届けられ、指定された受取場所へ。これまた怪しそうな廃墟、ロッカー。
入っていたのは箱。その中には、奇妙な器具の数々…。
何をどう見たって完全に怪しい。間違いなく、何かの違法物。
が、やっぱりどうしても好奇心と突き動かす何かに逆らえず、使用。
薬品を投与。途端に、激しい目眩からの意識不明。身体に激痛。
背中が裂け、自分の中から“もう一人”の自分が現れた…!
あくまで何かの形容かと思ったら、文字通りの描写。
ギャー! エイリアン!?
ではなく、もう一人の自分。エリザベスが“母体”なら、こちらは“分身”。
しかし“分身”は、若く美しい。
確かにあの紹介メモリーが言うように、若くて美しい自分を手に入れた。…トンデモねぇー方法で。
にしてもこのトンデモねぇー設定を思い付いたコラリー・ファルジャ監督。イカれてるくらいの“狂才”。
女性監督なのに(そもそもこの言い方も差別的なのかな…?)、長編デビュー作はバイオレンス。本作でも強烈なグロゴア描写。この“誕生シーン”なんてまだまだ序の口。それはさらに恐れを知らぬほど過激になっていく。
ホント、久々にトンデモねぇー映画を見た。いつもなら映画を観た後何かランチでも食べようと思うのに、あまりの衝撃とおぞましさにちょっと遠慮したほど。
それでいて、男尊女卑の業界や女性へのルッキズムなどしっかりと。強烈なブラック・コメディとして。
刺激的な編集やカメラワーク、脳天にガツンと来る音響や音楽。
好き嫌いはっきり分かれる。劇薬レベルの作品に衝撃を受けるか、一切何もかも受け付けないか。この作品を見て“普通”と感じるのならば、マジで精神病院に行く事を勧める。
監督の狂才に、世の男性映画クリエイターたちは恐れろ。
それらビジュアル面だけじゃなく、二人の女優から熱演/怪演を引き出した手腕。
それに応えた二人の女優。
何度言ったっていい。デミ・ムーアが凄い…! いや、よくこの役を引き受けたと言うべきか。
だって一歩間違えてたら晒し者になっていたかもしれないし、ヤバい意味で後世に語られていたかもしれない。
しかし女優デミ・ムーアは、今の自分に出来る全てを、この役にぶつけた。さらけ出した。衰えも、哀れも、醜さも。
コラリー・ファルジャは今の彼女から、凄さ、美しさ、何処か可愛らしさも引き出す事に成功している。昔から変わらぬ長い黒髪姿、ホント今でも充分美しいよ。
そんな彼女が…。あんな姿やあんな事に…! 中盤のおとぎ話もびっくりの老婆姿は元より、終盤は私の常識の範囲を越えた。
デ、デミ・ムーアが…! 仮にもあなた、かつての人気美人女優ですよ!
ホントよくぞ引き受けた。演じるとかではなく、それを凌駕した。恐れ入った。
まあ役のブッ飛びさが勝敗の原因になったのかもしれないが、これでオスカー逃したの…!? 『ANORA/アノーラ』のマイキー・マディソンのアグレッシブな快演も良かったが、私だったら何の迷いも無くデミ・ムーアに一票!
にしても、ブレンダン・フレイザーやキー・ホイ・クァンはカムバック受賞を果たしたのに、何故デミ・ムーアは…。何だか以前のエディ・マーフィやシルヴェスター・スタローンの時と同じようなものを感じる。
双方に違いは…? あるのだ。これまたアカデミー賞の変わらぬ“偏見”。
マーガレット・クアリーが助演女優賞ノミネート落選した事も信じられない。
出番が少なかった『教皇選挙』のイザベラ・ロッセリーニより相応しかったのでは…?
彼女もまた、今の自分に出来るもの全てを。
若さ、美しさ、セクシーさ、キュートさ。
あの勝ち気で挑発的な美貌、艶かしいくびれやヒップを見よ。
私を見て!…と言わんばかりに。
体当たりの熱演。彼女も終盤、おぞましく“変貌”。
彼女もホントよくやったよ。
誰かに似てる…と思ったら、アンディ・マクダウェルの娘だったのか…!
マーガレット演じるもう一人の自分、スー。
若さ、美しさ、キュートさ、セクシーさと、母体エリザベスの業界の酸いも甘いも知り尽くした経験を武器に、瞬く間にスターに。
エリザベスを蹴落とし、朝の新しいエクササイズ番組を務め、視聴者や関係者を虜にする。
最初は上手くやっていた。
が、“サブスタンス”には厳守ルールが。
一週間交替。エリザベスとスー、一週間でその都度入れ替わらなくてはならない。
スーで動いている時、母体エリザベスは…? 避けた背中を縫合し、脱け殻状態。
一週間でまたこの身体に戻らなければならないから、一週間分の栄養剤を投与しておかないといけない。
分身の若さを保つ為に、母体から成分を抽出しなければならない。
色々面倒臭いが、これらは絶対厳守。例外は無い。
映画をたくさん見てると分かる。こういうルールって、破られる為にある。押すなよ!…と同じ。
映画的には破られてこそなんぼの展開だが、もし破られたら…。今以上の最悪の事態に…。
一時の性欲に負けて、スーは“一週間ルール”を破ってしまう。
エリザベスから“8日目”の成分を摘出。一時のその場をしのぐ。
が、エリザベスに戻ったら…。“8日目”の副作用か、指が老化。
それまでお互い“共有”してやっていたのだが…。次第にその拮抗が…。
スーは成分を取りさえすればと、ルールを破り始める。
エリザベスは引きこもるようになり、暴飲暴食。
お互いに対して、苛立ちや不満を抱くようになる。
順風満帆なスー。スーとして輝ければ輝くほど、エリザベスは…。
それでもある時声を掛けられた知人男性とディナーの約束を。精一杯おめかし。
行こうとした寸前、大看板などのスーの姿が目に入る。
圧倒的な若さ、美しさのスー。
それに対し、自分(エリザベス)は…。
化粧し直す。何度も何度も。隠し切れぬ衰え。
すっかり自信を無くし、怖くなり、ディナーをドタキャン。真っ暗な自室に籠るエリザベスが物悲しい…。
次々仕事が舞い込むスー。遂には、大晦日の生放送特番のMCに抜擢。
スーとして保つ為に、エリザベスから成分を必要以上に摘出。
エリザベスの老化は止まらない。白髪となり、片足が腐敗。
大事な生放送特番前日。成分を摘出しようとしたら、摘出出来ず。エリザベスの身体が枯渇。
結果、エリザベスは…。頭は禿げ、皮膚はしわしわ腐り、猫背姿の醜悪な老婆に…。
エリザベスは全てを止めようとする。怪しい製造元に電話。
このその都度その都度の電話対応の声も無感情でゾッとする。
送られてきた薬品をスーに…。
が、投与した所で後悔。あなたが必要。
蘇生処置を行い、スーは息を吹き返す。
これまで入れ替わりだった二人が初対面。最悪の場で。
エリザベスが自分にした事が分かり、スーは激昂。
エリザベスとスーの取っ組み合い。二人の女性の争いに見えるが、自分自身の殺し合い。何と、醜く…。
スーはエリザベスの顔をガラスに何度も何度も叩き付け、蹴り上げ蹴り上げ、殺してしまう…。
急いで生放送特番スタジオへ。ギリギリでメイクも衣装も済ませるが、スーの身体に異変が…。母体であるエリザベスを殺した事により、分身のスーの身体も壊れ始める。歯が抜け、爪が剥がれ…。
切羽詰まったスーは生放送直前に抜け出し、自宅マンションへ。藁にも縋る思いで“一回のみ使用”の薬品に手を出す。
再び目眩からの意識不明。激痛。スーの背中が裂け、現れたのは…!
ここからはご自身の目で見て衝撃を受けて下さい。
若さと美しさに執着する女二人のスリラーから悪夢的ホラーへ。そしてクライマックスは、戦慄のモンスター/フリークス・ムービーへ…。
ジョン・カーペンターかデヴィッド・クローネンバーグか、奇っ怪な世界に迷い込んだような…。
あんな姿になっても、ライトの下へ。
どうなるか分かっているのに、それでも何かを求め、欲したいのか…?
突如現れた“化け物”にスタジオは悲鳴。
阿鼻叫喚と『キャリー』匹敵の血のショー!
おぞましいのはその姿もさることながら、エリザベスの顔が浮き出ている所。
スタジオを出、街をさ迷うが、肉体に限界が来て、崩壊。
肉塊の中からエリザベスの顔だけが蠢き出し、ある場所へ。
天にはスター。その場所にもスター。私はスターよ。
そんな幻想的幸せに溺れたまま、エリザベスは…。
若さや美しさを追い求める事は悪い事ではない。
特に女性にとっては永遠のもの。
が、執着し過ぎるのは…。
自分の暗部や醜さが露見。身の破滅。
また、女性に若さや美しさを求める世間も然り。
“サブスタンス”は薬物にも置き換えられるし、世のあらゆる物事への強烈過ぎるメッセージ。
今年一番の衝撃作はまず間違いない。このインパクトを超える作品はなかなか現れないだろう。暫くは…いや今後も忘れ得ない。
しかし、冷静になって気付いた。こんなブッ飛んだ作品でありながら、根底にあるものは普遍的なもの。
ベタ過ぎる言い方かもしれないが、ありのままの自分を輝かせて。
やり切る面白さ、映画館では笑いが。
肉フェチ映画のフルコース
面白かった。長〜いエンドロールが終わって明るくなると、各所でケラケラ笑うカップルたち、という感じ。その多くはここまでやってるとは思わなかった、という感じか。僕もまったく同じでここまでやってるとは、だった。言ってみればピータージャクソンの「ブレインデッド」というか、遅れてきたジャンル映画好きが細部にあれやこれや好きなものをぶち込んで、作り手がめっちゃ楽しんでる感じ。映画祭では盛り上がっただろうな。ザ・フライ、遊星からの物体X、ソサエティ、ZOMBIO、諸星大二郎に大友克洋まで80年代変態SFホラーにアート味を加えて撒き散らす感じ。
加えてなんと言ってもデミ・ムーア。よく出たな。青春のアイコン、トム・クルーズも身体張って頑張ってるが身体の張り具合はこちらも、というかこちらの方が凄まじい。比較対象のマーガレット・クアリも含めてもう完全なる肉映画。もっと言うと尻映画。ここまで尻が映される映画はそうはない。顔ではなく、美も若さも尻なんだというのを監督がよくわかってる肉フェチ映画。一年前の『チタン』とはまた違うフェチ。しかし世界的にクロネンバーグの与えた影響は大きかったことを痛感する。ボロボロの肉から果物のように弾ける肉まで、そして肉を割き、肉を縫い、肉を破裂させるフルコース。
お話は誰もが思う「世にも奇妙な物語」「笑うせえるすまん」的と言うのはやはり「サブスタンス」が説明ないから丸ごと悪夢玉を飲み込んで観た悪夢でしかないのでドラマはかなり薄い。そのためMV映画にしかみえない残念さはある。実際残念だな、と思ってるところではじまるクライマックスの年末番組前夜からのしつこさが圧巻。ぶっちゃけあそこまでいる必要はどこにもない。ないけどステージにあの格好で登らせて、血飛沫を浴びせ、逃げ出させてあそこで終える(オチがきっちり決まるので笑ゥせぇるすまん風)のでやはりなぜか拍手したくなってしまう、そんな映画
I'm pumped up!劇場では理想の位置に収まってね!
大筋はヘルダースケルターだったが、A24超えトンデモムービーだった。自分の身体から出てくるのは、スピーシーズっぽいけど、背中からコンニチハは斬新!しかもセルフ裁縫!
ホラーというより、途中からブラックコメディっぽい。あそこまでいくと笑ってしまった。ラストモンスターがイヤリングつけるあたりでホロっとさせたり、前半のセリフが後半に伏線回収するのが良かった。
客層は、年齢層かなり高め!オッサンだらけ。と思ったら、ケツと毛のオンパレードだからなのね。
劇場内は、年齢層高めチーム→面白い。若めチーム→普通に具合悪くなる、引いてる感じでした。
劇場で前の方に座ったので、クラクラしてきたので、劇場では理想の位置に収まってください。祖母の愛用してるシンディクロフォードエクササイズを思い出した〜。監督の映画リベンジの悪者が両手でパタパタするシーンがあったり、隠れオマージュポイントも良き。しかし、ディズニーの映画館で見るもんじゃなかった〜。あ、エンドロール後無いですよー。セリフに英語のスラングが入っていて全てを理解できないのがつらかった!これ、外国人の意識高い系は、笑わない映画らしい。私は笑っちゃったけど。
あ ぜ ん .... あ ぜ ん ‼️‼️‼️
ただただあぜん、昨日見たのにこの投稿しなかった、いや、出来なかったのは、ただただ唖然として、今日も一日、数々の場面が頭をよぎっていたから。こんな映画が見たことなかったし、あとあと色々考えさせられる。忘れたいが、脳裏に焼きつけられた、この衝撃。Have you ever dreamt of a better version of yourself ?
カタルシスは全くないが名作
エンタメ要素やカタルシス、感動といったものは期待してはいけない映画ですね。
敢えて登場人物やストーリーを極端にデフォルメして描くことで、ルッキズムの怖さ、言葉による呪いの怖さを極限まで高めた映画だと思います。また、デフォルメにはフィクションであることを強調する意図もあるように思います。現実にはこんなアホばっかりじゃないよね、フレッドみたいなまともな人もいるからね、ということですね。誰でもそう感じられるようにしとこう、と。
解釈や説明のようなものはほとんどないので、読み取るスキルは必要になると思います。
そういったスキルがないと「こいつら全員アホすぎる」で、終わってしまうと思います。ただのB級ホラーになってしまう。なんでアホなんかな、どういう狙いがあるんかな、と行間をホジホジするとようやくホラー以外の面白いところが出てくる。魚のアラでも食べてるかのような感覚。
自分も、言葉による呪いをかけないよう気をつけないと。
自分が、呪いにかからないよう強くならないと。
と、思えたのが収穫でした。
プチネタバレになりますが、本作にはちょいちょい「夢オチ」が使われています。エリザベスの思い込みから、より過酷な現実を妄想してしまうんですね。なので、ラストも夢オチだったらいいな、と思いました。伏線らしきものはチラホラあったようにも思うので。
万人にはお勧めできない。全く。
でも、映画が好きな人には見て欲しい。
しんどいけど、得るものはそれなりにあるはず。
美意識の果てがこれか、とは思えなくて
デミー・ムーア様の演技が圧巻❗️
予告編のイメージとは違った。ここまでホラーとは思わなかった。それにしてもデミー・ムーアの演技は素晴らしかった。圧巻❗️
オープニングとラストは今のエンタメ社会、男社会、株主を皮肉る内容は評価したい。
ただ、ホラーにしなくてもこの作品は成立出来たはず。敢えてホラーにしたのは監督の強いメッセージなのかもしれない。デミー・ムーア様には脱帽。0.5おまけ。
面白くない(笑)
全543件中、161~180件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。