サブスタンスのレビュー・感想・評価
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キャッチコピーに偽りなしの阿鼻叫喚
劇場鑑賞
サブスタンス
巷の噂では、かなりグロい、ホラーという話。確かに大量の血がスプラッシュし、変身していくたびに目を覆いたくなる醜くさになるデミー・ムーア、一般向きとは言い難いところもあります。女性監督コラリー・ファルジャ、ホラー監督本領発揮ですが、女性をスタイル、容姿で見るな!商品として扱うな!女性たちよ、今の社会に堂々と立ち向かえと魂の声が熱いですね。嬉しいのは、「2001年」「サイコ」「エイリアン」「キャリー」などオマージュたっぷり、この監督とは気が合いそう、別の作品も探します。デミー・ムーア、よくこの役を受けましたね。マーガレット・クアリー、美しすぎます。あっ、監督の思う壺でした。
恐怖!腐乱少女
特殊メイクにも 程がある。ラストやり過ぎ。(笑)
キューブリックの申し子のような映像!
いやはや凄い!
想像の上の上を行く展開。かなりのスプラッター、かなりグロ!
だけど、緻密に計算されている。キューブリックの申し子のような映像。端的で完璧な映像作り。素晴らしい才能。
監督・脚本は映画二作目のコラリー・ファルジャ。
ストーリーは、いわゆるルッキズム、エイジズムをカリカチュアしたブラックユーモアのホラー映画。
女性監督ならではの細部まで作り込まれている。
それに男性監督脚本なら、ここまでの振れ幅で容赦なく描くかな、と思った。
デミ・ムーアの痛いほどの老化を容赦なく映し出し(垂れた胸やお尻や、皺だらけの顔)、その対極のマーガレット・クアリーのピチピチした身体を細部まで魅力的に映し出す。残酷〜!
その上、美の絶頂を極めたようなマーガレット・クアリーにもしっかり「どん底」を用意している。精神的には強烈なホラーだね。表面的なホラーよりも怖い!
ハチャメチャなのにキューブリックばりにスタイリッシュで隙がない映像で、ラストも美しい(かな?私には美しかった)。
意外と汚いものを見たような鑑賞後感はなく、凄いのを見た!という印象だけだった。ただ、やり切った感があり、鑑賞後はそれほど尾を引かない。
で、また見たい‥。というか、彼女の新作が見たい!
●「エリザベスさん、あなた約束を破りましたね?」
若いときチヤホヤされてない50歳には他人ゴト笑
無駄のないエンタメ
The Substance
観てきました。確かに私たちは、若さとか美しさとか、生と死、さらにはハリウッドや芸能界の人間の消費の激しさだとかを考えます。強いこだわりを見せて強く憧れを抱く人たちも知っています。若いときの価値観が、時を経て大した価値がなかったことに気づくことも珍しくはありません。
それでも、こんな映像にしなければ訴求できなかったことなのでしょうか?むしろ静かに考えたり科学的医学的にクールに思考を巡らせたほうが、異なる価値観に気づくことになるのではないか、と思いました。
有名な人の推薦だったので鑑賞しましたが、後半三分の一は、飽きれたり笑ったりしてしまいました。いかにもハリウッド的アメリカ的な映像と脚本であり、そこからは一歩も抜け出せていない映画だったように思いました。
美魔女
エリザベスは綺麗でボディや姿勢、輝く笑顔でエアロビクスをする様はとても素敵で決して醜いものではない。その身につけたものはスターとして、スターであるが為の彼女の努力の証。
それを踏みつけるのはプロデューサー。
この男のトイレやエビのシーンなどかなり醜い世の中によくいる「若くて綺麗な娘」しか認めない下心ではなくむしろオープンクソ野郎すぎて、嫌悪感を煽る煽る。アップになる画面も音もヤダヤダ。
そんなこんなで50才の誕生日すっかり仕事も干され、えぇー!ってなったらガシャーン!と交通事故。
とんだ50代の始まりだよ。
薬に出会う為の病院設定はいいけどあんな衝撃シーン使う?って位で序盤からしっかりハイカロリー。
巨大看板からエリザベスの看板は撤去され、本当に彼女の時代は終わったのか?しかし若い男から手渡されたUSB。若さと美しさ、完璧な自分。
番号をたよりに到着した薄暗い通路から入ると真っ白な部屋。ドキッとした。
そして、説明書を読み白いバスルームで…注射を…
ここからがもうしんどいというか、速く激しく光る画面、激しくうめき、苦しみ、身をよじり、見開く瞳。この光景をしっかりじっくりと見せつけてくるので、そこで私はエリザベスになっていた…苦しい苦しい…背中がゆっくりと裂けていく、苦しい…エリザベスの痛みを完全に擬似体験していく私は今度はスーになっていた。ボコボコと水の中にいる様な音、羊水から産まれでたボディ。
交替するのは1週間
美しく若いスーの姿でエリザベスの後釜をしっかりキャッチ。その辺りはまだスーも1週間を守る。交替したエリザベスも1週間をきっちりチェック。
そこはまだまだ2人は1つ!と思っていた。
若さと美貌を褒め称えられ認められたスーはだんだんとエリザベスを老いたおばさん扱いする。エリザベスの荷物をまとめ、隠し扉をDIYしてエリザベスを突っ込み男を連れ込む。そりゃ20代と50代なら洋服もセンスもまるで違うよ。スーの服はポップなカラー。
ショッキングピンクのレオタードを身に着けてエアロビクスを踊る彼女をカメラは胸、腰、お尻と舐める様に追う。健康的な朝のエアロビクスがまるで夜のエッチな番組に早変わり。
エリザベスが飾っていた巨大看板もセクシーなスーの看板に。揺れるヤシの木。
誰かに認められたい、見つめて欲しい。人間誰でも思う欲求である。特に彼女はトップスターで常に賞賛され続けていたのだ。1番でなくてはならない。歯牙にもかけてなかった元同級生、世界一可愛かったと言ってくれた彼。彼なら褒めてくれるのでは?自分の美を、存在を。めかしこみ鏡を見る。出るとスーの大きな看板。胸元が、頬が、肌が、全てが違い過ぎる絶望を看板1つでエリザベスの心を砕いていく。
だんだんと狂気に堕ちるエリザベス。ストレスから過食し、フランス料理をテレビの中のスーを観ながら作る様はまさに狂人。半身がミイラ化。
スーはそんなエリザベスから脱却しようと安定液を搾り取る。
この映画は本当に男がクズ。
代表格のプロデューサー、隣人、スーの恋人はバイクで嫌がらせ。寄ってきた元同級生も泥水に浸かったメモをよこす。ルッキズム野郎共で吐きそう。
スーの晴れの舞台の日、遂に安定液がなくなり慌ててもエリザベスは空っぽ。安定液を作るには入れ替わる必要がある。変わった途端、エリザベスは老女の様な化け物の姿になる。もう終わりにしようと例の場所で薬をゲット。この辺のエリザベスの行動は超速くて面白い。
注射を打ち込みゆっくりと入る終わりの液体。
その瞬間、エリザベスはスーを目覚めさせる。
「あなたは私なの!」
えぇーーーー。さんざん歪みあってたじゃん!もう他人じゃん!こだわる理由がわからない。しかし、自分の中から産まれた美貌。老いてしまった自分よりスターである分身…
目覚めたスーにボコられて殺害されてしまう。鏡に顔を打ち付け老いた顔と美女の顔が交互に映る。怪力スー
衣装を纏い本番に近づくスーに異変が起きる。そら、本体殺したしね。歯が抜け耳が取れ。家にあったもう1本!打ち込んだ途端ブクブクと膨れ上がり、あらゆる器官があらゆる場所に。
胸と鼻が…
モンステロエリザベスーがリ・ボーン!
え?まだ続くの?!
エリザベスの切り抜きを顔に貼り、青いドレスで舞台に立つ。肝心の本人の顔は見えない所にあるんだな。スーが得た大舞台=私の舞台。私が得た大舞台。さあ賞賛を!
今までよく気づかなかったな…ってタイミングでバケモノー!するとエリザベスーから血がブッシャーーー!!
こ、これは…いやもういい、血液はお腹いっぱいだよ〜ってなってもまだまだ吹き出す!最高にハイってやつだー!
もう笑うしかないほど出てくる。
そしてエリザベスーは道路を這い己の名前のウォークオブフェームの上で賞賛の中、微笑みながら。
美と賞賛に固執した哀れな女は清掃マシンでその名を終える。
全体的に観ていてしんどい。
音もエクササイズのドンって重低音が要所で鳴るし、カメラもアングルも面白くあちこちをアップで撮るので楽しいけどドキッとする。カメラのフラッシュなどもあるのでしっかり観ないとふり飛ばされてしまう。
お腹の下辺りがずっしりと重くなり息を詰めて画面を見つめながら、老いってなんだろうと考えた。
追記:サブスタンスからの指示カードなどのフォントがシンプルで無機質な所が生々しい内容と反比していて恐怖を煽る…細かい所までしっかり不気味。
白く閉鎖的な空間ってのも湿度高い。
これはR15じゃダメだよ〜
なんかこっちが搾り取られた。脊髄から。
なかなか圧巻な作品でした。
リベンジの監督とデミームアーとマーガレットクアリの新旧の美の共演。そしてラスト エイリアン、遊星から来た物体を思い出した。賛美あるけど僕は好きな作風だ。
マーガレットクアリは、美人だ。ワンスアボンナタイムに出てましたね。
気持ち悪っ…(褒め言葉)
デタラメさと説得力とルッキズム
ていねいな心理描写によるリアルでシリアスなストーリーにもできたと思うけど、デタラメにデフォルメしまくってエンターテイメントに徹したところはある意味潔いなと思う。
もうひとひねりあるかと思ったけれど、結果ものすごい直球勝負。ほんとにだいぶデタラメではあったが、妙な説得力はあった。
DIYのスキルとんでもねえな!とか、その状態でめちゃくちゃ動くじゃん!とか、つっこみどころもたくさんあるし、あきらかにビジュアルを消費されるだけの役どころに抜擢された役者さんに思うところはないのだろうか、と思ったりもするのだけれど。
ルッキズムに疑問がもたれるようになってずいぶん経つが、人類は(私も)ぜんぜんルッキズムから自由になれていない気がするし、自由になれる日がくる気がしない。
しかし痛いシーン多くて、もうちょっと後ろの席でみればよかった・・・とちょっと思いました(3列目でみてしまった)。
令和版トワイライトゾーン、もしくはドラえもんの大人の秘密道具
まさに佳作(怪作⁉️)。デミ・ムーアやマーガレット・ケアリの体を張った熱演もさることながら、演出が上手。ひとつがハリウッド・ウォーク・フェームを使ってのエリザベスの紹介。賛美で始まって、次は「誰この人」、最後はおっさんがコーラやハンバーガーをぶちまける。
監督が意図したものかわからないが、エリザベスの“ジュラシック・フィットネス”も。あれはデミが『ゴースト/ニューヨークの幻』などでブレイクしていた頃のものだよ。確かに成功したが、全然進歩してない。新しい自分スーを手に入れても、する事は同じテレビ局での同じフィットネス番組。エロ度は増したが、内容はジュラシックと変わらない。恐竜は絶滅したが、人類はまだまだ誕生する以前のもの。
エリザベス、君は何を求めているの?美しさ?若さ?それもあるが、人々からの称賛ではないか。だから、自分を今も憧れの目で見ているハゲメガネの冴えない同窓生に会おうとしたんだろう。(このおっさんも自分の電話番号を書いたメモをどぶに落として、書き直しもせずそのまま渡すような男だが)。でも、結局は会わなかった。自分から電話したのに。昔から、こうしたことを何度も繰り返してきたんだろうなあ、この人は。街を一望出来るタワマンに住みながら、仕事以外で彼女がすることは一人で掃除するか、フランス料理を作ってムチャ喰いするだけ。そばに誰もいない。スーになっても、そこにDIYが加わるだけ。のび太が秘密道具を使っても失敗するように、エリザベスも結局失敗する。エリザベス、ギャッビーを読んだことはないの?「過去は繰り返せない」だよ。それと、ドラえもんの『かげがり』もね。分身は必ず本体に入れ替わろうとするよ。
後世に残る傑作ボディーホラー
昨年のアメリカ公開時に劇場鑑賞しました。まぁ驚きの作品で、最終的に私の年間ランキング2位に入りました(トップはインドの復讐殺戮映画『KILL』)。
アカデミーなど一連の賞レース、興行成績、いつの間にかデミ・ムーアの人生ストーリーにすり替えられているマーケティングなどにカモフラージュされていますが、The Fly、Dead Ringers、Titane、鉄男などと並ぶボディホラーの傑作として後世に残る作品だと思います。
まずはホラー作品として優れている上に、デミ・ムーア起用による自虐ブラックコメディー要素、絶妙なエログロ感、独自の世界感といったカルト要素が満載なのに妙に洗練されている、こんな作品はなかなか出会えないということで★★★★★の満点です。
覚悟して観た方が良い
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