サブスタンスのレビュー・感想・評価
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最悪(褒め言葉)な話を最高の演出で
スプラッターなのにスタイリッシュ、という点では「サスペリア」直系ホラー。例の正気を疑うほど真っ赤な長廊下とか、まんまではある。デミ・ムーアが文字通り身体を張り過ぎた熱演なのだが、それが却って(正しい意味での)役不足になっている感もあり。終盤の分身との対決シーンなど、老婆の特殊メイクをデミ・ムーアの女優力が貫通していて、「すべてを若い分身に奪われた哀れな存在」にはちょっと見えない。あやうく素手ゴロで勝ってしまうないかと思うようなパワフルさと貫禄である。最後のハチャメチャ血みどろな怪物オンステージは概ね期待どおりだったのだが、カタルシスの面ではもう一段ハメを外しても良かったと思う。クソみたいなプロデューサーもスポンサーも皆殺しにして、今までの脆弱な美の基準と決別、最強こそがもっとも美しい!と覚醒して摩天楼を疾駆するモンストロ・エリザの雄姿が見たかった…。真面目な話、美を消費してる側にその牙が届かないならテーマ的に片手落ちではないか。
前半4.0後半3.0
「やっぱ年相応がいいんだよ」って
終演後、外にでたときに前で話してた60代くらいの女性客2人の会話に、深く頷いてしまった。
元が美しかった、その美しさを自分の存在価値だと思っているから、それが失われた時に絶望するのかな、と。
(胸や尻が垂れたり、背中の老いや腹の表現がすごく…つら…)
そういやヌード多かったけど、まったくエロティシズムを感じなかった。
前半は、母体と複製の両方を行ったり来たり、同じ人物のはずなのに相手を疎ましく感じるように…ってというところまでは老いることがテーマの近未来SF的な?と思って観ていたんだけど、後半の2人(1人?)が決裂したあとからがもう血みどろ&ぐろぐろモンスター化でえっえっなにこれ?え?状態になりました。血出しすぎじゃん…?薬品で分裂しまくってるから減らないのか?
後半はむしろ吹っ切れすぎてて笑えてしまった。
笑えると言えば、老化し始めたばかりのころにひざ痛に苦しんでたリズが、ボロボロ婆さんになった後の動き素早すぎないかw
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームっていうんですね、あの星型の。
冒頭の、星型の上でくるくる回るのとか、最後のほうで伏線になっててよかった。(っていうかつらいけど。)
最後、車とかでグシャってされるのかとハラハラしてた…。
美の代償。
番組撮影終わりに女子トイレ故障で入った男子トイレ、そこへ後から入ってきた番組プロデューサーの電話のやり取りを聞き番組降板の危機を感じる50歳の誕生日当日の元人気女優エリザベスの話。
降板危機を感じながらのドライブ中の事故、搬送先の若手医師から…、自宅に戻りUSBメモリを開き知る“サブスタンス(活性剤)”を使用してみることになるが…。
人気落ち仕事減るで頼ってしまう違法薬品サブスタンス、…を使用し背中から分身スーを産み出し。分身を産み出し終わりでなく互いのメンテと決まった期間で入れ替わりと設定が面白い、用法用量を守りあくまでも2人で1人と決まりがある中で見せていくわけだけど。
自我が芽生え始めるスーの期間オーバーの代償で、エリザベスの劣化してく肌、狂い始めた2人の関係性にイヤな気持ち悪さを感じながらも巡ってきた司会、えっ?その姿で会場行く?が、怖さからちょっと笑いへ変わってしまって、「失望させませんから」と言うプロデューサー的な彼からのフリ、…挙句の腕から吹き出る血で血祭り騒ぎには何か笑っちゃった。
ラストの頭部が自分の名が刻まれるフロアに戻ってく姿は何か上手いなって思った。
デミ・ムーアのキャリアに必要なのコレ?
エクストリーム‼️ に大失敗かなと思った。途中まで良かっただけにね。適役と言えば適役だったけど何でオファー受けたんかなデミ・ムーア。2025マイワーストになる予感しかしない。
【追記】※長文酷評です
観たい人はだいたい観終えた頃合いか感想が出揃ったようなので個人的に総括。とにかく感覚がありきたりで古い。女性監督自身が明言してるテーマ、女性が若さや美しさを失うことで社会で透明になっていく辛苦、今更?またショービズ界で若い白人女性に多大なアドバンテージを肯定する文脈もあえてだとしてもコンテンポラリーではない。設定の説明が済んだ時点でテーマも結末もおおよそ予想出来てしまう安い脚本、使用上の諸々のタブーは判りやす過ぎて完全に熱湯風呂の絶対に押すなよ!だw 映画好きにアピールするオマージュもキューブリックに一蹴されそう。ツァラトゥストラの使い方なんて最低、滑稽ですらない。ボディホラーはジョン・カーペンターやクローネンバーグ(オマージュ多数)を知らない世代には新鮮なのか?物体Xもヴィデオドロームもザ・フライも40年程前なのに演出面でほぼ進化が見られないばかりか衝撃は見劣りしている。VFXの問題では無い。そもそもボディホラーは人体の怪物的変化のビジュアルショック自体が本懐だ。ジェンダーというテーマを表現するための過剰演出に用いたのだとしたらオールドファンに言わせれば主従が逆だ。ホラー大作は本職にしか出来やしない。そして何よりなんの余韻もない作品だった。エンドロールでやっと終わったかと。主演2人は途中まで良かった。DIYとぶっ飛ばしキックと死体蹴りは印象に残ってる😆 公開前にGEEKS RULEのTシャツ販売が告知されてて買おうかなと思ってたけど映画観てやめた。絶対着ないから。
愛されたい
昨年のカンヌ、米国アカデミー賞でも話題になった本作がいよいよ日本公開。
上映時間長いな〜とは思ってたものの、こんなにドギツくシツコくやってるとは思わなかった。途中からかなり笑ってたんだけど、ラスト30分くらいは「まだやるのか!」と笑いが止まらなかった…ww
冒頭から演出はかなり濃いめ濃いめなんだけど、それだけじゃなくデミ・ムーアの熱演とマーガレット・クアリーの完璧な美しさに息を呑む。それはもうやむを得ないンだけども、それじゃ駄目なのよ。ルッキズム、エイジズムへの渇望とその行き着く先、そしてそれのみで女性をジャッジする男性のギルティを裁く映画なんだから。
そしてその底流にあるのは、「愛されたい」という本能的な想い。誰もが誰かに「愛されたい」と思っている、がそれを得るためには相手の欲望に応えざるを得ない、という矛盾。ありのままで愛されたい、というのは身勝手なのか…?そういう問いだと思う。
サブスタンスのもたらす効果も奇想天外なものだったけど、ラストもヤバい。クローネンバーグ、リンチ、毒毒モンスター、キャリーから物体Xまで(最後はT2だよね…)、オマージュしまくってるのでは…?
ここまでやったんだからデミ・ムーアにアカデミー主演女優賞あげたかったけど、じゃあ「毒毒モンスター」に賞あげたか?って問題かも…
観る前に知っておいてほしいのは、これは誰がなんと言おうと、B級映画であり、ホラー・スプラッターです。気をつけて…
すっかりババァになったデミ・ムーアさんの熱演にして怪演。ルッキズムを笑い飛ばすボディホラー!オマージュてんこ盛りの闇鍋的佳作!
いやまぁデミ・ムーアもすっかりいい歳になりました。そんな彼女が選んだのがまさかのボディホラー。ボディホラーとは、身体の変形、損傷、奇形などを通して身体に対する恐怖や不安、アイデンティティの喪失などを描くホラー映画のサブジャンルの事(AIに聞いたw)
しかしこれがまぁホントよく出来きてる映画でした。
80年代を象徴するようなTVシーン・エロテックホラーの体裁をベースに、クローネンバーグやジョン・カーペンター、キューブリックの珠玉作品へのオマージュがオンパレードだもの。ラスト、公録スタジオ血糊の阿鼻叫喚なんかはこれ「キャリー」のオマージュかな?w 詳しくは実際に観て感じて欲しいぞ。
そしてデミ・ムーアがこの怪作への出演に踏み切ったのも、ルッキズムに対する問題提起を感じたからだろうか?? ババァになった裸体を惜しげも無く晒し体当たりの演技はとても好感が持てた。スーを演じるマーガレット・クアリーのナイスバディと美人っぷりも楽しめるが、エリザベスを蹴り殺す鬼女っぷりにも感心しきりだ。とにかくB級映画の体裁はあるものの、とんでもない佳作に仕上がっている。
…まぁ前の席にいたなんの予備知識もない風の初老夫婦は困惑の表情で席を立っていたけどw とにかくホラーが好きな映画ファンなら必ずハマるお勧め映画でございます。
彼女が選択した夢の断末魔は怪物だった。
サブスタンスThe Substance
若く美しく皆んなから愛され有名で快活で自在を謳歌する代償は、祖母のように枯れて朽ちて行く。
そんな断りに抗うと、自然の摂理に反した贖罪としてピカソのハンカチを持つ女の如く、ゾンビンのごとく最後には、カラヴァッジョのメドゥーサの頭と化す。
スーはエリザベスそのものであり、残りの半生の期待であり夢なのだ。
そんな執着の権化は正に怪物で妖怪でしかない。よくぞ此処まで書き殴れたものだ。それは女性監督だからだろうか。
凄い才能だと思う、これからもますます尖ってほしいものだ。
余りにも多くの比喩示唆が含まれていて、一夜では消化できなかった。
(^_^)
サブスタンスThe Substance
バイオレンス映画「REVENGE リベンジ」などを手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、「ゴースト ニューヨークの幻」などで1990年代にスター女優として活躍したデミ・ムーアを主演に迎え、若さと美しさに執着した元人気女優の姿を描いた異色のホラーエンタテインメント。
50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベスは、容姿の衰えによって仕事が減っていくことを気に病み、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、「サブスタンス」という違法薬品に手を出すことに。薬品を注射するやいなやエリザベスの背が破け、「スー」という若い自分が現れる。若さと美貌に加え、これまでのエリザベスの経験を持つスーは、いわばエリザベスの上位互換とも言える存在で、たちまちスターダムを駆け上がっていく。エリザベスとスーには、「1週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあったが、スーが次第にルールを破りはじめ……。
2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞。第75回アカデミー賞では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。エリザベス役を怪演したデミ・ムーアはキャリア初となるゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネート&受賞を果たし、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。共演は「哀れなるものたち」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などの話題作で活躍するマーガレット・クアリー。
サブスタンス
The Substance
2024/イギリス・フランス合作
圧巻
いやー、すごいものを見せられました。
これは★5をつけるしかないでしょう。
主演の2人の体を張った演技は素晴らしいですが
デミ・ムーアは本当にすごい。
年齢とともに崩れた体型を全てさらけ出し
デミ本人の実話なのか?と思わせてしまうリアルな動機。
過去にチャリエン出演で
全身整形2600万円の話題もあったので余計。
セクシーなシーンも多いのですが いやらしさよりも
生物的な感覚で見てしまうのは映画では稀な経験。
マーガレット・クアリーは完璧なバストを再現するため
全編ではないかもですが、つけ胸らしいです。
SFホラー?というジャンルだと思いますが
脚本も、容赦のない描写も過去5年で
ホラー映画ではトップではないでしょうか。
「リベンジ」のフランス人監督なんですね。
「リベンジ」は内容的にしんどいので未見ですが
当時、この内容で女性監督なの?と驚いた記憶があります。
今作は女性監督らしさと女性監督とは思えないところが
見事に融合していると思います。
当方、ホラー、スプラッター系は得意分野なので
かなり見慣れているのですが
観ていて顔を歪めてしまうシーンが度々ありました。
最後は予想通りを2段階くらい超えてきます。
評価点ですが、ホラー好きな方に向けての星5です。
ホラーが苦手な方は鑑賞を避けることを強くおすすめします。
1つだけ、ケチをつけるとすれば
イケてる女性や若者のイメージって
今のアメリカではこんな感じなの?って思いました。
全体的に90年代の雰囲気がプンプンです。
あえてでしょうね。
これぞ映画
笑えるホラー
公開初日に仕事をさぼって鑑賞。
予告編映像を見た限りでは、もう少しシリアスでダークな内容を想像していましたが、実際には爆笑してしまうシーン満載の上質なエンタメホラーでした。
男性の自分が見るのと、女性が見るのとではまた印象も異なってくるのでしょうが、「いつまでも若くて美しく、そして多くの人にチヤホヤされたい、愛されたい」という女性が抱える欲求を粉々に打ち砕いていく展開は、見方によっては悲しくて切なく、見方によっては喜劇そのものです。血みどろでエグいシーンも散見されますが、エグければエグいほど不思議と笑いもヒートアップしていきます。これは自分が男性だからなのか、それともただ単に頭がおかしいだけなのかはわかりませんが、100人観れば100通りの解釈が生まれそうな作品であるので、なるべく多くの人に観ていただきたいと感じました。
教訓のあるホラー
タイトルなし
30半ば平々凡々な容姿と人生の私の将来の夢はファンキーなババアになることである。年相応にでも他人に不快感を与えない見た目で明るく楽しく笑って生きていければそれでいいと思っている。
そんな思想の持ち主なので主人公の気持ちは理解しがたかったがまぁそりゃそうだよなと思う。
彼女は美と若さによって名声を得て、それが自分の価値の全てだと思っているんだろう。
その美と若さを消費しようとする周りがなんとも気持ち悪く感じた。隣人やらテレビ局のお偉いさんやら。スポンサーのじじいどもに凝視されるシーンなんて本当に気持ち悪かった。そこで笑顔を求められ応じてしまうのも、ああこうやって彼女の価値観はがっちがちに固められてしまったのかと悲しくもなったがグロテスクにも思えた。
若さを消費される感覚はなんとなく覚えがあるのでそう感じたのかもしれない。
そんな気持ちで見ていたから終盤は最高に笑えた。いいぞ!もっとやってやれ!と思いながら見ていた。出血大サービスだざまぁみろ、みたいな。
主演のデミ・ムーアはよくこの役受けたなぁと思いつつこういうのを怪演と言うんだなと思った。
ボディホラーでありながらも強烈なメッセージ性を感じる作品。気軽にオススメはできないけど見てスカッとする人もいると思う。特に女性。
"永遠に美しく"はヤバいテーマだよね
最後ゴッツ観てるんか?と思たわ
令和の問題作or怪作、いやいや傑作でんがな
マ王、仕事の代休で金土と休みである✨
まぁタイミング的に観たい映画も無いしなぁ〜、と当サイトで調べていたら行き付けの映画館で「サブスタンス」が前夜祭上映とかどうよ🤣
当然のように仕事終わりに直行している毎度の映画バカ😂
カンヌ国際映画祭で脚本賞を獲ってるのが不安要素だが(マ王、カンヌと相性が悪い)可能ならば前回の「サンダーボルツ*」の落胆から救って欲しいと願いながらの鑑賞でもあった🙄
さて館内に入るとマ王含めて4人という閑古鳥🐥
流石は和歌山県、アウトドアだぜ👍←インドア派は少数
マ王以外のメンツはヤンチャそうな男女三人組だったので少し煩くされるのでは?と心配していたが、エンドクレジットが終わり三人組の一人が開口一番「スゲェ、スゲェ」とスゲェを2度も繰り返していた💨
その通り、本作は映像も物語も兎に角「凄ェ」のである💥
正直、マ王はロバート・ゼメキス監督の奇作「永遠に美しく···」辺りの焼き回し程度だと高を括ってたもんで、覚悟が足らなかった💦
凄まじいカロリーと衝撃の映像体験である‼️
コレも正直、本年度一番だと思ってた「ウィキッド」とタメ張るくらいの映画だと感じました😬
テーマはルッキズム(外見至上主義)へのアンチテーゼと言ったら可愛く聞こえる程の美に対する復讐めいた内容だ😐
徹底的なまでの美しさへの拘りと相反する描写の連続にマ王は142分間コテンパンにされました🌀
デミ・ムーアの醜悪な肢体をこれでもかと映した後にマーガレット・クアリーのコケティッシュな美しさを意図的にひけらかす構成はいみじくも成功している🥸
何せハリウッドの広○涼子とも言えるデミ・ムーア(「ゴースト ニューヨークの幻」が懐かしい)の体当たりなのか自身の本音なのか解らん演技は一見の価値があると思われる🙄
が、如何せんR15ってのがハードル高いのよね😅
裸にモザイクは無いし痛いシーンも血飛沫もてんこ盛りなのでお子様には観せられんのよ⤵️
けどね、こういう映画だからこそ高校生には観てもらいたいし中高年層辺りも鑑賞して欲しいと切に願う😁
世の中の美しさの定義がどれ程バカバカしい事なのかを勉強するには持って来いの作品に仕上がってますわ🤩
マ王自身も実は年齢相応より若く見られる容姿をしています。
身長高いし禿げてないしデブでもない。
医療に携わる仕事をしているからこそ患者さんに安心される姿勢を心得ながら労働に勤しんでおります。
見た目は医療ではガチで重要なスキルである。
ブサイクな人間が接するのと整った容姿の人間が接するのでは圧倒的に後者の方が有利に働く。
反論する人もいるけど人間だからこそ本能には逆らえない部分が大きいし多い。
死に際の人間ですら笑顔にさせる事が出来るのが容姿なのだとすれば最早武器と断定しても良い。
マ王は本作に登場する薬が存在するのなら試してみたいと感じたのは、自分自身の限界を承知しているからなのかもしれない。
若さと美しさは短い時間しか所持出来ない貴重な体験なのだと映画では暗に述べている。
ソコに上手く折り合いを付けて人生を老いてゆけるような人間になれれば、とマ王は思ってたんだけど進行形で失敗してます🤪
マ王的には大人向けだけどイチオシ映画となっております👍
この熱量は映画館にて体感しないと後悔する内容ですがR15は苦手という方にはオススメ出来ません😲
ラストはそりゃもう大変ですから😅
それでもマ王は今年観てほしい映画の一本だと強く推します😚
某MCUの作品よりも100倍楽しめた映画でした❤️
余談だが「サンダーボ○ツ*」のタイトルが「ニュー・アベンジャーズ」に変わってやがんの😐
笑かしてくれる🙃
映画館での鑑賞オススメ度★★★★★
美しさへの憧れは世界から無くならない度★★★★★
意外と音楽もイケてる度★★★★☆
用法・用量を守って正しくお使いください
刺激的な予告に興味を覚えて、鑑賞予定に入れていた本作。全国公開前に前夜祭上映があったので、さっそく鑑賞してきました。作品紹介ではホラーエンタテインメントと書かれていますが、ガチホラーというよりはホラーテイストのスリラーといった感じの作品です。おかげで、ホラーが苦手な自分でも、最後まで観ることができました。
ストーリーは、50歳を迎えて容姿は衰え、仕事上の需要もなくなりつつあった、かつての人気女優・エリザベスが、ある男から若さと美しさを手に入れることのできる「サブスタンス」という薬物を紹介され、それを自身に注射すると、エリザベスの背中が割れ、そこから若くて美しい女性・スーが現れるが、この薬物には厳守すべき約束事があり、エリザベスとスーの体を1週間ごとに使い分けなければならなかったのだが、しだいにその約束が破られるようになり、エリザベスとスーに悲劇が襲いかかるというもの。
予告から抱いたイメージを良くも悪くも覆す、衝撃的な作品です。これはヤバいです。ヤバすぎて最後まで目が離せません。美と若さへの執着がもたらす悲劇と言ってしまえばそれまでですが、その執着をなかなか捨てられないのが人間です。ましてトップスターを経験したエリザベスにとってはなおさらです。悪魔の誘惑に乗った彼女が、自分を蔑んだ男たちを見返し、かつての輝きを取り戻したかのように、スーとしてスターダムを駆け上っていく姿が圧巻です。
そんな禁断の手法による恩恵を受けながら、調子にのったスーは用法・用量を守らず、手厳しい罰を被ります。既視感ありありの鉄板展開で、「ドラえもん」「笑ゥせぇるすまん」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」などと基本プロットは同じす。順調だった二重生活に綻びが生じ、いよいよ恐怖の幕開けです。
本作の肝は、分身スーがエリザベス自身でもあり、別人格の別個体でもあるというところです。当初は、意識や記憶も二つの体を行き来しているのかと思ったのですが、そうではありません。ここに計り知れない恐怖を感じます。なぜなら渇望して手に入れた若さと美なのに、世の中で求められているのは、自分であって自分ではない分身の方だからです。
母体であるエリザベスの存在価値は、もはやスーへのエネルギー補給源でしかありません。それを自覚してなおスーとの共依存関係を解消できないところにエリザベスの愚かさ、悲しさ、切なさを感じます。逆に分身のスーは、老いたエリザベスが自身の命綱であることを理解しつつも搾取し続け、己の欲望を優先させてしまいます。どちらの行動にも共感できるものがあり、人間の性のようなものを感じます。
とはいえ、終盤は眉間にずっと皺が寄ったままで、暗鬱な気持ちでスクリーンを見つめていました。片足だけの老化でも膝が曲がらず苦労していたエリザベスが、いざとなったら走るわ、スーを軽々引きずるわで、もはやギャグかと思いましたが、内容的には悲哀に満ち、映像的にはグロすぎて全く笑えません。
そして、最終盤からラスト。このあたりは悪趣味の極みで、全く好みではありません。そもそもあの姿でスタジオ入りできるはずもなく、こうはならんやろと思わざるを得ません。さらにそこからの出血大サービスも、ここまでやる必要はなかったように思います。こういうのが好きな人もいるかもしれませんが、自分には蛇足に感じました。それでも、どんな姿になってもかつての栄光が忘れられず、冒頭の記念プレートに回帰する幕切れは悪くなかったです。
主演はデミ・ムーアで、まさにエリザベスと思わせる怪演が強烈です。共演はマーガレット・クアリーで、こちらも体を張った演技で魅了します
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