サブスタンスのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
見た目ばかりに囚われた結果、自分を見失って暴走に歯止めがかからないまま、この世のものとは思えないと言うより、もはや滑稽な姿を大勢の人前に晒さなければならなくなったスー(エリザベス)。いくら仕事で見た目の美しさが必要だとしても「ルール」を守ると言う基本的内面が伴っていないと、例え肌の張りが無くなった自分でも守る事は出来ないと言う警鐘に感じました。
キャリーの血
観る者に不快感や混乱を与えるかもしれない。
だが、
その不快感や混乱の中にこそ、
現代の閉塞感を打ち破るヒントが隠されている。
これは、単なる映画ではなく、
時代を映し出す鏡であり、
我々がどこまで「不都合な真実」を、
受け入れられるかを試す、
極めて挑発的なアート作品だ。
どういうことか?
具体的に触れていこう。
スラップスティック・スプラッター、
コメディ・ホラー、
サスペンス・パロディ、
どのジャンルでも括れない、
一見相容れない要素を融合させている。
もはやジャンルという安易な枠に収まりきらない、
しかし、
そのカオスの中にも明確な意図が見え隠れする。
オープニングでコメディを宣言し、
エンディングでその笑いを念押しするように提示する手腕は、
観客に「これはコメディ(パルプフィクション)である」という、
ある種の強制力をもって提示しているかのようだ。
だが、その「笑い」をどう受け止めるかは、
育ちも環境も思考法も異なる観客一人ひとりに委ねられている。
(真に観客の心を揺さぶる感動は、
監督の意図やプロデューサーの狙いによって直接生まれるものではない。むしろ、それは観客一人ひとりの心とスクリーンが織りなす、
まるで運命の赤い糸で結ばれたかのような、
個人的な「響き合い」からこそ生まれるby森繁久彌)
この突き放し方が、本作の魅力の一つと言えるだろう。
A24が一番、地団駄を踏んでいるのではないだろうか。
A24のように抽象に逃げず、
雰囲気でごまかさないで、
エグすぎる、
具体で真っ向勝負しているからだ。
デ・パルマ、キューブリック、リンチ、
ストッカード・チャニング主演「二つの顔を持つ女」
そしてヒッチコックの「めまい」の音楽といった、
大量の引用は、単なるオマージュの域を超え、
もはやパロディと呼んでも差し支えない分量だろう。
これらの引用は、過去の傑作への敬意と同時に、
それを現代のカオスの文脈で再構築し、
シニカル成分たっぷりに仕上げるという意図は、
本作の持つ独自のユーモアと批評性を際立たせている。
しかも、そのパロディ引用が、
決して安易なオマージュに終わらないのは、
高技術な見せ方に隙がないからだ。
例えば、
卵の寄り、口元のヨリ、
脊椎注射のヨリ、
チェーンソーのように振り下ろすハンドミキサー、
スクリーンいっぱいに埋め尽くされる、
その精緻さ、滑稽さ、シニカルさ、
パロディを、
端的に見せる徹底した計算が見て取れる。
そして何より、
本作が放つ最大のメッセージは、
現代社会にはびこる、
「さまざまなイズム、コンプライアンス、作品の鑑賞スタイル等々」といった、
行き過ぎた規制、意味のない自主規制、
〈安全地帯〉から発せられる言説等々への強烈なカウンターだろう。
ハーベイ(ワインスタインに象徴されるような映画界)のような目の前の敵はもちろん、
安全な場所から声を上げる人々に対しても、
本作はまるで「キャリー」のクライマックスで浴びせられる血のように、
生々しく、そして容赦ない「真実」をあらゆるシーン、
(もちろんあのシーンも)で浴びせかける。
その様は、まさに痛快の一言に尽きる。
不謹慎だと眉をひそめる者もいるだろうが、
その不快感こそが、
現代社会が忘れかけている〈インクルーシブ〉や
〈ダイバーシティ〉という本当の意味、
を大胆かつ衝撃的な方法で胸ぐらに突きつける、
作り手からの挑戦状なのかもしれない。
それでも若い身体は美しい
「阿鼻叫喚」という言葉を知ってはいたがこれまで自分で使ったことは無かったし紋切り型の割に実際に使われた例もあまり思い浮かばない。今回GAGAが宣伝用の惹句として古典的四文字熟語「阿鼻叫喚」と付けたのだけれどよくもまあ的を得たりでこの映画を表現するにはこの言葉しかないだろう。クライマックス以降、ほとんどの人が「こんな映画を見に来たつもりではなかった、騙された、もう勘弁してください・・・」と思いながら開いた口がふさがらず大声で叫ぶこともできずに唖然として10分ほど阿鼻地獄に落とされてしまったのでは無いだろうか?比喩でもなんでもなく文字通り老いと若さがぶつかりあう映画なのだけれど密室の二人バトルだけでは許してくれずありえないへ悪夢バースと力づくで持って行かれるこの竜巻的展開はどうだろう?英仏合作効果によるハリウッドへのとんでもない諷刺的報復映画が誕生した。背中を縫う5針ぐらいのクローズアップショットをおろそかにしなかったことに妙に感心させられました。アーメン。
単なるホラー、スプラッターではない
下情報を何も入れずに行ったのだが、単刀直入に言って面白かった。観客を飽きさせないストーリーは、主人公の感情がダイレクトに観客に伝わってくることによるのだと思う。
そもそも美醜の境界線など、個人の主観によるものだと思うのだが、より多くの人の中央値となると、一定のレベルみたいなものが存在することは言うまでもない。
「老い」という、誰しもが逃れられない人類の約束事は、ある時期(本作では50代と軽く言ってのけている)を生きる人間にとって重くのしかかる、ある意味での死刑宣告のようなもの、それは、時として狂気を生み出す。
その狂気の原因を、監督は社会のシステムだと喝破する。そして、その社会に対して、キューブリックを下地にしながらも、それをはるかに凌駕する大量の血で報復するのだ。実に心地よいやり方で。
科学は進み、老いですら解決できるかもしれない時代が到来している。でも、その原動力が老いを受け入れたくないということなら、人として大切な多くのことを捨て、ロボットや改造人間として生きるということになる。それをこの映画は、恐ろしいほどのリアリティで私たちに突きつけるのだ。
禍福は糾える縄の如し
グロすぎて笑った
悲しくも強烈なオカルト映画かと。
遊星からの物体X‼️
これは事前情報なしに観ると、ビックリする映画ですね‼️最初は中年女性が美容整形で別人になる映画かなと思ったんですけど・・・‼️今作はジョン・カーペンターか、デヴィッド・クローネンバーグが作り上げたとしか思えない、グロテスクなホラー映画であり、モンスター映画版の "サンセット大通り"‼️リピートする気にはならないし、レビューを細かく書く気にもならないけど、これはスゴい作品です‼️美や若さを追い求め、固執する女性の姿を、ここまで美しく、醜く、グロテスクに、恐ろしく、絶望的に、そして悲劇として描いた作品はあまり無いですね‼️デミ・ムーアの女優魂に脱帽‼️
ちなみに「ファイナル・レコニング」が話題のトム・クルーズと共演した「ア・フュー・グッドメン」のデミが、私は一番好きです‼️
凄まじい物を観せてもらった
色使いやカメラワーク、音響と物凄く好き。
どこか不安にさせるようなテイストを持ちつつ、主人公の欲を始めとした起承転結が上手く描かれていたし、男女の皮肉がしっかり描かれていたところが良かった。
男ってこうだよね、女ってこうだよねと過度なフェミの人達が見たらどう言う反応をするのか気になるところ。
作品全体としてはA24の様な感じ。それこそミアゴス主演のインフィニティ・プールやリンゴでお馴染みMENを思わす様な描写だった。
その他にもいろんな映画が混じった様な印象を受けた。例えばシャイニングや悪魔の毒々モンスター、YummyとかA級からB級まで幅広い作品を取り入れた映画好きとしては嬉しい描写だった。
この作品はA級というよりはB級寄りの作品だと思う。
おしゃれで可愛くてキラキラした明るい世界の反面、欲望が叶えられてさらに強欲になりすぎてしまうダークな世界の描き方が、役者の表情や舞台、衣装、小物、ライト、カメラワーク、音響と上手く取り扱っていた為とても好みでした。
そして何よりストーリーのテンポが良かった。
(((ツッコミどころ満載だったけど)))
結末まで、何故この作品がアカデミー賞取れなかったのか不思議でたまらなかった。アノーラなんかと比べのにならん!(まだ言う)
って思ってたのにラストの展開に草生えまくった。
「え、いや、、、、wwwwwwwwwwwwww」ってなりました。
誰も予想してないだろう展開に笑いが止まらん。
B級好きにはたまらない描写ではあると思うが、「いやwwwwwww待ってwwwwwww」ってウーロン茶吹き出しそうになった。
隣のおじさんもゲラゲラ、なんなら周りもゲラゲラ。
誰も期待してない結末に田舎の劇場が沸いた。
だから賞取れなかったんだとものすごく思った。
私的にグロさレベルは0に近いんだけど、普段B級見慣れてない方達がグロかったと言ってる印象。
自分が一番何を大切にするかという価値観って本当に大切なんだなと思う。
有名人は一度有名になったらずっとなってなきゃ気が済まないのか、少しでもファンがいると言うだけじゃダメなのか自分に当たる環境が影響を与えてしまうというのがよくわかるストーリーだった。
だからこそ、誰が良いとか悪いとかは無くてありのままの自分を愛することって大切なんだ(誰)というのがこの作品の言いたいことなのではと思った。
人の目を気にして気になるなら、自分がどう変わればいいか自分自身を見つめ直したらいいんじゃないかな(誰)
私にとってエリザベスはむしろ憧れなんだけどな
あの歳であの美貌羨ましすぎる。
つまり、ないものねだりであり、憧れるなら努力すればいいし、加齢には打ち勝てないのよ。それが人間の摂理なんだから受け入れろよって思いました。
⚠️私のツッコミしたところネタバレ込みで箇条書き⚠️
あの不十分な説明でどうなるのか分からないのによくやろうと思ったよね。キット送られてきて説明ないのに使い方よくわかったよね。あの針でルンバールってわかるのまじ草
空になったパックはそのまま放置すると逆血するんだよ。駆血したまま液は注入できんだろ。
ルンバール穿刺部赤くなった時点で感染してMRSAぽくなってるのにそれ身体に刺してたの抵抗ないんかよ、その反応は現れないんかい。最終的に壊死って茶褐色になったのは正解。
エリザベスの最終形態より一個前の方が座っただけで膝固まって重症だったのに一番老いてる形態で走り回って殴り合えるの草
ほんでいつまで生きてるんwwwwwww
終わらせる液体自分に入ったんちゃうのwwwwww
ぽろっと取れたやつさらに取るなよ
最後は完全にネタ枠で草だいすき。
ビックリした
「凄いの観ちゃったなぁ」スクリーンを後にした時の感想がこれでした。
とにかく振り切っている!ラストの方はポカーンと開いた口のまま、赤一面に血塗られて行くのを凝視しながらも、笑い声すら出ていました。
ただ、冷静さを取り戻してから振り返れば、主演がデミ・ムーアでなければ本作品の評価はどうだったのだろう……
生まれ変わりのシーンで光の線が交錯するところなど、いにしえのウルトラマンシリーズか?と思うほどだったし、プロデューサー?役のデニス・クエイドとか、オッパイプルンプルンのショーとかはジェンダー感など皆無で、いつの時代設定なんだ(でもスマホ使ってるから現代なんだよなぁ)って感じなんですよね。
それでいて、デニス・クエイドに何かしっぺ返しするのかと言えばそうでもなく(ラストのモンスター出現で地に落ちるのかもしれませんけど)、生まれ変わりをしてもエリザベスにはさしたるメリットも無さそうだし、モヤっとするところが多かったですね。
そんな中でも印象的だったのは、エリザベスが自分の頭や顔をガンガン殴るシーンで、葛藤が滲み出ているようで、見ているこちらが身震いしてしまいました。
結局、モンスターを生み出すのは世の中なのかなぁ、なんて考え込んでしまいました。
人間、あるがままを受け入れるべきなのに、難しいことですね。
なんとなく観に行ったら大変なことに
予告編見たことなく 今年のアカデミー賞でメイクアップ賞取ってるので気になっていたので観に行きました
予備知識は出演のゼミ・ムーアが整形して若くなる話しと思ったけど まぁ確かに若くなるけど その描き方が
とんでもなく 昔80年代みたホラー映画でハエ男を描いたダ・フライとか遊星からの物体Xの描き方似ていて
(笑) 凄く 最後は予想しなかったグロい終わり方インパクトありました
出演のゼミ・ムーアの快演が素晴らしく 相手のマーガレット・クアリーも体の張った演技で素晴らしいかった
気になった事 この映画日本ではR15指定になってますが 私はどう観てもR18にしか見えないけど
日本R指定の判断甘すぎるじゃないかなと思う
美への執着って底なしや…
デミ・ムーアの体を張った役に感無量!
美への飽くなき追求は
日本「ヘルタースケルター」しかり
韓国「整形水」しかり
一線を越えた報復が待ってます。
ラストの魑魅魍魎は圧巻‼️
最後は納得の落ち所でしたね
せめて「永遠に美しく…」みたいな
笑えるラストとは又別の
哀しい笑いのラストでした
女って生きてるだけで罪なのねー
正に怪作
昨今のアンチエイジングブームを皮肉ったかのような寓意に満ちた怪作である。
老いは誰にでも等しく訪れるものであるが、それでも若さを保ちたいと願うのが人間の性か。しかし、その代償は思いのほか残酷なものだった…という苦い教訓が残る。
過去の華やかなスター時代を夢想する老姉妹の愛憎を描いた「何がジェーンに起こったか?」。メリル・ストリープとゴールディ・ホーンが若さを渇望して争う「永遠に美しく…」。妻を亡くした整形外科医が禁断の医療にのめり込む「私が、生きる肌」。若さと美に執着するドラマは古今東西、時代を超えて作られてきた。この手のドラマは、それだけ多くの人々の関心を惹きつけてやまないテーマなのだろう。本作は明らかにこの系譜に入る作品だと思う。
更にもう一つ、そこにクローン問題を持ち込んだところは新味だと思う。映画冒頭のシーンに象徴されるように、この”サブスタンス”はクローン技術を応用している。クローン技術は、再生医療において重要な役割を果たしているが、その一方で倫理的な観点から問題視もされている。本作はそこに着目しているのが面白い。
一見すると、老いに葛藤する元スターの物語に見えるが、実はかなり社会派的な眼差しを持った野心作であることが分かる。
監督、脚本は新鋭コラリー・ファルジャ。前作「REVENGE リベンジ」はアクション物というジャンル映画だったが、暴力による女性虐待をテーマにしており、中々気骨溢れる作品だった。この監督はこうした社会に一石を投じるような視点を常に持っているのかもしれない。
興味深いのは、「REVENGE」も本作も、ヒロインが一度死んでそこから再生する…という作劇になっている点である。「REVENGE」のヒロインは男たちに半死の目に遭わされながら、そこから復活を遂げて復讐を果たしていく話だった。本作のエリザベスも自動車事故で死にかけた所から再生していく。
いずれも普通に考えればそのまま死んでもおかしくない状況なのだが、何事も無かったかのように蘇るあたりが人を食っているというか、シュールでブラックで面白い。
しかも、本作の場合はキャラクターも設定もかなりカリカチュア化されており、リアリティからはほど遠い作りになっている。それ故、ひょっとすると全てはエリザベスが今わの際で見た夢想だったのでは…と思わせる所が作劇の妙である。
演出は全編スタイリッシュで、かなり攻めたものが多い。エリザベスの不安定な精神状態を表すかのような細部に迫るクローズアップにはある種のフェティッシュさも感じられた。
連想されるのはスタンリー・キューブリックの「2001年宇宙の旅」や「シャイニング」、ダーレン・アロノフスキーの「π」、「レクイエム・フォー・ドリーム」、「ブラック・スワン」といった作品である。シンメトリックな構図、神経症的なカッティングが緊張と高揚感を巧みに創出していて感心させられた。
加えて、時折見せるブラックユーモアもかなりクセが強く、好き嫌いがはっきり分かれそうだが、個人的には何度もクスリとさせられた。
伏線の貼り方も中々巧みで、クライマックスにかけての盛り上げ方も想像の数段上を行く展開に圧倒された。このあたりにはクローネンバーグのボディ・ホラーの要素も感じられる。
ラストも皮肉に満ちた終わり方で印象的である。ここはやりようによっては抒情性を強く押し出すことも可能だったかもしれないが、ファルジャ監督は迷いなくブラックユーモアに徹しており、この一貫した姿勢には敬服してしまう。
キャストでは、エリザベスを演じたデミ・ムーアの体当たりの怪演。これに尽きるだろう。かつての麗しい姿をリアルタイムで見ていた者からすれば信じられないような変容だが、それがこのキャラにリアリティをもたらしている。
ミャクミャク
ホラー作品がアカデミー作品賞?の違和感がぶっとぶほどの傑作でした
冒頭からラストまで一切ダレることない疾走感
単なるスプラッターホラーにならなかったのは人間の持つ欲や偏見を描いてるからなのか
男性から見てもどんどん引き込まれていきます
ラスト近くではあまりにもカオス過ぎて爆笑するシーンもありますが
それさえもポップ、いろんな伏線もすべて回収してのラスト見事でした
抗えない老化に対する行き過ぎた執着や依存性と周囲の価値観
自己VS自己の構図だけでなく もっとも近い人間への嫉妬や羨望
あるいは他者に対する憎悪までも描ききった怪作
デミ・ムーアの今までの人生があるから演じることができた作品なのかも
これは評価されて妥当ですね
他の女優さんではここまでの説得力はでなかったでしょう
後年にもきっと評価される作品だと思います
贅沢なカルトムービーの装いだが
「贅沢なカルトムービー」のような装いで、やりたい放題ながら、不思議と後味が悪くない作品だった。
SFホラーのエンタメ作品として楽しめるが、脚本・編集・製作までもを務めた監督の、そこまでやらなくてもという意地悪演出に、好みは分かれそう。
でも、デミ・ムーアの曝け出し方は、間違いなく一見の価値あり。
<以下、内容に触れてます>
吐く息の臭さまで漂ってきそうな出てくる金持ちオヤジたちの、ミソジニー+ルッキズム+エイジズムの気持ち悪さはその通りなんだけれど、それに付随して、観ている者にサブリミナルで刷り込まれるような「ASMRのように強調された咀嚼音」とか、「汚い口元や食べ散らかしのドアップ」とか「全く美味しそうに見えないフランス料理」とか、悪意見え見えで挑発的な演出が面白かった。
それに対して、運動の場面は常に爽やか。まるで「ほら、あなたも“運動は善で、気ままな食事は悪だ”と思ってるんでしょ? それの行き着く先が、若いスーに嫉妬するエリザベスであり、エリザベスの行為にキレるスーなのよ」と囁かれているみたいな気分になる。
最近、ラジオで上野千鶴子が「自分の老いを怖がるというのは、自分で自分を差別しているということ。老いた人は社会の中から排除すべき存在だと思っているから、自分がそうなるのが怖いんだ」というようなことを言っていて、すっと胸に落ちたのだが、この映画を観ながら思い出したのは、まさにこのこと。
自分を好きになるとか、自分なりの美しさや豊かさの追求とか耳触りの良いことを言っても、他者との比較(差別)の上に立っている限りは、かりそめの幸福感しか得られず、怪しげな美容や健康に関わるビジネスは、その隙間を狙って入り込んでくるのだろう。
醜悪な老体のままで投薬を中止しようとするエリザベスを殺してしまったスーが、よりよい自分を求めて活性化剤を打った結果、モンストロ・エリザスーが誕生するが、彼女を問答無用に嫌悪・排除し、これでもかというくらい返り血を浴びさせられる大衆の姿が象徴的。
監督が「ほら、他人事じゃないよ。アンタのことだよ」と、ホースで水撒き(もしくは、消化器で火消し)をしてきたようなシーンだった。
(でも、何かモンストロ・エリザスー、最初はギョッとしたけど、哀愁と共にちょっと可愛げを感じたのは、その姿に老いた自分自身を見たからかな?…。)
あと、エリザベスに声をかけてきた、学生時代の同級生の男。名刺の代わりに、健康診断の紙を破って、なおかつ水たまりに落としたものをそのまま渡すという、なんじゃそりゃな行動を起こすのだが、現実社会では搾取される側の弱い立場の男が、女優やアイドルを手の届かない高嶺の花として持ち上げながら、実は無意識のうちに性的な対象として見下しているという浅ましさや情けなさを、一瞬で見事に描いた、切れ切れのシーンとして印象に残った。
曲げた脚を伸ばすだけで、死ぬ思いをしたエリザベスが、後半あんなに速く移動できるか?とか、スーのDIYの力量半端なさすぎだろうとか、ツッコミどころはあったが、そこもカルトムービー味として楽しめば問題なし。
ぶっ飛んだ映画でした。
老いに恐れ若返る!7日間のお試し人生にハマる女。
もうね、さっき朝方寝た所なんだけど・・・
3時間後には起きて映画はしごしに遠征。
頭が完全に寝てたんだけどナ・・・
1本目にこの映画見て、開始早々 目がシャキ---ン (#^.^#)
今日は「サブスタンス」鑑賞ですよ。
実はこの作品はノーマ-クでした。
急にラシュ見て へっ?てなって・・・それが本音。
兎に角、
フランス映画監督(女性)コラリー・ファルジャが撮った本作。
-------出てる人-------
・エリザベス・スパークル役(実体、老体):デミ・ムーアさん
・ス-役(分裂後、美体):マーガレット・クアリーさん
・ハーヴェイ役(プロデューサー スケベオヤジ):デニス・クエイドさん
----------------------
本作の特徴を最初に述べるとするなら
・音響 音入れが凝ってる。上手く表現加えてるのが他作になく素晴らしい。
・カメラアングル 上から下向き、下から上向き、ほか執拗なアップなど。
・抽象的 CG(炎など)挿入
あと 女優二人は完全全裸で演じてますね。
とにかく目が覚めたわさ。早朝こんな場面がバンバン来るとは思ってなかったし。 (#^.^#)
尚、メイクアップ&ヘアスタイリングでアカデミ-賞を受賞の様ですね。
女性視点での美(若さ)への追及(追い求める思い)を感じさせてくれる所が
観ていて 同時に儚さにも感じられる点に思いました。
(思った点)
・7日間のお試し試供サンプル~ から ヒント得て出来てそうだけども
代金とか、返品、キャンセルできない点が 最も陥りやすい点でしょうか。
つまりは自己責任で戻れない。
美(若さ)を追求するあまり自分自身を見失う女性特有の罠だなと感じる。
そもそも代金無料? その時点で気が付くべきか。
・商品受け渡し場所が怪し過ぎ。他にも色んな人が罠にハマってるとしたら
既に警察沙汰に成ってそう。
半開きシャッタ-入口のタッチセンサは良いのだが、個別ロッカの取っ手部分は小さいので 技術的にあの面積でセンサ-(NFC)は難しいと思う。
・細胞分裂で生まれたとしても、別人の顔が有り得ないなと思う。
基本的には クロ-ンだと思うのでデミ・ムーアさんの若い時のそっくりさんを持ってくるのが正解なのだが。
でも マーガレット・クアリーさんも美しく魅力があり、コレで良いと私自身は納得ですが。(●´ω`●)
・ス-が若い男を翻弄させたのが分かって、エリザベス(実体)も級友男へ連絡をとってバーへ誘ったが、出かける直前 鏡に映った自分自身の容姿に納得できず何度も何度も化粧(イメ-ジ)を変える所。
あの場面が一番 女性心理を上手く表現していたなと感じました。
なんか違うって言う自分の思い。
こんなんじゃ無い。ダメだわっていう思い。
そして 結局出かけず、携帯に彼から心配のメッセが山の様に届く・・・。
女性監督らしい 視点ポイントだなと感じますね。
・窓に貼ったメモを剥そうとする エリザベス。この時上手く剥せられず疑問に思う場面。 なんと人差し指が 極度に退化し老いていた。
ここの驚きなのですが、この気づきって 凄く女性らしいと思うのですよ。
白髪の発見とか、目や頬のたるみ、顔のシミ、指の形状異変や 爪の色とか。
ここの表現もナチュラルに感じ得ました。
ス-が溶剤を抜き取ったから 部分的退化が発生したのだと思いますが
その部分は何処でも良い筈なのに 人射し指に持ってきたところは 女性の視点だなと思いますね。
・中盤まで 二人の女は同時には顔を合わさないが、終盤自分自身なのに
若い自分の振る舞いに嫉妬、ついにプログラム終了選択。しかしス-が反撃で実体から液体を抜きまくり実体がボロボロな老いの姿に。
二人同時に顔を合わして殴り合う場面があるのですが あれは???
緊急事態モードで二人ハチ合わす事になったとは理解しますが
あれでは もう赤の他人感覚。ちょっと残念な気がしますけども。
女性同士の喧嘩って怖いなと思う所も。
ここで エンディングで良いと思うのだけな。
・生放送年末番組の司会に選ばれて。どうしても それを遣りたいス-の思い。
今の自分から分裂したが・・・・ 老いと合体したモンスタ-姿に。
ここから 血をバンバン客席へ撒きまくる場面。
もう笑うしかない (@_@;) (;^ω^)
最後はかなり やり過ぎと感じますね。蛇足感あります。
終盤は キモキモ~グログロ~ でしたが
(´-ω-`) (;^ω^) (>_<)、
興味ある方は
是非 劇場へどうぞ!!
社会風刺とスプラッター!!🔪👵👩🩸
想像以上にホラーでカオス
全564件中、361~380件目を表示
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