サブスタンスのレビュー・感想・評価
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やりたい事を徹底的に全部やり切る快作
CG全盛の時代、やれない事は無いといっても過言ではない。
シンプルに整理され単純化した設定の中で、やりたい事を遠慮なく徹底的にやりバカ映画にならない知性とセンスでまとめ上げた。
キューブリックとクローネンバーグを見事に融合した世界観と演出で、キャリーやバスケットケースなどのオマージュも清く真っ向にやってのける。
そう、ブレたら終わりの危うさを走りきった内容にそぐわない爽快感が心地よい。
君の知らない物語
何10年も生きてこんだけ映画見てドラマ見て小説読んで漫画読んで、もうそろそろ大筋の読めない物語には出会えないだろうと思っていました。
王道を基本に逆張りしたりドッキリを仕掛けたりしながら、細かな個性に驚かせながら今後も映画や物語を楽しむのだろうと。
いや全く最初から最後まで目が離せないというか、展開が読めないというか、「一体どうなっちゃうの~~?★」状態で最後まで駆け抜けてくれました。
ただ単に「若い女性というステータスに誰も彼もが振り回されるお話」では済まない。
というか、端的に言うとそれで済むのによくここまで肉付けしたわね。
特殊メイクや女優さんたちのあらゆるもの(服とか)をかなぐり捨てた演技も見物です。
どんな姿になっても俊敏に駆け抜けたり日曜大工したりお料理したりするポテンシャルも想像の斜め上を行きすぎて一周して笑ってしまいました。
あと脚本かカメラか監督の誰かに尻派がいますね?
分かるのよ、観客には。バレバレなのよ。
ワタクシ個人としましては、スーよりエリザベスの胸の方が好みですわね。
スーの尻が綺麗なのは…それはうん…ホントそう。
観客もまた、若い女性というステータスに振り回される一人なのだ………
ただ、個人的に最後の15分は蛇足。
鏡に一瞬バケモンが映るで終わりでよくないかい。
エリザベスやスーをコンテンツ消費したおっさんに対する復讐、みたいなカタルシスのために追加されたのか、もしくはエリザベスの夢だったのか?
ただただエリザベスが可哀想なだけで…、誰も気付かんのもおかしいし、まだやんのこれ?と思ってしまいました。
鏡にバケモン映ったときは「ヨッシャ!何て後味が悪いんだ!オッケーお疲れ!」って拍手しようとしたのに…
それにしても母体と分身で記憶共有できないの、母体にメリットなくないですか?
自分の20歳前後の頃なんて自分のことしか考えないマジクソ人間ゴンだったから、母体と交換しないだろうことは想定できるんだけどなあ。50歳の人格のままならある程度、母体が駄目にならないために最低限…という理性は働くだろうけどさあ。
ちゃんと事前に説明受けてたんかな、エリザベス…
あんな文字がでかいだけの説明書で納得してへんよな…?
評論家ではないので 素直な感想
すべて想像の範疇を越えてくるエグさ
制作者の本意は?
初老に差し掛かってTV番組を下ろされた嘗ての人気女優が、若返りの為に怪しげな薬に手を出しピチピチの20代に生まれ変わるお話です。物語は、とんでもなくエグい方向に展開していきます。
あの様に始まった以上ああ終わらざるを得ないのだろうし、監督はそれを描きたかったのでしょうが、物語が折角積み上げて来たテーマや批評性が笑えないコメディホラー的終盤で全て吹き飛んでしまいました。それでもやっぱりああ撮りたかったんだろうなぁ。物語の破綻こそが狙いだったのかも知れません。難しいなぁ。
でも、どこか気になるのは、本作を観た人の中に「げに恐ろしきは女の妄執」と感じる人も居るのではと思えた点です。そう観られる事は制作者の本意ではないと思うんだけどなぁ。
胃がずっと痛かった
これはハリウッドで精神を乱された女の復讐譚だ
内側から壊されて行き、最後には身を亡ぼす
他人の為にそうなるなんて馬鹿らしくなった最後の逆襲
素晴らしかった。
ずっとずっとずっとずっと中止して元に戻って欲しかった
そうやって一抜けした方が楽になるんだ
ウォークオブフェイムできらりと光った彼女の心
解き放たれることは出来ただろうか
最後には彼女だけがルッキズムから解放された?
(何だかこの解釈もそもそも囚われているようで嫌だ)
やっぱりあの最後にちゃんと自己受容と解放を
分かりやすく描いて欲しかったんだ……
復讐も大事だけどね、
(最後のイヤリングシーンはよかった)
北風と太陽で言えば、
北風のような映画だった。
わたしは太陽の方が好きで、
ボディ・ポジティブを描くような作品の方がすきだ
キーワード「身体を大切に」
美醜と老若がもたらす光と影
当年取って62歳の『デミ・ムーア』の実年齢を勘案すると
笑うに笑えない。
アップになったときの顔の皺、
落ち窪んで小さくなっていく目、
脂肪で膨らんだ腹囲や垂れつつある臀部。
出世作〔ゴースト/ニューヨークの幻(1990年)〕の
28歳の時と比べれば隔世の感があり。
衰えつつある自身の身体をセルフパロディー化し
スクリーンに晒すのは、かなりの覚悟の上だろうと推察。
本作は、彼女の女優魂を
とことん堪能する一本。
とりわけショウビズの世界では
若さがもてはやされるのは古今東西で共通。
過去の栄光を忘れられない往年の大女優の妄念が起こした悲劇は
〔サンセット大通り(1950年)〕でもあるが、
現代的な設定に{ホラー}の要素も加味すれば
このような秀作が生まれるとの見本のような一本。
若返りの見返りに、なにがしかが要求されるのは、
それが悪魔との取引でも通例。
所謂、等価交換だ。
今回は肉体が単純に若くなるのではなく、
自分の身体から若い個体が生み出されるのがミソ。
両方の体を一週間おきに休ませ、
且つその間は栄養分の補給をしながら
母体から吸い取った液体を新たな個体に注入しなければならぬシバリがある。
このルーチンを怠ったり、
一週間の期限を勝手に延長した時のリバウンドは
見るもおぞましい肉体の変化に現れる。
が、この魔法の帰結は、最初から予見されるもの。
DNAは共通でも、外見も含め別の個人。
記憶も引き継がれなければ、
若い方が享楽に耽るのは当然だろう。
欲望の為に、母体をないがしろにするのを厭わない。
老いた方は若さに嫉妬する。
それでも
『エリザベス(デミ・ムーア)』は分身の『スー(マーガレット・クアリー )』を止めることができない。
彼女の成功は自身の成功であり希望の源。
輝くような若さも、自分の若さなのだから。
その躊躇が生む更なる悲劇は
観客の想像の上を行くグロテスクでセンセーショナル。
思わず目を背けたくなるほどの醜悪さは、
欲望が体現したものに思える。
監督の『コラリー・ファルジャ』は
やはり女性で当年48歳。
『デミ・ムーア』の心情も理解できる年齢同志のタッグが生んだ力作。
若さをもてはやす世間に対しての
痛烈なアンチテーゼ。
とは言え、最後のシークエンスは
かなりのやり過ぎ感が満載。
一瞬『大林宣彦』が憑依しメガホンを取ったのかと思った。
老いに悩む女性につけ入る媚薬の恐怖・・・
面白かった〜!予想以上に楽しませてもらいました。大好きなデビッド・クローネンバーグ監督を彷彿させる人体変異のホラーですね。
何より、2人の女性が惜しげなく綺麗な肢体を見せつけてくれるのが良い。ホンっとスケベオヤジは大喜びでした。
エリザベスは、かっての人気女優。老いから人気の下降を苦にしている。そんな時、手に入れた妖しい薬により若い分身のスーを創り出す。ルールにより、1週間ごと交代で生活するエリザベスとスーだったが、自我に芽生えたスーは、自分の時間を長引かせていく・・・
先ずは、エリザベス役のデミ・ムーア。あの「ゴースト」で可愛らしい女性を演じた彼女が、劣化した女優を魅せつけてくれる。それもオールヌードで、弛んだお尻をさらけ出す。(シェイプアップの番組をやってるんだから、もうちょっと綺麗さを保てるんじゃないかと思うけど、まぁストーリーの展開上、仕方ないか)
そして、それとの対比として、マーガレット・クアリー演じるスーが完璧に綺麗な美ボディを拝ませてくれる。
この2人がそれぞれの身体を交互に動かしていくんだけど、抜け殻?となった体が裸のまま放置されているのも、何とも言えない。
【ネタバレ】
一週間ごとというルールの中で、若々しく美しいスーは、スターダムにのし上がっていく。その反面、エリザベスは周囲から孤立し、寂しい時間を過ごさなければならない。自暴自棄になり、荒れた生活を送るようになる。
輝かしい毎日を送るスーは、交代の度に荒れ果てていく部屋に怒りを覚え、自分の時間を延ばそうとする。
しかし、その反動でエリザベスの肉体は急激に老化していくのだった。
このあたりの展開はゾゾゾッてきましたね。母体であるエリザベスがどんどん衰えていく中で、スーの美貌は保つことはできるのか?
やっぱり無理だよね。命の源?が枯れて来たためもう一度母体に戻らなければならない。
ところが、エリザベスが意識を取り戻すと、驚愕的な老体に変貌していたため、怒りが頂点に達し、スーの抹殺を試みるんだけど・・・
若く美しい彼女に自分の夢を託すのか?いざって時に躊躇してスーを蘇生させてしまう。ところが、今度は目覚めたスーが、殺されかけたことで怒りに我を忘れ、エリザベスを殺してしまった。
最大のイベントのメインとなるスーだったが、本番直前に人体が崩壊を始める・・・
もう〜、ここからはお笑いのホラーでしたね。
何気に伏線となっていた、一回しか使ってはいけない薬の再投与。崩壊した人体の再生は、グロさ満点。オマケに会場は血飛沫シャワーで真っ赤っ赤!そこまでやるかってくらいの人体破壊は、まさに物語の破壊にも通ずるようなシッチャカメッチャカ!
この監督さん、すげぇ〜って思ったら女性だったんですね、なおビックリ。フランス出身ということで、あの開けっぴろげな身体の見せ方は納得でしたが。
そしてもう一つ、あの「REVENGEリベンジ」の監督だったんですね。どおりで、ド派手なバイオレンスと出血大サービスなわけだ!
や!共感なし。
楳図かずお的怪奇映画
頑張ってはいるけど。
凄まじい映画でした…!
お皿に割った卵の黄身に注射をすると、プクプクと怪しげに動き出した黄身が、二つに分裂する。何やら気色悪い。Hollywood Walk of FameにElizabeth Sparkle と型どられ、誇らしく輝くも、それも束の間。種々な人々に踏みつけられ、ハンバーガーソースで汚され、年月と共にひび割れていく。ストーリーの全てを暗示するよく練られた導入だ。
そこに、実年齢62歳のデミ・ムーアが信じがたい綺麗な笑顔とプロポーションで、fitness danceを披露する。明るさにホッとするも、続く、ハーヴェイの海老をしゃぶり食う唇の大写しに、再び気色悪さに身をすくめる。お払い箱になったエリザベスの肌に張りが無い事も見て取れる。
“若さと美しさよ、もう一度!”とSubstanceを注射したElizabeth。そこから、グロい血まみれのシーンが始まる。一方、Elizabethの背を割いて生まれた分身Sueの、輝かんばかりの完璧bodyとcharmingな笑顔は見ていても心地良い。その対比の構成が実に素晴らしい。監督の手腕だとしか言いようが無い。
Climaxに向かうにつれては、おぞましいシーンが、これでもかこれでもかと果てしなく高まり続く。あまりの凄まじさに『何と、これは怪奇ホラーか!?』と、私は息をするのも苦しかった。
デミ・ムーア執念の女優魂に圧倒される、凄い映画でした。
採点できない...
痛そうなのと気持ち悪いのと、
ルッキズム大爆発のオッサンが胸くそ悪いのとで、とても疲れたよ⋯
まぁ、最初から上手くいくわけないと思いながら観ていましたが、
この後半のスプラッターのごとく血肉まみれの惨劇に思考が停止しました⋯。
なんだか、良かったか悪かったかの感想も、
吹き出す血といっしょに飛ばされてしまったようで、
「なんかすごかった⋯」しか残っていないです⋯。
この役を引き受けたデミ・ムーアが、いろんな意味でつよっ!!
1962年生まれ
かなりグロいシーンが多いので、そういうのが苦手な方は、安易に見ないことをお勧めします。
同じ時期に日本で公開の「ミッションインポッシブル」のトム・クルーズと、本作主演のデミ・ムーアは、同じ1962年生まれ。片や歳を感じさせないアクションで、未だにカッコいいイメージで主演を続けているトムに対し、ここのところ脇役が多く、今回もある意味キワモノに身体を張って挑戦しているデミ。女性だと年齢を重ねると共に、単に年齢を理由にメインではなくなるという彼女の状況がそのまま映画のテーマになっています。そんな彼女が演じているから説得力があり、第一線に固執する執念も鬼気迫っていますね。
人間の強欲の愚かさを見せつけていて、ゲゲゲの鬼太郎に出てきそうな話なので、ねずみ男的なキャラがいて、強欲さをコミカルに描けていたら、もう少しすんなりと見られたかもしれません。
交代時の連絡手段必須
オープニング、卵の黄身が二つに!卵高いからなぁ〜食べられたらいいなぁ。
そして本題入っていくわけですが、流れ的には想定の範囲内。同じ人間が二つに分かれてるのだから、意識が同じはずなのだが、やはり若いと傲慢になるのね。いつまでも美しくありたいは分かるけどさー老いに抗うではなく相応にライフスタイルチェンジして楽しめばいいのに、忘れられないのね、過去の栄光。
そして、注射液が残った時点で伏線が見え見え、やはりそうなりましたか。
がここから、ここからですよ。大晦日のステージが凄い!笑ったわ🤣🤣🤣BGMもサイコーやないですか。観客席はてんやわんや🤣🤣🤣まぢやめて〜おかしー🤣🤣🤣B級ホラー並に血の放水、ひぃー🤣🤣🤣コメディなの?テレビ局の廊下がシャイニングっぽいなぁと思って見ていたら、血の洪水ならぬ血の放水🤣🤣🤣最後は人面アメーバ?なんかどこかで見たことあるような化け物が溶けて清掃入って終了🤣🤣🤣
前盤ドキドキ、中盤ひぃー、後盤大爆笑
お互い交代時の意思疎通が図れていれば違ったんだろうなー
ありのままの君が好きなんだ
スプラッター色の強いホラー映画で、「キャリー」を連想させて、かなりインパクトがありました。
老いとどう向きあっていくかは、誰もが抱える悩みですね。誰もが外見を良く見せようと取り繕いますが、「ありのままの姿でいいんだよ」というメッセージ性を感じました。
終盤、スーが怪物のような姿に変わった時にエリザベスのポスターの顔の部分を破って、それで顔を隠しながら、大晦日の舞台に向かう行動は無理があると思いながらも妙に笑えます。
アメリカらしいジョークの効いたテンポの良いホラー映画でした。
追記 アメリカではなくて、イギリス・フランスの合作なんですね。
藤子・F・不二雄なSF設定x露悪的グロテスクホラー
予告映像で、飛ばし気味のハイセンスな映像・美術・効果音、そしてデミ・ムーアの存在感で、大いに期待しまくりで鑑賞。
全盛期の美貌から明らかに衰えてスターダムの座から陥落した主人公(デミ・ムーア)が、究極の若返り薬・サブスタンスを自分に投薬し、ある意味、全盛期の美貌を取り戻して、もう一度スターに返り咲こうと奔走していく物語。
藤子・F・不二雄なSF設定を彷彿とさせる、細胞分裂でもうひとりの自分を生み出す「サブスタンス」だが、その演出は露悪的で結構グロいので、これらの演出を笑って楽しめる人向きですね。
前半1時間はエロティックホラーな雰囲気と、細部に渡ってセンスを感じられる映像で、のめり込んで観られたものの、後半1時間は悪ふざけのグロ描写がくどいし、内容も蛇足気味だしで辟易してしまった。
終盤の「サブスタンス」再投薬による肉体崩壊の描写だが、あそこまで見せる必要はあったのかしら? どうしても作り物として見えてしまうので一気に興ざめしてしまった。まー実際のところこの終盤はパロディ要素なんだろうけどね。
しかしデミ・ムーア、体当たりすぎる役柄でした。なんならお見事。
薬は用法・用量を守って正しくお使い下さい。
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