サブスタンスのレビュー・感想・評価
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用法用量は正しく守ってお使いください
ねぇ~、なかなか守れないよねぇ~。
誰だって良い方の体で長く居たいもんねぇ~。
でも既にご老体のワシにも言えることだが、薬でも医者でも「まっ・・いいかっ!」って瞬間が有るのよね。体の事はちゃんとやらないと大変な結果を招くよ。
あ~やだやだ、ちょっと医者行くの躊躇しただけでデミさんのラストみたいになるかもね。
と、そういう訳で、老体の私にはキツ~イ警報でした。
あ!映画?ストーリーは100点、進行は0点。いい加減にしろよ!と怒りが湧いてくるような後半の展開はアメリカの駄作映画を見せられているようなガッカリ状態。車いすの方とワシしか最後まで上映室にいなかったよ。本は秀逸なのにね。
アラフォーには過激でした!(´ー`A;)
カメラワークの臨場感が素晴らしかったです、映画館の小さめスクリーンでしたが迫力が凄かったです。
これをグロホラーと知らずに観た若いカップルは、、可哀想(笑)
ラストのラストは、まさかの懐かしの遊星よりの物体withデミ・ムーアでした
ルッキズムと男性優位社会へのアンチテーゼ
「ドリアン・グレイの肖像」や「永遠に美しく」のように、若さと美しさに執着して手酷いしっぺ返しを食う物語、の類型ですが、執着せざるを得ない社会へのアンチテーゼも含めた一歩先行く作品。
さらに、作り込んだ映像と特殊メイク、主演女優2人の存在感のおかげでとんでもないクオリティに仕上がっています。
若くも美しくもない女は用済み、という価値感が支配する世界。
舞台となるTV局は極端にデフォルメされた男性社会。(上役もプロデューサーもクルーもほぼ男しかいない)
スーがエリザベスを嫌悪し始めるのは自然な流れ。
男性優位社会の中で恩恵を受ける若い女性は、高齢女性を容赦なく攻撃するものです。その昔、日本でも「30過ぎると羊水腐る」発言した若手女性芸能人がいましたっけ…
スーの神々しいまでの美。エアロビシーンの肉体を舐め回すようなショットだけでなく、エリザベスの背中から出てくるシーンや、裸で無防備に横たわる姿はルネサンス絵画で描かれるヴィーナスそのもの。
若くて美しいことを人類このかた600年近く賛美してるんですよ、わかってますよね?という確認のよう。
その価値観はエリザベスだけでなく、観客自身をも蝕み、老いさらばえたエリザベスを執拗に攻撃するスーの怒りにいつしか同調していきます。
2人でひとつ、の彼らが繰り広げる自傷行為を延々と見せられ続けた先のクライマックスがさらに凄まじい。
ラスト10分強をあそこまで血と臓物で塗りたくったことに、監督の社会に対する強い怒りを感じました。
それにしても、フランス人女性監督がこの映画を撮ったことにやや驚きました。
アメリカなんかと比べたらフランスって熟女が自信を持って恋愛を楽しんでいたり、若さ至上主義ではないイメージ。アンチエイジングにそれほど熱心でない女優さんも沢山います。
最近は違うのでしょうか。
デミ・ムーアについて。
彼女は妊婦ヌード披露に始まり、役作りで筋肉ムキムキ化、その後全身整形を告白など、肉体改造をしながら生き残ってきた女優さんなので、今回の役は自分の黒歴史をネタにしてさらに破壊するようなもので、もんのすごい精神力がないとできない役ですよね。
62歳にして最強の女優魂を発揮したのだから、オスカーあげてほしかったな…
マーガレット・クアリーの母のアンディ・マクダウェルはデミ・ムーアとほぼ同年代で、80年代の青春映画「セント・エルモス・ファイアー」でデミと共演もしています。
映画のテーマに共感したなら、マクダウェルの自然に年齢を重ねた姿を賞賛すべきなんでしょうが、デミの年齢を超越した美しさを目の当たりにすると、あー自分も少しはあやかたりたいな、なんて思ったり。
ほんと、染み付いたルッキズムとは厄介ですね。
まさに阿鼻叫喚、スプラッターなカルトムービー
デミ・ムーア演じる主人公エリザベス・スパークルは、かつて一世を風靡したスター。歳を取り容姿も衰えはじめ、長く続いているテレビのフィットネス番組降板の憂き目に遭う。
そんな中、自らの外面的な美しさと若さに執着し、怪しげなクローン技術に手を出してしまう。自身のクローンであるマーガレット・クアリー演じるスーが若々しく美しく輝きを放ち活躍する中、ルールを破りそのクローン技術を濫用したことで、運命共同体である二人がともに破滅へと向かっていくというストーリー。
セント・エルモス・ファイアー、ゴースト/ニューヨークの幻、幸福の条件などに出演していた頃のデミ・ムーアが60歳となりどのように変貌したか、その怪演?を見たくて鑑賞。
助演のマーガレット・クアリーの美しさに目を奪われ、それぞれの肌の張りや木目の違いの映像化、演出に面白さを見出すも、中盤以降特に拍車がかかるグロさ溢れる展開に、開いた口が塞がらず、、、
予告編だけでは予想が付かなかったが、エンタメ性のあるホラー映画の側面はあるものの、血みどろの演出溢れるスプラッターなカルトムービーと捉えるのが一番合っている気がする。
随所に使われている印象深い映像描写や特殊メイクなどによって、観る者に再三再四おぞましさを感じさせ、終盤にかけては血みどろで阿鼻叫喚の地獄絵図が幾度となく繰り広げられる。
耐えきれなくなって、劇場を後にする人も出かねないほどのグロテスクなシーンがスクリーンに映し出される。
デニス・クエイド演じるTVプロデューサーの滑稽な振る舞いは、昨今のフジテレビ問題とも被り、それがある意味唯一の救い。あまりの破茶滅茶なスプラッターぶりに、最後の方は笑っちゃうほど。
過去の名声を忘れられず、若さと美しさを求める女性の悲しい性を、とてつもなくグロくB級に描くとこのような映画になるだろうか?
このカルトムービー、映画自体の質はさて置き、この脚本と演出の映画にデミ・ムーアを起用したことの凄さ、また制作時60歳だったデミ・ムーアが、あえてアップで写した年齢を重ねた肌や、加工されているとは思うがその裸身を惜しげもなく見せ、鬼気迫る演技であることに関しては一見の価値あり。
ただし142分間と比較的長めなので、それなりにスプラッター満点のグロいカルトムービーを観る覚悟が必要。
B級・C級なスプラッタームービーが苦手の方、1980〜90年代のデミ・ムーアのイメージを変えたくない方は、絶対に観ない方がよい映画。
近年随一の傑作に相応しい。ただしグロい
映像・演出・演技(20)
全体を通じてセリフが少なくその代わりに気色悪いモチーフを洗練された配色と撮影技法で語る、まさしく『映像作品』である。非常に見応えがある。それに冒頭のエリザベスのタイルをはじめとした抜群の演出も組み合わさると最高の映画が出来上がる。
個人的な苦手な点を挙げるとするのなら、最終盤のエリザベスの演出が執拗すぎてちょっとひいた。(終盤とかこころの中で『もう止めて!』と叫び倒していた。)作り手の悪意が最初から最後までまでたっぷり編み込まれた最高に最悪、しかし最上の構成である。
これは蛇足かもしれないが、冒頭のワークアウトに勤しむエリザベスは男性である自分の目からみて非常に綺麗に映った。(実際マジで美人である。)しかし映画が進むごとに、あるいはスー役の女優の登場により次第に彼女を単純に綺麗だと思えなくなっていった。
そこに若干どころではない罪悪感を覚えはしたが、観客の感情変化と主人公の自己肯定感の低下を見事にシンクロさせた本作品の演出は、やはり目を見張るものがある。
20点
世界観(20)
『サブスタンス』という持ち主の分身(若かりし頃の自分ではない。これは多分重要)を生み出す薬剤が存在する世界観。試聴作品の母数が足らないかも知れないが、この手の設定は初見であり、非常にワクワクした気分を味わえた。
16点
脚本(20)
映像の魅せ方が卓越した作品である。ホラー映画あるあるだが最初の舞台説明で大抵のオチは読めてしまった。(先述したが)しかしここまで徹底的に成れの果てを書くとは思わなかった。視聴中は主人公が第三形態になったのを見て終わりだと思っていた。
11点
キャラクター造形もしくは心理描写(20)
演出に次ぐ今作の評価点。風化したかつてのスターを主人公に据えるセンスに脱帽。常に人々の目線に晒され、ルッキズムを魂にまで刻み込んできた彼女だからこそ、あの薬剤を投与することに強い説得力が生まれるのだと思う。そしてこれまでに他者からの目線以外の価値観を育ててくることができなかったエリザベス・スパークルのある種の幼稚さ、愚かさも際立っている。
※観劇中は感情移入しすぎて中盤から見ているのが辛くなり一度席を立ちかけた。たぶんそんなにグロに耐性がないのもあるけど。
20点
メッセージ性(20)
ルッキズム批判を、主人公の本人の気質や社会構造を悪意を持って描くことで成立させている作品である。シンプルかつ強烈なのでそれ自体に特に言及することはないが、主人公はやっぱり友達はいなかったのだろうか。孤立することは程度の差はあれ価値観を歪ませてしまうので人との対話や異なるコミュニティーにいることの重要性を感じさせる。
個人的に『孤独』が本作品の裏テーマなのではないかと思う。
18点
総評
美は見る者の振る舞いをまるっきり変えてしまうという点で呪いのようなものだとも思う。美人に生まれてしまったことがエリザベス・スパークルにとっての祝福であり災禍であったことを考えると救えない。他者から無条件に愛されるということにすっかり依存してしまったからだ。
彼女に必要だったのはサブスタンスではなく価値観を共有できる友人だったのかもしれない。(スターってやっぱり孤独になってしまうのだろうか。それとも彼女が例外だったのか?)
まとめると作品全体のレベルが際立って高く、骨太な思想のもとに作られたホラー作品の傑作というのが本作品の妥当な評価であると思う。
グロいのが苦手な人には少々きついとは思うけど。
85点
エロ・グロ・バイオレンスなホラー風味のエレファントマン!
見終わってしばらく立ち上がれませんでした!
痛いし、気持ち悪いし、悲しいし、絶望的!
デミ・ムーアってキース・リチャーズに似てるのか?😅💦
ちょっと前に主演映画のキャンペーンで吉〇小〇合さんをテレビで見ましたが、今でも凄く綺麗で、もしかしたらこの薬を使ってる?…サユリストの皆様、失礼しましたm(_ _)m
シャイニング以来の血しぶき
血みどろは想定外でした
いやー凄かったです(笑)
ストーリーはとても面白くて、細胞からクローンを造るのではなくて、背中から産まれるなんて、まるで昔あったホラー映画の「マニトウ」みたいでした。
「マニトウ」と違うのは、とっても可愛い💕スタイルいい若い時の自分が出てくるという事です。
1週間交代といったルールも面白いし、栄養を与えたり、母体から穿刺して、脊髄液を取り若い自分に注入して安定させるというのも、よく考えられているなと思いました。
ちゃんとルールを守れば、母体が死ぬまで、1週間交代でも、若い自分になっていられるんです。
しかし、人間ってワガママで自分中心的なので、うまくいくはずがないですよね。
特に若い自分が暴走し始めると、母体にどんどん影響が出てきてしまいます。
早く「あなたはひとつ」と言う事を理解して欲しかったです。
まぁー両方の気持ちもわかりますが。
若さへの執着と狂気は、ラストはとんでもない展開へと進んで行きます。
しかし、ラストは流石にやり過ぎでしたね。
もっとシリアスなラストにした方が良かったように思えました。
最後の方で、「鋼錬」の母親を錬成した時のような容姿になって、自分の写真を貼り付けた時は、めっちゃ笑ってしまいました😊
そこからはコメディにしか見えなかったですね。
ただ生理的に気持ち悪かったのは、TVプロデューサー役の人が、トイレで手を洗わない、食べ方が汚い、本当に部分的アップが無理でした。
他も料理のシーンや、部屋を食べ物で汚すことが、私には耐えられなかったので、評価を少し下げました。
それにしても、デミ・ムーアは現在62歳。
いつ撮影したのかはわかりませんが、普通の人に比べると、やっぱり綺麗でスタイルはいいですね。
そのままで充分素敵です。
若さを取り戻したい!いつまでも可愛く、綺麗でいたい❣️
気持ちはすっごくわかります。
周りからチヤホヤされるとかじゃなくて、私は自分自身の心の安定として、自己満足かもしれないけど、出来る限り美しく保っていけたらと頑張ってます。
老化していくのは、仕方がないです。みんな同じです。
自分の気持ちの中は、すっと背筋を伸ばして、いつまでも自分なりに、努力していきたいなと思いました✨
最高傑作 必見です
かなり強烈なインパクトがある作品で驚きましたが必見作品です。
私世代は誰もが憧れた「ゴースト ニューヨークの幻」などで活躍したデミ・ムーアを主演にしたのも凄いですが、
理想の身体を手に入れた若手女優を演じたマーガレット・クアリーが素晴らしい。
R15+なのでグロさはこんなものだろうと思っていたら後半はスプラッターの大サービスで思わず笑ってしまうほど。
とにかく女性監督らしく限界突破の面白さの作品でした。全体的にキューブリックとクローネンバーグのオマージュはかなり感じました。
これだけ振り切った演技をしたデミ・ムーアにはアカデミー主演女優賞は獲って欲しかったです。
おススメ度は満点ですがグロが苦手な方はご注意ください。
皮膚に針を刺すシーンが苦手な人はパスして
ストーリーは単純といえば、単純
薹が立った女優・エリザベス(デミ・ムーア)が若返りたいと切望
その身体から産み出された若く美しい女性・スー(マーガレット・クアリー)
そして彼女たちの生殺与奪権を持つ、エンタメ界を牛耳る男・ハーヴェイ(役名が皮肉、デニス・クエイド)
この三人しか主な登場人物はいない
若返り薬の背景(販売する謎の組織?、薬の組成?)も一切無い潔い構成で、アレコレ考えずに全てフィクションと割り切って、女性ふたりの熱演を観ているたけでかなり楽しめる
但し針を刺すシーンが注射以外の目的でも何回もあるので、視覚的に受けつけない人はやめておいた方が良いかな?
(もちろん鼻血、血ドバ、嘔吐、乱闘シーンも多い)
デミ・ムーアは大半のシーンは全裸で存在していて、初めは裸体を観ることにこちらも気恥ずかしさがあったが、半ばを越すともう裸体も単なる物質(substance)のひとつなんだな、と割り切って見ている自分がいた
裸で横たわる人間がいたら、裸体を何かで覆ってあげる通常の感覚だが、このふたりの感覚は心遣いが皆無で(前半は横たわるデミの頭に枕のようにタオルをあてがってはいたけれど…)
人体に対する敬意が全くない、ドラマで描かれるようなイカれた医者の感覚って、こんななのかもしれない
人体も突き詰めればタンパク質で合成されたSUBSTANSですから
あと宣伝チラシのエリザベスとスーの顔が、いまひとつ興味を惹かないのはわざとかな?特にスーの顔が、日本では全くヒットしなかった「Barbie」みたい。スーが美女という設定?と思ってしまうほど、ルックスがイマイチ(…と私が感じてしまうこともルッキズム??)。本編を鑑賞したら、バリバリの美女というより、笑顔がチャーミングでフレッシュなタイプの女性でした
映画は音響と編集カメラワークが凝っていて、テンポよく、この悪夢のような映画にキッチリ目鼻が付いて、最後まで退屈させない娯楽色に満ちた作品
大乱闘と血ドバで最骨頂に続くラストは1回まわってもはや大笑い、冒頭のシーンにオチをつけて見事に伏線回収でした!(笑)
【蛇足】
デミ・ムーアのバストが、本当に子育て(授乳)してた母親の胸の形をしていて、きちんとママをやっていたんだなぁと思いました
華やかなハリウッド女優(「ゴースト」でハリウッドでは珍しい、愁いを帯びた健気な役で一躍日本で人気になりましたよね)で、売れっ子ブルース・ウィリスの妻、離婚してもアシュトン・カッチャーと親子ほどの歳の差カップルとして浮名を流して、色々ありました
しかし或る意味自分自身をカリカチュアされる、この作品にほぼ全裸で出演する、まさに体当たりの熱演は女優魂の塊といえる
余りにも皮層的‼️❓限りなく無に近い存在‼️❓
ビュジュアルホラー、もしくはスプラツタードキュメント、またはメタファー、前半は外面と内面の落差、後半はエログロ、英国とフランスの合成らしい映画。なんだかエセインテリが好みそうな嫌らしさ。ストーリーは荒唐無稽、二面性にしても綺麗汚いの違いだけじゃ無く、別人であれば余り意味がない、様な気がする、そもそも2人とも女優の裸では無く、作り物だから、いろんな意味で皮層的。ただ綺麗で有ればテレビの仕事が有る、皮肉なのか、そう思い込んでるのか、監督は、アカデミー賞選考委員は。ホラーらしい恐ろしさもない、ただ惨たらしい、何十年前に目撃した鉄道飛び込み死体、同僚の職場での飛び降り自殺、思い出した、関係無いけど、当分はホルモン食べれないな。なんだかトクリュウに騙されて、逆走する車にぶつけられて、飛び降りの巻き添えを食う歩行者の気分だ、オーマイガ、ジーザス、なんでもいいから無茶苦茶な映画をみたい人は、どうぞ。
マッドマックス怒りのデスロード以来の熱狂
本作の映画ファンの間での熱狂ぶりは、
マッドマックス怒りのデスロードの頃のそれに似ている気がしていたのだが、鑑賞して更にそう思える箇所がいくつか見つかった。
シンプルな寓話、明瞭快活なイデオロギー。
アートワークの追求(撮影、編集、デザイン、フォント、カラーコーディネイト)。
要は映画の骨となる物語を必要最低限まで削ぎ落とし、肉となるディテール、監督のフェティシズムに全エネルギーを注ぎ込んだ作品といえる。
セリフの少なさや終始アッパーな雰囲気なども共通項として挙げられるだろう。
このような作品は本当に何度みても再発見がある、難としては上映時間が若干長いことを挙げられるが、観ている間はあっという間だったので問題ない。
2作品の違いとして挙げられるのは、サブスタンスはニッチなジャンル映画であること、そして異常なまでのオーマジュの連続ということ。
これはジョージ・ミラーのような往年の巨匠にはあまり見られない傾向であり、タランティーノ以降を超過し、A24すら通過した、ニュースタイルということになる。
A24御用達のアリ・アスターやジョーダン・ピールですら、ホラーやSFというあくまで大きな枠組みの中で動き回り、ここまでニッチに細分化されたジャンルの中で動くことはなかった。そして彼らはジャンル映画に知的エッセンスを加えることでニューエイジたることに成功したが、80sb級ホラー精神丸出しの本作はおバカ映画と薄皮1枚の差しかなく、
監督の知性は敢えて徹底的に伏せられており、そういう意味で非知性的な形で成功したジャンル映画としては近年稀に見る事態ではなかろうか。
テリファーなどもジャンル映画として稀に見る成功を収めたが、テリファーは終始ジャンル映画の枠を飛び越えない作品であった。
本作は寓話という普遍性やルッキズムという社会性を帯びることによって、ジャンル映画の枠を悠々と飛び越えた。
これこそ真の知性がなければできないと思う。
A24という新派を飛び越えて、孤高のモンスター監督が爆誕した。
やりたい事を徹底的に全部やり切る快作
君の知らない物語
何10年も生きてこんだけ映画見てドラマ見て小説読んで漫画読んで、もうそろそろ大筋の読めない物語には出会えないだろうと思っていました。
王道を基本に逆張りしたりドッキリを仕掛けたりしながら、細かな個性に驚かせながら今後も映画や物語を楽しむのだろうと。
いや全く最初から最後まで目が離せないというか、展開が読めないというか、「一体どうなっちゃうの~~?★」状態で最後まで駆け抜けてくれました。
ただ単に「若い女性というステータスに誰も彼もが振り回されるお話」では済まない。
というか、端的に言うとそれで済むのによくここまで肉付けしたわね。
特殊メイクや女優さんたちのあらゆるもの(服とか)をかなぐり捨てた演技も見物です。
どんな姿になっても俊敏に駆け抜けたり日曜大工したりお料理したりするポテンシャルも想像の斜め上を行きすぎて一周して笑ってしまいました。
あと脚本かカメラか監督の誰かに尻派がいますね?
分かるのよ、観客には。バレバレなのよ。
ワタクシ個人としましては、スーよりエリザベスの胸の方が好みですわね。
スーの尻が綺麗なのは…それはうん…ホントそう。
観客もまた、若い女性というステータスに振り回される一人なのだ………
ただ、個人的に最後の15分は蛇足。
鏡に一瞬バケモンが映るで終わりでよくないかい。
エリザベスやスーをコンテンツ消費したおっさんに対する復讐、みたいなカタルシスのために追加されたのか、もしくはエリザベスの夢だったのか?
ただただエリザベスが可哀想なだけで…、誰も気付かんのもおかしいし、まだやんのこれ?と思ってしまいました。
鏡にバケモン映ったときは「ヨッシャ!何て後味が悪いんだ!オッケーお疲れ!」って拍手しようとしたのに…
それにしても母体と分身で記憶共有できないの、母体にメリットなくないですか?
自分の20歳前後の頃なんて自分のことしか考えないマジクソ人間ゴンだったから、母体と交換しないだろうことは想定できるんだけどなあ。50歳の人格のままならある程度、母体が駄目にならないために最低限…という理性は働くだろうけどさあ。
ちゃんと事前に説明受けてたんかな、エリザベス…
あんな文字がでかいだけの説明書で納得してへんよな…?
評論家ではないので 素直な感想
すべて想像の範疇を越えてくるエグさ
制作者の本意は?
初老に差し掛かってTV番組を下ろされた嘗ての人気女優が、若返りの為に怪しげな薬に手を出しピチピチの20代に生まれ変わるお話です。物語は、とんでもなくエグい方向に展開していきます。
あの様に始まった以上ああ終わらざるを得ないのだろうし、監督はそれを描きたかったのでしょうが、物語が折角積み上げて来たテーマや批評性が笑えないコメディホラー的終盤で全て吹き飛んでしまいました。それでもやっぱりああ撮りたかったんだろうなぁ。物語の破綻こそが狙いだったのかも知れません。難しいなぁ。
でも、どこか気になるのは、本作を観た人の中に「げに恐ろしきは女の妄執」と感じる人も居るのではと思えた点です。そう観られる事は制作者の本意ではないと思うんだけどなぁ。
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