「タイトルなし(ネタバレ)」サブスタンス りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
朝のボディシェイプアップ番組に出演している女優エリザベス・スパークス(デミ・ムーア)。
かつては人気女優で、ウォーク・オブ・フェイムに名を刻んだこともある。
さて、50歳の誕生日間近のある日、番組からの降板をプロデューサー(デニス・クエイド)から言い渡される。
その帰り、気もそぞろの彼女は交通事故に遭い、ほぼ無傷で退院するが、その帰り際に「人生を変える品」のことをインターン医師から告げられる。
その名は「サブスタンス」・・・
といったところからはじまる物語で、怪しげな薬品「サブスタンス」を接種したエリザベスから、若い分身スー(マーガレット・クアリー)が現れる。
エリザベスとスーは一体。
ライフフォースを共有しているが、意識は共有していない。
7日ごとの交代が原則・・・
『ジキルとハイド』の変型みたいな話。
とにかく、演出がポップで、おもしろいねぇ。
意識は共有していないので、どちらも相手のやることが気に入らない。
そのうち、若いスーは、7日で交代するのがイヤになり・・・
と、このあたりまでは大体想定内の物語。
ポップな演出や、スーが登場するまでのシークエンスを台詞なしで描いたりのスリラー描写は目を見張るものはあるが・・・
さて、美に執着すると・・・
まぁ、肉体崩壊になるんだろうなぁ、と予想を付けていたが、うへぇ、斜め上の展開だった。
斜め上いく「阿鼻叫喚」は、やり過ぎかなぁ。
終盤は、スチュアート・ゴードン、ブライアン・ユズナ、フランク・ヘネンロッター。
よい子のみなさんが観ない類の映画だよ!
「これにておしまい」のレビューにしようとしたのだけれど、「サブスタンス」の意味を調べて、継続。
「サブスタンス」とは「実体」の意。
なるほど。
分身が現れて・・・は、まだ本物・実体・本質ではない。
最後に統合されて・・・実体が現れる。
どのような姿であっても、「自身は美しい」と肯定する強さのようなもの。
それが、必要とされる本質。
奥が深いなぁ。
観る方としては、深いところに到達する前に、不快になるかもしれないけれど。
旧作『エンティティー/霊体』に倣って、『サブスタンス/実体』というタイトルでもよかったかも。
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