「あなたはひとり」サブスタンス ヨークさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたはひとり
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いやぁ、凄かった。強烈。
これでもかと今のルッキズムを痛烈に皮肉った映画。
何度もカメラに映される「みんなあなたを好きになる」というキャッチコピーは、世界中があなたを好きになってもあなたが自分自身を好きになれなければ何も変わらないよという裏返し。
その言葉通りに、美しいものだけを追い求め醜さを忌避する主人公のふたり(いや、ひとりか)は、絶対的ルールを軽々と破って身を滅ぼしていく。
このあたりのお約束的展開は「笑ゥせぇるすまん」を思い出した。
さらにこの映画で特徴的なのが、本体を殺してしまったあとの悲劇をこれでもかと鮮烈に描いていくところ。
その描写がスプラッターなのはこの監督らしさで、おまえの求める美意識はこれくらい醜いんだよ!と叫んでいるようだった。目を背けてもまだ終わらないからな!殴っても殴ってもまたすぐにおまえの美意識は顔を出してくるだろ!だから徹底的にやって分からせないとな!と言う監督の声が聞こえてくるような終盤のラッシュ。ここまでやってくれると痛快で思わず笑える!
監督のこういうところが好き!スタイリッシュに描いて、「現代のルッキズムをシニカルに描いた〜」みたいな枠から敢えて出ていくような姿勢。もうスプラッターホラーじゃん!と観客をギャフンと言わせたいという意思を感じられて、良い。
SNSに蔓延るすべての美容垢、整形垢の人たちに観てもらいたい傑作。
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