「カタルシスは全くないが名作」サブスタンス YU–GOさんの映画レビュー(感想・評価)
カタルシスは全くないが名作
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エンタメ要素やカタルシス、感動といったものは期待してはいけない映画ですね。
敢えて登場人物やストーリーを極端にデフォルメして描くことで、ルッキズムの怖さ、言葉による呪いの怖さを極限まで高めた映画だと思います。また、デフォルメにはフィクションであることを強調する意図もあるように思います。現実にはこんなアホばっかりじゃないよね、フレッドみたいなまともな人もいるからね、ということですね。誰でもそう感じられるようにしとこう、と。
解釈や説明のようなものはほとんどないので、読み取るスキルは必要になると思います。
そういったスキルがないと「こいつら全員アホすぎる」で、終わってしまうと思います。ただのB級ホラーになってしまう。なんでアホなんかな、どういう狙いがあるんかな、と行間をホジホジするとようやくホラー以外の面白いところが出てくる。魚のアラでも食べてるかのような感覚。
自分も、言葉による呪いをかけないよう気をつけないと。
自分が、呪いにかからないよう強くならないと。
と、思えたのが収穫でした。
プチネタバレになりますが、本作にはちょいちょい「夢オチ」が使われています。エリザベスの思い込みから、より過酷な現実を妄想してしまうんですね。なので、ラストも夢オチだったらいいな、と思いました。伏線らしきものはチラホラあったようにも思うので。
万人にはお勧めできない。全く。
でも、映画が好きな人には見て欲しい。
しんどいけど、得るものはそれなりにあるはず。
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