「単なるホラー、スプラッターではない」サブスタンス ken1さんの映画レビュー(感想・評価)
単なるホラー、スプラッターではない
下情報を何も入れずに行ったのだが、単刀直入に言って面白かった。観客を飽きさせないストーリーは、主人公の感情がダイレクトに観客に伝わってくることによるのだと思う。
そもそも美醜の境界線など、個人の主観によるものだと思うのだが、より多くの人の中央値となると、一定のレベルみたいなものが存在することは言うまでもない。
「老い」という、誰しもが逃れられない人類の約束事は、ある時期(本作では50代と軽く言ってのけている)を生きる人間にとって重くのしかかる、ある意味での死刑宣告のようなもの、それは、時として狂気を生み出す。
その狂気の原因を、監督は社会のシステムだと喝破する。そして、その社会に対して、キューブリックを下地にしながらも、それをはるかに凌駕する大量の血で報復するのだ。実に心地よいやり方で。
科学は進み、老いですら解決できるかもしれない時代が到来している。でも、その原動力が老いを受け入れたくないということなら、人として大切な多くのことを捨て、ロボットや改造人間として生きるということになる。それをこの映画は、恐ろしいほどのリアリティで私たちに突きつけるのだ。
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