「ハイカロリーのぶっ飛び映画」サブスタンス キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
ハイカロリーのぶっ飛び映画
とにかく熱量の凄まじいホラーでありシニカルコメディでもある。
「笑ゥせぇるすまん」的な心理的な追い詰めが、フィジカルに暴走を開始する。
まだ来るか、まだいくのか。
このテのジャンルムービーとしては上映時間も長い作品だけど、ラストまでテンションを更新し続けていく。
クライマックスなんて、ホラーというよりはお祭り。
ワッショイワッショイ。
クレナイだー。
まあ何しろ、この話が立体的に見えるのはやはりデミ・ムーアの存在。
彼女でなければただの「とんでもホラー」だったかも。
ルッキズムやエイジズム、性的搾取がまさに自らの社会的立場と直結する「芸能界」で生きていく人々にとって、今の社会がどういう場所なのか。
大スターになり、その後一線を退いていた彼女だからこそ、今の彼女の存在はまさに主人公エリザベス・スパークル。
当然作品を観た人にはデミ・ムーア自身と重ねられることを知って演じているだろうから、その覚悟は計り知れない。
体型の変化も、新たな自分「スー」との比較で「老い」として「悪」であるかの様に描かれる気分は、(外見を重視する仕事ではない)我々には分からなくてもやはり良いものではないだろうし。
ま、それも役者という仕事の特殊性ではあるけど。
こういう、性的なハラスメントを女性主人公でテーマにすると、どうしても出てくる男性が総じてステレオタイプなバカとして描かれる。
ただ、この話は普遍的な内容を含むんだから、もう少し男性にはバリエーションがあっても良かったな。
唯一の善良っぽい幼馴染みの男性も、結局なんかどんくさい感じだし。
でも、やはり女性は男性からこういう被害を受けてるってのも事実だからな。
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