「ミュージカルシーンはどれも熱く、感情に訴えてくる力があるし、映像としても美しく素晴らしい。」エミリア・ペレス mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
ミュージカルシーンはどれも熱く、感情に訴えてくる力があるし、映像としても美しく素晴らしい。
昨年度の(というか今年の)アカデミー賞は凄かったんだね。
取れなかった「教皇選挙」も凄い作品だったが、この作品も作品賞を取ってもおかしくない出来だったと思う。
ただ、正直言って、作品賞を取った「アノーラ」も含め3本とも突き抜けたものがなかったのかも。いずれも技巧的。映画的な巧さがある3本だった。
ミュージカルと言われているけど(確かにミュージカルだけど)、それほど違和感はなく(というかハリウッドのミュージカルとは全く違う)、見終わった後にミュージカルだったことを忘れてしまうほど。
ミュージカルシーンはどれも熱く、感情に訴えてくる力があるし、映像としても美しく素晴らしい。
そしてストーリーを感情的に説明する役割を果たしていている。これは、結果として映画の効果的な時間短縮になるのでは?と思った。
それでいながら、というかそれだからこそ、深い映画になったと思う。
素晴らしいアクション映画であり、恋愛映画であり、性差別の問題も扱って、メキシコの悲劇も扱っている。けれど多分最後の二つの要素は、色々と物議を醸しているよう。映画創作上の設定でしかないのだけれど、ただ現実との関係性の中でさまざまな問題に発展してしまう。この映画を観た当事者はどう思うか。そこまでは正直観客側には考えられない。(「ディア・ハンター」がやはりそうだった。ベトコンの描き方が差別的だと)。一言で言えない難しい話だと思う。
ただ映画としては、エンターテイメント性が強く、とても面白く、熱くなる映画だった。
最初に書いた3本の中では、アカデミー賞には甲乙つけがたいが、これが一番だったかも、と思えてくる。
また見たくなる映画。
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