「Deal」エミリア・ペレス ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Deal
ドラッグが関わるという情報だけしか入れずに見たので、ポスター下に書いてあるミュージカルも頭に入れてなかったもんですから、いきなりミュージカルが始まって困惑しましたが、ストーリーを止めることなく話をミュージカルに仕立てて進んでくれるので全然ノイズに乗らず、お前もお前も歌うんかい!という脳内ツッコミが捗りました。
ミュージカルはどうしてもカロリーが高いので、観てる分には楽しいんですが終わった後にドッと疲れた事がここ最近多かったので、このくらいサラッとやってくれる方が映画にのめり込む事ができるのでちょうど良いのかなと思いました。
性転換ではなく性別移行という、これまた新しいもんが出てきたなとは思いましたが、性別だけを女性にしてそのまま生きるという事で、ポスター見た時にこの人体ゴツいな…という違和感が晴れました。
人生を変えるために女性へと生まれ変わるという奇抜だけど起死回生のアイデア、そして全く違う人生を生きるという難しさがこれでもかってくらい伝わってくる描写は喜劇的でもあり、悲劇的でもありました。
中身は妻と夫だとしても、見た目がガラッと変わって戸籍なんかも赤の他人だからこそ、考えが全く伝わらずにヤキモキ、そしてドンパチやり合ってしまうというのは残酷ですが致し方ないよなと納得せざるを得ませんでした。
終盤はハードな展開に持っていかれ、銃撃戦に単独カーアクションもあり、それでいて中身は切ないときたもんですから、最後の楽曲もレクイエムのようでした。
影で支え続けた凄腕の弁護士リタの活躍が素晴らしく、バックアップも手術のやり取りもミュージカルも戦地に赴くまで全部やってのけるので、本当に人間ですか?ってくらい今作には欠かせない人材でした。
助演女優賞受賞もだよな〜!ってくらいゾーイ・サルダナが最高でした。
どうも海外では主演のカルラ・ソフィア・ガスコンさんの過去の発言が物議をかましたり(題材が題材なので燃えるのも仕方はない)、セレーナ・ゴメスのメキシコ語の発音が上手じゃないというあたりで燃えているらしいんですが、発音に関しては現地民ではないのでそこまで問題ではなかったです。
ただアカデミー賞目前で色々とばれたのは惜しいなと思うのと同時に、不用意にSNSで書き込むんじゃないよとも思いました。
とっても変な映画でしたが、とっても変な気分にさせられたのは変に心地良いなと思いました。
今年のアカデミー賞はレベルの高さも、多種多様な作品のぶつかり合いも見応えありありで感謝。
鑑賞日 4/1
鑑賞時間 13:30〜15:45
座席 A-4
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