「奇抜なミュージカル」エミリア・ペレス ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
奇抜なミュージカル
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予備知識無しで鑑賞。
ボスのいいように使われ、弁護士として認められることのないリタ。そこに、メキシコの麻薬王カルテルのボス、マニタスから女性への性転換をして、新たな人生を送る計画遂行を依頼されます。
リタの完璧な計画によりマニタスは姿を消すことに成功。
数年後、イギリスでエミリアとしてリタの前に現れます。そして今度は家族と共にメキシコで住めるように手配をすることを依頼します。元妻、子供達に女性エミリアとなった(父親)の生活が始まります。というのが要約したあらすじです。奇抜なミュージカルと感じるのは、ミュージカルになるタイミングが微妙であることです。歌い手が感情を込めて歌うというより、どこか愚痴を吐き出していたり、メロディラインが無くリズムに合わせて語るような歌となっています。話が進むと「ここで歌?」というタイミングにはやや興醒めでした。人間、性別が変わり、立場が変わり、環境が変われば、色々心変わりはするものです。しかし、エミリアはいいとこ取りをしようとしています。女性としての幸せを求め、男性だった頃の家族も求め、元妻の愛も求めます。そして、弁護士のリタまでも拘束してしまいます。結局、違う人生が送れるチャンスがありながらも、心の本質は変われない。という事なのかもしれません。
奇抜なミュージカルのお陰で、衝撃的なラストではありますが刺激は強く感じませんでした。フランス映画のできる技かもしれません。
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