「【”私の魂は誰にも渡さない!”メキシコ麻薬王が性転換手術により女性として過去の悪行を償う姿をミュージカル形式を交え描いた作品。抑圧された女性の叫びを描いた社会性とエンタメ性を兼ね備えた作品でもある。】」エミリア・ペレス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”私の魂は誰にも渡さない!”メキシコ麻薬王が性転換手術により女性として過去の悪行を償う姿をミュージカル形式を交え描いた作品。抑圧された女性の叫びを描いた社会性とエンタメ性を兼ね備えた作品でもある。】
■メキシコの弁護士事務所で地味な仕事を無能な男性弁護士に押し付けられ働くリタ(ゾーイ・サルダナ)に、”貴女を金持ちにしてあげる”と言う電話が掛かって来る。それは、麻薬王のマニタス(カルラ・ソフィア・ガスコン)に性転換手術を施す名医を見つける事と、家族を安全な場所に逃がす事だった。
そして、そのミッションを果たしたリサは4年後に、麻薬王から女性となったエミリア・ペレス(カルラ・ソフィア・ガスコン)と豪華な会食の席で再会するのである。
◆感想
・カルラ・ソフィア・ガスコンの二役の変貌ぶりに素直に驚く。極悪な麻薬王マニタスから、弱者救済の女神の如くエミリア・ペレスはNGOを立ち上げ、生き生きと働く姿。そして、ここが肝心なのだが、彼女は特に虐げられて来た女性を労わるのである。その代表が、エピファニア(アドリアナ・ラパス)である。彼女は失踪した夫が見つかった報を受け、エミリア・ペレスを訪れるのだが、夫に暴力を振るわれていた彼女は、バッグにナイフを忍ばせてやって来るが、夫の死を聞いて笑い出すのである。
そして、エミリア・ペレスとエピファニアは、恋に落ちるのである。
・リタもそれまでの生活から、一気にセレブになり、エミリア・ペレスとも仲良くなる。マニタスはペレスになった事で、贖罪の如く働き、生き生きと過ごすのである。
■今作の魅力としては、矢張り随所で描かれるミュージカルシーンの見事さであろう。過剰ではないが、そこではリズミカルに女性達が男性優位の社会を揶揄しているのである。
・だが、マニタスの妻ジェシー(セレーナ・ゴメス)は、昔から関係の有った裏社会のグスタボ(エドガー・ラミレス)と良い仲になる。一方、エミリア・ペレスは叔母として実の子供二人と接するが、徐々に懐かれて、一人の子からは歌いながら”大好きなお父さんの匂いがする。”と言われ目を細めるのだが、ジェシーはある日グスタボと子供達と出奔するのである。
ここで、ジェシーが歌う”自分自身を愛したい!”と言うフレーズも、象徴的である。彼女も又、マニタス亡き後に女性としての自由を謳歌しようとしたのである。
<だが、今作の結末はほろ苦い。エミリア・ペレスはグスタボとジェシーに銀行口座を凍結された報復として誘拐され、指を3本切り落とされ、身代金を要求されるのである。
そこで、傷だらけのエミリア・ペレスがジェシーに、初めての出会いの時の事を語るシーンは印象的である。
”何で知っているの!”と驚愕するジェシーだが、直ぐにエミリア・ペレスが愛した夫、マニタスであると知り、彼女をトランクに入れたグスタボが運転する車の中で、彼ともみ合いになり、車は横転し炎上してしまうのである・・。
今作は、メキシコ麻薬王が性転換手術を受け女性として男の時の悪行を償う姿をミュージカル形式を交えて描いた作品であり、抑圧された女性の叫びを描いた社会性とエンタメ性を兼ね備えた作品でもあるのである。>
おはようございます。
アメリカ国内で行き詰まって、メキシコに逃げるパターンの映画やドラマが割と多い(多かった?)気がするのですが、昔は治安も良かった?
アメリカの刑務所でのハラスメント(映画やドラマでの悪いイメージが本当だとしたら)とメキシコの犯罪に巻き込まれるリスク。
どちらも耐えられない!!
テルマ&ルイーズみたいにジャンプするしかないかも、ですね。
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