劇場公開日 2024年9月27日

「やはり藤ヶ谷太輔はいいんじゃないだろうか」傲慢と善良 kab_mtrさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やはり藤ヶ谷太輔はいいんじゃないだろうか

2024年10月5日
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鑑賞方法:映画館

原作は未読。去年「そして僕は途方に暮れる」で初めて主演作を見て、「もしや藤ヶ谷太輔はいい俳優では?」と思うようになり、見に行った映画です(ちなみにファンではありません…といちいち書かないといけない気持ちになるのは出自が“アイドル”な人だからかな)。

恋人がある日消え、探すうちに彼女の秘密が見えてくる、というのはもはやよくある設定だなと思います。宮部みゆきの「火車」とか、少し前に公開された「市子」もそうですよね。

そこに“婚活”というキーワードがからんでくるのは新しい視点かもしれない。それと主人公の周りの女友達がエグい。こいつらあわよくばと思ってるのに「傲慢」で自分からは何もできず、結局周りで牽制し合ってるだけなんですよね。

とはいえ、前述した同様の設定の過去作と比べると彼女の秘密は小さく、ある意味現実的で、まとまり方も割とベタだと思いました。

それでも★3つくらいかなと思ったのは、正直、藤ヶ谷ポイントが0.5くらいあります。

奈緒さんがうまいのはもちろん折り込み済みですが、その上でやはりうまいと思います、藤ヶ谷さん。

「そして僕は…」の滑稽で悲しくて、憎めない主人公もそうだったけど、その人物のダメな部分が出たときの微妙な表情が特にいいです、この人。ホームのシーン、「パシッ」「パシッ」と2度にわたって動きを封じられる時の声とか表情なんて、最高。

アイドルキラキラではなく、地味な映画に出て、ありふれた人物をやり続けてほしい。そしたら追いかけます。

あと桜庭みなみがいい仕事をしていました。
劇伴は面白いなと思ったけど、エンディングテーマはちょっと違うと思いました。

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kab_mtr