教皇選挙のレビュー・感想・評価
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満足度高し!
タイトルから勝手に(これは少々退屈な映画かも?)と想像し、覚悟を持って鑑賞したものの、いやぁ面白かった!好きですね、こういうの。
序盤は人(役)の名前と顔が一致せず(誰のことかな?)と混乱したり、(ローマ法王とローマ教皇は一緒?違うの??)などと考えてたりしましたが、すぐに物語に引き込まれていました。(現在はローマ教皇の呼称で統一されているようですね)
重厚な雰囲気の中に枢機卿ら聖職者の俗っぽさもはさんでいてそのバランスがとても良いです。
ストーリーはコンクラーベという教皇選挙の裏側をミステリー仕立てで描いたもので、聖なるものと俗っぽいもののコントラストが時にユーモラスで興味深かったです。
衣裳や建築・美術、色づかいや構図など緻密に計算された映像がとても美しく、それを見てるだけでも大満足。
渋味の増したレイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴーらの演技も素晴らしかったです。
第97回アカデミー賞には8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞。十分それに値する作品。
いや作品賞も私はこちらが良かったですね(あくまで個人の意見ですw)。
考察しがいがある
「困り顔のローレンス枢機卿…」
きちんと集中して観られる環境で是非観てください
好みの作品だったという0.5点を加えた上で。
レビューの得点が高いのに納得。
非常に面白かったし、よく出来てるすごい映画だなというのが感想。
カトリックの知識がさほどなくても充分楽しめるし、登場人物が多くても誰が誰だかわからないとさせない。
一人一人の秘密やら思惑やらが順に暴かれていくからストーリーわかりやすい。
引き込まれた。すごい。
ガチガチの歴史と伝統のカトリックの総本山で
謎とやたら人間臭いドラマが繰り広げられるわけで。
実際のところはわからないが、でも実際にも色んな人の思惑が入り乱れてコンクラーベは行われてるんだろうなと思ってしまった。
教皇は最も神に近い人の一人かもしれないが、人間だもの、の一言で済ませてしまうのはよくないかもしれないが、そこが面白いんでしょうね。
オチは好き嫌いがあるとは思うが、そう来たかと驚かされてやられたのでよし。
文句なしに人に勧めたくなる映画なので久々に満点。
あの赤色のお帽子は、どうしてあんなにジャストフィットしているのか?...
◇ 閉鎖世界と相対主義と
ローマ教皇という称号を聞いて思い浮かべるのは「カラマーゾフの兄弟」の大審問官、もしくはカノッサの屈辱のグレゴリウス7世。ローマ帝国の時代から脈々と続く権威、保守の中の保守、組織としてのキリスト教の中心。バチカン市国の元首という政治性。
次のローマ教皇選出の過程をミステリアスに描いているこの作品は、カトリック教会の中心であるローマ教皇庁の閉鎖性、隔離性をシスティーナ礼拝堂という強固な枠組みの中に再現しています。舞台の壮大さ、厳しさ、白をベースに赤を配した画面構成に圧倒されます。
一方で、その物々しい雰囲気とは裏腹に、繰り返される投票の判断基準は、陰謀、差別、スキャンダルなど下世話な相対主義に右往左往しています。昨今のポピュリズムに支配された選挙結果と社会情勢を皮肉っているようでもあります。
もう一つは多様性。人種、性別などに基づく偏見や対立をいかに包含しながら運営していくのか。個々の信仰の形と教団化した組織としての形、その相克から生じる問題でもあります。
伝統と歴史を積み重ねてきた教会、傍目には大人気ない議論を重ねる枢機卿という権威を持つ老人たち。それぞれの思い悩む姿の中に少年のような稚拙さが浮かび上がってくるドラマそのものがリアルなミステリーです。政界や企業の経営層でもリアルに繰り広げられている人間喜劇(悲劇)を再現しているようで、恐ろしくもある物語でした。
確信と寛容の狭間で
不覚にもコンクラーベ直前の謀議(話し合い?)の辺りで少し眠ってしまったが、その後は物語に引き込まれ集中して楽しめた。
おそらく公の場はラテン語で式次第が進んでいたのだろうが、これを理解できる素養が求められる場なのだなというところ、我彼の差異にまず面食らってしまった。
男だらけ、妻帯も許されない、閉じられた世界線。女性が日陰に追いやられているのは、12人の使徒が男だったことに由来しているらしいが、この世界観が許容されるならば、イスラム教によって立つ、歪な世界観も実のところ批判することが難しくなるのではないか、という思いが頭をよぎる。日本にも未だ女性が排されている領域は少なからず存在する(祭り、修験道など)のだが、どこまで許容されて、どこまでが許されないのか。他者の意見を聞いてみたいところだ。
さて、コンクラーベ。枢機卿といえども人間で、自身をコントロールすることは難しい。組織にいれば上に行きたくなるし、異性がいれば欲に負けることもある。権謀術数、権力をめぐる闘争。日本の寺社もこんな感じなのだろうか?そもそも世界各国に散らばっている枢機卿の個々の人間性なんて、理解することも難しいようにも思うのだが。
ラスト、まともそうに映ったカブールから来た枢機卿の抱える真実。こんなことが本当に現実となったら、世界がひっくり返ると思うし、実際どうなるのか見てみたい。何か抱えているだろうとは思ったが、こんな方向から攻めてくるとは。なかなかどうして、不意を突かれ良かった。
鼻息
重厚感漂う雰囲気良しのミステリー宗教仕立て
教皇が亡くなっての、次の教皇を選ぶための選挙を執り行う。その教皇選挙は隔離して行う必要があるという条件設定の元、有力候補者となる司教たちにも思惑や陰謀紛いの動きも。さらには記録になかった謎の候補者となる司教も現れて…。
外部から閉ざされたクローズドミステリーであり、教会を舞台にした教皇選挙という、ある意味、非常識なふるまいも正当化できてしまう特殊環境でのドラマに期待が高まったものの、思いの外、肩透かし感なのは否めない。
とはいえ、エンディングまで綺麗にまとまった作品なので、終始、楽しく鑑賞できました。
ただ重厚感を演出したいのかわからんが、映像の明度が暗すぎ!
「もっとも注意しなければならない罪は『確信』です」
秘密に覆われた教皇選挙を「のぞき見」。
神に仕えるべき聖職者であっても世俗の欲は人と変わらない。むしろ、教会のトップに上り詰めようとする人達であるから、人一倍上昇志向や権勢欲が強いのは当たり前かもしれない。これはエンタメであり実際とは違うであろうが、教会からクレームが来てもおかしくないほどスキャンダルが満載の教皇選挙である。最初から最後まで息もつかせぬ展開で、緊迫感に満ちた極上のサスペンスドラマになった。
教皇選挙を取り仕切ることになったローレンスの奮闘から目が離せない。死期が近い事を悟った教皇が、次の教皇選びを信頼のおけるローレンスに託したことが物語の伏線になっている。それは「教皇にふさわしい人物」を選ぶことに尽きる。不正に関わったり女性関係に問題がある者は駄目である。「開かれた教会」をめざし、宗教・人種・性別等の多様性に寛容な考えを持った人物でなければならない。まるで自分がローレンスになって教皇選挙を取り仕切っているかのような臨場感がある。疑惑の真相を解明し、不適格な人物を一人ずつ排除していく。すべて前教皇の意志に従って物事が進んでいくように見えるのも面白い。ローレンスにとっては大変な仕事だが、使命感の為か何となく楽しそうでもある。裏方に徹しているつもりが、自分が教皇になれるかもしれないとなった時の心躍る場面も面白い。これが本心の半分だろう。
教皇選挙のドタバタの末に「教皇にふさわしい人物」が選ばれた。ローレンスはやっと使命を果たしたと安堵したものの、彼も重大な秘密を持っており、完璧な教皇とは言えなかった。ローレンスも戸惑いながら、自分にどうにかできることじゃない、すべて神の御業であると自分を無理矢理納得させたように思えた。
大多数の枢機卿が賛同するまで何度でも投票を繰り返すという教皇選挙の仕組みから、こんなに見事なサスペンスドラマを作り上げたことに敬意を表したい。日本人には縁遠いが、カトリック教関係者にとっては、秘密に包まれた教皇選びの儀式を覗き見た快感もあるかもしれない。
硬派な政治劇かと思いきや超エンタメ映画!
硬派なミステリー?政治劇?かと思いきや超エンタメ映画だった。
最近の大作映画に珍しくテンポがよく無駄なシーンがない!ほぼ会話劇なのに飽きさせない脚本と、編集に無駄がない。
ファインズ以外の視点を映さず、写すものをかなり意図的に絞っている(回想シーンとかない)
教皇の死を巡る謎を散りばめ、無駄のない会話をテンポよく進行しつつ人物紹介する前半。
後半は選挙の対抗馬を蹴落とすフェーズ!
まわりくどく詰めず、一撃で対抗馬にトドメをさす探偵役ファインズすご!
新教皇が実質決まる瞬間ー、あっ、これで決まりやな、と誰もが納得の空気にw
ラストの新教皇の秘密にも吃驚させられた!
今作の魅力はやはり俳優陣。
レイフが枢機卿として厳粛に振る舞うシーンも良いけど後半のイライラしてるシーンもいいね。
脇の枢機卿の皆演技が皆素晴らしいー。
あと印象的なのは美術周り!
コンクラーベの舞台がシスティーナ礼拝堂、ミケランジェロの最後の審判の眼前。
本物の礼拝堂は作れないから大掛かりなセットを作って天井を合成したと聞いて度肝を抜かれた。全然違和感なかったし舞台としては最高!
ポイントで絵の人物に光が当ったり、
窓の使い方は、まあほんと分かりやすい情景描写だけどいいね。
西洋美術史の頂点!舞台として100点。
あと色彩設計の拘り。
赤色を枢機卿の衣装、キャンドル、ホテルのドア、ドアの封印、等コンクラーベに関わるものにしか使用していない。
赤以外の彩度の高い色を相当意図的に排除して、どのシーンもバキバキにかっこいい仕上がり。
まあとにかく凄い映画。
面白いエンタメ映画を今見るなら超オススメです!
多様性と聖職者の人間性
聖職者も野心と迷いを持つ人間である
評判の高い映画なので、期待を持って観に行きました。残念ながら私にはイマイチでした。理由は3つぐらいあって、
その1
教会が舞台のため、出演者のほぼ全員が「欧米系の容貌の中年男性」で服装や髪型が皆同じ、または酷似しているため、登場人物の区別がつきにくい上に、西洋人の名前が覚えづらくて、映画の序盤、人間関係や役割の違いがなかなか頭に入って来づらいこと。
その2
ストーリーが一貫して教会の中での会話劇なので、人の動きや場面転換が少なく、台詞から物事を理解せざるを得ず、観る側が左脳を使い続けなければならなくて、集中力が2時間もたない。
その3
登場人物が「比較的、善良な人」と「何らかの悪事を成した人」に分けられ過ぎていて、人物描写が画一的に感じられること。
神と人の関係、教皇の権威性、聖職者が信仰に対しても確信を持ち過ぎずに自ら迷いながら「罪深き人間」に寄り添う存在であるべき、といったテーマを描くのであれば、一人一人の中に善と悪が共存するような人物描写にした方が、リアリティがあるのじゃないかな、と思いました。
勧善懲悪が過ぎるなと。
普段、韓国映画または邦画ばかり観ていて、久しぶりの欧米映画だったから、余計に上記のように感じたのかも知れません。
ユーモアや気を抜く場面や登場人物が全然なくて、「すごく硬い映画だな」と感じました。この点は「ソウルの春」に似てるなと。
「ソウルの春」も、登場人物が「軍服を着た韓国人の中年男性」ばかりで、会話劇、「善良な人vs悪い人」が割とクッキリ描かれてる、という意味で、上記の3要素はほぼ同じなんだけど、私には「ソウルの春」の方が断然良かったです。
一緒に観に行った友人もほぼ同じ感想でした。友人曰く「もう一回観れば、面白さがわかるのかもね。ストーリーや登場人物の役割をわかった上で観れば」と言ってて、確かにそうかも知れないと思いました。
一般的にはダイバーシティに関して、欧米は日本や韓国より先を行ってると思われてるけど、「キリスト教の総本山であるバチカンにおいて、聖職者は欧米系の男性に限定されている」というのは、「男性天皇しか認め(たく)ない」という日本の保守とそっくりなんだなと感じました。最後のオチの顛末も、いずれ日本の皇室でも同様のことが起きるんだろうな、とも。
選挙で「票をお金で買う」、「過去の悪事が暴かれて有力な候補者が失墜する」などは、日本の選挙と酷似していて、国が変われど、人間がやること、犯す過ちはどこも一緒なんだなと感じました。
まるで聖堂内にいるかの様な体験
去年のクリスマス・ミサの時から映画「教皇選挙」を友人から薦められていたけど、日頃、シスターやご高齢の外国人神父様達を目の当たりにしているので、私的に普段通りの司教や枢機卿とシスターとSPがいるバチカンの風景だった。
ミケランジェロの「最後の審判」があるシスティーナ礼拝堂のコンクラーベで使われる投票を数える道具、祭服、指輪、御神具等は細部に渡ってリアル。
枢機卿が頭に被るズケットとミトラの使い分け、礼拝堂の扉の両脇にスイスガードがいて、劇中のグレゴリオ聖歌も美しい。
映画鑑賞していて、リピーターのカトリック信徒が多いなとは思う。
3回鑑賞すると、ヨハネ・パウロ二世からベネディクト16世までと、まさかの生前退位で現フランシスコ教皇の選出に至る過去のコンクラーベの時にはどうだったかを思い返してみたり、2019年に現教皇の来日が実現するまでに日本人の枢機卿が空位だったとか、来日時にボランティアスタッフとして東京ドームの入場ゲートで信徒のIDチェックしたこととか、色々思い出した。
なので、教皇庁から切り離されて首席枢機卿がコンクラーベという教皇を決めるための選挙プロジェクトをマネジメントしつつ、天の目の「慈悲」とか「赦し」という眼差しを持っているのがキリスト教らしい映画だった。
人間の中に峻厳の柱と慈悲の柱があって、その柱を支える天の天秤が絶えず動きながら内面のバランスを取って、祈りの中でどこまでも自分に真摯に向き合っていくのか信仰の姿勢をありのまま映し出していてカトリックらしかった。
実際のカトリック教会もジェンダーや他宗教との対立とか、バチカン内部の保守派とリベラル派が存在して枢機卿の意見が分かれていることや、現教皇を真っ向から批判している枢機卿もいたりするからリアルな映画だったけど、14億人の信徒の頂点に着座するのはやっぱり重責だよねと感じた。
そんな中、どこまでも「神の代理人」としてフラットに見て行けるのかが教皇には大切な視点で何手先まで読んでいけるか、熟練されたマスターとして着座の覚悟が必要なんだとラストで思った。
自信満々な「確信」ほど傲慢で危険なものはないと思えたし、常に「疑念」を抱きながら進むって信仰上、純粋で大切なことだと思う。
若い子達がゴールデン・グローブとアカデミー「脚色賞」受賞作品ということで興味を持って普段通りポップコーン片手に劇場入るも、誰も音を立てて食べる子がいないのに感心したというかストーリーに引き込まれるために、上映中はミサを中心として進行しているから安易に食べられない厳かな空気を作っている稀有な作品。
まるで聖堂内にいるかの様だった。
面白いけど、違和感も
二転三転の根比べ
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