教皇選挙のレビュー・感想・評価
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ラスト10分、えぇぇ!!という結末
奇しくもローマ・カトリック教皇死去と鑑賞日が重なった偶然。
亡くなられた後の『コンクラーペ』と言われる 新教皇選出選挙にて世界中から100名を超える候補者『枢機卿』たちの野望、陰謀、嫉妬、裏切り、差別、スキャンダルなどなど神に仕えるリーダー候補たちの選挙工作を描いた愛憎劇。
着いていくのが必至なとにかく名前と顔を負うのが難しい!
でもラスト10分、えぇぇ!!という結末。そう来るかのさすがのアカデミー賞もの。
鑑賞動機:評判9割、95%おじさん/おじいさんの絵面1割
コンクラーベで根比べ(お約束)。えっ、これからリアルでコンクラーベをやるってことなのね。
何となく難しく地味で重い映画のイメージを持っていたのだけど、そんなことはなかった。もちろんシリアスなお話ではあるのだけれど、下世話な話も交えて次々と起こる候補者のトラブルを解明していく、上質なミステリになっている。どんどん変わっていく状況と、投票結果に一喜一憂していたら…。ファインズの額のシワがどんどん深くなっていくのに、もう釘付け。
でもこれで、新たな扉が開いたが、あとはいつ…か。
保守派もリベラル派の間の存在
観賞後の感じたことは「今の時代に求められる教皇像を見せてもらった」であろうか。
本作は中盤にかけて有力候補者のスキャンダルの痕跡を選挙を取り仕切る枢機卿が事実関係を調べて当人に選挙戦から降りることを説得していくことで話が進んでいく。このままだと消極的選択で教皇が決まるのかなと思った矢先にテロが発生して司教が詰めている建物が破損するという事件が起きクライマックスに突入する。
皆が集まるなかでゴリゴリの保守派の候補者がいう。「これはリベラルが進めてきた取り組みの結果だ。我々は戦わなければならない」
近年、ヨーロッパで勢い付いている思想だ。これに対して別の候補者がいう。「戦うべきなのは内なる憎しみではないのか」
とてもいい。どんな仕打ちを受けても相手を愛する心こそキリスト教の大事にするもののはずだ。正直、これでリベラル派に決まりかなと思う瞬間だった。だが、本作はこれで話が終わらない。当選後に保守派やリベラル派に属さない存在であることが語られる。伏線は選挙中に行われた枢機卿の説教にあった。「これからは確信に疑いを持つ必要がある」
自身の信念に囚われてしまうと別の確信を持つ人を敵と見なして争いがなくならないということだ。新教皇はこの時の言葉を引いて「確信の間を知る存在として私は最適ではないか」と衝撃的な告白に続けて語られる。
そうか、保守とかリベラルといったラベルを貼って議論を分かりやすくしてはいけないのだ。あらゆる物事はグラデーションで出てていて、その時の状況に応じて悩み苦しみながら決めていかなければならないのだ。まさに今の時代に求められる教皇像を見たような気がした。
ラストシーンもなかなか印象深い。中庭にいる亀を池に戻すシーンで終る。その場では何を意味しているか分からなかったので後で調べたところ「忍耐」というキーワードを見つけることができた。この複雑な現代において教会も保守とリベラルという分かりやすい対立軸に染まりそうであったが、新教皇の誕生により忍耐強く最適解を模索する精神を取り戻したことが表現されていたように感じた。
宗教の時代の終焉?を感じる作品かもしれません?
地の時代から風の時代へ、もしくは、うお座の時代からみずがめ座の時代へと変化していると囁かれている昨今、まさにモノから心の時代に明確に進行しているようです。それは古い形式の政治・宗教的権力(組織的に構成された権力)への執着を捨て去り、個人の幸福を獲得する時代になったと言えるかもしれません。ストーリーは、キリスト教カトリック総本山のバチカン市国で、その最高指導者ローマ教皇の死去に伴い、首席であったローレンスが中心となって選挙を行い、新しい教皇を選出するというものです(コンクラーベという名称ですが、日本語的には根比べで妙にイメージが合っています笑)。この選挙が世界から集まった108人の候補を対象にシャッターの下ろされた密室の中で行われるわけですが、それだけでも謎めいていてサスペンス的です。案の定、選挙は何度も行われ(1日に一回)、最後には圧倒的な数で平和主義者である者が選ばれるのですが、そこまでいく間の悲喜交々の勢力争いはまさに社会の縮図のようです。聖職者と思えないみっともない話が続出しますが、その生々しさが人間の生き様のリアリティを産んでいるので、まさに見応え抜群でした。そして最終決戦で「戦争は心の中でのみ行うべきものだ」と名演説をした者が見事に新教皇に選出されました。ただその新教皇には重大な秘密が隠されていたのです(驚!)。そのネタバラシはしません。むしろそのネタは、組織的宗教の終焉を意味していると私は感じました。また、信仰とは組織ではなく、一人一宇宙、つまり個人の中で完結する時代が来たと言えるかもしれません。すでに私たちは、生きているだけで仏であり神であり愛であり光であるからなのかもしれません?
世界が変わる、教会も変わる‼️
時代の歩み
映画を見終え、圧倒される、という経験は映画好きの方なら少なからずあることだと思う。
その物語に、描写に、音楽に、ラストに…
そのような作品には、そうそうお目にかかれるものでもないが。
今作は私にとってはそのような物語だった。
キリスト教カトリック総本山はバチカン市国。日本からは遥か彼方。キリスト教からも近い国とはいえない。
カトリック教会最高指導者ローマ教皇が急逝。首席枢機卿ローレンスは後継教皇を決定する選挙、コンクラーベを執り行わねばならなくなる。
世界各地から高位聖職者たちが集まってくる。
どの世界にもあるリベラル対保守の争い、スキャンダル、陰謀、出身地のこだわり、派閥争い、秘められた謎…宗教人といえど人間。彼らの生々しい姿が描かれる。
「宗教権力者を決定する選挙」という閉じられた世界のストーリーという骨格を持ちながら、今作の精神性は閉じていない。
現代社会に生きる私たちに対する鋭い問いかけ、普遍性を持つ。
ややもすると、閉鎖された空間劇は単調に陥りがちだ。しかしP・ストローハンのシナリオ、エドワード・ベルガーの濃密な演出はその陥穽に落ちない。
映画映像的興奮に包まれる120分。コンクラーベをダイナミックかつドラマティックに描き、片時も目を離させない。
重厚なキャスト陣には名優揃い。首席枢機卿ローレンスにレイフ・ファインズ、静かにしかし熱のこもった演技で物語を導く。スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー。物語の鍵を握るシスター役には、いまや生けるレジェンド俳優といっても過言ではないイザベラ・ロッセリーニ。故デビッド・リンチ作ブルーベルベットでのインパクト大の演技。今作での存在感ある貫禄の演技には脱帽。
コンクラーベは戦争だ、と息巻く聖職者たちに静かに
アフガンカブール教区のベニテス枢機卿がはなつ言葉。
「あなた方は、本当の戦争を知らない」と…
そうなのだ。自分も知らない。映画、TV画面越しの映像でしか知らないのだ…脳裏に焼きつくセリフの数々…
また、カトリックでは女性が司祭になることは認められておらず、世界最古の家父長制とも言われている。
ラスト近く、広場を亀がゆっくりと歩むのをローレンスが見つめ、池に優しく放す。印象深いシーンだ。
時代の歩みは行きつ戻りつ。どちらへ向かうのかもわからない。私たちは理想の世界に生きているわけでもない。
悲劇はあちらこちらで今も起き続けている。
だが、希望も理想も手放してしまってはいけないのではないか、と静謐にしっかりと訴えかけてくる作品である。
確信と疑念
期待を超えて面白い
教皇選挙はまさに戦争
ローマ教皇選挙を題材にして選挙の内幕に迫ったミステリー。新教皇選挙は、まさに戦争のような駆け引きが続き、世界中から100人を超える候補者が集まりることに驚きました。そして、知られざる秘密が明かされた時は唖然としました。
2025-62
人類5000年の普遍性・・・
割とエンタメ
これぞアートでありエンタメ
堅苦しいイメージなのに中身は超エンタメ🎯💯🥇
オッサンたちが閉鎖された場所で選挙をする!
これだけなのに超メチャクチャ面白いってのが凄い🔥
というか本当のコンクラーベと被るとか作品の公開タイミングが凄いです👍
教皇選挙ってタイトルだけど原題のコンクラーベをメインにしてサブタイトルで教皇選挙ってしたほうが良かったのでは(堅苦しい内容で小難しい作品だと思われて劇場に足を運ぶハードルが上がりがち⤴️🙅♂️だと思うんです)
まずオープニングで教皇が亡くなった場面からのスタートでいよいよこれから各国の枢機卿が来て選挙🗳️が始まるって部分のスゲエ事が始まる感を上手に演出してる映像と音楽には🎵オラワクワクすっぞ🤩ってなりましたよ💯
顔と名前が一致しずらそうとか思ってたけど案外大丈夫でしたね👌
教皇になろうとしてる有力候補者のヤツらが次々とスキャンダルや悪事や人格の問題で脱落していくのが面白いのとミステリー要素が面白くて謎の出現と解明🫡新たな謎ってやつが出てくるバランスが良いから間延びになる場面が一切無くてあの音楽のせいでより緊張感を作り出すのに成功しているんですねえ🔥
外で自爆テロが起こっていて招待されてない枢機卿が紛争地域から来てるってのがポイントですね💣💥(ミスリードが上手いのよ😱)
あと後半からはあいつが教皇になるしかねえよなって流れからの最後にまさかの人物が教皇になって終了かと思ってからの(実は話したい事がありまして・・・)からの病院に行った理由は🏥❓からのあの事実には大どんでん返しでは無いけど エッ! マジかよ!ってなりました!(つうかまさかそうなるとは思って無くて笑ってしまいましたよ🤣最後に多様性って・・・😱👨🏻👩🦰😱)それと確信が1番危険⚠️て深いですね!
あとシスターがいい味出していたし オッサンが話するだけで面白いって中々凄い事だと思いますね(密室でオッサン達が会話するだけって面白いってクリムゾンタイドを思い出したし最近なら対峙も密室で四人が話するだけなのに死ぬほど面白い会話劇の傑作ですね)
あとこういうちゃんとした演出で作られた作品を観て思うのが日本の監督で(名前は内緒です)これを制作していたら 声を張り上げて意義ありーみたいに叫んだり
大声で叫ぶシーンだらけでドン引きだったんだろうなあとか考えてしまい静かに会話するだけでも面白い作品は作れるって証明してますよね🤓
あとテデスコ枢機卿がジャンレノと庵野監督のハイブリッドみたいな顔でいい感じでしたね😂🤣
アカデミー賞の脚本賞受賞作品は📕🏆去年の落下の解剖学にも言えるんだけど🤩よくもまあこんな内容と会話を考えもんだよね⤴️流石脚本賞獲得しただけの事はあると思います🫶🏻(脚本取るような作品て自分は結構肌に合う率が高い傾向あります😘)
今年観た作品の中では敵が首位を独占だったんですが教皇選挙がそれを上回りウルトラスーパービックマキシムグレードストロング一番面白かったです🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆💯
最後にテデスコスコスコスコスコスコスコ🐢💨
ローマカトリックはどこへ向かうのか
いやー、面白かった。決戦投票がないシステムは心理戦を生み、予期せぬ結果に転ぶこともある。
リベラル路線を継続するのか、保守回帰するのか、ローマ教皇には任期が存在しないから、選出されてしまうと当面の方向性が決まってしまう。
表向きは、神学論争を行いながら、裏側では、多数派工作・買収・謀略と大組織にある権力闘争が繰り広げられる。しかも、外部から遮断されるという密室スリラーも加わって、聖職者達の人間模様をずっと観察できる。
レイフ・ファレンズが演じるのは、ローレンス枢機卿。コンクラーベの仕切り役でもあるが、教皇の選出される候補者でもある。
ローレンスが見せる表情は、本音とも見えるし、相手を惑わす作られた表情とも見える。ローマカトリックの行末を案じる人間であることは間違いないと思うが、僥倖が巡ってきても変わらずに入れるのか。
若干、作為的な結末ではありますが、人間ドラマを十分に楽しめる作品でございます。
ネタバレを知ってました
残念だったのは初めは観るつもりがなく、ネタバレでストーリーを読んでしまったので、最後のドンデン返しを知ってしまって観てしまった事。
登場人物の名前の描写があまり無かったので、誰が誰か判らないのが難点。
個人的にはこっちの方が「アノーラ」のドタバタ劇で自分の主張を続ける話よりアカデミー作品賞は良いと思う。
昨年、色々あってキリスト教を棄教した身なので、キリスト教を信じている人は優しくするのはキリスト教のコミュニティか勧誘しようとする人達だけなのは解っていたので、教皇は神に仕える人で神ではないので、こんな政治的な駆け引きをする俗物というのは解る。
「アノーラ」が自己で幸せを掴むと言うより幸せは結婚相手の財力というより、一番保守的とされるカトリックを現在の価値観でLGBTに風穴を開けた本作の方が、より現在社会の多様性に合っていると思う。
だから現在、権力があるカトリックに配慮して作品賞は与えなかったのかもしれない。
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