劇場公開日 2025年3月20日

「モヤモヤするレイフ・ファインズの顔と鼻息」教皇選挙 Yukさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5モヤモヤするレイフ・ファインズの顔と鼻息

2025年4月23日
iPhoneアプリから投稿

もう少し、キリスト教独特の歴史とロマンが漂う何かを見せてくれるのかと期待したが、そうでもなかった。そういうベクトルの映画ではなかった。

キリスト教に特に関心のない日本人が観ても意味不明の箇所は特にないし、この脚本を「企業の取締役会での社長選出」に置き換えても、十分成り立ちそうな感じ。むしろその方が面白い脚本が書けそう。

投票を重ねる度に各候補者に集まる票が動く。誰が教皇に....モヤモヤする状況を、レイフ・ファインズの表情と静寂感のあるカットで、上手く描いていると思ったが、ちと冗長か。

「まともな人間は教皇になりたいなんて思わない」というセリフがあったが、そうだよなと思ってしまう。教皇として強大な権力を得ることは、宗教家として道を極めることと対極にある。

枢機卿(カトリックの最高顧問)クラスの宗教家が声を荒げ「宗教◯◯だー!」とか言っちゃうところで興醒め。あまりにもリアリティが無いし、物語を結末へ向けて畳み掛けているのが見え見えで、急にスケールが小さく、浅くなり詰まらなくなった。

とにかく、笑ってしまうほど「壮年男性のくたびれた顔のクローズアップと苦悶する鼻息の音だけ」のカットがやたらと多いので、良い映画を観た、という感触はあまりない。

Yuk
ノーキッキングさんのコメント
2025年4月23日

たしかに“興ざめ“のくだり、納得です。

ノーキッキング
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