「おじさんたちの思惑」教皇選挙 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)
おじさんたちの思惑
2024年。エドワード・ベルガー監督。ローマ教皇の死去に伴い、教皇選挙(コンクラーベ)を仕切ることになった主席枢機卿を主人公に、陰謀渦巻く選挙の内幕を描く。
候補者たちのわかりやすいキャラ設置と、わかりやすいトラブルの発生。こうなるほかないという展開が続いていくが、とにかく、レイフ・ファインズの顔面をこんなに眺めた映画はなかったというくらい大写しの画面が多い。システィーナ礼拝堂をはじめとする有名建築物が舞台なので、引きの画面を作りにくいという事情があるのかもしれない(周囲の景色を入れるとCGが増えるとか)。
選挙が進むにつれて教会への不信を深めてある決意に至りつつ、その決意が最後にはひっくり返される主人公。それだけでも組織に翻弄されるおじさんの物語なのに、ひっくり返された後に最後にもうひとつの驚きが待っている。
ラスト場面。教皇庁で働いているらしき若いシスター3人が楽しそうにおしゃべりしながら歩いていくのを、主人公が自室から眺めている。おじさんたちの思惑など世界の移り変わりの前ではまったくの無力なのだ。
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ありちゃんさんのコメント
2025年4月19日
様々な見方が成立するのがこの映画の楽しさです。
新教皇はメキシコの先住民系の枢機卿で、しかも両性具有の人。新教皇が選出された時、電波をシャットしていた窓が開き、コンクラーベ成立の白い煙を見たシスつーたちが喜んで庭に躍り出ます。
トランプ政権への見事なアンチテーゼでもあります。
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