「密室での会話劇を、卓抜な脚本と美術、劇伴でスリリングなサスペンスと...」教皇選挙 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
密室での会話劇を、卓抜な脚本と美術、劇伴でスリリングなサスペンスと...
密室での会話劇を、卓抜な脚本と美術、劇伴でスリリングなサスペンスとして成立させている。内情は時代相応に揺れ動いていても、それを支える伝統の重みが、画面から伝わってくる。明暗のコントラストも効いていて、最後の投票前、テロで空いた風穴から差し込む光に一瞬粛然とするシーンは、一際印象に残る。大方予想していた流れをもう一度ひっくり返す結末にも驚くが、今後を考えるといくらなんでも無茶というか最悪シスマの危機では?とも思えて、主人公の行く末に同情してしまう。確かに「多様性」とは言ってはいたけれども、それはまだ準備できていないのでは…ただ、辺境からほとんど異端に近接するような思想が流入するのは、それ自体がイエズス会以来の、世界教会としてのカトリックの伝統でもあり強さでもあるのか。シスターの活躍や、ラストショットも含め、男性中心であることで逆説的に「女性」の重みが増しているのがカトリックの本質なのでは、とも。
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