「教皇の秘蔵っ子」教皇選挙 ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
教皇の秘蔵っ子
脚本賞受賞がなるほどと頷ける、近年の大収穫。日本的な例えなら魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿。陰謀渦まく密室劇。居並ぶレッドハット(枢機卿)の佇まいは圧巻で絵面は良いものの、実際はムッとする加齢臭が充満した空間である。
物語は、当初から、選挙人リストには無く、最後に滑り込んで来たベニテスを逆転候補だと匂わせる。そして、次々と馬脚を露わし脱落してゆく候補者達を見せながら主題を語らせる。
我々は“理想”に仕える人間であって、”理想”そのものではない。
ある意味、開き直りに聞こえる言葉だが、亡くなった教皇は、そこに至る過程まで、全てを読んでいた。生前、誰のことも信用せず、密かに枢機卿全員の身上調査を行い、コンクラーベのシナリオを作っていたのだ。
辞任の申し出をしてきたローレンスは信用に足るとして、辞任は却下で、これを仕切り役に抜擢し、要所要所でシスターアグネスを補佐役に廻しながら、ベニテスの名言シーンへ誘導してゆくというものだ。
教皇は”彼“ベニテスの素性を知ったうえで選挙に送りこんだ、言わば、秘蔵っ子である。
ラスト、ベニテスの告白は二段落ちで、ヤラレタ感が強い。池から這い出てきた亀も教皇のお気に入りだったと得心するローレンスの表情は、久し振りに野外の風にあたった窓辺で、心無しかほのぼのとして見えた。
映画館で空気の読めない人の近くはストレス溜まりますね。私は必ず事前に周りに誰もいない席を選び、混んでいたら前列を選びます。作品にできるだけ集中したいですよね。
コメントありがとうございます。
この映画は公開が非常に遅れましたね。
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」と
見せておいて、実は冒頭でみすぼらしい神の使徒は
前教皇により使わせられていた・・・という、
よく出来た脚本でしたね。
個人的には“両性具現“のオチはいらない。
品性が落ちた気がします。
共感とコメントありがとうございます。
すべてお見通し、全員を手のひらで転がしたはずの策士・前教皇だが、ベニテスは指の先で止まることなく、軽々と手のひらから出ていきましたね。ってかいつの頃からか、教皇を超える存在になっていたようです。
コメントありがとうございます。反キリスト教タスクフォースなるものを司法省内に設置するようですね。憲法に反するもので許されませんが、就任以降立て続けになされた洪水作戦でマスコミや議会による批判や司法判断の余地を与えずに既成事実化を狙ってるようです。そのタスクフォースを任されるのがキリスト教のやばい宗派で金持ちこそが神に選ばれしものだと拝金主義に染まる連中で同じキリスト教からも批判されていますね。
ありがとうございます。肉体的に非常に疲れた状況での鑑賞だっだのですが、眠くならず集中して観ることができたのが、私としては素晴らしい作品であることの証左になりました(笑)
ベニテスは自分の考えに従って、前教皇の思惑を超える感じでしたよね、選んだ教皇名もそういう意味ですか、やはり権力欲しいんでしょうね、ローレンスもちょっとグラついてたし。