「まんまだったのか…」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
まんまだったのか…
第45、47代アメリカ合衆国大統領になったドナルド・トランプが、若き日に実業家として成り上がっていく様とそれを導いたキングメーカーのロイ・コーンを描いたドラマ。
まず印象的なのが、ロイ・コーン演じるジェレミー・ストロングの古代英雄譚にでも出てきそうな天才軍師っぷりだ。思想が強く勝利の為に如何なる心理戦も厭わぬ剛腕は見所だ。
ストーリは、気弱王子だったトランプ氏のサクセスストーリーを生々しく描いている。最初は構えて観ていたが、途中からこの映画はコメディとしてみれば、結構アリだというのが鑑賞後の印象。序盤のレストランで運命的に二人が出会うシーンなんて、BGMを変えると恋愛ドラマのワンシーンだ。
また各エピソードが関係者公認なら、「知られざるトランプ物語」ではなく、トランプ氏ってこんな感じの人なんだろうな、のイメージのまんまである。だが、遠くを見ている彼の瞳の中は、誰にも理解できない、させないのである。
80年代の雰囲気も相まり、稀代の怪物誕生とその人間関係を余すことなく描いたエンタメ作品として楽しめた。特にロイ・コーンから継承された勝利の法則は、人の強さと弱さを確り抑えていると思う。
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