「Beginner's luck」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Beginner's luck
演説で過激なスピーチを続けまくっているドナルド・トランプが少し前にアメリカ大統領に就任する前のお話で、今あるトランプ像を作り上げた人物をどう見せるのかなと思っていましたが、その人物すらも喰ってしまっていました。トランプ恐ろしや。
弁護士のロイ・コーンの猪突猛進な感じで自分が正義を貫き通す姿に強く感銘を受けて自分自身も近い感じで立ち振る舞っている姿が現在のトランプの原型だったんだろうなと思いましたし、演説の一つにあった「性別は男と女しかない」発言は若い頃一貫していましたし、コーンがゲイだと発覚してからは煽りまくり罵りまくり騙しまくりと恩人を仇で返しまくってて笑っちゃいけないんですが笑ってしまいました。
自分の欲に素直でやりたいことは全部やってのけるの精神で行動しているので、その直向きさは見習いたいものですが、こうはなりたくないと本能で思わせてもくれるので本当不思議な人物だなと思いましたし、この人に惹かれる人がいるのも分かるなとなりました。
映像が古き良きな感じでタッチとしてはドキュメンタリーに近い形なんですが、当時の様子を違和感なく味わえるという点で長所になっていたなと思いました。
音楽もアッパーチューンなものからしんみりしたものまで幅広く揃えられており、聴きごたえのあるものに仕上がっていました。
ジェレミー・ストロングとセバスチャン・スタンの演技合戦は見応えしかなかったです。
トランプの生き写しでは?と思うぐらいセバスチャン・スタンのトランプ感が凄まじかったです。
そりゃトランプも激おこなわけです。
脂肪をとったり、毛を増やす手術の違和感だったりはありましたが絵面の痛さとそれを臆することなくやるので、実際にやったんだろうな…という気分にさせられるのが不思議でした。
自伝を書いてくれと頼んだ作家に書くことがあんまないと困らせるところは最高に笑いました。
こんだけ波瀾万丈の人生を渡り歩いているのに書くことないんだ…と当人も困惑したはずです。
今後アメリカがどんな国になっていくのか、日本とアメリカの関係性はどうなっていくのか、パナマ運河はどうなるのか、これからもトランプからは目が離せません。
130歳くらいまで元気に生きそうだなこの人。
鑑賞日 1/22
鑑賞時間 16:05〜18:25
座席 Z-1