「【”ドナルド・トランプという怪物を生み出したモノ”ひ弱な若きトランプが周囲の人のエキスを吸ってドンドン怪物になって行く様と、演じたセバスチャン・スタンが、ドンドントランプに見えてきた事に驚いた作品。】」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”ドナルド・トランプという怪物を生み出したモノ”ひ弱な若きトランプが周囲の人のエキスを吸ってドンドン怪物になって行く様と、演じたセバスチャン・スタンが、ドンドントランプに見えてきた事に驚いた作品。】
ー 私は、ドナルド・トランプという男が大嫌いである。だが、今作は何故にあのような怪物が出来上がったのかを、明瞭に描いていて大変に興味深く鑑賞したモノである。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・20代に厳しい父の跡継ぎとして不動産業を任されたトランプが、ローゼンバーグ夫妻をソ連のスパイとして死刑に持って行った悪徳弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング:一切、笑顔を見せない怪演は素晴らしかった。)に多大なる薫陶、影響を受けて行く様は、実に見応えがあった。
特に、ロイからの三つの教えである。
1.攻撃、攻撃、攻撃
2.自分の非を絶対に認めない
そして、”一番重要なのだが・・、”というフレーズの後に告げられる
3.自分の勝利を主張し続ける
これ、今のトランプそのモノじゃない!
トランプが、元々は”中身のない空っぽな男”であり、彼が怪物になって行った大きなきっかけが悪徳弁護士ロイ・コーンに、気に入られたという事が明瞭に分かるのである。
・更には、最初に一目ぼれしたチェコスロバキア出身のモデル、イヴァナ(マリア・バカローヴァ)への猛アタックシーンの数々。部屋中が一杯になる程の薔薇を贈り、スキー場まで追いかける姿。彼女が結婚していたにもかかわらず。マア、ドッチモドッチ夫婦である。そして、豊胸手術までさせておいて飽きると浮気をする。人間として駄目駄目である。
・兄が困窮してやって来ても、部屋には入れずにハイアット・ホテルに部屋を取る姿。で、兄は急死。
序でに、老いたロイ・コーンから何度も電話がかかって来ても出ずに、ロイからの教えをインタビュアーに自らの考え方の様に、滔々と述べる姿。
漸く、エイズに罹患している可能性があるロイを海が見える別荘に招き、彼の59歳の誕生日を祝うシーンでの、ロイが、初めて見せる涙。あれは、嬉し涙ではなく悔し涙であろう。そして彼が亡くなると、トランプは、さっさと部屋中を消毒させるのである。
・彼の肉体改造シーン。アンフェタミンを常用していたために腹が出て来て、髪も薄くなった時に、脂肪吸引、頭皮切除するシーンも凄かったなあ。
今でも、色々とアヤシイ薬を飲んでいるのかな?
<今作は、ひ弱な若きトランプが周囲の人達のエキスを吸ってドンドン怪物になって行く様を見事に描き出し、且つトランプを演じたセバスチャン・スタンが、ドンドントランプに見えてきた事に驚いた作品である。
今後の世界、大丈夫かな。それにしても、この映画を良く上映したモノだなあ。>