動物界のレビュー・感想・評価
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こんな映画見たことない?!父親フランソワの家族愛が胸に迫る、少し不思議なアニマルスリラー映画
まずこの映画を楽しむために
必要なのは、前提を受け入れること
この映画の世界では、
「人間が様々な動物に変異してしまいます。」
理由や原因は何かを追求するのはナンセンス!そういうものだとひとまず受け入れてさえいればオッケー👌です。
予測不能なコロナのパンデミックを経験したばかりの現代人には、まるで無関係な絵空事だとも思えません。だって人間も動物だものね🙄
率直に観終わった感想をいいますと
こんな映画見たことない…かしら?
途中「アバター」かと思ったら、
最後は「もののけ姫」だった?!
みたいな?シュールな見た目の生き物がたくさん出てきて、🫣こんな感じになる場面もあったけど、なんかちょくちょく泣かされてる🥲不思議な映画です。それもこれも主人公の父親を演じたロマン・デュリスさんの確かな演技力と終始家族を愛する姿勢が胸に迫ります。息子のエミールを演じたポール・キルシェくんも難しい役どころを、しっかり噛み砕いて自分の中に落とし込んで演じていたと思います。普段フランスの映画をあまり見ないので、まずフランス語が新鮮でした(もちろん字幕)
ちなみにもし動物になるなら?
という質問に対して
ロマン・デュリスさんは、ユキヒョウ。ポール・キルシェくんは、クジラと答えていました。私は何かなぁ?白蛇かなぁ?動物であってる?
普通の映画は見飽きたあなたにお勧めの映画です♪
せつなくて泣けた
記憶にあるスプライスやラムのように暗く不穏な感じがして直感で「大好きなジャンルだ」と思い、あまり予備知識入れずにすぐに劇場鑑賞を決めました。いい意味で裏切られました。勝手に人間が動物に支配されていくような展開かと想像してましたが家族愛、親子愛、父と息子のせつない想いに胸が苦しくてラストは泣かされました。友情、別れのシーンでも「うっっ」って…一緒に観た妻は一切泣いてなかったので女性目線だと「父と息子の関係」はまた違うのかなぁ…女性の方で「泣けたぁぁ」って方が居たら感想聞きたいと思いました。
人間から動物へ変貌していくエミール役の俳優、すごく良かったですね。とてもイイ映画に出会えて良かったです。
今年一番泣いた家族ドラマ
親子愛を描いた映画はごまんとありますが、本作は傑出しています。繊細な心理描写、深い洞察、知的な視点、美しい音楽など、高品質な土台が熱い感動に繋がっています。
物語では、一部の心ない人達が動物化した人間を獣と呼び、銃で追い回す。その姿はまさにコロナ禍での私達ではないでしょうか。
しかし、悲惨な境遇の中ではじめて見つける喜びもある。幸せとは何かと胸を締め付けられます。
本作はジャンルとしてはホラー、またはSFですが、極めて良質なヒューマンドラマでもあります。ラストは涙なしでは見られません。
困難の中で生きる人たちを描く始めたフランス映画の一作
ハリウッド映画のようなわかりやすい三幕構成ではなく、描きたい主題を突き詰めて映像化した一作。
「ACIDE」や「またヴィンセントは襲われる」と似た質感で、起こっている問題の機序は説明せず、全体的な解決作を描くこともなく、主人公たちが巻き込まれた災難の中でいかに生きるかを描き切っています。
本作においては、多様化する社会とそこで起きる差別の問題に気候変動問題を絡めて動物化する奇病に振り回される人々や社会を描いています。
ハッキリとした答えが出せない問題が増えているからこそ、このような作品を作り続けているフランス映画界に注目しています。
24-130
動物に変異する奇病。
しかもその動物は猿や犬だけに限らず、
鳥、カメレオン、タコ、ナナフシなど
なんでもあり。
病気の原因には一切触れられないけれど、
獣と呼ばれる患者とどう関わるのか。
あるものは家族として向き合い、
あるものは共生を望み、
あるものは暴力での排除を主張する。
コロナ禍で見た社会となにも変わらない。
奇異なものを排除するのは簡単かもしれないが、愛情は姿にではなく心に宿る。
考えさせられる映画 A movie that inspires deep thought
おそらく、
実世界のメタファー(比喩)なんだろうけど
観る人によってそれが何なのかは
微妙に変わるかもしれない。
およそ100年ぶりに(スペイン風邪以来)
人類はパンデミックを体験したことと
この作品は無関係とは思えない。
感染症に対する比喩なのかもしれないし
あるいは性的マイノリティに対する
比喩なのかもしれない。
実際、第二次大戦ごろ
ゲイは治療対象として
外科手術が行われたという歴史があるし
ドイツのエニグマを解読した
アラン・チューリングに対し
当時、同性愛は罪とされ
逮捕、治療されたことは事実だ。
そういったことに対して、
どのような態度を取るのか
取れば良いのか、
観る側は突きつけられてしまうように思った。
実際、観終わってから
頭の一部がこの映画に支配されている。
未来を感じる終わり方が
個人的には救いになった。
It’s probably a metaphor for the real world, but what exactly it represents may subtly vary depending on the viewer.
Given that humanity has experienced a pandemic for the first time in about 100 years (since the Spanish flu), it seems impossible to think this work is unrelated to that event.
It might be a metaphor for infectious diseases, or perhaps a metaphor for sexual minorities.
In fact, during World War II, gay individuals were subjected to surgical “treatment” as if they were patients, and history tells us that Alan Turing, who cracked Germany’s Enigma code, was arrested and forced into treatment because homosexuality was considered a crime at the time.
The film seems to confront the viewer with questions about what kind of stance to take or what stance is appropriate toward such issues.
Even after watching it, I felt as though part of my mind remained captivated by this movie.
For me, the ending, which hinted at a sense of the future, offered a sense of salvation.
とんでもない設定を、真面目にストレートに
人間が、次第に鳥やカマキリ、猿などの動物に変異していく奇病が発生した世界。
ゲテモノになりそうな、とんでもない設定だが、真面目にストレートに描いて、最後の家族愛にはジーンとくる。
息子役のポール・キルシェが、「ウインターボーイ」の時よりはるかに良く、魅力的。
物足りない
ケモナーにはちょっと物足りないかな?
ちょっとヒトっぽさを残したデザインで、何の動物に変化したのか分かりにくい
ママんは猿?ナマケモノっぽくもあったけど、分かんないよね
遺伝は全くしないものって設定なのもちょっと残念だったかな
仏製アニマライズスリラー
人間がさまざまな動物に変異する謎の奇病が蔓延した近未来を舞台に動物に変異したまま姿を消した妻を捜す男とその息子の姿を描きだす。仏製アニマライズ詩情スリラー放出。ケモノに変わりゆく世界で人間たちは何を思う。人間と動物のハイブリッドという設定自体の新機軸や解釈、メタファーなど多様に描こうとする題材が開かれている。それぞれが動物化するおぞましさがある一方で、動物化することで自己採掘や生き方の問いの是非を導きだすような風刺的側面もある。新生物のビジュアルや造形もアニマトロニクスやデジタル効果などで表現したみたいでリアリズムが良く出来てる。強制隔離された世界で現実世界との対比や人間自体の脆弱ぶりを思い起こさせる思慮深い作品へ昇華される。
スリラーじゃなくて、ドラマだった 息子の腕の傷、 できた時は刺され...
スリラーじゃなくて、ドラマだった
息子の腕の傷、
できた時は刺された的なものだと思ったけど、
切り傷だったの?
それはさておき、
最後のお父さんの笑顔が最高だった
コロナ禍を経験したからこその違和感が気になってしまう
人間が動物に変異する奇病の蔓延というアイデアは面白いし、それを具現化した特殊メイクやVFXも見応えがある。
ただ、何のためにそのような設定を導入し、それで何を訴えようとしているのかが、今一つ分からない。
この奇病は、エイズや新型コロナなどの実際の病気のメタファーではなさそうだし、この奇病で、新種の狼男や吸血鬼やゾンビを描こうとしている様でもなさそうだ。
奇病を発症した人に対する差別や抑圧、あるいは、健常な人と発症した人との分断や対立みたいなものも、それなりに描かれてはいるのだが、それがテーマであるとも思えない。
別に、無理矢理、寓意やメッセージを読み取る必要はないのだろうが、それでも、こうした奇病に対する対応の不自然さは気になってしまう。
例えば、自分が、いつ、この奇病にかかってもおかしくない状況のはずなのに、人々に、そうしたことに対する不安や警戒心が全くと言っていいほど感じられないのは、どうしたことだろう?
新型コロナの頃は、隣の人がマスクをしていなかったり、ちょっと咳をしただけで、あれほど過敏に反応していたのに、この映画の高校生たちが、ごく普通の学校生活を謳歌しているばかりか、主人公の少年の異変に気付かないことには、大きな違和感がある。
奇病に対する社会の対応にしても、発症した者を捕獲したり隔離するばかりで、病気の予防法や発症が疑われる場合の措置(病院や保健所に届けるなど)が周知徹底されていないことには首をかしげざるを得ない。
そもそも、社会がこんな対応をしていたら、主人公のように、発症を隠そうとしたり、家族が発症した人をかくまおうとするような事例が後を絶たなくなるはずで、施策としては完全な失敗と言えるだろう。
祭りの夜に、村人たちが、発症した人たちを、問答無用で撃ち殺そうとする場面は、唐突で脈絡がないとしか言いようがないが、こんなことを放置していたら、それこそ、社会の秩序は崩壊してしまうだろう。
その一方で、父親と少年が、施設に入る前に行方不明になった母親を独自に捜し出そうとしたり、病気を発症した少年が、施設に入ることを拒否しようとする理由にも、あまり説得力が感じられない。
病院で面会した母親は、そんなに酷い扱いを受けているようには見えなかったし、施設に収容されても、家族等が面会できる(そのために、施設の近くに引っ越したのだろうし、終盤で、父親が少年に「面会に行くから」とも言っている。)のだから、それほど孤独にはならないように思えるのである。
もし、病気を発症した人や家族が、施設に対して良からぬ印象を持っているのであれば、施設内の様子を明示するなどして、その理由をきちんと説明するべきだったのではないだろうか?
いずれにしても、ラストシーンからは、結局、「束縛から逃れて自由に生きろ!」みたいなことが言いたかったのかとも思えるのだが、その一方で、そのために、このような特異な設定とストーリーは必要だったのかという疑問も残るのである。
動物である人間が持つ、原始的な愛のかたち
観ながら、「人間も動物でしかない」という視点でこの世界は描かれているような気がしました。
動物に変わっていく子供ら「新生物」と呼ばれるものが、
・異教徒や移民など?
・新型コロナなど疫病のパンデミック感染した人々?
・怪我や病気で外見が変わってしまった人?
・政治的立場でマイノリティになってしまった人?
そのどれでもあり、そのどれでもないのかもしれない。
人間は他者とのかかわり・社会性によって成立する生き物であるが、「新生物」はそこから逸脱し、社会に居場所を失った「異形の者」すべてを内包していそうな気がしました。
そんな「異形」の在り方は、どことなくデル・トロ監督のモンスターたちや、石森章太郎がかつて描いた漫画版・初代仮面ライダー本郷猛を思い出しました。
そして動物も人間も変わらず、「妻や子がどんな姿や立場になったからって、夫(父親)は家族を慈しみ、守ろうとするものだ」という、本能のような「愛」を示していたような気もしました。
ただし、「何故感染し、どんなスピードで肉体が変異していくのか」の設定が曖昧だし、「人としての知性は残るのか消えて動物になっていくのか否か」なんてのも不明確なんで、そこらへんが気になって没入できず、ラストシーンで感情移入しきれなかったのが、作品のせいなのか、自分の性格のせいなのかは判断が難しいところ。
設定は奇抜だけど、わりと良作
すごく面白かったという訳ではないんだけど、まあまあ見ごたえのある映画だった。
観る前に若干ザ・フライ的なグロさがないかだけ心配していたが、そこはわりとソフトでした。
ただ、途中で出てくるセイウチ(?)に変体したやつだけ、ちょっとザ・フライ感があった。
冒頭の「何を食べて、何を話すかでその人の存在が決まる」という父親のセリフが妙に心に残った。
ベジタリアン
人が動物に変化する奇病という設定からどう物語が展開するのだろうと思っていたら、家族愛、友情とか前向きな感情が残るプロットだった。
自分はベジタリアンなのだけれど、動物との共生というテーマが思い浮かんだ。欧州ではベジタリアン人口は増加傾向で、日本もそうならないかなと期待している。
嗚咽ですわラスト
疫病の始まりってずっと昔からこんなんだったんやろな
無理解ではなく無知 それでも愛してくれる者はいて光の方向へと変わっていくコロナも始めは村八分自殺色々ありましたよね動物界も隔離ではなく穏やかに暮らせる場所へとたどり着きますように
しかしカエルちゃんなんて愛らしい顔
制度に反抗しろ!
全く事前の情報を入れずに観に行きましたが、のっけからギアがフルスロットルに入った作品で、終始刮目して鑑賞しました。
舞台は近未来のフランス。感染すると動物になってしまう(獣化してしまう)病気が世界的に蔓延してしまった世界。感染者は人間としての理性を失って凶暴化することから、監獄同然の施設に閉じ込められてしまう。ここだけ聞くと実にSFチックで、あり得なさそうなストーリーですが、この病気を新型コロナに置き換えれば実はつい最近現実のこととして我々の眼前に広がった悪夢であり、そう感じた瞬間に恐ろしい現実を戯画化したお話だと捉えることとなり、心の奥底に突き刺さるお話でした。
内容的には、獣化してしまった母親の回復を信じた父(フランソワ)と息子(エミール)が、移送中の自動車事故で行方が分からなくなった母親を捜すものでしたが、その過程でエミールも獣化していることが判明。それを知ったフランソワのショックは計り知れないものがありましたが、最終的に”制度に反抗しろ!”という自らの信念に従い息子を助けるフランソワ。その充足感、満足感を映して幕となりましたが、悲劇的な話でありながらも、悔いが残らない生き方を見せたフランソワの行動と、最後の笑顔に、勇気を貰った気がしました。
また本作で注目すべきは、その映像の素晴らしさ。獣化してしまった人間のリアルな姿は、恐ろしくもあり愛おしくもあり、感性を揺さぶられるものでした。そしてこのような内容でありつつも、フランソワとエミール親子の情愛をきちんと描いているのを皮切りに、エミールと同級生の恋愛を描いてみたり、エミールと先に獣化して鳥の姿になってしまったフィクスとの友情を描いてみたり、はたまたフランソワと女性警備隊員のジュリアとの信頼関係を描いてみたりと、登場人物たちの輪郭を立体的に見せる描写が随所に挿入されており、非常に味わい深い作品でした。”制度に反抗しろ!”というフランス人らしい反骨心を冒頭でフランソワに言わせ、最終盤でフランソワに実行させるところや、ジュリアがフランソワに対して繰り出した格闘術を、危機に陥ったフランソワが繰り出すことになるなど、伏線の回収にも余念がありませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
試練を受けた父子の物語
人の身体が動物へと変わる奇病?進化?が蔓延した社会に生きる、とある父子。
子供が父親の愛情を認識していく過程が素晴らしい。細かな設定が施された脚本、また無理のない思春期ドラマの演出もいい。ラストは勿論、中盤を含め何度か泣けた。
この作品は傑作かもしれない。
邦題、どんぴしゃだなー。
獣人化に対峙する人間達の話だけど、まんま人種差別な話だし、感染してない人達にただただ追い込まれていく感染者達がいたいたしい。メイン3人の家族関係にも興味がつきない。なかなか見応えあり映画。
おい、ヒト、なにしてる?
世に変身譚は数々あれど、こちらは少し異色のSF。だが設定はかなり甘い。突然変異の奇病が流行し、人々がいろんな動物(フツーは一種類だが)に獣化してしまうという近未来を描く。しかし当局の対策は、その新生物を捕獲し施設に隔離するだけというゆるいもの………
巨大な毒虫に変身した主人公が家族に迫害され、その父親が投げつけたリンゴに当たって死んでしまうのはカフカの小説だが、映画の父親は既に獣となった妻を探し続け、獣化しつつある息子を必死に守り、その不条理と疎外の構図に抗おうとする
そして、フランス映画のお約束“エスプリ”とやらが注入される。決してエンタメに振り切らず、問題提起や学びを盛り込まないと気が済まないのが“彼等”の矜持。だから、米国製エンタメのように観終わって、ああ面白かった、にならず何かほろ苦さが残る。
それでも、獣化しつつある息子の視点から、フツーの人間達を意識的に見させるカメラ撮りは興味深い。ラストで『生きろ!』と叫んで息子を逃がす父親が切なく、奇声を上げながら、森を遁走する息子の姿も胸に刺さる。
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