動物界のレビュー・感想・評価
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75点ぐらい。動物へ変異する奇病
人間が様々な動物に変異してしまう奇病が発生した近未来フランスが舞台のスリラー。
始まりから普通に奇病があり、何の説明もないまま進んでいきます。
最初は、興味深く食い入るように観ていたんだけど、後半に向かい面白さは失速していき、最後の方はダレました(笑)
情報を入れずに観たので誰が出てるか知らず観ていたら、アデル・エグザルコプロスが出てて嬉しかった♪
やっぱ綺麗だな(笑)
主役のロマン・デュリスも嬉しかったな。
アンドリュー・ガーフィールドに少し似てると思いません?
動物を迫害する人間の風刺が効いていて、良かったと思う。
人間なんかより動物の方が、ずっと純粋だ。
人類に対する他動物からの復讐か?
などいうテーマはない。
何せ主人公たちは、テレビのニュースすら見もしない。
邦画やアメリカ映画のように事態の中心に入り込む展開ではなく、
ただ淡々と起きている事態に共存するかのように。
そう、“共存”が本作のテーマなのかもしれない。
良質な童話
「ドクターモローの島」+「ミディアン」に優しいスパイスをかけたような作品。フライヤーを見ると人種差別、移民、ルッキズム、感染症などの現代的なテーム云々書いてあるけど映画なんてのは各自が楽しみ考えりゃ良いだけよ。移民やらルッキズムなんて絡めた宣伝せんで良いわ。オープニングは「Z」みたいなノリになるのかと思ったら違ってた。質の良い童話を読んだような清々しい流れだった。
エミール
アニマライズのリアリティラインが絶妙。コスプレでもなく猫化人間でもなく恐怖を感じさせるデザインが良い。
音"声"の演出も素晴らしい。
南フランスの湿地帯の映像も綺麗。後半のエミールがたどり着いた先のワンショット映像もさりげなくすごいことをやっている。
ラストは細田守監督作「おおかみこどもの雨と雪」を思い出した。
コロナパンデミック化に考えられた作品ということで、人と人との分断、都心から離れ自然へ回帰するような展開に納得した。
冒頭のフィクスへ抱いた恐怖が分断そのもので、後半自然とそれが紐解かれていく展開も良い。
ルソーの著書「エミール」にちなんだ子供の自由を願う思想が詰まっている。(カエルと言われた子供が実は〇〇〇〇〇でやはり生き残る。)
ただ全体的に少し単調だったのと、本作は特別に何か回答を提示しているわけではないのでここはもう少し具体的に踏み込んで欲しかったところ。ただし!ラストのポテチを頬張り息子を送り出すロマン・デュリスは最高。(ここ最近の脱加工食品キャンペーンをひっくり返してくれるチャームポイントも好きだ。)
ただのパニック映画ではない
人間がいきなり動物になる奇病が流行っている世界の話。新種の生き物が現れたことによるパニックスリラーかと思いきや、家族愛の話やった。エミール役とお父さんが熱演。
徐々に自分を抑えられなくなるエミールに対し父がした行動が…あのお父さんはとても人格者やと思う。
元が人間だとしても、危害を加える可能性があるとわかった瞬間排除する対象になってしまうのがやりきれない。
コロナの時も思ったが、こういった予期せぬ事態が起きた時に人間の根っこの部分が現れるなと。疑心暗鬼になる人、不安を煽る人、客観的な人、他人に救いの手を差し伸べる人、色々な人がいるけれど自分は冷静でありたいなと鑑賞しながら考えていた(実際難しいけど😅)
お父さんと息子が泣きあうシーンが切なくて…最後の余韻も含めて好きな映画でした!上映館が少ないのが残念。
わんちゃんも名演技でした🐶
鳥人間の悲哀
水島努監督の推薦コメントで作品を知り鑑賞。
獣化していく様、差別、迫害され狩られるのが哀しい。
得体のしれなさは多様性の受容の大きな壁だろうと改めて感じた。
手塚治虫さんのきりひと讃歌や火の鳥太陽編を思い起こした。
鳥人間フィクスとエミール、飛翔までは妙にシュールで可笑しみもあるけど、交流もその後も哀しい。
親父さんや彼女も、エミールも幸せでいてほしい。
半信半疑、からの?
劇場で数回トレーラーを(何気なく)観ていて気になっていた本作。ただ、正直なところ「半信半疑」ではあったものの、第49回セザール賞最多12部門ノミネートおよび第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品選出、という実績を信じて劇場鑑賞を決めました。公開初日11時25分からの回、ヒューマントラストシネマ有楽町はそれなりの客入りです。
と言うことで、観終わっての感想は「思いのほか良かった」ですし、終わりはちょっと泣きそうになりました。
この手のギミックとテーマは決して新しいわけではありません。ストーリーも実にシンプルで解りやすく、共感を煽るような押しつけがましさもないため、素直に受け入れられます。また、物語中「新生物」と呼ばれる変異体についても、序盤こそ恐怖を感じさせる演出が数シーンありますが、それも一辺倒ではなく、エミール(ポール・キルシェ)の変化と成長に伴って、「出会い、コミュニケーション、信頼関係、友情・愛情」という展開に、自ずと「共生」を願う自然な流れで共感できます。ポール・キルシェ、素晴らしい演技です。『Winter Boy』、私、これ配信待ちにしてしまってまだ未見なんだよな。。今後が楽しみな俳優ですね。
そして、何といってもエミールの父・フランソワ(ロマン・デュリス)の絶対的な家族愛の強さですね。家族の不幸に落胆するどころか、諦めずに家族の幸せを強く願う姿が観ていて実に尊い。全力で妻の名前を呼び、息子が笑っている姿を見ながらこれ以上なく幸せそうなフランソワに涙が誘われます。ロマン・デュリス、今作も最高のアクトです。
その他にも、ジュリア役のアデル・エグザルコプロスを始め、ビリー・ブランやトム・メルシエら、助演も皆さん印象に残る演技で鉄壁の布陣。
いやはや、鑑賞前の不安はどこ吹く風。爽やかな秋の午後を歩きつつ、エミールの未来に希望を抱きながら余韻に浸りました。良作です。
(町を)とびだせどうぶつの森
人が動物になってしまう謎の奇病にかかった少年の病状進行度に応じた視点の変化を見せるストーリーだったと思う。
完全にモンスターパニック映画のような導入部であったが、少年の病状が発覚した後に鳥人間になった患者と森で遭遇し、中盤から終盤に差し掛かる頃には患者を見る視点が気味の悪いモンスターから自然に帰ろうとしている野生動物のようになり、見方が完全に変化していたのを自覚できる。
少年の幸せを願って最後に森へ送り出した父親の心情を考えるととても悲しくもありながら自由を感じる展開で楽しかった。
個人的には結構オススメできる作品だが、奇病について何故発生したのか?解決策は見つかったのか?といった原因究明は一切触れられないため、モンスターパニックを解決するような作品を鑑賞しにいくとガッカリするかも。
家族が病気になり葛藤する父親の心情や、患者として段々と考えに変化が起こり同類との出会いを含めたストーリーは一見の価値があるため鑑賞をオススメしたい。
棘抜くシーンは苦手だけど、最後に感動
設定自体は解りやすいのよ。
奇病かウイルスかなんか知らんけど、ある一定の人間が動物に変身してしまう現象が起こって、政府はその変異種を隔離する政策を取ったわけ。
もし家族に変異種が現れたらどうするって話。
まあ、差別の象徴として動物化に置き換えた話なんだろうな。
でもお父さんがエキセントリックで、なんか話の筋はどうもそれだけじゃない感じで…
結局、親子愛がテーマなの?
ラストはなんだか感動した。
そういえば、昔観た「ブルークリスマス」と同じ感じ?
設定で終わることない深い内容
興味本位で見た作品でしたが、めっちゃ感動しちゃいました。斬新な設定ながらも、超リアルに仕上がっていて、感情移入がハンパなく、有り得ない世界観と認識しつつも、非常にリアルな感じで感動できました。
こういった設定の作品が生まれてくる世界情勢も何となく感じさせてくれるわけで、想像以上に優れた作品だと思いました。
観た人はきっと、自分ならどんな動物になりたいかと考える
予告編に魅了され、公開初日に映画館にて鑑賞。
冒頭わずか数分で、人間が動物化した「新生物」の姿と、人間とは比較にならない力の強さを有していることが示され、主人公の少年の母、父親にとっての妻が動物化しつつあり、入院中の病院から新生物収容施設にほどなく移されることが明かされる。
ストーリーはシンプルで、父子のやりとりや、関わり合う人々の言葉・態度から、新生物を恐れ、穢れたもので既に人間ではない存在とみなしている人が多いことが伝わってくる。このような奇病の原因やどんな人が罹患するかなどの説明は、映画内ではほとんど無い。人々はすでに事態を受け入れざるを得ないとわかっているのだ。そして、この現象が世界的に広がりつつあることや国により対応が異なることなども明かされるが、主人公たちの周囲では新生物は獣同様と疎まれ、捕獲対象であり時には狩られる。家族内に罹患者がいることは必死に隠さなくてはならないのだ。家族、あるいは親しい人、好きな人が新生物になったら自分はどうするのか。あるいは自分が動物に変化しようとしていると気づいたら。
…改めて言葉にしてみると、この「新生物」化現象を、今の社会で差別され虐げられがちな存在のメタファーとして受け取るのは容易い。例えば罹患すれば外観を著しく損なう病や、ある種の感染症の患者。例えば少数民族や様々なマイノリティ属性の人々。そのような深読みをしてももちろん面白く観ることのできる映画だと思う。
動物化といっても、完全に動物になるわけではないようで、人であるとわかる変貌の度合い、つまりは混じり方のビジュアルが人々に恐れられていた模様。が、一見醜怪に思える異形の姿はそれこそが新しい生き物であり、現代社会の中で脆弱化した人類にとって代われる可能性があるのかもしれない。その可能性が脅威だから、必死に彼らを囲い込み、排除しようとしたのかもなあ。
などと観終わればあれこれ思いつつも、観ている間は動物化した人間の美しさや力強さが描かれた映像が実に魅力的で、観飽きなかった。特に、鳥の人の飛翔場面と、終盤、逃げ出した新生物たちが森の奥にひっそり身を潜め生きようとしている場面は、再びじっくりと味わいたい。動画配信されたらまた観よう。
いい顔だ
運良く試写会に当選し、鑑賞してきました🎬
人間が動物になるという、奇病が流行り始めたフランスが舞台🤔
主人公フランソワを演じるのはロマン・デュリス🙂
タバコをよく吸い、息子エミールにも命令口調が多い彼。
一見横柄にも思えますが、家族を思う気持ちは本物です😀
中盤過ぎてからは、エミールの現実に向き合わざるを得なくなる彼ですが…。
悩める父であり夫でありながら希望は決して失わない、そんな男をロマン・デュリスが力強く表現します💪
フランソワの息子エミールを演じるのはポール・キルシェ🙂
高校生ぐらいだと思いますが、反抗期というかあまり父親に従わない彼。
しかし自分の体が変化していく現実に直面します。
一方で年頃の学生生活もしながら暮らす彼を、表情豊かに、かつ繊細に演じたポールは素晴らしいですね🙂
親子に協力的な憲兵隊の曹長ジュリア役で、アデル・エグザルコプロスも出演🙂
「アデル、ブルーは熱い色」で高校生役を演じた彼女も、曹長役をやるようになりました🤔
ある程度雰囲気は出てましたが、彼女は基本顔立ちが可愛いですからね😀
月日が経つのは早いです。
上映後のトークショーで映画ライターの高橋諭治氏も言ってましたが、ホラー要素もありつつヒューマンドラマやサスペンスも盛り込まれた、かつそれぞれがちゃんと成立した完成度の高い作品でした🙂
また、上映終了後に拍手が起こったのも嬉しかったです😁
気になる方は、是非お近くの映画館をチェックしてみてはいかがでしょうか❓
11月8日公開です❗
人間界も動物界も天国であり地獄
《試写会にて鑑賞》
素晴らしい作品を観ました。
まさかこんなに泣くとは…。
新生物との友情と父の愛に感動。
原因不明の突然変異で人類が動物化。
変容する過程、親子の苦悩と葛藤が丁寧に描かれていました。
多ジャンルの融合とリアルな社会問題にも触れています。
共存か排除か。隔離か自由か。
それぞれが窮地に立たされた時、
何を優先し、選択して生きるのか。
現代のリアルな目線でストーリーを追うことができました。
また、美しいVFXや緻密な特殊メイク、息づかいが表現されている劇伴も素晴らしかったです。
終盤、新たな生存と受容に直面する家族に大号泣。
生きることについてとても考えさせられるストーリーでした。
因みに犬は無事です。
アルベール賢すぎます!芸達者!
《上映後のトークにて》
元は脚本コンテストに参加し、優勝した学生の原案だと聞いて驚きました。
最初は朝と夜で変化がはっきりとわかる狼男の設定だったらしいのですが、審査員だった監督が作品を制作するにあたり徐々に獣化する設定に変えたそうです。
また、様々な作品に影響を受けながら動物界を制作したとのこと。いくつか上げられていましたが、もののけ姫の名が読み上げられた時は深く納得しました。
まさに”生きろ”です。
進化なのか退化なのか、それとも…
試写会にて観賞。
新生物とは進化なのかそれとも退化なのか?はたまた突然変異?さてこの作品はそちらが主眼ではなく新生物を通しての親子の絆や共存、友情など内容が盛り沢山。その中で昔気質の父親フランソワが徐々に息子のエミールに寄り添う演出は見事だった。新生物に隠れているが親離れ=子供の成長のストーリーだと思う。
偏見という心が病んでいない人限定... なんちゃってフランスSci-Fi映画
"Mutation gives a life expanding experience"
In the Italian study, the mutant mice were far
more resistant to the harmful effects of oxidative
damage caused by hydrogen peroxide and UN light
than mice with the non-mutant genes.
よく知られているのは、人は生きるのに酸素が必要であると... でも過剰になれば体内では悪さをし、細胞を傷つける。よって老化の原因となるp66shc遺伝子欠損のマウスでは、酸化ストレスを介したアポトーシスが抑制され、寿命が約30%延長されることが報告されている。オーストラリア放送局(Australian Broadcasting Corporation)が提供する科学に関する情報やコンテンツABC Science による1999年の発表より(※大部分を割愛しています。意味が分からないままの受け売りです。失礼)
ある日本のアニメーターは、仮に人類が永遠の命を得るならば、自らの体を変形しなければ、今の弱い肉体では実行できない。また、ある有名な作品での次元を超えた未来の人類の姿は、その劣悪なディストピアの環境とそれに打ち勝った獰猛で人類が長年積み上げてきた英知をも越えた力を自然から授かった天敵から身を守るために未来の我々の仲間は、おぞましい姿であり醜悪そのものの変態:ミュータントとならなければなくなる。だから外見に左右される皆様は、おぞましく思われ、その結果、望みのない暗い映画と本作『Le règne animal』を感じてしまうかも!? (映画解説では原題が英語となってるけどフラ語ですけど... 何か?)
むかし、昔...
そのむかし、「ギリシャのイカロスは・・・」で始まる♪勇気一つを友にして という歌があった。その神話の主人公であるイカロスは、また別の顔を持っていた。それは、テクノロジーを批判するアンチテーゼとして... その共時性こそ
野球の聖地でありプロ野球球団のフランチャイズでもある球場の信号を渡った目の前に動物園があった。そこでは、レオポンという名の、しかもその獣を紹介するのに "珍獣" を頭につけていた。
おもしろ、おかしく、作られた彼らは皆、幸いにして子供を残す繁殖能力はなかった。
動物たちも我々の仲間と知らない蒙昧な東の尻尾を無くしたエイプが世界中に赤っ恥をさらしている。
ところで
survivor(s) と creature(s) と creep(s) 彼らを呼ぶときの差別的なんちゃって三段活用なんてね?
映画の冒頭で父親のフランソワの妻を映す時に目のあたりしか出さなかったことから、何故か?東宝の古典的Sci-Fiカルト映画『マタンゴ』の青年・村井研二を演じた久保昭さんのもったいぶったラストのシーンとダブらせていた。どうも個人的な事で
ミュータントをおためごかしのように描くハリウッドとは異なり、本作に関しては、フランスの成熟したギミックと造形物が限りなく深く描かれた神秘的雰囲気のある緑の森の中で、そして若き肉体に宿り始めたミュータントの異形... それが彼の心の優しさと肉体の美しさとが一瞬でもマッチした時、この映画の素晴らしさを垣間見ることができるかもしれない。
最初は行方不明になった妻を探す父親の話と思っていると、そうではなくて息子エミールの青春物語というか、変身することが第三次性徴と捉えれば、そんな事なのかと思ってもしまう。
全体を通しては、言い方としては稚拙で適してはいないかもしれないけれどありふれた終わり方が象徴している作品と個人的には思っている。というのは...
数多くの人間変態と自然との共存共栄を描いた過去のフィルムに対して、その終わり方の共時性が意味するところの同じでは、面白さやヒトヒネリの無さから映画とボックスオフィスとの共存共栄は見込めないのかもしれない。
※余談として
息子エミールが初めて友人となったミュータントの青年が、前にも語ったようにイカロスさんだったけれどイカロス繋がりで一言...
神話のイカロスは父親の忠告を無視して太陽に近づき過ぎて蜜蝋でできた翼が溶けて墜落したというのは有名な話で... ところがもう一つ父親が忠告していたことがあったけど、それが本作では飛ぶ練習の場となっていたので... 「あれってか?」
あたしも早朝から "sup" に乗ろうとしてポチャリかな?意味不明なので失礼します。
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