ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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再構成の仕方は好き
皆の望みが叶うわけじゃない、未来を手に入れることはできない、でも諦めることはできない
主人公は、ある日、打ち込めるものを見つけてしまった、絵を描くということ。
でも人より少し上手い、周りから褒められたからといって順風満タン、何事もなく進むわけではないし、そんな中、気持ちが折れそうになったり母親から言われて心がぐらつく様子は観ていて、なんだか身につまされてしまった。
主人公の気持ちもわかる、でも母親と同じ年代の自分としては芸大に行くというリスキーな未来に向かう息子を心配する気持ちもわかるのだ。
絵の上手い人間はいくらでもいる、それで食べていけるのか、仕事にできるのか。
好きなだけでは駄目だ、才能がないからやめろ、他人や周りから言われなくても本人は自覚していると思う、だからといって捨てること、やめることはできない。
主人公は今回、無事に合格、でも周りの人たちの悩みとか赤裸々です。
望む未来を手に入れられるわけじゃない。
合格はできなかったけど、あの二人は絵を描くことをやめたとして、関わることはやめられないのかもしれないとか。
色々なことを想像してしまいました。
教師って、改めて尊い職業だと思った。
読んだことはないけれど、シーモアで表紙はよく見かけていた「ブルーピリオド」。
映画館で予告編を観た時に、まるで漫画のキャラを再現したかのような眞栄田郷敦さんに目が釘付けになった。
素直に、公開初日のレイトショーに行った♪
何だろう、画面の色味もアーティスティックで、登場人物が妖精のように感じた。
特に高橋文哉さん演じるユカちゃん!
そりゃ、ナンパもされるでしょうよ。
そして、ナンパした男性も、美少女ユカちゃんが男と知って驚愕するでしょうよ!
眞栄田さん演じる八虎も、スポーツバーでオールで友人と遊んでるし。
なんかもう、40年前の高校生とは色々違いすぎてビックリ…私は、高校時代ミスドも親と一緒にしか行かなかった。
全く芸術方面詳しくない私でも、八虎の芸大合格はあり得ないと思うけど、好きなことに突き進む彼の生き方に、心が動いた。
薬師丸ひろ子さん演じる佐伯先生が、八虎にかけた言葉「あなたがそう見えるなら、りんごもうさぎも青くていいんだよ」、好き。
ユカちゃんと八虎の海のシーンも、色々エモーショナル。
八虎が、ユカちゃんの電話を受けた後、ユカちゃんのいる海に走り出したところ、かっこよかった。
こんなふうにむき出しの本音を伝えあえる関係、貴重だよ。
来年、子どもたちが就職し、人生で1番したかった子育てが完了する予定。
その後は、私も、ずっと胸の奥で眠っていた自分の夢を追いかけることに決めた。
あー、八虎の今後が気になる。
シーモアで「ブルーピリオド」を買いそうな気がする(*^^*)
プロモーションとしては、この映画、大成功と思う。
人物・演出の魅力溢れる作品、できれば連続ドラマでも観てみたい
青春映画の王道と言っても良い佳作。
人に合わせて生きている所から、好きを軸とした生き方に脱皮することがテーマ。
こと今の時代は、好きと努力が掛け合わせられれば最強。
今年は原作を読まずに臨む映画が多かった中、こちらは原作マンガが好きで愉しみにしていた。
どの点が強調されどの点が削ぎ落とされているかが判ってしまい多少消化不良とならざるを得ないきらいはあるものの、
芸術を扱う本作をアーティストを含む多数の協力者を得ながら、ここまで見事に描き出したのは脱帽だった。
今をときめく眞栄田郷敦、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひより、などの俳優たちが、その時その時の想いをセリフだけでなく表情でも魅せてくれた。
もっと観ていたかったので、連続ドラマとなることも希望したい。今回の4人以外にも魅力ある人物がてんこ盛りの作品なのだから。
或る街の群青
原作・アニメ共に未見、キャラデザや設定も確認してないため、再現度なども不明。
入試までに絞って上手く纏めたんだろうな、という印象。
良くも悪くも派手さはなく、森先輩の絵との出会いや描画シーンなども演出は薄い。
その割に挿入歌演出が多用されるが、これが上手くない。
ダイジェストのような勢いやテンポ感はなく、音が大きいせいで台詞が聞き取りづらい。
短いカットの連続で八虎の努力を表現するような、ベタな使い方でよかったと思う。
ユカちゃんや森先輩はキッカケを与える装置のような立ち位置だし、予備校同期も特にエピソード無し。
級友や高橋くんの絡み方も中途半端で、あくまで八虎の話に絞られている。
尺の関係で仕方ない部分もあるのだろうが、脇キャラの扱いは少し残念だったかな。
とはいえ演技は全体的によかったし、石膏デッサンの力量差などは非常に分かり易かった。
八虎が渋谷の絵を描く前の演出も面白い。
ただ、最後のヌード画の良さが素人目に伝わらなかったし、タイトルの意味も分からず終い。
2次試験の体調不良や腕のアレは必要あったかな。
家計に余裕がないにも関わらず渋谷で飲み歩き、キャンバスや絵の具を買い漁るのも違和感アリ。
(オール明けに八虎だけ毎回制服になってたのは何?)
旅館の宿泊費は誰が出し、何故裸を描く時に電気消した?
細かいこと気にせずサラッと見る分には、後味もいいし十分楽しめる。
八虎は、龍二じゃなくてユカちゃんと呼んであげよう。
受験のヒリヒリ感と芸術の魅力が楽しめる傑作!
東京芸術大学に合格するまでの苦闘と(本人は苦闘とは思っていない)、人間的成長、努力と天才とは、そして芸術とは一体何なのか、という大きなテーマのストーリーは、ずしりと観るものに感動を与えてくれました。そして、言霊が凄いです。『絵は言葉ではない言語』(絵は表現方法の1つ?)。『好きなことをする努力家は最強なんです』(かつての偉人たちは皆さんそうかもしれません?)この二つの言霊は、高校の美術教師の薬師丸ひろ子が呟きますが、心にグサリと刺さりました。そしてもう一つ。『絵を描くことは人の幸せを祈ることである』という先輩女子の言霊。なんて素敵なのでしょう!これが最強の芸術家の魂なのかもしれません。私見ですが(信じなくても良いです)、人間一人一人には必ず守護するものがついています。そして何か仕事を成し遂げる人には、その人を最高のレベルに持っていくために、やはり高度な守護するものがついていると考えます。その守護するもののレベルが高いときには、その人のなす仕事は天才的に見えるのでしょう。どんなに努力を重ねてもなかなか伸びないのは、守護するもののレベルが弱いのかもしれません。ですので、天才か努力家の差異は、ひとえにその守護する力のレベルの差としか思えません。そして、今世で努力家の域を出なかったものは、来世に生まれ変わって天才に近づくのでしょうか。
追記 めちゃくちゃ泣いたのは、母が息子が好きなことをやろうとすることを許すシーン。これが本当の親子の愛なのだと気付かされました。好きなこと、楽しいことを選ぶことを許す時代に突入しているのでしょう。
老害
な私の感想。
なので、若い方が見たら噴飯物かもね。
かなり有名な、時に日本一ともランキングされる大学で働いている。
だが、その実態は企業を品定めして就職活動に明け暮れる学生たち。
この映画で言うところの「お母さん」好みの良い子たち。
正直言って辟易している。
一応エリートのこの子たちが未来を担っていくの???と。
だからこそ主人公やそれを取り巻く若者たちには快哉を叫んだ。
泣く映画ではないと思うが主人公の姿を見て涙がこぼれた。
特にパティシエを目指すという友人とのやりとりは胸アツだった。
努力は才能に勝らないことがほとんどということは身を以て体験しているが、
努力は報われて欲しいと思わずにはいられない。
題材が絵画であるのもいい。
スポ根は暑苦しくて頭も筋肉になってしまうが、
芸術はそこに繊細さや奥深さが加わっていてより強く訴えかけてくる。
眞栄田の主演にはかなり違和感があった。
高校生?芸術?
特に後者に関しては体育会系というイメージしかなかった。
高校生についての違和感は全く拭えなかったが、
後者についてはそれほど気にはならない好演だった。
それを上回るインパクトだったのが高橋文哉。
正直言って、きれいで魅力的だった。
声高にLGBTを主張されるよりよほど心に染みた。
とりあえずのハッピーエンド。
人生としてはプロローグにすぎない。
原作に続きがあるならぜひ観てみたい。
素顔のままで
東北の地方都市から上京して幾星霜、言葉はすっかり標準語なのだが、どうしても個人的に使えない(使いたくない)言葉が僅かながらある
タバコのセブンスター「セッター」マイルドセブン「マイセン」ラッキーストライク「ラキスト」
一言で「気取ってんじゃねーよ!」
東北弁には無い発想のネーミング
しかし、自分のなかで絶対ない言葉の筆頭は「〜しな」「〜しなよ」の提案言葉
上京当初、初めて「S君、休憩とりなよ!」と言われたときの背中に感じた気持ち悪さ…(あくまで個人的感想であり、生理的感情なのでご容赦ください(・∀・)
女性が使うぶんには許せるのだが、男性に使われると今だにモヤモヤ…
東京出身の女性と結婚してから、僕等家族の前で決して東北弁を使わなくなった実弟が、「兄貴、〜しなよ」と言ったものなら、お互い齢50過ぎて母親の前で兄弟喧嘩をする自信があるほど苦手な言葉である
なぜ、こんなどうでもいい文章をダラダラ書いているのかといえば、この映画で3回ほど「〜しなよ」が出てきたから(使うな、という意味ではなく、ただただ気になる)
極めて私的な昭和の東北オジサンの戯言を垂れ流してしまいましたが、映画自体は主演の眞栄田郷敦、実兄の真剣佑とは対照的で出演作品のチョイスがいいな、と オワリ!
観ていてつらかったです
決して悪い意味ではなく、今までの経験と重なってしまって、かなりつらかったですが、原作もそんな感じですから。
劇中のほとんど泣いてました。
何かを本気で目指せる人は強くてかっこよく見えます。
表現もキレイでしたし、配役も良かったと思います。個人的には森先輩の登場シーンと橋田のビジュ完璧でした。あと、劇中歌がハマりまくってました。
とてもいい映画だったのですが、強いて言えばもっと他の人物たちとの関わりも見たかったです。
特に世田助くんが大分やな奴になってたように感じました。原作はもう少し可愛げのある感じで、取っ付き難い奴くらいな印象だったと思うんですけど、映画の尺だとしょうがないのかなという感じです。
ドラマだったらそういう所もじっくり描けて良かったのかな、、なんて思ったりしました。
前情報無しで見ました
群青
原作は読んでる状態で鑑賞
自分の中では芸術って何だろうと薄ぼんやりしている。縁遠いものではあるが、確かに存在はしている。その霧がかった状態をに挑戦するひとたちは、アートを生業とするためのとっかかりとして藝大を受験してその道を生きていく、というのは生半可な気持ちではないし、不安しかないのだろう。
それを払拭するべく強く生きる様を眞栄田郷敦くんは成功していると感じました。挫折するキャラクターたちもよくて当て書きしたの?というくらいみなさんピッタリでした。
やや原作のキモとなる部分は尺の都合上、足らないかなとはなるけれど、美術って何だろうと考えるきっかけにもなると思うので、将来の選択肢のひとつとして中高生に観てほしいな
好きだけで続けるのは難しいが好きではないことを続けるのも難しい
評価が低い=自分の実践や能力を否定されたと何度思ったことか。私は今の仕事を長く続けることが出来たが、心が折れて職場を去る人や、お金を貰う手段と割り切って続ける人をたくさん見てきた。好きな仕事に就けても、評価されなかったり、周りとの実力差を見せつけられたりするのは辛い。芸術家や芸能人などの表現者は尚更のこと、好きだけで続けるのは難しいし、好きだからこそ辛い。
原作アニメは何度か見たが、もっと心の揺れ動きが丁寧に描かれていたように思う。龍二と裸で絵を描く場面は無理矢理詰め込んだ感がある。原作が10巻以上ある作品を一本の映画にまとめるのは難しい。八虎以外に魅力的な登場人物が多いので、原作ファンには物足りないかも知れない。
⭐︎3.8 / 5.0
「ピカソ15000点」
さんけつ
凄い面白かった
原作は既読です。
気になった部分もあるけど、それ以上にワクワクしたり面白いと思った場面が多かったので、とっても楽しめました。
原作は群像劇みたく様々な要素が込められているので、どうまとめるんだろうと気になっていました。その点、実写は主人公である矢口八虎周りのエピソードに絞って、藝大受験までを描ききったのが好印象です。
音楽の使い方も個人的に好きでした(けど過剰だと思う人の気持ちもわかります)。特に序盤から青い渋谷を描くまでは、カメラワークも相まってゾクゾクしました。
やはり気になったのは予備校の面々や高橋くんといった、八虎周りの存在を上手く扱えていなかった部分です。喋らせるなら喋らせるで、きちんと役目を作ってあげて欲しかった(尺的に難しいのは理解してます)。加えて、その他複数のキャラの解釈が少し違うような気もしました。
ですが気になった点は全て私の主観的な意見です。なので本作を一つの映画作品として見た時の、素晴らしさや面白さの方を尊重したいです。
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