「何歳になっても「やりたいことをやる」のが一番幸せだと思った」ブルーピリオド 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
何歳になっても「やりたいことをやる」のが一番幸せだと思った
漫画が原作だという話でしたが、私は漫画もアニメも見てたことがないので、この映画で初めて『ブルーピリオド』を知りました。
映画の方は、200倍の超難関の東京芸大の絵画科合格を目指す高校生「矢口八虎」が芸大受験映画になっていました。漫画やアニメには、その先のストーリーもあって、矢口八虎以外の登場人物のストーリーも深堀りされていて、大変読み応えがある作品なんだそうですが、映画は時間の制約もあるし「受験編」のみで、それでも見ごたえがあって面白かったです。
矢口八虎のイメージと真栄田郷敦さんが合っていると感じました。同級生の中でも、どこか突き抜けている感じ、目立たないようにしてるけれども、実は凡人じゃない感がよく出ていました。
私も絵を描きたくなったし、ほんとうに好きなことをやっておけばよかったと後悔しました(私は五十代後半です)。今からでも遅くないから、好きなことをやろうと、日本人の平均寿命を考えても私の人生もう30年も残ってないと思うし、好きなことだけやって死にたいです。そうするべきだと本当に思いました。
芸大に受かっても受からなくても、画家として生きていきたいなら絵をかいていけばいいし、売れる売れないは二の次で、売れないならバイトしながら絵をかいていけばいいと思う。矢口がこの先どうなるのか、私は漫画の方を読んでないから知らないけど、覚悟を決めて生きていけば、人生どうにかなるし、後悔しないと思う。
少なくとも矢口は、後悔する生き方はしない、と決めたんだなと思いました。
この作品、青春映画に分類されるのだろうと思いますが、おじさんおばさんになっても「どうやって生きるか」という問いは死ぬまで続くし、中高年がみても、老年期の人がみても楽しめる作品だと思いました。