「なぜこんなに高評価?」ブルーピリオド べにさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜこんなに高評価?
原作ファンです。
日本映画で漫画の実写化なんてどうせろくなことにならんだろうな〜、と、葬式に行くくらいのつもりで行きましたが、その期待をさらに下回ってきました。
あんなにも優れた原作から、なぜこんな駄作が出来上がったのか真剣に考えるほど、どうしようもない作品でした。怒りが湧きました。
「芸の上澄みをすくったような絵だな」というセリフが原作、映画どちらにも登場しますが、まさしく「原作の上澄みをすくったような映画」と言えるでしょう。
演技は良いですが、脚本が大問題です。
原作に登場した人物の多くがこの映画にも登場しますが、そのほとんどは原作をなぞるためだけに存在している、ストーリー上何の価値もないモブです。ユカちゃんと森先輩くらいでしょうか、必要なのは。
ヨタスケくんに至っては、ただちょこちょこ出てきて嫌味を吐き続けるだけのキャラクターと化しています。
誰の何も掘り下げず、ただそこにいるだけ。
主人公であるはずの八虎すら、その内面はろくに掘り下げません。なんか言われてちょっと練習したらなんか上手くなっちゃった。このくらい。
ブルーピリオドの魅力は、キャラクターの魅力だと思いますので、これは実写化としては論外です。
2時間という枠の中で受験全てを書ききるのは無理があったのでしょう。それなら扱う範囲を狭めるか、登場キャラクターを絞るか、工夫の余地はあったはずなのに、原作をなぞることしか頭になかったのでしょうね。
コメントする