「アディクトを解きながら」アディクトを待ちながら uzさんの映画レビュー(感想・評価)
アディクトを解きながら
クリックして本文を読む
タイトルは『ゴドーを待ちながら』からだろうか。
その割に大和は現れてしまうが、中心人物不在のままで進む会話劇という構成は舞台的で面白い。
登場人物は既にかなり安定している。
過程や事情には多少触れられるが、一番苦しい時の描写は無く、依存症の実態を描く作品ではない。
描かれるのはアディクトたちの揺らぎと支え合い、それに対する世間の風当たりなど。
回復へ向かう話ですらないので、知見を得られる構成ではないが、ドラマとしては悪くない。
にわかに対するファン、雑誌記者に対する新聞記者、大衆に対する美容師ちゃんの主張には共感できた。
ただ、些か台詞で全てを語りすぎにも感じる。
大和が遅れた理由自体は良いが、連絡しなかったことや妻にも黙っていたことの理由付けは皆無。
コスモの息子に関しても、落ち着け方は自然なのにその前の罵倒からの繋がりが不自然。
中でも外でも、最後にはみんなで拍手するという流れにも違和感がある。
配信者が内部を盗撮するなど、不要な描写も散見された。
このあたりがもう少し上手く描けていれば佳作になりえたかも。
最後の大和の言葉は、ともすれば「開き直りだ」と叩かれるだろう。
しかし、悔いて謝罪を続けるだけでは誰も救われない。
贖罪のためにも、スリップを避けるためにも、何より生きていくために、ある種の前向きさは大切だと思う。
松村ひらりちゃんがとても可愛かった(最後それか
コメントする