憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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何かの寓話らしいのだが・・・・
体調万全で臨んだにも関わらず、何度か寝落ちしそうになった。
この映画、何をどう楽しめというのだろうか?
グロテスク
悪趣味
変態
過度な妄想
がごちゃまぜになり、それがまた、3段重ねときたもんだ 笑
結局、自分が寝落ちしそうに何度もなる映画はつまらない、これに尽きるんだと思う。
観る人間を選ぶ映画だと思います。
わたしはこんな映画にはまともな⭐️はつけません。観るに値しなかった。
ちなみに哀れなるものたちは⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️です。
多分、自分にハマるかハマらないか、両極の監督なのだと理解しました。
実はやっぱりユニバース
毎回、一筋縄では行かない作品を世に送り出すヨルゴス・ランティモス監督。今回はエフティミス・フィリップとの再タッグでより難解さが増しているようですが、私は今回も敢えてトレーラーすら観ずに参戦です。本編165分とのことで、エグゼクティブシート狙いで109シネマズ木場を選択し、リピーター割引を使い予約開始間もなくチケットを購入。ヨルゴス作品だったら平日でも初日はそれなりにお客が入ると思いきや蓋を開けてみて唖然、、、私を含めてたった5名のみ。。まぁ、明らかに万人受けするタイプの映画ではないですからね。レイティングもR15+でエロやゴアなシーンもありますので、鑑賞には念のため注意が必要です。
また、本作邦題にある通り「3章」で成り立つ構成ではありますが、それぞれの話に一見してつながりはありません。なんなら、同じ役者がそれぞれの章で別のキャラクターを演じており、関係性も異なるためまるでマルチバース。なので、観ている最中は「3章」というより「3話」の方がしっくりくると思いきや、観終われば確かに「3章」で納得がいくし実はやっぱりユニバース。と言うことで、よく考えられた邦題となっております(流石のサーチライト・ピクチャーズ)。
で、感想ですが、、やっぱりハードル高かったです。難しい。。独特な世界観とルール、そしてどのキャラクターにも寄り添いにくさを感じ戸惑っていると、それを見過ごしたように鳴り始める独特な劇伴に一層惑わされてクラクラきます。それでも、3章ともにしっかり面白いため心配したほど長さは感じません。また、前述したゴア表現についても不快さよりアイロニーが勝っていてその必要性が解ります。そして、観終われば「そういう事なのか」と気づき、何となく見過ごしたシーンのアレコレを「ああ、もう一度観直したい」と感じます。
なお今回、エンドクレジットが流れ出し5名中3名の方が早々に退出されましたが、3章に通じる「アレ」について短くあと1シーン残っています。これからご覧になる方もまだ立たないようにしましょう。また、サーチライト作品と言うことでDisney+会員の方は「すぐ配信されるだろう」と思われるかもしれませんが、やはり劇場で集中してご覧になることをお勧めいたします。
さて、聴かずにおいた本作のネタバレを含むポッドキャスト、これでようやく解禁できます。楽しみだ!
優しい繭の中は怖ろしい
みんな優しい繭の中。その中は甘くて柔らかで居心地がいい。繭に属する家は広く、外観もインテリアもベッドルームも部屋着も美しく車なんかはすごくかっこいい。繭を統治する神々の持ち物だから当然だろう。その外に出ても誰も怒鳴らないし無理強いもされない代わりに、丁重に別れを告げられて距離を置かれ無視される。仲間はずれだ。普通の人たち=大衆は寂しさや孤高には耐えられない。だから自由意志で繭の中に入り留まり、信じ従い依存し自分の頭で考えることを放棄する。初めから自分の頭で考えていないから「放棄」もしてないだろう。支配される状態は楽ちんだから。いつ自分がそうなるか、既になっているかも知れないのだ・・・怖い。
キャスティングが素晴らしかった。とりわけジェシー・プレモンス。「パワー・オブ・ザ・ドッグ」で知った俳優。穏やかで優しくて、全てわかっているようにも見えるし鈍感にも見える俳優。このランティモス監督の映画ではどの章でも立ち位置が自然で馴染んでいた。支配者役デフォーにとっては「うい」奴で真面目な顔で飼い犬のよう。第三章の坊主頭に素足・サンダル姿には既視感があり奇妙と思いつつ怖かった。プレモンスが支配する側を演じた章ではナイーブ&キュートでありつつ平然とした演技に軽く衝撃を受けた。
食べ物の大アップ映像が多くてお腹がすいた。映画終わってすぐに食事に行った。肉と魚とチョコレートは食べなかった。お水はたくさん飲んだ。
おまけ
エフティミス・フィリップが脚本でまたランティモス監督と組んで嬉しい。やっぱり変で笑えて気持ち悪くて楽しい!
あのビデオ
予告編でも使われていたアニー・レノックスのスウィート・ドリームスで始まるオープニングに、これからどんな素晴らしい物語を観ることができるんだ、とワクワクしたのは私だけではないだろう。
やりたい放題。
この監督のやりたい放題にエマ・ストーンとかウィレム・デフォーとかが付き合ってくれるからすごいな。
エマ・ストーンとマーガレット、クアリーが惜しげもなく裸体を晒してくれますが、せっかくなら美しいラブ・シーンで見せてほしい。
あのビデオはもっと見たかったです。
お話しがこんなんだから、音楽はオープニングのユーリズミックスみたいに劇伴もお洒落にした方が、より可笑しみが出たんじゃないかな。
エマ・ストーンは今作でも吐きます。
心のなかに妙な解放感が…
何の繋がりもない1時間弱の3つの物語で構成された映画です。出演する役者は同じだけどそれぞれの物語で演じられるキャラクターは異なっている。この繋がりのない不思議な3つの物語に共通なのは血とSEX と死である。何かに取り憑かれた人々の狂気とそしてカルト。当然、不快な場面もところどころに出てくる。
なかなか平穏な日常を過ごすことができない僕には、そんな日常なんて屁でもないくらいヘンテコな刺激、擬似体験が必要なようで、見終わった後には妙な快感と解放感が。これって、僕が映画に求めているものでもあります。
大大大好きなヨルゴス・ランティモスだけど、 長編の方が好きかも〜 ...
大大大好きなヨルゴス・ランティモスだけど、
長編の方が好きかも〜
いや全然面白かったし、期待以上の観客振り落とすぜ!の変さで最高だったんだけど、ヨルゴス作品のよくわからない深い迷宮感が好きな自分は
今作の???何の話???あーうんうん、へぇ〜うわーを3回繰り返す感じが、ちょっと疲れてしまった。
長編のズブズブ沈んでいく感じの深度が浅いの3つとゆう印象。
3時間の長尺で1つの話だったら、とんでもねぇ深瀬に連れてってくれるだろうなぁって思っちゃったので、少し不完全燃焼。でももう一回観たい。
でもこの脚本タッグのカムバックは大変うれしいので
それ観れただけで満足だし、1年に2度ヨルゴス作品観れる幸福は噛み締めた!うれしい!!!
憐れみのフルコース
試写会にて。
2024年の個人的偏愛枠。本作もまた、ヨルゴス・ランティモス節が炸裂。相変わらず気軽にオススメ出来るような作品じゃないけど、「哀れなるものたち」に比べれば癖は抑えめで、エンタメ感が強く、率直に楽しいと思える映画だった。
いや〜、ランティモスとかアリ・アスターの作品でしか得られないゾクゾクってあるよね〜。当たり前が通用しない、現実のようで少し違う、不気味で奇天烈な世界。同じ役者、同じ作風、でも三者三様の個性豊かな3つの物語。165分とかなりの長尺だけど、意外にも時間はあっという間で、この3部構成は結構アリだなと思えた😁
第1章 〜前菜〜
1つ目というのもあって3つの中で体感時間がいちばん短い。他の章でもそうだけど、本作のMVPは間違いなくジェシー・プレモンス。悲壮感でいっぱいの表情が、ホントたまらん笑笑 1に相応しい、前菜のような口当たりの良さ。まあグロいけどあと2つに比べれば全然。命令されるのは嫌だけど、たしかにずーっとそうやって生きていけば、いずれ指示待ち人間になり、自分で選択することが出来なくなってしまうよね。わかるよ〜、親近感ナンバーワンエピソード。かなり好き。でも、壊れたラケットはいらん。
第2章 〜メイン〜
いちばんヨルゴス・ランティモス。故に、いちばん好き。R15+要素はここに全詰まり。現実ではなかなか巡り会えない、「お前のお父さんとお母さんを選びな」という、千と千尋的状況下。たま〜に映画に登場するけど、実際自分がこの場に立ったら、果たして違う!とはっきり言えるだろうか。いや、言えないだろうな。順従すぎるのは怖い。どっちもサイコパス。でも、結局おかしいのはどっちなんだろうな。壊れたものはいらない?ジェシー・プレモンスの髪がどんどん短くなってくる。
第3章 〜デザート〜
めちゃくちゃカルト。思想的に過激なエピソード。意味わからんが、ただならぬ恐怖は感じる。なんかでもこういう団体ってやたら水に命かけているよね。それもまた皮肉してるんだろうけど。性に対する向き合い方。人それぞれだけど、自分の妻が他の人としている様子をそんな平然な顔で見れないから普通!これまた宗教の恐さ。エマ・ストーンの演技が光る。サウナ、まじでキツイな...。プレモンスはついに髪がほぼ無くなった。何もかも壊れる。
それぞれかなり違う話だけど、一貫しているのは『誰かに従われている人』『人の破壊』『性の管理』というテーマ性かな。ヨルゴス・ランティモスにしか書けないよ、こんな話。唯一無二で、全くもって見たことない話ばかりだったからすっごく面白かった。鑑賞にはなかなかの覚悟が必要だけど、「哀れなるものたち」が好きだった人は間違いなくハマるはず。しかも、こんだけBLACKなテーマを扱っておきながら、独特なテンポ感と不思議な言葉選びに思わず笑えちゃうからね。ちゃんとコメディ。ん〜、満足!公開は9月27日です。ぜひ!
追記
一晩考えた。3つのエピソードにもっと大きく共通していることがあった。「自分の愛する人からの命令なら人は人を殺せるのか?」だから、憐れみの3章なんだね。邦題のセンスの良さよ...。
形而上なるものをスクリーンに焼き付けると。
相変わらずの芸風。狂気に満ちた世界観の舞台で、さらに心が病んだ登場人物たちが、破滅へ向かう物語を舞踏する、3本立てのやりたい放題。さすがだ、ヨルゴス・ランティモス。
contaminated ってどんな字幕になるんだろ?
いやぁ…、この作品、どう感想を言えばいいのか…w
原題はKinds of Kindness 、ニュアンス的には「優しさの形」?「親切心の表し方」?要は、善意でやったことが、実は色んな人を犠牲にしてたり、他人にはギョッとするようなことだったり、ちっとも善意じゃなかったりwww
作品自体はもう、不条理にも程があるというか、やっぱりヨルゴス監督、頭がおかしいって!と思いながら観てましたが、劇場ではちょくちょく笑いが起きて「あー、これはコメディなのか」と確認できましたw
多分、真面目な日本人には「何じゃこりゃ?」ってなる作品なんですが、来年のアカデミー賞にもノミネートされそうという下馬評を見て、なんだかんだでこんな脚本を書いたヨルゴス監督とエマストーンはすごいなぁと思わされました。マジでヨルゴス監督、ふざけ過ぎてますwww。
邦題を初めて聞いた時は「え?」と思いましたが、作品内のKindness はただの「優しさ」とか「親切心」とかいう訳が相応しくない内容で、確かに「憐れみ」の方が近いかもしれません。「哀れなるものたち」もなかなか深い邦題なので、「哀れみ」と区別する漢字はなかなか便利な文化ですね。
「哀れなるものたち」は、グロい映像の中にもなかなか深淵なテーマが隠されていて、皆さんのレビューで私の評価も変わりました。私ももっとちゃんと作品を理解したくて、様々なレビューを読みましたが、意外に高評価なんですよねーw。外国人には純粋に「意外な面白さ」が刺さったんでしょうか。
昔「笑い」に関する分析をした哲学者が「人は意外さ」におかしさを感じると書いた本を読んだことがありますが、確かにエマたちが真面目に「変な人」を演じているのも、素っ頓狂なセリフを言うのもおかし過ぎて、何度も笑いが起きました。もちろん、ちょくちょく出てくるグロい、ショッキングなシーンで、私は何度も叫んじゃいましたけどw
3章とあるように、同じ俳優が別の名前、別の役で演じている3本のオムニバス作品なので、話は繋がってないから混乱しませんように。3本目で散らかった不条理の回収とか、総まとめ的な展開はありません。「世にも奇妙な物語」みたいな感じで、えも言われぬ気持ち悪さを楽しんでください♪
追記
Xでkinds of kindness を検索したら、walked out と続いたワードがトレンド入りしてましたw
やっぱりいくら評判が良かったとはいえ、この薄気味悪い不条理劇に腹を立てた観客もそれなりにいたんですね!
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