「思っていたよりずっとダーク」憐れみの3章 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
思っていたよりずっとダーク
Qアノン、陰謀論、カルト集団……
それぞれの顛末を描いた3章。
もうね、豪華俳優陣がそれらを演じているので、
それを観れる贅沢さはあるんですけれども、
本当に居心地は悪いですね、ええ。
ランティモス、以前は自虐的なものばかりだった印象だけど、
最近はだいぶ社会を俯瞰で見た中に自分のフェチズム差し込んでる感じ。
それはそれでスケールでかくて見ごたえあるんだけど、
まだまだ子供の私は、昔のようなやつも観たい。
いやー、3章目のエマ・ストーンがとんでもなかったな。
もうさ、あのスタスタ歩く感じと濃いめの化粧でさ、
あの車ドリフトさせる感じも堪らなく切なかったですな。
もう、あの夫の事実を知ってからは冷静に観られないのよ。
そこを感傷的にしなかったのがいい事なのか、悪い事なのか
今でも掴み切れてはいない。
でもやっぱノリノリで演じてるから観てても最高に気分上がるし、
もう結局はあの主人公に身を寄せてしまうのよね。
ホウ・チャンも素晴らしかったし。
あのキャラ、モデルが色々浮かんでくるよ…。
そしてジェシー・プレモンスよ。
あの3章のキャラクターって今まであんまり無くなかったですか?
優しいとか、勘違い野郎とか、寡黙なやつとか色々ありましたけど、
なにあの風貌、仕草。エマとの相性も最高だった。
どういう顔して見ていいか分からないのが、
やっぱりヨルゴス・ランティモス。ずっと期待を裏切られる。
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