劇場公開日 2024年9月27日

「実はやっぱりユニバース」憐れみの3章 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5実はやっぱりユニバース

2024年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

毎回、一筋縄では行かない作品を世に送り出すヨルゴス・ランティモス監督。今回はエフティミス・フィリップとの再タッグでより難解さが増しているようですが、私は今回も敢えてトレーラーすら観ずに参戦です。本編165分とのことで、エグゼクティブシート狙いで109シネマズ木場を選択し、リピーター割引を使い予約開始間もなくチケットを購入。ヨルゴス作品だったら平日でも初日はそれなりにお客が入ると思いきや蓋を開けてみて唖然、、、私を含めてたった5名のみ。。まぁ、明らかに万人受けするタイプの映画ではないですからね。レイティングもR15+でエロやゴアなシーンもありますので、鑑賞には念のため注意が必要です。
また、本作邦題にある通り「3章」で成り立つ構成ではありますが、それぞれの話に一見してつながりはありません。なんなら、同じ役者がそれぞれの章で別のキャラクターを演じており、関係性も異なるためまるでマルチバース。なので、観ている最中は「3章」というより「3話」の方がしっくりくると思いきや、観終われば確かに「3章」で納得がいくし実はやっぱりユニバース。と言うことで、よく考えられた邦題となっております(流石のサーチライト・ピクチャーズ)。
で、感想ですが、、やっぱりハードル高かったです。難しい。。独特な世界観とルール、そしてどのキャラクターにも寄り添いにくさを感じ戸惑っていると、それを見過ごしたように鳴り始める独特な劇伴に一層惑わされてクラクラきます。それでも、3章ともにしっかり面白いため心配したほど長さは感じません。また、前述したゴア表現についても不快さよりアイロニーが勝っていてその必要性が解ります。そして、観終われば「そういう事なのか」と気づき、何となく見過ごしたシーンのアレコレを「ああ、もう一度観直したい」と感じます。
なお今回、エンドクレジットが流れ出し5名中3名の方が早々に退出されましたが、3章に通じる「アレ」について短くあと1シーン残っています。これからご覧になる方もまだ立たないようにしましょう。また、サーチライト作品と言うことでDisney+会員の方は「すぐ配信されるだろう」と思われるかもしれませんが、やはり劇場で集中してご覧になることをお勧めいたします。
さて、聴かずにおいた本作のネタバレを含むポッドキャスト、これでようやく解禁できます。楽しみだ!

TWDera