「『III度』が孕むもの」はらむひとびと uzさんの映画レビュー(感想・評価)
『III度』が孕むもの
アバンから苦しい映画でした。
亜湖の育児へのストレスは、子役の演技が上手いぶんこちらにまで直に伝わってくる。
旦那の雅人は空気が読めない上に能天気な楽観主義で、神経を逆撫でしてばかり。
郁美の方は懐妊中ではあるが、夫どころか職場にすら打ち明けられていない。
口では「私も子供嫌いだし」と言うものの、産む気がゼロならそもそも悩む必要すらないハズで…
タイプは違うがどちらの旦那も相手のことを見ておらず、悪気がなさそうなところがまたタチが悪い。
(俊介の方は妊娠に気付く程度には見ていたが)
また、店員への態度や郁美への八つ当たりなど亜湖の方も大概だったりする。
基本的にはかなりリアルでずっとイライラした。
ただポテチの食べ方と、グチャグチャの食卓を前にしての雅人の無反応(どころか2人目の話)は過剰。
郁美の逃避の仕方もちょっと飛び過ぎかな。
あそこまで真に迫った描写ができるなら、もっと地に足をつけたままでよかった気がします。
置き去り現場に俊介が来る程度のご都合主義は構わない。
だがあの状況で郁美に電話しない点や救出方法、あれで本当に割れるのかというのは引っ掛かった。
亜湖の飛び降り未遂の描写も、現実なら窓が閉まってるなどの状況が、妄想なら義母の台詞が不自然になるだけ。
事件をきっかけに諸々丸く収まった様子だが、特に郁美と俊介の夫婦関係には直接関係ないよね。
終演後に監督と少しお話をさせていただいたが、III度の熱中症では後遺症が残る可能性があるらしい。
医者がそれに言及する台詞などは主演•プロデュースの有馬さんの希望で避けられたとのこと。
個人的にはもう少し苦味が強くてもよかったが、育児中の身(郁美の子は有馬さんの実娘)ではそうもなるか。
共感とコメントありがとうございます。後遺症残ってしまうんですか…確かにそのリスクも描いて欲しかったですね。MV見たことなかったです!そーなのですね、早速チェックしてみます!
コメントありがとうございます。
ド共感です。
リアルなところのイライラや胸糞の悪さは堪らないものがありましたよね。
ご覧になられたのは夜のトークショー回でしたらニアミスですね。
所用により私はトークショー前に退出しましたが…。