悪魔と夜ふかしのレビュー・感想・評価
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観覧席にいました
番組が始まってすぐにおぉ!って一緒になって拍手しようとした自分がいました。
危ない危ない
あ!私、いま観覧者になってたわ!
自身が観覧客であり、裏方であり、テレビの前の視聴者でありと忙しく没入感がすごい。
70年代なんてオカルトブームでノストラダムスとかユリゲラーとか、心霊写真とか溢れてて素敵な時代だった。
月刊ムーとか立ち読みしてたな。
ちょっと白みがかった画面、ノイズ、チャンネルはそのままなCM、コードのついたマイク。
スタジオも懐かしい作りで観覧席のある狭くチープなライト、生バンド、ジャジャーン!って上に開くドア、過去の様子も寸劇やパイ投げ、大きなルーレット。
あぁ、何もかもが懐かしい。
テルミン…
司会者のジャックもいかにもって感じの服装に笑顔と軽いジョークを交えた起点の効いたトーク、カメラの撮り方までも良かった。たまに観客を抜く時の人々の服装も笑い方やしぐさなんかまで懐かしい
これがエモってやつなんだな…
もうそれだけで中年はワクワクするんだよ
そういう意味では若い子にはあまり刺さらないのかも。
全身ガイコツの人がすごい気になった。
崖っぷちのジャックは再起をかけてハロウィンにオカルトをテーマに番組を作る。
これが本当胡散臭がプンプンする、だがそれがいい。
最初に登場するのが霊媒師クリストゥ。
あ、怪しい…だが、それがいい。
これは仕込みやろとか思ってたらまさかの本物。
悪魔の気配をビンビンに嗅ぎ取ってしまってゴホゴホ言いはじめた時から、あれ?ってなったらまさかの黒い液体をブッシャー!それがカメラにもついた!いいね!
退場後に聞こえる救急車の音。
次に登場するのは否定派のカーマイケル
いるよねーてか、この手の番組には否定派も入れないとトークは盛り上がらないからね。
ただこのおっさん、腹が立つ立つ。煽りがすごいので早くぎゃふんと言わせてくれと願う。
そこに併せて登場するのが悪魔崇拝の生き残り、リリーちゃんと研究者のジェーン。
このリリーちゃんが素晴らしい!
腰まである長い髪、小花柄のブラウスに短いスカート、白タイツにストラップ付きの靴で椅子にちょこんと座る女の子。
笑顔がどことなく不気味で焦点の合わない瞳、不意にカメラ越しに目が合うとドキッとするし、かわいい。
ニヤっとジャックにハンサムと言ったり、メイク担当の名前をサラッと言ってみたりこいつぁヤバい。
後に行われる悪魔の呼び出しもあまりイマドキな感じではなくどことなく懐かしい。
声と顔が変わり、椅子が浮かぶくらいでは今ではそんなザワってしないと思う。今だったらもっとすごい事をしないと目の肥えたオカルトやホラー好きには生温いと感じる。
しかし、カーマイケルがしゃしゃり出たあたりでグッと変わってくる。
ここのミミズシーンがなんなら1番すごかったし、迫力があった。この死に方は嫌だの一つだよ、ミミズに突き破られて臨終とか。ミミズってチョイスが良き。
あのぐるぐる回る時計が欲しい。テレビの前のあなたもこれを見てくださいって言った時につい真剣に見てしまった。一緒に暗示にかかるかなと。
あれ、昔ユリゲラーさんがテレビの前の皆さんに念力を送り時計を直すってのを思い出した。
直らなかったけど…あの時はがっかりした。
ラストのリリーちゃんが悪魔のように燃えて周りの人々を次々と殺し始める様はスカッとする。
やった!カーが絶望するしたぞ。
「蝿の王よ!」とかビラビラ見せびらかせてた小切手出すところとか笑えたわ〜
そうそう、悪魔はいるのよ!
もっと派手にしてもいいのよ!
周りがヒートアップしていく中、ジャックだけは訳ありで怯えた表情をする。
最後、ジャックは過去の記憶をぐるぐると周り始める
悪魔崇拝のカルト教団と繋がって妻の命を犠牲にしていた事がわかる。
その辺のジャックの背景があまりはっきり描かれていないので途中、ん?てなるところもあるけど。
結局リリーちゃんを短剣で刺すところとか、高い木?
うーん、サラッとしてる。
まぁ、その辺をあまり深掘りをしてしまうと序盤で亡き妻の愛称がでて戸惑った様子が何故なのか観ていてわからないのでいい感じにモヤっとして注目ポイントになって良かった。
エンドロールの曲もバラエティっぽい。
観覧希望のハガキを出したい明けない夜の番組。
タイトルもいいよね!
リリーの変貌ぶりに一目惚れ!
1977年のハロウィンの夜で、
深夜のトークバラエティ番組を舞台にしているあたり
私自身が好きな世界観でホラー展開するということで
とても楽しみに観ました。
冒頭のカルト教団からリリーが救出される導入からの
主人公ジャックが栄光からどんどん落ちぶれていく様を
描き、ここで悪魔に魂をうった的な示唆が出ているの
だろうと思いました。
番組もしょうもない感じ&ヤラセっぽい感じがするのは
とても良いですね。
ただ、視聴率重視でそのためなら何でもやるジャックに
対してガスは真摯だったので、救われる思いでした。
が、悪魔に殺されるのは悲しすぎましたね。
リリーが出てくると本格的にオカルト否定のおじさんと
対峙構図が面白くなり、
リリーの悪魔憑きがトリックであることを暴くために
自ら催眠術を駆使するあたりは、おお!と思いましたが、
リリーの悪魔がマジもんだとわかった時の激変ぷりが
実におかしかったです。
最後はちょっとカオス感が満載でしたが、
ある意味、ジャックに天罰がくだるあたり、
やはり因果応報なのでしょうね。
それにしてもリリー役のイングリット・トレリが
素晴らしかったです。
通常時と悪魔憑き時の表情の変化、特に目👀ですね。
通常時の可憐な佇まい
(ちょっと違和感があるのもポイント)と
悪魔憑き時の動きのギャップが凄すぎて、
怖いよりも素敵だと思ってしまった私がおかしいのかも
しれませんね(笑) 今後も要注目です。
ミニー
がっちり設定されている映画
人気深夜生放送番組で起きた惨劇を
マスターテープとドキュメンタリ風の裏側を
織り交ぜたフッテージ風映画
その日はハロウィン特集で
霊能者やマジシャン
注目は悪魔に取り憑かれた少女をゲストに迎え
大惨事の結末に進んでいく。
感想
オープニングをもっと簡潔にして欲しかった
あの宗教団体は一体なんだったのか
エンディングは彼が妻の死を自らけじめを付けた感
そもそも妻の死に囚われていたのかは
描写が薄いのか判りにくいのか
休日日比谷のお昼の回
ほぼ7割の埋まり方
70年代のセットデザインは凄く良かった
顔が割れたのは「ぎょええええ」ってなった
スタジオ内だけなので
ワンシチュエーションスリラーかも知れない
クライマックスの
宗教描写と妻さんとの対峙は
演劇風の見せ方で
「ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談」の様にも見えた
設定良き
アイデア良き
キャラ設定弱め
描写良き
たぶん違う
怖い映画をみるときはほぼ目を閉じてるのですが、字幕だったため薄目開けてみてました。
私は、主人公は奥さんを亡くしたショックからくすりをやって、暴走した。悪魔なんかいなかったと解釈してたのですが、どうなんでしょうか。悪魔なんて最初からいなくて主人公が幻覚みて全員殺した。そういうことにしました。
怖いのは人間です!悪魔なんか最初からいなかったんです。。。
どちらも「信仰」
見ながら思い出していたのは『侍タイムスリッパー』のこと。素材も描き方も違うし、片やハッピーエンド、片やバッドエンドだが、見せたいもののために魂売り渡すというか、一線超えるというところは同じものがあるのではと思った。私としては、人情ほっこり話になっていないこちらの方が好み。(『侍タイムスリッパー』の何が私にはダメだったのか、クリアにもなった。)/催眠vs悪魔崇拝について、どちらかがどちらかではなく、並存しているのが面白いと思った。姿のないものを信じている点で、どちらも信仰であるとも言える。
デモン ストレーション
視聴率競争に勝利するために病床にあった妻まで生出演させたものの、トップになれなかったテレビ司会者のジャック・デルロイ。彼は失意の中しばらく姿を消していたが、今回再起をかけて自ら企画を持ち込む。
その企画とはカルト教団の集団自殺事件からただ一人生き残った少女による悪魔降臨の生中継だった。
前座でスタジオを温めるためにキャスティングされた霊能力者に異常現象が起きたり、次第にスタジオは不穏な空気に包まれるが、それとは逆に視聴率は上がり続ける。
そして超常現象研究家のジューンの中止の声も聞かず降臨術を強行させたことから事態は大変なことに。
ジャックはトップになるために悪魔に魂を売り渡していたのだ。その望みはかなえられるが、彼はそのまま破滅へと向かうことに。
悪魔の姿がテレビの電波に乗って人々を恐怖に陥れる。悪魔にとっては電波に乗せて多くの視聴者たちを一度に呪えるからこの当時としてはこれほど悪魔にとって便利なものはなかったのかも。でも今はテレビなどのマスメディアからインターネットメディアの時代に。
現在ネット上では日々陰謀論やフェイクニュースのようなデマが飛び交い、人々を翻弄している。それら垂れ流される情報は人々を互いに疑心暗鬼に陥らせて分断させ争いを誘発させている。きっと現代の悪魔はテレビよりも広範囲に世界中に張り巡らされたネットにその居場所を見出したに違いない。
ジャックが最後につぶやく「眠れる者たちよ、目を覚ませ」とは今のネットに浸りきってる人々に対して向けられた言葉のようにも思えた。
作品の舞台である70年代といえば「エクソシスト」の大ヒットでオカルトブームに火が付いた時代。日本でも五島勉のノストラダムスの大予言がベストセラーになったり、テレビでも心霊番組とかよくやってたなあ。
いまでは鉄板のやらせであるスタジオ収録で機材が突然倒れたりとか、真剣にビビッてた気がする。子供だったし。
本作はいわゆるモキュメンタリー方式によって当時のオカルトブームにあやかろうとしたテレビ番組収録現場を再現したような作品。ただ、やらせのつもりが本当に心霊現象が起きてしまってシャレにならなくなるという。
怖がらせるというよりは、エンタメに徹した作品。スタジオに霊能力者と対峙する懐疑主義者を配置することにより予想通りの展開が繰り広げられて楽しませてくれた。
終盤の大暴れする悪魔にスタジオがてんやわんやの大騒ぎになるのには笑わせてもらった。まさかあそこまでやるとは思わなかったな。SFXもなんだか70年代風のチープさをあえて再現したんだろうか、懐かしい感じがした。この手の作品が好きな人にはたまらない作品。
なんかすごい怖かった
昔の番組の雰囲気を再現するタイプの作品が好きなので絶対観るぞと決めていたのですが、公開日をすっかり忘れていて急いで公開日のレイトショーで鑑賞しました。
めちゃくちゃ怖くて良かったです。
予告で女の子が悪魔の顔になることは知っていたので序盤のインド系のスピリチュアルな人は何も無い偽物なのかなと思っていたら早速異変が起きたので驚きました。
悪魔憑き系が好物なので終始楽しく観ることができましたが、番組内で起こる電撃や顔面ビームのエフェクトまで当時の映像クオリティなのはなんで何だろう?とは思いました。
悪魔的!
悪魔と夜ふかし。題名からだとギャグぽいかなと思っていたら、失われたテレビ番組、深夜のバラエティーショーのビデオが奇跡的に見つかったと食人族なフッテージ物。笑って観ている内にだんだん不穏さが滲み出て着地点が見えなくなる怖さ。70年代のテレビが持つ胡散臭い雰囲気を実に良く出している。
悪魔教、ベトナム戦争、環境破壊、犯罪多発、経済不況、様々な世相を反映し、めちゃくちゃなエンタメ。とにかく視聴率さえ取れたら何でもありな番組。主役の司会役、デヴィッド・ダストマルチャンの演技が素晴らしく夢中に!本当に激ヤバ放送事故を見せられている気分に。
アメリカかと思っていたらさすがのオーストラリア映画!上手すぎて、面白過ぎてビックリ!ラストも大好き!
2024年ベスト・ホラームービー!⭐️⭐️⭐️✨✨
ラスト…
最愛の妻を亡くしてしまい、一時失踪までしてしまった、メンタル的にはかなり不安定な、夜の人気番組の名司会者は、番組出演者が本番中に亡くなってしまったり、「視聴率を稼げ!」と番組プロデューサーやスポンサーからの過度なプレッシャーにとうとう耐えきれず、傍観しているはずの催眠術に見事にかかってしまい、手元にあった短剣で、自ら恐ろしい結末を招いてしまったようです。
最後まで一気に見せてくれるこの作品は、神秘主義的なものと、精神的な不安定さが、取り返しのつかない結末を時には招くことがあると教えてくれます。
近年観た中でも、最も面白いホラー映画でした。
超オススメ!
*上映館が意外と少ないので早めに観に行くことをオススメします。
ことは成された‼️
この映画は怖いというよりも、映画としてヒジョーに面白く出来てると思います‼️フィクションなんですけど、1977年の深夜の人気TV番組で起こった惨劇を、実際のTV番組の映像と、舞台裏の映像を織り交ぜながらドキュメンタリーっぽく、はたまた劇映画っぽく描いています‼️TV番組の映像はTVのスタンダードサイズ、舞台裏はビスタサイズで描くという画面構成も凝ってます‼️そしてTV番組で描かれるのは "悪魔の生出演"‼️悪魔に憑かれた少女リリーが起こすエクソシストな超常現象‼️それをヤラせだと真っ向から否定しようとする学者の "催眠術" 説‼️70年代の懐かしいTV画面で展開されるビックリドッキリな展開‼️リリーが悪魔に取り憑かれるシーンも「エクソシスト」のミーガンのような特殊メイクに頼ることなく、演技(顔芸)を重視した悪魔ぶりでリアリティがあります‼️ラストの主人公の悲劇は、視聴率に固執するあまり、"悪魔の生出演" という超えてはいけない一線を超えてしまった主人公へ悪魔が引導を渡した瞬間だったのでしょうか⁉️
あるテレビ番組を思い出した。
77年の深夜に生放送されたトークバラエティのビデオが発掘された、という設定。ほぼ番組1本分とCM中の舞台裏で展開される。
内容はオカルト特集。映画でも「オーメン」「エクソシスト」などのオカルト映画が流行った頃だ。
生放送だから、当然リアルタイムで展開する。その緊迫感は半端ない。何が起こるのか?ドキュメンタリーを観ている様にドキドキする。
アイディアだけに留まっていない、しっかりした演出力の賜物だ。
惜しむらくは、テレビ番組のシーンは4:3のアナログ画面なんだけど、CM中になったら、急にクッキリデジタル画面になって、かなり冷めた。
1970年代後半、この頃、日本でもオカルトブームだった。つのだじろう先生の漫画や、宜保愛子さん、「あなたの知らない世界」等がブームを牽引した。そしてそんな中起こったのが「生き人形」事件。この映画であれを思い出した。
#悪魔と夜ふかし
アイデアは良いのかも
いつ盛り上がるかと観ていたら盛り上がらないまま最後まで。
1970年代のテレビショーをまるっと、CM時間(楽屋裏描写で)まで見せて、ほぼそれだけなんて。
ちょっとつらかった。お尻がもぞもぞしました。
オーストラリアのホラー映画は、「トーク・トゥー・ミー」がものすごく怖くて面白かったので期待値があがったかもですが、それを差し引いてもなんだかな
悪魔の仕業の数々も、どこかで見たようであまり怖くない
ミミズぶっしゃーの部分が唯一ショッキングだったけど、あれは心霊現象じゃないし
どこまでがジャックの仕込みでどこからが想定外なのか良くわからない
多分この映画の一番の恐怖どころは映り込んでいる奥さんだと思うけど、ハロウィンのおばけみたいで全然怖くない。ジャパニーズ・ホラーならもっとうまくやるのに。
まるっと番組だけ見せられても画面に映し出されるヨソイキの表情や言動から読み取れるものは少ない。
ジャックが実は何を望んで何をしたのか、どういう男だったのか、後半のジャックの夢(?)で断片的に見せてくるが訴求のインパクトが弱くてもやもやっとぼやけて良くわからない。
主人公の思惑がはっきり分かる描写を入れ込みつつ、行動との対比とか現実とのこんなはずじゃなかった乖離とか見せたらもっとメリハリがついて面白くなったんじゃないかと思う。
視聴率欲しさに悪魔に奥さんを売り、その上瀕死の奥さんを番組に引っ張り出して美談を作り上げるジャック、お前が悪魔じゃん、と思いました。
悪魔と夜ふかし、ってそういうことなの?
悪くはないかな?
そうですね。フェイクドキュメンタリーとしては良いかも?生テレビでの出来事を裏も込みで見てる感覚が新鮮。RECやブレア、パラノーマルアクティビティ等も好きですが。テレビ番組独特の雰囲気?例えができませんけど。裏でのやり取りを含めてリアリティーを感じましたね。ギミックなのか?リアルなのか?当事者も誰かの仕込みだろ?って思ってたり。テレビのオカルト番組の裏を見てるような楽しさもありました。
懐疑派の男の鼻持ちならん事に対比するように、小さい女の子が大人の事情やらを知らずにはしゃいでましたね。この対比が良かった。男が催眠術やらを駆使して悪魔を否定する。催眠術自体がある無し?は置いておくとしてもトリックでも出来るんだよーって見せ方がリアルティーを作ったかと思います。女の子自身の姿や声が変化するのはエクソシスト見てる様でしたが笑
点数を低い目にしたのは後半!特に女の子が覚醒してからかな?なんだろーなぁ。懐疑派の存在やらで折角リアリティーを持たせたのに一気にドタバタしましたね。別にリアリティー至上主義では有りません。懐疑派が鼻持ちならん分、少女の覚醒でハチャめちゃにされるのはスカッとする部分もありたしたけど。覚醒に対する説明が無いのがリアル。だけども突然過ぎて置いてけぼりになったような気分でしたね。意味深なセリフやらが散りばめられた分が余計に気になって。そこを説明してくれてたらリアリティーは薄くなっても納得しやすかったかな?若しくは覚醒演出を抑えめにしてれば、何だか訳分からんけど後味悪いリアルなホラーになってた気がします。
この映画自体が、集団催眠によるものかもしれない、と言うカラクリが含まれていた
2024.10.10 字幕 MOVIX京都
2023年のアメリカ映画(89分、 PG12)
お蔵入りになったオカルトトークショーの発掘フィルムを視聴すると言うテイストのホラー映画
監督&脚本はコリン・ケアンズ&キャメロン・ケアンズ
原題は『Late Night with the Devil』で「悪魔と夜ふかし」という意味
映画は、1974年頃に人気を博していた「ナイト・オウル」と言うトーク番組の歴史にふれ、司会者を務めていた元ラジオパーソナリティのジャック・デルロイ(デビッド・ダストマルチャン)の人となりが描かれて始まる
番組は相棒のガス・マコーネル(リース・アウテーリ)との絶妙な掛け合いが見どころで、番組プロデューサーのレオ(Josh Quong Tart)、ディレクターのフィル(Christpher Kirby)たちと創り上げてきた
だが、ライバル番組の牙城を崩すことができず、ジャックは人脈を広げるためにも「ザ・グローブ」という秘密の会合に足を運ぶようになっていた
彼には女優の妻マデリン・パイパー(Georgina Haig)がいて、献身的に夫を支え続けてきたが、ある時、衝撃のニュースが世間を騒がせた
それは、タバコを吸わないマデリンが肺がんに侵されたと言うもので、病魔は一気に彼女を襲っていった
そして、ジャックの番組に出演した2週間後には帰らぬ人となり、ジャックは番組から姿を消すことになった
いよいよこれで終わりかと思われた1ヶ月後、ジャックは復帰を果たし、低迷していた視聴率を徐々に押し上げていく
そして、視聴率調査週間にて、「オカルト検証番組を生放送で行う」というアイデアを実現することになったのである
番組には、「奇跡の人」として名高いクリストゥ(フェイザル・バジ)、元マジシャンの非科学否定論者カーマイケル・ヘイグ(イアン・ブリス)、そして世間を騒がせている「悪魔との対話を綴ったノンフィクション」の執筆者ジューン・ロス=ミッチェル(ローラ・ゴードン)とモデルの少女リリー(イングレット・トレイ)が参加することになった
クリストゥは現場にいる観客にゆかりのある霊を呼び寄せ、カーマイケルはそれらを科学的に否定していく
だが、クリストゥが最後にコンタクトを取ったマミーは該当する人がおらず、そうこうしているうちにクリストゥは大量に黒い液体を吐き出して救急搬送されてしまった
映画は、クリストゥ退場ののちにジューンとリリーによる悪魔召喚が描かれ、それを催眠術だとカーマイケルが同じように実践する様子が描かれていく
被験者としてガスが選ばれ、彼は公衆の面前で体からミミズが湧き出す幻影を見せられる
VTRを再生することになったが、そのようなものは写っておらず、カーマイケルはその場にいたほとんどの人を集団催眠にかけることに成功していた
続いてリリーのVTRを再生すると、そこには映ってはいけないものが映っていた
それはジャックの妻マデリンの霊体のようなものであり、マミーはジャックがプライベートで妻を呼ぶ時の呼び名だったことがわかるのである
と言う流れのお蔵入りになったテレビショーを見ていくと言う流れになっていて、休憩時間なども記録映像として残っていて、それも包み隠さずに映し出していく
いわゆる事故映像のような番組になっていて、この映像を機にジャックは大衆の前から姿を消した、と言うことになっていた
映画は、「ザ・グローブ」にて「番組のためにあるものを捧げてしまったジャック」が描かれていて、それがマデリンの命と引き換えだったことが仄めかされる
そして、リリーとクリストゥの出現によって、マデリンの霊が番組にやってきて、そこで嫉妬に狂った彼女が様々な心霊現象を引き起こし、関係者を暗示にかけていたことがわかる
ジャックは末期癌の妻の望みを叶えるために「ザ・グローブ」の伝統的なナイフで彼女にトドメを刺すことになったのだが、実際にはリリーを刺し殺している映像が残っている、と言う感じになっていた
これらの映像がお蔵入りした理由は明白であるが、番組は生放送だったので、お茶の間にあの映像が流れていたことになる
映画は、放送された映像にジャックの脳内妄想が付加されている感じになっているが、本当に流れてしまった映像はもっと過酷なものだったようにも思えた
いずれにせよ、なかなか趣向の凝ったホラー映画で、B級っぽい設定のイロモノホラーのように思えるが、意外なほどに隙がない作品だった
リアルタイムで進んでいくが、映像にのめり込んで時間を忘れてしまう感覚になっていた
常に4:3の比率の映像で、時折16:9になるのだが、マデリンの病室刺殺や儀式などは4:3のままで、境界線のよくわからない内容だった
おそらくはジャックの脳内妄想的なものも含まれているのだが、それすらも映し出していると言う矛盾が生じていた
とは言え、このシーンは前半で登場するガスの腹捌きのシーンと同じく「視聴者をも集団催眠にかけた」という延長線上のものなので、実際にテープに記録されていたものと違っても問題はないのかもしれません
わりと好みです
ミッキー・ロークの「エンゼルハート」思い出しましたよ。実は悪魔に魂売ってました系。70年代のバラエティの設定やテレビの裏側など、アイデアはいいし雰囲気もいい。しかし、ストーリーに深みは無し。奥さんの幽霊の意味は?成仏しきれてなかった?主人公がわりと誠実にみえてしまったので、奥さんを裏切ってまで魂売ったの?その辺の背景が描かれてるでもない。その辺の物語あってもよかった。
鑑賞動機:あらすじ10割
メター!
スタンダードサイズで画質なんかも当時の感じを再現しようとしている…のかな?
CM中のモノクロシーンは観客しか観てない映像ということかな。そもそも生放送なんだからファウンドも何もないだろうというのは、ツッコミ待ちか。放送当時の視聴者とこの映画の観客と二重になっているわけで、色々考えてるなあと思う。
それだけに終盤はもっと派手にやりすぎて欲しかったかな。
金曜だから夜ふかし
TV番組の生放送中に悪魔が現れた!的な放送事故を記録した映像という体のモキュメンタリー作品で、デヴィッド・ダストマルチャンの風貌や雰囲気が予告の時点で好みだったので鑑賞。
今の人も昔の人も取り憑かれている数字を求める貪欲さが招いた最悪の結果が悪魔と対面するというリアリティから一気にぶっ飛んでいく構成が役者陣の演技も合わさって面白い映画になっていました。
視聴率が右肩下がりになっている有名司会者が起死回生の一手として悪魔とトークをするという小粋な展開からどんどん不穏な感じになっていくストーリーで、変に曲がったことをしないようにモキュメンタリーにしているのもあってスッキリしていて観やすかったです。
気丈に振る舞ってるだけで超迷いながらの進行が悪い方向へ進んでいく流れをニヤニヤしながら観れるってのが贅沢でした。
当時の番組ってこんな感じの雰囲気だったんだなぁとレトロな映像から感じれるものがありましたし、シーンの切り替わり切り替わりで音楽で盛り上げてくれたり、登場シーンが毎回凝っていたりと、現代のバラエティでは見なくなったなというものが詰め込まれていて当時に生きていないのに懐かしさが感じれる映像で本当にバラエティを見ているかのようでした。
ワイプがたまーにしか出ないのもとっても良いです。現代のバラエティもワイプは最小限にすれば良いのにとずっと思っているので日本からなぜかその想いが通じててちょっと嬉しかったです。
悪魔憑きと対峙し出してからはよく映像に収められたなという展開の連続で笑っちゃいましたが、そういうものを好んでみる自分にとっては不気味さ全開の前半とハチャメチャな展開の後半と2面性楽しめたのでとても満足な作りでした。
どんな悪魔が出てくるかなぁと思っていたら頭パッカーンからモワモワ姿を現してきてのめっちゃベタなタイプだったのでズッコケかけましたが良いじゃん良いじゃんと謎にテンションが上がっていきました。
そこから体中にミミズが入り込んでやがて目玉からミミズが飛び出てきたり、それが幻想だったみたいなフェイクも入ったかと思いきや悪魔がエンジン全開でステージ上の人物をありとあらゆる手で殺しにかかったりと勢いもありながらチープな映像が味を出していて見応え抜群でしたし、オチも良い塩梅で締めてくれたので良きでした。
悪魔を題材にした作品は多いけれど、コミカルに楽しく時に悲鳴を上げながら観れたのでちょうど良かったです。
尺もちょうどいいくらいですしもうちょいギアがかかるのが早ければなとは思いましたが佳作だと思います。
鑑賞日 10/4
鑑賞時間 13:55〜15:40
座席 I-15
B級ホラーと期待しないで観たら...
予想外に面白かった!!
レトロな画質も良い!懐かしさ満載!
ガスの首が折れて死んだ後あたりから、バタバタしてよくわからなくなったが、
そこまでは単純に面白かった!!娯楽!快楽!
アマプラに来たらもう一度じっくり見ようw
とんでもない映像が見つかってしまった!
いわゆる「発見されてしまったフィルム」wというのカテゴリーの映画。
テレビの心霊特集で降霊術をデモしたら本物が降りてきたってプロットは既視感中の既視感だが、70年代風の佇まいや当時と同じタイプのフィルムで観ると「エクソシスト」や「サスペリア」で育った身としては自動的にゾワッとしてしまう。
番組ホスト役の亡くなった妻の嫉妬の念を、悪魔崇拝カルト教団の生き残りで悪魔憑きの女の子が受けてしまい元夫を破滅へと導いていくのだが、当事者だけでなくクロストゥ、ガス、ヘイグなどの共演者も巻き込み大惨事となり、映像自体もお蔵入りとなる。
本作のキモはなんと言ってもリリー役の女の子だが、これがまたなかなか見事なホラー顔。(瑛茉ジャスミンとか言う辛いものが大好きなモデルさんにそっくり)
ナレーションを見たらなんとマイケル・アイアンサイド!
自分の中では怖い顔の役者No. 1で「スキャナーズ」では変顔大賞受賞。
監督、脚本はオーストラリア出身のケアンズ兄弟。
自分的には初めましてだが、多分次にお会いすることはなさそうかな。
「トークトゥミー」もそうだが、今オーストラリアンホラーが元気いいのかな?
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