悪魔と夜ふかしのレビュー・感想・評価
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しばらくお待ちください
降霊と催眠と悪魔との対話を題材にしたTVの生放送番組のビデオがみつかったという体でそれをみせるお話。
1970年代にアメリカで大人気となったTVショーが落ち目となった77年のハロウィンに放映されたヤバい番組ということだけど、オープニングのバックストーリーの説明のまあ長いこと。
そしていよいよ胡散臭い降霊術、からの魔法を捨てた男、そして悪魔と対話となっていくけれど、何を見せられているのか…一応「説明はつく」のおっさんのセリフでフォローは入れられていたりするけれど。
カメラがなぜか裏まで追いかけるCM中の様子はまだ良いとしても、終盤は司会者視点?…ファウンドフッテージですよね?こんなのほぼ夢オチみたいなもの…ということで自分にはハマらなかった。
キングお墨付きのストーリーテリング
引き込み力がすごい。70年代のやらせ全盛時代の深夜バラエティーショー。司会者とプロデューサーのなりふり構わない視聴率稼ぎが面白い。感覚が麻痺していて、本当のハプニングもやらせ演出だと勘違いして、『グッジョブ』と喜んでしまう。
最初の霊能者が退場した後に、超能力や霊能力のトリックを暴くマジシャンがスタジオに登場する。このオカルトバスターの存在が、霊能者クリストゥと悪魔憑き少女リリーへの対立軸となり、「真実はどちらだ」という視聴者目線で物語にドライブできる。
この作品が上手いところは、オカルトバスターのオッサンにスタジオで起きた超常現象の種明かしを実演させるところ。やっぱり、トリックがあるんだと思わせてからの惨劇だから、よりリアルに感じる。
恐さ自体はそれほどでもないが、キングお墨付きのストーリーテリングが際立ってます。ホントに目が離せない一作でございます。
65~70点ぐらい。悪魔との対峙が少ない。
お知らせです
このTVショーのファウンド・フッテージものは総じて語り口は新鮮だけど、題材は割と普通(=普遍的?)。つまり、映画としては正解の作り。(たとえ比喩的であったとしても)富や名声、お金に目が眩んだ悪魔との契約。
【まだまだ続きます】
70年代のTVショーへのリスペクトとオマージュに溢れたプロダクションデザインは本当に当時にタイムスリップしたようで、こんなにTVとして作り込まれているのは例えば『ワンダヴィジョン』以来じゃないかというレベルに凄くて、好物だった。けど、その分も作品終盤で突然に画角を破ったり、ファウンドフッテージ的な作品の性質を(良くも悪くも)裏切る作りが、個人的には少し残念ポイントで作品に対する集中力を削がれてしまったきらいはある。
【おかえりなさい】
と言いながら、そこにも絶対演出意図・意味があるのだし、作品の大半・大部分は楽しめたことは確か。カラーと白黒入り混じって、かつ別の意味ではあるがアッチも時間を扱う・コントロールするという意味で、なぜか少し『メメント』も頭を過ったり…。
【しばらくお待ちください】
クセ強バイプレーヤー=デヴィッド・ダストマルチャンがノリノリにショーをかっさらう!! Netflix実写ドラマ『ONE PIECE』でのMr.3役も楽しみ!
P.S. 本編前の企業(ムービング)ロゴ多すぎ!予算集めたり製作・公開にこぎつけるまで大変だったのだろうな。
日本版作って欲しい
極端に字幕がマニアックな上にリアル催眠術が厳しいか…。
今年350本目(合計1,442本目/今月(2024年10月度)1本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
※ 投稿の遅れでカウントが順番通りになっていないものがあります。
1960~70年代にどこの国でも放送されたのであろう、オカルトものを扱うテレビを背景にしたフェイクドキュメンタリーものです。
オカルト文化といった事情で、占い師やら霊媒師といった人狼ゲーム以外ではおよそ聞かないような単語(「霊媒師」は認知語彙にあっても日常語彙ではない)が出るかと思えば、催眠術がどうこう、異端教会がどうこうという「扱うオカルト文化の幅」が広すぎて全部解釈するのは厳しいのでは…といったところです。
タイトルにも書いた「リアル催眠術が厳しい」という点については、博物館や錯覚を扱う本などで時々見ますが、円盤に白黒の渦巻きを描いてそれを回すと渦巻き自体が回っているように見えますが、それが何度も出るところです。今の2023~24年ではテレビでは自粛扱いなのかこのエフェクトを(短時間ならともかく)何度も見ることはないし、耐性がないとここで目がぐるぐる回って厳しいんじゃないかなといったところです。
扱う事項については1970年初頭などに扱われていたのであろうオカルト文化が背景にあることもわかるし、観方を変えれば、1970年代のアメリカなりイギリスなり海外のこうしたオカルト番組の編成の仕方、あるいは(フェイクドキュメンタリー扱いですが)いわゆる「しばらくお待ちください」(放送事故のアレ)をみるところなど懐かしいかなという部分はあるんでしょうが、それこそリアルで視聴者層を絞ってきそうな気がしますし、当時のテレビ文化(と、しばしば付随して出るVHS文化)にノスタルジーを感じる方は少ないのではといった事情、今週の10月1週にこの作品はどこまで伸ばせるんだろう…といったところです。
こうした事情があるので、「フェイクドキュメンタリーもの」という扱いではあるものの、実質的にその「架空のオカルト番組」を1本見ているという事情になってしまいます。そのうえで上記の目を回しそうな催眠術的な表現や、PG12では厳しいシーン他等あるので、ちょっとこれは…といったところです。
採点は以下まで考慮しています。
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(減点0.3/目が回りそうになる回転する円盤関係)
この部分はそれぞれ観方が違うのかなと思いますが(一応、日本では全体の注意喚起としては光の点滅以外では出てこない)、この白黒円盤ぐるぐる関係に耐性を持っている方(過去にそういう作品やテレビを見たことがある方)は少ないのでは…と思えます。
(減点0.2/PG12でよいか疑問が残る) ※ レーティング一つ違いは0.2固定
・ なかには「ビデオドローム」を彷彿とさせるような厳しいシーンがあるので(お腹が壊れてそこから何か出るような表現)、ちょっとPG12扱いでは厳しいです。90分と短いし上記のぐるぐる目回しも考えると何も持って入らないのが正解かなと思います。
(減点0.2/英文法ミス)
「(いくつかのマジックを見せる前に)できるだけリラックスすることが重要なんだ」というシーンで
> It’s important that everyone is as relaxed as they can be.
…となっていますが、importantなど必須・義務などを表す形容詞の後のthat節は仮定法現在(より統一的な理解をするなら、接続法(現在))にしかならないので、
> ... that everyone << be >> as relaxed as...
…となるのが正しいです(ここは英検準1まで持っていると誤魔化しがきかない)。
※ 英語では、法の概念が衰退したので(直説法と仮定法(条件法)くらいしかなく、このことも意識されない。動詞の活用が大きく衰退して三人称単数の-s以外のルールがほぼないため、それらを意識しようにも動詞の活用が衰退したので意味がない)、このミスは「解釈はどうであれ一意である」のは確かですが、法の概念がちゃんと残るフランス語、スペイン語、イタリア語ほかでは(同じ趣旨の表現では)やはり接続法の活用になるので、ここはより統一的理解をしている立場(そのうえで英語を一つの言語として見る立場)からは文法ミスのそしりは免れません。
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