悪魔と夜ふかしのレビュー・感想・評価
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きもかわいいダストマルチャン
野心をもった才能がひしめく海外では定期的に新進ホラー監督がスマッシュヒットを飛ばすのでもう整理が追いつかないがLate Night with the Devilもそんな映画のひとつで批評家も賞レースも成功している。TALK to Me(2022)のフィリッポウ兄弟みたいな兄弟コンビ監督のColinとCameronのCairnes兄弟が監督し、製作国はオーストラリア・アメリカ・アラブ首長国連邦、SXSW(テキサス州でおこなわれる恒例のインタラクティブイベント)で2023年に初公開されたそうだ。
初月で試写に参加した作家のスティーヴンキングが「まったく素晴らしい。目が離せなかった。感想は人それぞれだろうが、ぜひ観られるときに観てほしい」とツイートしたという。
レトロと悪魔憑きとサイコキネシスをモチーフとしたファウンドフッテージホラー。
ファウンドフッテージとは我流な言い方を用いるなら「のろいのびでお」ということになる。ホラーで、どこかで見つけたメディアを見るか、出演者がそれ見ているところを見るか、なんにせよいわくつきっぽいメディアを再生してしまう構成が入っているホラーはファウンドフッテージもの、ということになるらしい。本作は人気パーソナリティのジェニーカーソン全盛期に設定されているから70年代のテレビ番組のつくりになっていて言わば全体が昔の映像記録(ファウンドフッテージ)になっているというわけ。
主役のDavid Dastmalchianは長いことキモ男や変質者ばかり演じてきて、病質のある役柄では完全なオーソリティになったので主役に昇格している。役者で無二なパーソナリティをもっていたら絶対だ。美人妻evelyn leighとのあいだには子供がふたりいる。David Dastmalchian wifeで検索してすこし幸せになってみよう。
英語ウィキのCritical responseには好評が並んでいて、全体的なコンセンサスはダストマルチャンの演技がいいということとレトロチックな舞台設定とそのギミックがうまくいっていることをほめている。
ぜんぶ同意するが、どうなるかはわからないにせよ、なんとなく読める話ではあったと思う。つまり放送中に放送事故がおこってカオスになる、ことはまず最初にわかる。あとは衝撃的な見せ場づくりになり、というのも庶民にとって放送事故が面白いのはOnAir中ゆえに取り乱すことができない出演者が取り乱すからだ。そんな混乱を、言ってみればジョーカー(2019)での生放送中の発砲みたいな臨場感で描いていく。
で、結果的にリグルズ(悪魔)はぜんぶ自分のなかにいたというオチでそれもどちらかと言えば普通だった。いいホラーだが絶賛されすぎているように感じた。結局Late Night with the Devilの中核にあるのはファウンドフッテージというよりはローズマリーの赤ちゃんであり、ジャックデルロイ(ダストマルチャン)は視聴率に執着するあまり悪魔に魂を売り崇拝のイニシエーションを経てじぶんがリグルズになっていることに気づいてなかった、という話だったと思う。ただし密室ドラマに徹して予算をしぼり、克明に70代のテレビ番組らしさを追求した雰囲気はよかった。
懐疑論者役でマイケルアイアンサイドっぽい人がでてきたときおやと思ったがちがう人だった。が、ナレーションをマイケルアイアンサイドがやっていたと知ってびっくりした。
imdb7.0、RottenTomatoes97%と82%。
海外ホラーは、無風状態の日本映画界とちがい、次から次へと新しい才能があらわれる。さいきん見たのだとボーはおそれているもアビゲイルもクワイエットプレイスのスピンオフも破墓もみんなよかった。
気になるのはタイウェストとミアゴスの次作。デミムーアに居場所とゴールデングローブを提供して話題になったThe Substance。神経逆なで系心理ホラーSpeak No Evil(胸騒ぎ、2022)もブラムハウスがジェームズマカヴォイ主演でリメイクしたそうだ。スマイルもツーがとっくに公開されていてアラジンのジャスミンがホラーに挑戦しているという。m3ganもツーが6月27日(2025)に公開されるそうだ。
かんがみて海外のホラー映画はホラーと言えどもわたしたちに潤いや楽しさや生きる希望をもたらすのであり「楽しい日本」なんていう意味がわからないことを言われてしまう現実のほうがよっぽどホラーではあるまいか。
エクソシストショックリバイヴ
説明不足なところが受け入れられるかどうか
70年代のアメリカで放送された深夜番組の映像という体。衣装やスタジオのセット、そして画質も当時の雰囲気を演出しようとしていて楽しかった。番組の司会・ジャックの軌跡を描いた序盤もいい。こんな生放送番組ありそう。
霊を感じることができる男に続き、悪魔憑きの少女リリーが登場する。そこから悪魔が憑く流れが個人的にはクライマックスだった。明らかに表情と声が変わり、司会者とリリーと同伴した博士とのやりとりに緊張が増していく。ちょっと行きすぎなところもあったが、オカルトものの映像と考えると十分面白いものだったと思う。
そこから徐々におかしくなっていく。いや、これはこれでアリだとも思う。でも、ちょっとやり過ぎな感じがしてしまう。だって、録画した映像を確認したら観ていたものとは違ってましたなんて流れは、テレビの視聴者全員が催眠術にかかってたって設定にしないとありえない。そこらへんがあいまいにしたまま強引な展開でまとめようとしてもついていけない。最後も説明不足だから、こういうことなの?という自分なりの憶測でしか捉えられない。もっと分かりやすいのお願いします。
この映画がオーストラリア映画だということもちょっと面白い。知らない俳優ばかりだから、当時の映像を見せてますって体もそれほど違和感がない。ものすごく面白いとは言えないが、なかなかうまい作りで興味深かった。
オカルト
最新モキュメンタリーにして不気味な映画
マ王、意外とモキュメンタリー映画を観てる😐
古くは巨匠ヤコペッティ監督の「世界残酷物語」や「グレードハンティング」「ジャンク 死と惨劇」「カランバ」「食人族」なんてのも映画館で観てるし「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」では激しくズッコケたりもしたもんだ🤣
要は面白くないのが判っているのに観てしまう🌀
「クローバー・フィールド」や「パラノーマル・アクティビティ」なんかもシッカリと転ばしてもらいました😂
本作は日本では10月4日に公開だったんだけど流石は和歌山県、今日(11月8日)から2週間ほど上映するらしい😁
当然、マ王は今日も派手にすっ転ぶ準備を整え、愛車と共に映画館へと向かったワケよ🚗
んでマ王なんだけどホラー映画には極めて強力な耐性を持っており、例えば「リング」の何がそんなに怖いのか今でも解らないのさ(逆に笑えるぞ、あのラスト)
そのマ王が本作を観て久々に不気味さを感じてしまった🫣
正直それほど怖くはないんだけど(PG12だからか?)全編通して妙に明るい雰囲気なのに実は······ってトコが映画として上手い👍
過去に観てきたモキュメンタリー映画でもトップクラスの内容だと感じた✨
下品なCGは殆ど無く半世紀以上昔のテレビという事で画像が荒い、という設定を活かして無茶苦茶なストーリーに信憑性を高めている⤴️
勿論、フィクションなんだけど映画として編集してなければ(放送部分だけを繋げれば)案外、途中までは騙せるレベルだと思うんだけど😵💫(まぁラストでフィクションとバレるんだが)
主人公の軽妙な話術や胡散臭い霊能者や大槻義彦教授みたいなオッサンもモキュメンタリー世界に嵌まっていて脚本的にも成功している😆
中盤から出てくる悪魔憑きの少女あたりから物語の雲行きは怪しくなるが、そこを最後まで力技で押し通すのも悪くは無かった🤔
93分という短い映画だけど昭和のテレビを観ているようなヒリヒリした時間だった気がする😳
ネタバレにはしたくないけど、願いを叶えるのに近道は無いのよね🌀
それこそ願いを叶える為のショートカットには充分なリスクが伴うワケだ😶
主人公も名声欲しさに取り返しのつかないラストを迎えてしまったんだが、最近の強盗や特殊詐欺などを斡旋する闇バイトも同じなんよ😑
美味い話なんて世の中には存在しないし美味い話は不味い話という事を人間誰もが早く気付くべきだ🙃
1時間で5万円とか100万円預けたら1か月で120万円になるとか、転じて株が儲かるとかゴールドが買い時とかも同じ話なのさ💦
永遠にプラスになるシステムなんて存在しません!
だからってコツコツと蟻みたく働けとまでマ王は言わんよ😐
でも蟻を馬鹿にする人間てのはバッタと同じ運命になるのを覚悟しなきゃならん💨
今日のマ王の教訓は『蟻の如く働きバッタのフリして生きよ』である🥸
映画館での鑑賞オススメ度★★★☆☆
モキュメンタリー度★★★★☆
ダメ!闇バイト度★★★★★
"悪魔と夜更かし" 👍️邦題
パッカーン!
70年代アメリカ、ハロウィン深夜の生放送で起きた最悪の放送事故。 ...
まるちゃん
むしろテレ東の凄さを思い知るなど
なんかわけわからないけどとても面白かった!
本当に色んなホラーへのリスペクトに溢れてるし
地上波しか情報を得る手段がなかった時代に
いかにエンタメ業界が好き放題やってたかも
なんとなくわかってわけわからないけどとても面白かった!
スタジオ内にバックバンドがいるのも素敵だし、
悪魔ってのを本気で恐れてるのもとてもキリスト教的だし
ゲストの積み重ねによって司会者の内側に迫っていくのも
超常現象否定派のおじさんがすぐ謝って宗旨替えするのも面白い。
あと、幕間のアイキャッチのデザインも抜群に“当時”をトレースしてて
公開タイミングもハロウィンシーズン真っ只中で
なんかもう雰囲気作りは完璧でしたね。わけはわからないけど。
内容的にも観る者に判断を委ねる感じとかが
「信じるか信じないかはあなた次第です」みたいな胡散臭さがあって、
これは考察とかは違うんだよなあ…純粋に作品として楽しんでくれよ!
っていう制作側の意図が見え隠れしてるのかもしれないと思ったり。
逆にファウンドフッテージものって言語的なハードルが高くて、
ネイティブしかわからない肌感覚みたいなものもあるから
日本人はやはり日本人の作る「お蔵入り映像」を取り扱った
フェイクドキュメンタリーの方が何倍も面白いのかもと思ってしまった。
最近ならテレ東の「イシナガキクエを探しています」っていうモキュメンタリーがとんでもなく素晴らしい出来だったので未見なら是非。
まあ4話トータルの時間が100分だから一般的な映画と同じ時間でまとめられてるしね。
日本のテレビはこれまでもドメスティックにやってきて
これからもドメスティックなものが結局は面白いってことを痛感させてくれる良作です。
イシナガキクエが世界のNetflixでウケるとは思えないもんね。
なんかテレ東の話しばかりしてるけど地上波は見ないです。
それではハバナイスムービー!
おもしろかった
という感想はホラー映画には失礼か。
ほぼスタジオで展開していてスケール感はないが、
それを補って余りあるテンポの良さに惹きつけられた。
ナイトショー形式で次々に個性的な出演者が登場し、
どうなることかと固唾をのんで観ているうちにあっという間のラスト。
最近のホラー映画ではダントツで良かった。
但し、全く怖くはなかったけれど。
あの当時はユリゲラーをはじめとする超能力ブームとか、
怪しげな怪奇ものとかが氾濫していた。
私の年代には懐かしくもあってより興味深かった。
エンドロール後に何かあるかと期待したが、結果は曖昧なまま。
あの当時の胡散臭さのままがいいのかもしれない。
放送事故ってレベルじゃねぇぞ
・・・と突っ込みたい内容。
内容についてはあまり事前知識を入れず見た方が面白いと思う。
日本でも近年話題のモキュメンタリー手法のホラー。
「イシナガキクエを探しています」「このテープもってないですか?」「行方不明展」などが好きな人は好きなタイプの映画だと思う。日本のようなじわじわくるタイプの演出ではないけれど。画面サイズも昔のテレビのように狭くなってるところが何ともそれらしい。
多分、映画館より家のブラウン管で見る方が怖いタイプの映画ダと思う(今時どうやって見たら良いのかわからないけど・・・)
ところで、初めてローソンユナイテッドシネマみなとみらいで観賞したのだが、音と衝撃がダイレクトに座席に伝わってくるタイプでこれはホラー映画にはもってこいだなと。
舞台装置は良かったけど・・・
ふた昔前のテレビショーを再現し、生放送中に悪魔を呼ぼうという企画をやったら本当に悪魔が降臨したというお話でした。ザラっとした映像の質感とか、昔のテレビ同様のアスペクト比、出演者の衣装など、見た目もそれらしくこだわっていて、臨場感を醸成していました。
ただそういった舞台装置は上々だったものの、肝心の悪魔の恐ろしさがそこまで伝わって来なかったのは残念でした。これは、主役のテレビショーの司会者ジャック・デルロイ(デビッド・ダストマルチャン)が参加していたらしい秘密結社的な組織との関連という設定が、今ひとつピンと来なかったことに起因しているように思われました。序盤で秘密結社の説明が足早になされましたが、もう少しこの組織のおっかなさをアピールして欲しかったかなというところでした。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
エンタメかくあるべしの最前線傑作
めっちゃ面白かった。ほぼこういうものに出会いたくて映画館に行ってるということを再認識。こういうB級タッチの映画なぞ作りづらい昨今、この種の面白さはNetflixとかのオリジナル映画にしかなくなってしまったようなセンスの粋を集めた現代映画。
しかし昨今のグレーディングというかCGというか60〜70年代のルック作りの技術は凄い。あのテイストでまるまるアメリカの深夜バラエティのハロウィン特番の事故と、その裏舞台の素材が見つかったという体裁で構成されるモキュメンタリーができてしまっている。かと思うと後半、最近めったに見ないゴリゴリのホラースペクタクルが待っている。総合すると、80年代のレンタルビデオ屋にあったVHSテープのホラーをまとめて見ているような楽しさというか。『ファントムオブパラダイス』のスタジオから始まって、『エクソシスト』『スクワーム』的なものを経由して『キャリー』『ポルターガイスト』的なスペクタクルで魅せる、というか。
とにかく音楽含めて芸が細かい。日本ではかつて白石晃士がいろいろやってたフェイク短編にテクニカルなフィクションとファッションが融合されたような怪作。
どうせなら、最後は煽った観客席も巻き込んでしまえば良かったのに。
全110件中、21~40件目を表示













