悪魔と夜ふかしのレビュー・感想・評価
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舞台装置は良かったけど・・・
ふた昔前のテレビショーを再現し、生放送中に悪魔を呼ぼうという企画をやったら本当に悪魔が降臨したというお話でした。ザラっとした映像の質感とか、昔のテレビ同様のアスペクト比、出演者の衣装など、見た目もそれらしくこだわっていて、臨場感を醸成していました。
ただそういった舞台装置は上々だったものの、肝心の悪魔の恐ろしさがそこまで伝わって来なかったのは残念でした。これは、主役のテレビショーの司会者ジャック・デルロイ(デビッド・ダストマルチャン)が参加していたらしい秘密結社的な組織との関連という設定が、今ひとつピンと来なかったことに起因しているように思われました。序盤で秘密結社の説明が足早になされましたが、もう少しこの組織のおっかなさをアピールして欲しかったかなというところでした。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
どちらも「信仰」
見ながら思い出していたのは『侍タイムスリッパー』のこと。素材も描き方も違うし、片やハッピーエンド、片やバッドエンドだが、見せたいもののために魂売り渡すというか、一線超えるというところは同じものがあるのではと思った。私としては、人情ほっこり話になっていないこちらの方が好み。(『侍タイムスリッパー』の何が私にはダメだったのか、クリアにもなった。)/催眠vs悪魔崇拝について、どちらかがどちらかではなく、並存しているのが面白いと思った。姿のないものを信じている点で、どちらも信仰であるとも言える。
エンタメかくあるべしの最前線傑作
めっちゃ面白かった。ほぼこういうものに出会いたくて映画館に行ってるということを再認識。こういうB級タッチの映画なぞ作りづらい昨今、この種の面白さはNetflixとかのオリジナル映画にしかなくなってしまったようなセンスの粋を集めた現代映画。
しかし昨今のグレーディングというかCGというか60〜70年代のルック作りの技術は凄い。あのテイストでまるまるアメリカの深夜バラエティのハロウィン特番の事故と、その裏舞台の素材が見つかったという体裁で構成されるモキュメンタリーができてしまっている。かと思うと後半、最近めったに見ないゴリゴリのホラースペクタクルが待っている。総合すると、80年代のレンタルビデオ屋にあったVHSテープのホラーをまとめて見ているような楽しさというか。『ファントムオブパラダイス』のスタジオから始まって、『エクソシスト』『スクワーム』的なものを経由して『キャリー』『ポルターガイスト』的なスペクタクルで魅せる、というか。
とにかく音楽含めて芸が細かい。日本ではかつて白石晃士がいろいろやってたフェイク短編にテクニカルなフィクションとファッションが融合されたような怪作。
どうせなら、最後は煽った観客席も巻き込んでしまえば良かったのに。
大好物です
意外と奥が深いのかも
私はホラー映画は好きではない。この作品はバラエティトークショーという軽妙で明るいものと悪魔との取り合わせから最終的にどう収束させるのかに興味があって足を運ぶことにした。
話の流れは既視感のあるものだ。でき損ないのメンタリストが霊媒士然して登場したり、超常現象キラーが登場するのもお約束感があって安心して観られた。クライマックスの惨劇で関係者がバタバタ死ぬのだが、意外とあっさりしている。その意味ではホラー弱めでヒヤッとしたい人には物足りないかもしれない。
この映画のオリジナリティ、見所と言ってもいいかもしれない箇所はラストと思う。ここは、これまでのリアリティー抜群のシーンと異なりかなり抽象度が高めだ。それゆえ、ここをうまく理解して前半と結びつけることのできた人は味わい深い作品として楽しめると思う。
私は、テレビという仕組みの悪魔性を訴えられた気がして満足している。どんなに不道徳で悪趣味なものであっても食らいつくし視聴率に昇華してしまうテレビ番組というシステムを見せつけられた気がする。
こう考えるとMC 役の主人公は自分としてはゲストを喰らう側と思っていたのかもしれないが、実際にはテレビに捧げられた生け贄だったと解釈できそうで前半部分の見え方も変わってくるように思い、もう一回は観たくなった。
うーん…おしい?
凄く新鮮
怖いもの見たさ…が好きな方は是非
70年代のライブ・ショーのオマージュがオーストラリアから。最近映画アメリカ以外の国からの作品に話題作が多い。視聴率の為にテレビがなりふり構わず、最終的に「世界初の殺人のLive放送」を行った、という風刺映画「ネットワーク」があったが、そんな物を撮りたかったらしい。ハロウィンに「オカルト」で視聴率アップを狙う、胡散臭い感じが良く描かれている。予想以上にやっちゃつた画像は不気味過ぎだけど、ほんの少しだけ見てる側が冷静さを保っていられるのは、設定が70年代のテレビ番組の映像に徹しているからか。映ってるものは凄かったけど、番組のラストシーンとしてちゃんと終わってると見る方は何だか安心する。狙って撮っている意図が明快。敢えて不気味なショーを見に行く感覚で、どうぞ。
途中までは面白かったW
デモン ストレーション
視聴率競争に勝利するために病床にあった妻まで生出演させたものの、トップになれなかったテレビ司会者のジャック・デルロイ。彼は失意の中しばらく姿を消していたが、今回再起をかけて自ら企画を持ち込む。
その企画とはカルト教団の集団自殺事件からただ一人生き残った少女による悪魔降臨の生中継だった。
前座でスタジオを温めるためにキャスティングされた霊能力者に異常現象が起きたり、次第にスタジオは不穏な空気に包まれるが、それとは逆に視聴率は上がり続ける。
そして超常現象研究家のジューンの中止の声も聞かず降臨術を強行させたことから事態は大変なことに。
ジャックはトップになるために悪魔に魂を売り渡していたのだ。その望みはかなえられるが、彼はそのまま破滅へと向かうことに。
悪魔の姿がテレビの電波に乗って人々を恐怖に陥れる。悪魔にとっては電波に乗せて多くの視聴者たちを一度に呪えるからこの当時としてはこれほど悪魔にとって便利なものはなかったのかも。でも今はテレビなどのマスメディアからインターネットメディアの時代に。
現在ネット上では日々陰謀論やフェイクニュースのようなデマが飛び交い、人々を翻弄している。それら垂れ流される情報は人々を互いに疑心暗鬼に陥らせて分断させ争いを誘発させている。きっと現代の悪魔はテレビよりも広範囲に世界中に張り巡らされたネットにその居場所を見出したに違いない。
ジャックが最後につぶやく「眠れる者たちよ、目を覚ませ」とは今のネットに浸りきってる人々に対して向けられた言葉のようにも思えた。
作品の舞台である70年代といえば「エクソシスト」の大ヒットでオカルトブームに火が付いた時代。日本でも五島勉のノストラダムスの大予言がベストセラーになったり、テレビでも心霊番組とかよくやってたなあ。
いまでは鉄板のやらせであるスタジオ収録で機材が突然倒れたりとか、真剣にビビッてた気がする。子供だったし。
本作はいわゆるモキュメンタリー方式によって当時のオカルトブームにあやかろうとしたテレビ番組収録現場を再現したような作品。ただ、やらせのつもりが本当に心霊現象が起きてしまってシャレにならなくなるという。
怖がらせるというよりは、エンタメに徹した作品。スタジオに霊能力者と対峙する懐疑主義者を配置することにより予想通りの展開が繰り広げられて楽しませてくれた。
終盤の大暴れする悪魔にスタジオがてんやわんやの大騒ぎになるのには笑わせてもらった。まさかあそこまでやるとは思わなかったな。SFXもなんだか70年代風のチープさをあえて再現したんだろうか、懐かしい感じがした。この手の作品が好きな人にはたまらない作品。
チープだが、面白い
あの時のオカルトが好きだった人たちに、、
ワンシチュエーションのホラーで飽きさせないのは、常に物語が動くのと上映時間の短さにある。
テンポよく進むストーリーに、キャスト達の背景を説明し過ぎないのが良い。
ストーリーが進むにつれて各々の個性が見えてくる。
いかにも昔の番組にあったかのようなフェイクドキュメンタリーな感じが好きな人はツボると思う。
なんかすごい怖かった
昔の番組の雰囲気を再現するタイプの作品が好きなので絶対観るぞと決めていたのですが、公開日をすっかり忘れていて急いで公開日のレイトショーで鑑賞しました。
めちゃくちゃ怖くて良かったです。
予告で女の子が悪魔の顔になることは知っていたので序盤のインド系のスピリチュアルな人は何も無い偽物なのかなと思っていたら早速異変が起きたので驚きました。
悪魔憑き系が好物なので終始楽しく観ることができましたが、番組内で起こる電撃や顔面ビームのエフェクトまで当時の映像クオリティなのはなんで何だろう?とは思いました。
B級映画枠としては充分面白い
悪魔的!
悪魔と夜ふかし。題名からだとギャグぽいかなと思っていたら、失われたテレビ番組、深夜のバラエティーショーのビデオが奇跡的に見つかったと食人族なフッテージ物。笑って観ている内にだんだん不穏さが滲み出て着地点が見えなくなる怖さ。70年代のテレビが持つ胡散臭い雰囲気を実に良く出している。
悪魔教、ベトナム戦争、環境破壊、犯罪多発、経済不況、様々な世相を反映し、めちゃくちゃなエンタメ。とにかく視聴率さえ取れたら何でもありな番組。主役の司会役、デヴィッド・ダストマルチャンの演技が素晴らしく夢中に!本当に激ヤバ放送事故を見せられている気分に。
アメリカかと思っていたらさすがのオーストラリア映画!上手すぎて、面白過ぎてビックリ!ラストも大好き!
尻つぼみ
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