「【”一艇ありて一人なし!”小学校高学年の頃から、直ぐに諦めてしまう癖がついていた女子高生が、ボート競技に関わる中で諦めない気持ちを持つ大切さに気付く過程を、チームメンバーとの友情を絡めて描いた作品。】」がんばっていきまっしょい NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”一艇ありて一人なし!”小学校高学年の頃から、直ぐに諦めてしまう癖がついていた女子高生が、ボート競技に関わる中で諦めない気持ちを持つ大切さに気付く過程を、チームメンバーとの友情を絡めて描いた作品。】
ー 一艇ありて一人なし:ボート競技において、チームワークの大切さを示す言葉。-
■エツネエは、小学校の頃は背が高く、走るのも早くて親分気質からエツネエと呼ばれていた。だが、中学生になると、男子の背も大きくなりエツネエは走るスピードも一番ではなくなり、徐々に諦め癖が付いてしまっていた。
だが、ある日、埼玉県からリーが転校してくる。ボート部に入りたかったリーだが、ボート部の部員は、男子の二宮一人。
部として成立させるために、エツネエは親友ヒメと名前だけを貸すが、そこに小さい頃からライバルだったダッコとイモッチも加わり、エツネエはやる気がないまま、ボートの初試合に臨む。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・「がんばっていきまっしょい」と言えば、田中麗奈さんデビュー作の逸品(ア!レビューあげてないや!!)が有名であるが、今作は流麗な絵(CGかな。)で彩られた比較的落ち着いた作りが印象的である。
・エツネエ、親友ヒメ、ダッコ、イモッチのキャラ立ちも良く、トーンとしては”熱血!”というよりも比較的冷静な物語運びで、エツネエの心の成長を描く作品として私は鑑賞したな。
・観ていると、どうしても4人の女子高生に目が行きがちになるが、私はこの作品の陰のMVPは二宮だと思ったな。
たった一人でボート部を支えて来て、自分もチームでボートを漕ぎたいはずなのに、一人でボートの手入れをしたり4人を指導したり、ボートの片づけをしたり、良い奴だと思ったな。
・後は、一言も喋らないお爺さんコーチかな。実は凄い人だという事が分かるのだけれど。
・松山が舞台と言う事もあり、”大街道”の商店街が描かれたりするところも嬉しかったな。
■アニメ化して一番良かったと思ったのは、絵の流麗さかな。ボートが進む中、光が反射するシーンや、エツネエと親友ヒメとが海岸に寝転がって見る空の青さとかね。
<ラストの締め方も良かったな。
優勝常連校の選手とエツネエとの会話や、試合後に”未だ先がある!”と言う終わり方も、抑制したトーンで描かれていて、今作は品の漂う青春スポーツムービーだと思いましたね。では。>