劇場公開日 2024年5月31日

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「ジャッキーの人情喜劇」ライド・オン バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ジャッキーの人情喜劇

2025年7月10日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

単純

なかなか面白かった。アクション・シーンもあることはあるものの基本的にはドラマ映画、それもコテコテの人情喜劇といった感じかなぁ。ちょっとコメディ・シーンもある泣かせ人情ドラマと言いますか。ストーリーはある意味単純そのもので、娘との和解と愛馬との深い愛情を軸に、スタントマンとしての矜持をまぶした、ま、言っちゃえばよくある話である。とはいえジャッキー映画だし、こっちもそんな複雑な話や深い話を求めてるわけではないんで別にそこはいい。ただ娘との和解が序盤でなされちゃうのはちょっと早すぎるように感じた。これ、『ポリス・ストーリー レジェンド』の時もそう思ったんだよな。

アクション・シーンのほとんどは主人公スタントマンの映画撮影におけるスタント・シーンだが、それ以外のアクションも含めてそれこそ本物のスタントマンやCGのシーンがかなり多いのが一目瞭然にわかる。まあ、これも近年のジャッキー映画では当たり前の風景で、CGもこれ以前の作品に比べればそれほど不自然には見えない。唯一、ほとんどをジャッキー自身が演じてると感じたのは借金取りたちとの小競り合いシーンで、そのあたりは昔のジャッキー映画的アクションの懐かしさを感じさせつつ、小ぶりなアクションに収まっていることに時の流れも感じた。一方でかつて主人公が全盛期に演じたスタント映像の数々として過去のジャッキーのスタント・シーンが出てくるのも、ジャッキー自身の半生を投影してるかのようでノスタルジーに包まれる。

共演者はユー・ロングァン、アンディ・オン、ウー・ジン、レイ・ロイ、そして映画監督役でジャッキーの盟友監督スタンリー・トンと懐かしい顔ぶれをそろえつつ、なんといっても娘役のリウ・ハオツンが可愛い。演技もしっかりしていて、チャン・イーモウに見出され『ワン・セカンド』『崖上のスパイ』と連続出演しただけのことはある。イーモウの女優を見る目は相変わらず健在だ。ジャッキーとは父娘というより祖父と孫娘くらいの年齢差で、見た目も童顔なのでやっぱりおじいちゃんと孫に見えちゃうんだがそれも御愛嬌。映画のかなりの部分が彼女の存在で保っているというのも正直なところではある。その恋人役のグオ・チーリンは全くイケメンではないコメディ要員だがこれもなかなか良かった。

バラージ
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