「【”愛馬と共に。”数々の命を懸けたアクションを演じたジャッキー・チェンが、自らと重なる老いたスタントマンを演じる。愛馬(今作のMVPである。)の仕草や、疎遠だった娘との関係性にヤラレル作品である。】」ライド・オン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”愛馬と共に。”数々の命を懸けたアクションを演じたジャッキー・チェンが、自らと重なる老いたスタントマンを演じる。愛馬(今作のMVPである。)の仕草や、疎遠だった娘との関係性にヤラレル作品である。】
■撮影時の怪我が原因で、家族、財産を失い、スタントの相棒の馬、チートゥと共に暮らす老スタントマン、ルオ。(ジャッキー・チェン)
借金のために愛馬を取り上げられそうになるが、疎遠になっていた法律を学ぶ娘のシャオバオ(リウ・ハオツン)に助けを求める。彼女は最初は冷たいが情に絆され、恋人の新米弁護士ナイホァ(グオ・リーチン)を紹介する。
◆感想
・ストーリー展開が序盤、やや粗い気がしたが、後部座席のジャッキー・チェンの古くからのファンと思われる年配の方々のすすり泣きにつられて、徐々に物語世界に没入した作品である。
・カンフー技は殆ど出ないが、ジャッキー・チェン演じるルオが愛馬チートゥと演じるスタントシーンや、変わらずの可笑しみあるシーンの数々はヤッパリ、ジャッキー・チェンの作品を観ているんだなあ、としみじみする。
・ルオが幼いシャオバオに様々なオモチャを上げるも、次々に投げられるシーンや、美しく成長したルオとの遣り取りなど、”ウーム、親子ではなく孫娘ではなかろうか・・。”などと、若干大変失礼な事を思いつつ、楽しく鑑賞する。
■象徴的だったのは、スターになった後輩から紹介された久しぶりの大仕事で、ルオが”CGには頼らない!”と宣言するも、愛馬チートゥは宮殿前の広く長く続く階段の前からジャンプ!と思ったら、急ストップし、ルオが弾みで階段を転げ落ちるシーンである。
そして、ルオは、愛馬を叱るのではなく優しく撫でてから、後輩と監督の所に行き頭を下げるのである。ルオ自身が限界を知りつつ意地で行おうとしたアクションを、大切に育てて来たチートゥが危険を察知し、停まった事で、ルオは全てを察したのであろう。
■更に、借金のかたになった愛馬チートゥとの別れのシーン。ルオは新米弁護士ナイホァが運転する車でシャオバオと共に走り去ろうとするが、チートゥが全力で走って追って来るシーン。何度も濡れた芝に足を取られて横転するも、起き上がり追って来るチートゥの姿は矢張り沁みる。
序でに言えば、後方からの啜り泣きも、一層響き渡ったのである。
だが、新しい馬主が粋な男であり、チートゥは再びルオと暮らす様になるのである。
<今作は、フライヤーによると”ジャッキー・チェン50周年記念”とある。劇中やエンドロールで流れる昔日の超絶アクションシーンの数々は、偉大なるカンフーアクションスターがカンフー映画を世界に広めた功績を改めて観る側に認識させると共に、NGシーンの数々は”ヤッパリ、ジャッキー・チェンの映画は良いなあ。”と思わせてくれるのである。>
コメント有難うございます。ジャッキーの映画は70〜80年代は良く観ていたけれど2000年以後はあまり観なくなりました。集大成と言う事で観に行きましたが、昔のジャッキーを思い出して涙しました。ちなみに小生はジャッキーと同じ年齢です。