ルート29のレビュー・感想・評価
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コミュニケーション取れず
■サマリー
他人と必要以上のコミュニケーションを取ることができないのり子は、
鳥取の町で清掃員として働いていた。仕事で訪れた病院の入院患者
「娘のハルを連れてきてほしい」と頼まれる。
姫路へと向かい、見つけたハルは風変わりな女の子で、
のり子に「トンボ」というあだ名をつける。
のり子とハルは姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を進む。。。
■レビュー
まず、ルート29=そのまま国道29号線でした。
サマリーに書いた通り、姫路-鳥取を結ぶ国道29号線を進み、
二人で姫路に向かっていくのですが・・・
出会った人たちが謎だらけ。
三匹の犬を持つ婦人はなんだったんだ?
横転した車の中、なぜか天地逆に座り、ケガ一つしていないおじいさん、
カヌーに乗ってどこへ消えていったのだ?
日本の現状を憂いている親、そして連れまわされている息子、これも不明。
そして、のり子の姉、学校教師でありながら言動が不明。
主人公を演じたのは綾瀬はるかさん、さすがなんだけど無駄遣い感が勝った。
ハルを演じた大沢一菜さん、かなり変わった子をうまく演じていた。
こっちが主役か、と思うほど。
この作品、主人公のり子の感情の変化を表したいのだろうか。
コミュニケーションがとれない、つまりセリフも少ないのに加え、
描写の切り取り方もあまり好きになれなった。
作品が何が言いたいのか、受け止め切れなった。
令和浪漫の挑戦
綾瀬はるかの一ファンとして、半ば”義務的”に観に行きましたが、第一印象は鈴木清順監督の大正浪漫三部作、その中でも特に「ツィゴイネルワイゼン」を思い出した作品でした。「生きている者は本当は死んでいて、死んでいる者が生きている」というメッセージや、色遣いのコントラストが印象的だった同作と同じように、主人公たちが生と死、現実と夢の狭間を行き交いつつ、鮮やかな色遣いによる視覚的なインパクトを多用した幻影的な世界観を描こうとしたのが本作「ルート29」であると感じました。大正浪漫三部作は、原田芳雄や松田優作、沢田研二という当代きっての大スターを起用しましたが、本作も当代きっての人気女優である綾瀬はるかを起用しており、さしずめ令和浪漫作品と言うところでしょうか。
勝手な解釈で散々持ち上げておきながら言うのもおかしいのですが、そんな大正浪漫三部作の雰囲気を思い起こさせる大きなポテンシャルを持ち合わせた本作でしたが、残念ながらその”色眼鏡”が邪魔をしたのか、満足感は今ひとつでした。その理由としては、まずは本作のぼやっとした色遣いにありました。闇=黒を基調にして、鮮やかな原色を多用していた大正浪漫三部作に比べると、本作の色遣いは青空を基調としていて、そのためなのか若干モヤが掛かっていた感がありました。
序盤で登場した道端に並んだ3人のおばちゃんの衣装も、それぞれ赤、緑、黄(だったかな)を使っていたものの、柄物になっていた上、晴天の下であるが故にどちらかと言えば光=白が基調になっていて、そのため色が映えずにインパクトが薄い感じでした。そうした色遣いは終わりまで続いており、まあ作品の世界観としては統一されていると言えば統一されているものの、”色眼鏡”の影響もあってこちらが求めるものが得られずに、ちょっともどかしさが残ってしまいました。
いずれにしても、綾瀬はるかを起用した割には万人受けするような内容ではなく、むしろかなり挑戦的な作品であることは確かでした。個人的には彼女の新境地を見られた感もあり、その点は良かったのですが、前述の色遣いの件しかり、もっと先鋭的でド派手でぶっ飛んだ創りだったらもっと満足度が高かったのではないかなと思ったところでした。
また、東京だとユーロスペースやアップリンクなど、この手の作品を好んで上映するいわゆる単館系の劇場で上映しているのは自然でしたが、各所のTOHOシネマズでも上映していて(私もTOHOシネマズで観たクチですが)、上映館数を広げ過ぎている感じがしました。まあこれは私のようなものが口を挟む話ではないのですが、実際私が観た時の客の入りもちょっと残念な感じだったし、我らが綾瀬はるかの名を高からしめるためにも、むしろ単館系に絞った上映にした方が良かったんじゃないかなとも思いました。
そんな訳で、本作の評価は★3.2とします。
まあロードムービーではある。
「こちらあみ子」好きでした。
大沢一菜も出てますが続編ではないです。
アミコのリアル感あるヒリヒリは本作にないです、そこは期待しないで下さい。
凄く絵が綺麗なファンタジー風味のロードムービーと考えるとまあまあかなとも思いますが、何かが上手く噛み合ってなくて大きな流れを感じられなくて、カタルシスとか共感とか取れなかった気がします。大沢を母(市川)に会わせるとどうなるのか?それが綾瀬とどう交差するのか?メインの2人の掘り込みが足りなかったように思う。
スタティックな絵作り、棒読み、迷子犬、CG魚、お迎えカヌーの皆様。どれも面白い要素なんだけど流れを止める特性もあるから要注意。
結局、遊び要素が少し多過ぎたのかなぁ。
綾瀬はるかを見に行きました♪
絆
薄味な映画でミニシアター向きだとは思いましたが、私はいい映画だと思います。
よくあるテレビ番組の延長のような映画とは違い、「ちゃんと映画をやってる」作品です。これを低評価に埋もれさせるのはもったいないです。
テーマは、有り体ですが人と人が絆をつくっていく話なのかなと。
主人公はトラブルを避けるために「患者とは関わるな」と言われていましたが、タバコを吸いながら話して心を通わせる。
姉に覚えていたことを驚かれるほど対人関係が希薄だった主人公が、ハルが事故にあったのではないかと心から心配する。
母親は死の淵でも笛の音を通じてハルとつながっている。
主人公とハルは、離れ離れになっても夢を通じて心はつながっている。
主人公たちは道中のいろいろな出来事に影響されて心を通わせていきます。
わからないところはいろいろありますが、例えば主人公がフクロウに導かれてハルと再開したのは笛の音と対応していそうだし、事故で死んだおじいさんと行動をともにしたのはハルの「死んでいてもまた会おう」という言葉につながると思います。病気で心が死んでしまった母親を肯定し、それでも絆で結ばれているということです。
魚釣りをしていた親子は社会を怖がり拒絶していますが、彼らを見たうえで彼女らは社会で生きようと決めたのではないかと。警察に出頭するのは社会で落とし前をつけるということです。
見どころは映画全体の空気かなと思います。一部シーンを除いてセリフが極端に少ないのが良いです。カウリスマキを連想しました。
幽霊がおじいさんを迎えに来たり魚が砂漠を泳いだりといった超現実的で幻想的なシーンもよかったです。
いわゆる余白の多い映画というやつで、絶対的な正解があるわけではないと思います。いろいろ考えてみるのが面白いのではないでしょうか。
前作の「こちらあみ子」は強烈過ぎるほど味がついている映画で、今作より見やすいと思います。今作と共通する部分もあったので、前作のファンの私は受け入れやすかったです。
一般人としてはつまらない話
この道の先
コトの大小、モノの強弱ではなく、観る側も創る側も見落としていた、忘れていた映画のよろこびが生まれる前夜を目撃した気持になった。
綾瀬はるかが街を駆け出した終盤からの展開、シーン、映像表現、ひとつひとつの台詞の必然。ただ引きずり込まれてしまった。
決して幸福なラストではないのに、映画が無闇に言いがちな希望に触れた気になれたのは、監督が言うところの御伽噺そのものの力だろう。森井監督は嘘をつかなかった。
このチームは次にとてつもない日本映画を生む予感がする。その意味でルート29は、いま絶対に観ておくべき映画だと思う。
29点
3〜40年前のインディーズを
観ている気分に陥りました。
おそらく主人公が見ている夢の世界のお話では…。
風の音、川のせせらぎ、鳥の囀りとある意味森林浴的な感じは気持ちが良かったです。
ま、どんな
ロードムービーなのか?
逃げる人達
兵庫県民として、鳥取と姫路のロードムービーて、2時間も話し持つんかなあ、と思うてましたが、歩きとは、充分持ちましたな。この2人、あのおじいちゃん、三途の川ならぬ三途の湖に連れて行ったんですね。現世逃避のおじいちゃん、現実逃避の父子、規律逃避の犬おばさん、そして法律逃避の二人。確かにロードムービー、なにがしかの逃避の映画でした。
ラストの魚。おじいちゃんと食べた魚と何か関連が有るんでしょうか。
好きな映画です
時間潰しの映画を探していたら、お、これ見たいかもと思い、映画館に入りましたが期待に違わず楽しい映画でした。この類の映画は好みが分かれると思います。館内に響き渡るような○○○をかいて、お眠り遊ばされている方もいらっしゃいましたが、まあ、そういうBGMもあるだろうと思いました。
この枝葉は要らんな。とバッサリ剪定された後の「主木」と「枝」から構成される映画なので空白は、鑑賞者が想像しながら、自由にお話を作れます。この「主木」と「枝」を象徴するような絵が繰り返されます。
殺伐たる無法地帯を女性二人で行くアメリカ製ロードムービーとは異なり、こちらは、ほのぼのとしたロードムービーです。
「人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ」という言葉に翌々日の日曜日に出会いましたが、まさしくこれだったなと思います。
大ヒットするような万人向け映画ではない(★一つ減)と思いますが、今時の映像技術で作ったラストのシーンがなかなかの余韻を残し、あれは何だったのだろうと考えるのも楽しいです。
人と関わることを避けても、人の役に立ちたいと思うのが人間なのかな
2024年の日本映画(120分、G)
原作は中尾太一の詩集『ルート29、解放』
ある女性の願いを叶えるために鳥取〜姫路間を往復する女性を描いたヒューマンドラマ
監督&脚本は森井勇佑
物語は、鳥取にて清掃員をしている中井のり子(綾瀬はるか)が、とある精神病院にて、入院患者の木村理映子(市川実日子)から「あるお願い」をされる様子が描かれていく
理映子は「もうすぐ死ぬ」と言い、「姫路に住んでいる娘・ハル(大沢一菜)に会いたい」と言う
初対面で縁もゆかりもないのに、のり子は清掃会社のワゴンを拝借して、姫路へと向かってしまった
映画の冒頭は、ハルを探している最中に泊まっていたゲストハウスのシーンで、そこもなぜか摘発を受けて追い出されてしまう
また、時系列的に一番最初になるのが、のり子が脳のCT写真の説明を受けているシーンで、これが一連の出来事の「5日前」となっていた
脳に腫瘍があるものの、経過観察と言われていたのだが、あの映像が誰のものかは明確にはなっていないのだが、おそらくのり子のもので、定期的な検査であるように思えた
物語は、知らない人・のり子になぜかついてくるハルが描かれ、彼女はのり子に「トンボ」と言う名前をつけた
彼女と親しいシャケ師匠(播田美保)のペットは「坂本」だし、ネーミングセンスが結構ズレている
そんな二人は、当初はワゴン車で鳥取を目指すものの、ドライブインで知り合った犬を探す赤い服の女(伊佐山ひろ子)に車を奪われてしまい、徒歩で向かうことになってしまった
そこからは、よくわからない人たちと出会い、途中でのり子の姉・亜矢子(河井青葉)と再会を果たしていく
だが、このあたりに登場する人はおそらくすでに死んでいる人たちで、帰り道は精神世界にでも入り込んでいるかのように思えた
結局のところ、姉のところで自分が誘拐犯になっていることを知り、ハルを母親に引き合わせた後は、きちんと警察署に出頭したりするのだが、どこまでがリアルなのかはほぼわからない
ぜんぶが夢のようにも思えるし、何なら「のり子=理映子」とか、「ハル=のり子の幼少期」なんて構図にも見えないことはない
このあたりは想像にお任せしますレベルなのだが、あまり深く考えない方が良いのかも知れません
いずれにせよ、かなりファンタジックな内容で、イメージとしての大魚が登場したりとか、変な夢を見たりとか、シュールな展開も多かったように思う
原作の詩を解釈した内容になっているが未読なので、その再現度というものはわからないの
だが、映画の舞台が「ルート29(若桜街道:鳥取県側)」であることに意味があるのかなと思った
鳥取から南下する若桜街道は「浅井」という場所で、左が伊勢道(現在の482号線、氷ノ山経由の但波馬道に続く)、直進(右)が播磨道に分かれている道で、この播磨道の先に姫路がある
伊勢に行かないというのは、忌中であるとも言え、それゆえにスルーする行き帰りだけになっているのかなと思った
帰りにハルを手放すことになることにも意味があると思うので、おそらくはのり子はすでに死んでいて、その魂が母と娘を引き合わせる役目を担ったのかな、と感じた
個人的な解釈なので的外れかも知れませんが、のり子という人物は人と関わることを避けてきた人間で、そんな彼女が「本当にしたかったこと」がこの映画で描かれていることなのかも知れない
そう言った意味もあるのだとするならば、生きているうちに人の役に立つことをすれば、迷い道には迷い込まないというメッセージになるのかな、と思った
私は仕事です( ゚Д゚)y─~~スパー
鳥取で清掃員の仕事をする女性が病院に入院している女性に娘を連れて来てほしいと頼まれて、姫路から鳥取まで国道29号線で2人旅をする話。
ローラースケートガールを探す風よけに始まって、やっとこみつけて後を追ったら、ん?林の中?というか保護者は?これって誘拐になりません?と思っていたんですがね…あっ!車(´・ω・`)
ハルにしてものり子にしてもコミュ障というよりなんだかASD vs ADHDという感じなんだが…と思っていたら、他の登場人物もみんな様子がおかしい???
なんかオカルト的要素もあるし…。
まったりテンポというよりも、会話の間すらたっぷりで、しかも何言ってるのか良くわかりません。
というか冗長過ぎて考えるのもダルい。
一応シュールでコミカルな描写も織り込んでいる感じではあるけれど、これっぽっちもノレなかった。
わからなくても楽しめる
アート系ロードムービーです。ミニシアター向きの映画だと思うけど全国ロードショーにしたのは綾瀬はるか主演だからでしょうか。
それにしてもハルはどう見ても男の子ですよね。
抽象的な演出の意味はわかりませんが楽しめる映画です。
心を閉ざした主人公の映画はよくありますが、自分もそういう傾向があるので、何回観ても飽きません。
全125件中、61~80件目を表示