ルート29のレビュー・感想・評価
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余韻と間、雰囲気を楽しむ作品(下部にネタバレあります)
余韻と間、雰囲気、みたいなその辺が苦手な人は見ない方がいいかも。というか見なくていいかも。
冗長に感じる可能性が高い。
私は割と好き。
主人公が下を向くのと猫背を貫いてるんですが、走り方のフォームが整っていて、逆に主人公の過去を膨らませられた。陸上してたんかなあ。
以下ネタバレ。
妹が怖すぎ。
姉が働いてそのお金で妹が教員免許取ったのかな。姉は本当は何がやりたかったのかな。
何かあっても「お姉ちゃんはいつもそう。人の心がない」って言われ続けたのかなと思って辛い。その上で「そんな人でなしのお姉ちゃんのこと、私は解ってるし、好きだよ」と言うの、もはや洗脳モラハラDVだろ。
でもきっとこうやって毒親から育児モラハラされてる「お姉ちゃんお兄ちゃん」っていっぱいいるんだろうなとも思ってつらくなった。
ハル(合意誘拐された少女)はハルで、山の中に隠れ家を作っている(というかそこでよく遊んでいる?)風だし、一緒に旅へ出る旨を(多分そこに住んでる)ホームレスの人に話してるけど、育ての親は一切関知してないんだろうなと思って、そこも心臓がきゅっとなった。母親が精神病院へ入っているから、血縁だか何かに預けられてるんだろうなあ、家でもそういう無関心に扱われてたんかなぁとか。
そういう、心臓がきゅっとなる作品でした。
削ぎ落とさない
何か観ようと行きつけの映画館に行って、ちょうどタイミングが合った作品。
だから前評判や前情報なしで観ました。
若い頃に観たATG系の作品にこんなのが、あったなあ、、、なんて思い出しましたが、正に言って、物語としては何が何だかよくわかりませんでした。
もちろん、製作側も、そういう意図で作ったんでしょうけど。もう少し「要素」を削ぎ落としても良かったのかな?なんて思いましたが、削ぎ落とさないのが美学なのかもしれません。
伊佐山ひろ子さんが出てましたね。なんとなく70年代のニオイがしたのはそれか、、、
渡辺美佐子さんも出てました。いくつだよ、と思って検索したら90歳超えてるんですね。もはや、芝居が上手いとか下手とかではなく存在を魅せている感じ。
いわゆる「映画通」ではないので、難し解とかできませんが、綾瀬はるかさんはキャラクターに負けず素敵でした
いろんな世界。映画館向きの作品。
「ロードムービー」「ふたり旅」に「綾瀬はるか」…ほのぼの?ドキドキ?涙?…この映画に分かりやすい感動を求めて映画館に行った人は撃沈だったのかも。
自分が生きている世界がすべてじゃなく、いろんな人の世界が重なりあってこの世は成り立っている。お隣さんの世界が、自分の常識とは限らないし、自分の世界が少数派かもしれない。
ハルのお母さんは心の病で精神科病院に入院していて、たぶん、ハルも何らかの病を引き継いでいると思われる。妄想や幻覚と共存しているのかもしれない。ハル自身はそう思っていないかもしれないが、客観的にみると人との交流もうまくいっていない。
トンボも同じ。何らかの生きづらさを抱えて生きてきたと思われる。
ハルとトンボが出会う人たちは、何となく詩を読んでるような話し方。宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の、ジョバンニとカンパネルラが汽車の中で出会った人たちの雰囲気に似ている。
生きてるのか、死んでるのかわからない、不思議な雰囲気。
音楽は無く、自然の音が心地よかったり不気味だったり。叙情的なシーンが多かったことも印象的
トンボのお姉さん。やんちゃな児童たちを注意せずに、優しそうな笑顔でプリントを配る違和感。トンボへの優しい言葉と同時に嫌み・妬み・嫉妬のこもった言葉を淡々と発する怖さ。何かを信じて疑わず、必死に生きてきた姉自身の世界。それがだんだん歪んできていることに姉は気づいている。
よかったシーンは ハルがトンボにした、「おまじない」。 ハルの手つきがとても優しい。ハルのお母さんもそうやって優しくおまじないしてくれたんだろうな。トンボもなにかを感じたよね。 ジーンとした。
人との関わりが苦手だとしても、やっぱり、人は人を求めてる。トンボがハルと出会えてよかった。
トンボを抱きしめてあげたくなった
いろんな世界に触れられる映画。
私は、この映画に出会えてよかった。
追記
他のかたのレビューにあるように、不思議な作品です。気忙しい日常では、雑念が入り込んでなかなか深く感じることが出来ないかも。ぜひ、映画館で!
全員サイコパスだとホラーにならない
2024年劇場鑑賞295本目。
予告でこれラストシーンぽいなぁと思ってたら本当にそうで、そりゃラストシーンが映画で一番いいシーンになりがちなんだから、そこを予告に出せば予告はいいかもしれないけど本編観てる時にまだあのシーンないから最後こうなるんだろうなってずっとあるわけです。
中学生が写生授業の途中で抜け出してタバコを吸いに行って風が強くて火がつかず、同じくタバコを吸っていた綾瀬はるかに「風よけあった」と言ってモノのように扱うそのシーンだけで大人の喫煙もきついのに子供の喫煙で、しかも授業中にわざわざ、しかも大人は喫煙を注意するものでなく風よけというモノ扱いとサイコパスのオンパレードでくらくらしました。
しかしこれはあくまで序ノ口でした。出てくる人出てくる人みんなわざと感情のない棒読みで、無言で直立不動で立って何かを見ているシーンが多く、謎の展開、ずっと無言でただ着いてくる人、返事はするが言うことを聞かない人、とにかくなんかヤバい人しか出てこないです。でもみんなヤバいので誰も怖がっておらず、ああ全員サイコパスだとホラーにならないんだ、という発見はあったのでそういう意味では良かったのですが、じゃあ映画として気持ちよかったかと言われると気持ち悪かったとしか言えないのです。
言葉が届かない不条理劇のよう
不思議すぎるけど、嫌じゃない鑑賞後感
斜め後ろの人が開始10分後くらいから、客電が点くまでほとんど寝てた。
気持ちはわかる。
私も冒頭20分くらいは何度か集中できず、悪い意味で「何を見せられているのだ」状態。
ただ、物語が動き始めると、美しい風景やショットが続き、不思議と退屈せず最後までしっかりと見ていられた。
まあ、細部はよくわからないことだらけで、トータルで受け取ったつもりのメッセージも多分間違ってる。
それに、決して好きではない。
ただ、鑑賞後感は悪くないし、見てよかったと思ってます。また見たいか? いや、結構ですw
コミュニケーション取れず
■サマリー
他人と必要以上のコミュニケーションを取ることができないのり子は、
鳥取の町で清掃員として働いていた。仕事で訪れた病院の入院患者
「娘のハルを連れてきてほしい」と頼まれる。
姫路へと向かい、見つけたハルは風変わりな女の子で、
のり子に「トンボ」というあだ名をつける。
のり子とハルは姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を進む。。。
■レビュー
まず、ルート29=そのまま国道29号線でした。
サマリーに書いた通り、姫路-鳥取を結ぶ国道29号線を進み、
二人で姫路に向かっていくのですが・・・
出会った人たちが謎だらけ。
三匹の犬を持つ婦人はなんだったんだ?
横転した車の中、なぜか天地逆に座り、ケガ一つしていないおじいさん、
カヌーに乗ってどこへ消えていったのだ?
日本の現状を憂いている親、そして連れまわされている息子、これも不明。
そして、のり子の姉、学校教師でありながら言動が不明。
主人公を演じたのは綾瀬はるかさん、さすがなんだけど無駄遣い感が勝った。
ハルを演じた大沢一菜さん、かなり変わった子をうまく演じていた。
こっちが主役か、と思うほど。
この作品、主人公のり子の感情の変化を表したいのだろうか。
コミュニケーションがとれない、つまりセリフも少ないのに加え、
描写の切り取り方もあまり好きになれなった。
作品が何が言いたいのか、受け止め切れなった。
令和浪漫の挑戦
綾瀬はるかの一ファンとして、半ば”義務的”に観に行きましたが、第一印象は鈴木清順監督の大正浪漫三部作、その中でも特に「ツィゴイネルワイゼン」を思い出した作品でした。「生きている者は本当は死んでいて、死んでいる者が生きている」というメッセージや、色遣いのコントラストが印象的だった同作と同じように、主人公たちが生と死、現実と夢の狭間を行き交いつつ、鮮やかな色遣いによる視覚的なインパクトを多用した幻影的な世界観を描こうとしたのが本作「ルート29」であると感じました。大正浪漫三部作は、原田芳雄や松田優作、沢田研二という当代きっての大スターを起用しましたが、本作も当代きっての人気女優である綾瀬はるかを起用しており、さしずめ令和浪漫作品と言うところでしょうか。
勝手な解釈で散々持ち上げておきながら言うのもおかしいのですが、そんな大正浪漫三部作の雰囲気を思い起こさせる大きなポテンシャルを持ち合わせた本作でしたが、残念ながらその”色眼鏡”が邪魔をしたのか、満足感は今ひとつでした。その理由としては、まずは本作のぼやっとした色遣いにありました。闇=黒を基調にして、鮮やかな原色を多用していた大正浪漫三部作に比べると、本作の色遣いは青空を基調としていて、そのためなのか若干モヤが掛かっていた感がありました。
序盤で登場した道端に並んだ3人のおばちゃんの衣装も、それぞれ赤、緑、黄(だったかな)を使っていたものの、柄物になっていた上、晴天の下であるが故にどちらかと言えば光=白が基調になっていて、そのため色が映えずにインパクトが薄い感じでした。そうした色遣いは終わりまで続いており、まあ作品の世界観としては統一されていると言えば統一されているものの、”色眼鏡”の影響もあってこちらが求めるものが得られずに、ちょっともどかしさが残ってしまいました。
いずれにしても、綾瀬はるかを起用した割には万人受けするような内容ではなく、むしろかなり挑戦的な作品であることは確かでした。個人的には彼女の新境地を見られた感もあり、その点は良かったのですが、前述の色遣いの件しかり、もっと先鋭的でド派手でぶっ飛んだ創りだったらもっと満足度が高かったのではないかなと思ったところでした。
また、東京だとユーロスペースやアップリンクなど、この手の作品を好んで上映するいわゆる単館系の劇場で上映しているのは自然でしたが、各所のTOHOシネマズでも上映していて(私もTOHOシネマズで観たクチですが)、上映館数を広げ過ぎている感じがしました。まあこれは私のようなものが口を挟む話ではないのですが、実際私が観た時の客の入りもちょっと残念な感じだったし、我らが綾瀬はるかの名を高からしめるためにも、むしろ単館系に絞った上映にした方が良かったんじゃないかなとも思いました。
そんな訳で、本作の評価は★3.2とします。
まあロードムービーではある。
「こちらあみ子」好きでした。
大沢一菜も出てますが続編ではないです。
アミコのリアル感あるヒリヒリは本作にないです、そこは期待しないで下さい。
凄く絵が綺麗なファンタジー風味のロードムービーと考えるとまあまあかなとも思いますが、何かが上手く噛み合ってなくて大きな流れを感じられなくて、カタルシスとか共感とか取れなかった気がします。大沢を母(市川)に会わせるとどうなるのか?それが綾瀬とどう交差するのか?メインの2人の掘り込みが足りなかったように思う。
スタティックな絵作り、棒読み、迷子犬、CG魚、お迎えカヌーの皆様。どれも面白い要素なんだけど流れを止める特性もあるから要注意。
結局、遊び要素が少し多過ぎたのかなぁ。
綾瀬はるかを見に行きました♪
絆
薄味な映画でミニシアター向きだとは思いましたが、私はいい映画だと思います。
よくあるテレビ番組の延長のような映画とは違い、「ちゃんと映画をやってる」作品です。これを低評価に埋もれさせるのはもったいないです。
テーマは、有り体ですが人と人が絆をつくっていく話なのかなと。
主人公はトラブルを避けるために「患者とは関わるな」と言われていましたが、タバコを吸いながら話して心を通わせる。
姉に覚えていたことを驚かれるほど対人関係が希薄だった主人公が、ハルが事故にあったのではないかと心から心配する。
母親は死の淵でも笛の音を通じてハルとつながっている。
主人公とハルは、離れ離れになっても夢を通じて心はつながっている。
主人公たちは道中のいろいろな出来事に影響されて心を通わせていきます。
わからないところはいろいろありますが、例えば主人公がフクロウに導かれてハルと再開したのは笛の音と対応していそうだし、事故で死んだおじいさんと行動をともにしたのはハルの「死んでいてもまた会おう」という言葉につながると思います。病気で心が死んでしまった母親を肯定し、それでも絆で結ばれているということです。
魚釣りをしていた親子は社会を怖がり拒絶していますが、彼らを見たうえで彼女らは社会で生きようと決めたのではないかと。警察に出頭するのは社会で落とし前をつけるということです。
見どころは映画全体の空気かなと思います。一部シーンを除いてセリフが極端に少ないのが良いです。カウリスマキを連想しました。
幽霊がおじいさんを迎えに来たり魚が砂漠を泳いだりといった超現実的で幻想的なシーンもよかったです。
いわゆる余白の多い映画というやつで、絶対的な正解があるわけではないと思います。いろいろ考えてみるのが面白いのではないでしょうか。
前作の「こちらあみ子」は強烈過ぎるほど味がついている映画で、今作より見やすいと思います。今作と共通する部分もあったので、前作のファンの私は受け入れやすかったです。
一般人としてはつまらない話
この道の先
コトの大小、モノの強弱ではなく、観る側も創る側も見落としていた、忘れていた映画のよろこびが生まれる前夜を目撃した気持になった。
綾瀬はるかが街を駆け出した終盤からの展開、シーン、映像表現、ひとつひとつの台詞の必然。ただ引きずり込まれてしまった。
決して幸福なラストではないのに、映画が無闇に言いがちな希望に触れた気になれたのは、監督が言うところの御伽噺そのものの力だろう。森井監督は嘘をつかなかった。
このチームは次にとてつもない日本映画を生む予感がする。その意味でルート29は、いま絶対に観ておくべき映画だと思う。
29点
3〜40年前のインディーズを
観ている気分に陥りました。
おそらく主人公が見ている夢の世界のお話では…。
風の音、川のせせらぎ、鳥の囀りとある意味森林浴的な感じは気持ちが良かったです。
ま、どんな
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