劇場公開日 2024年11月8日

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ルート29のレビュー・感想・評価

全132件中、21~40件目を表示

3.5あみ子はもう一人のあみ子に出会った。

2024年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

本作は「こちらあみ子」の正当な続編という感じで鑑賞した。前作ではあみ子は独特な世界観を持つ子供だったけど、社会から疎外されたことによって自分の世界の住人達と別れを告げ子供時代と決別して「大人」になる選択をしたのだと解釈した。

本作の主人公トンボはあみ子が子供時代の自分と決別をせずにそのまま大人になってしまったような人物であり、日々自分だけの世界に閉じこもって外の世界とは極力接点を持たないよう暮らしていた。

人はみんな自分の心の中にそれぞれの世界を持っている。そしてそれは他人からは到底理解されないようなものだったりする。
たとえば感性なんかも人はそれぞれ違っていて同じ赤色でも人によっては血の色に見えたり、真っ赤な夕日の色に見えたり、爬虫類が気持ち悪い人もいれば可愛くてペットとして飼っている人もいる。そんな程度の違いは社会で生きていく上では許容範囲内だが、そんな違いを超えたもっといわゆる世間一般と大きな乖離があると社会では何かと生きづらくなる。
社会の「常識」から外れてしまう感性の持ち主にとってはこの社会では何かと生きづらい。
今まででいうとLGBTQの人たちなんかそうだったんだろう。今まで社会の一定の枠内に収まれない人たちは網で掬い取られて排除されてきた。

特に今のように経済が疲弊した世の中では他者への思いやりとか寛容さが失われていて異物を掬い取るための網の目がどんどん小さくなってきている。昔なら個性的だねと言われたような人でも皆と少しでも違えばたちまち排除される。
「こちらあみ子」のレビューではあみ子を障碍者としてではなくあくまでも個性的な女の子として書いた。
そもそも障碍者と呼ばれる人たちも広い視野で見ればみんな個性的だと言える。そんな個性を尊重できない社会は効率化をうたい「障碍者」と「健常者」に分けてしまう。そうして「障碍者」を隔離して社会から排除してしまう。

それどころかいまの世界では少しでも異物とみなせば排除しようという排他的な風潮が特にひどくなってきている。障碍者排除どころか高齢者排除、異民族排斥、イデオロギーの違いからくる排除。このままどんどん排除のための網の目が小さくなっていずれは自分自身も掬い取られるほど網の目が小さくなってきてることにも気づかないのではないか。

そんな世界で生きてゆくには自分が異物とみなされないようにする必要がある。今まで多くのLGBTQの人々は告白もできず隠れるように生きてきた。「普通」から外れてしまったらたちまち排除される。LGBTQでなくとも何か個性が強い人、なかなか周りから共感を得られないような独特の感性を持つ人、周りから変だとみられないように息を殺して生きてきた。周りにうまく溶け込めるような器用な人ならいいが、中には普通を装うことに耐えられなくなりこの社会が監獄のように感じられる人もいるだろう。トンボたちが森で出会った親子のように。

トンボとハルはやはり独特の世界観を持った人間。でも彼らは初めから社会に溶け込もうとはしなかった。自分の世界を保ちつつ最小限の社会との接点しか持たずに生きてきた。当然孤独である。自分たちのことはけして社会から理解してもらえない。社会の中の孤島で暮らしてきたそんな二人が初めて出会う。
トンボは言う。自分は今までひとりぼっちだったと、でも今は違う。この広い世界で同じものが見える者同士が出会えたのだ。トンボに見えるものはハルにも見える。ハルに見えるものはトンボにも見えた。
二人の目には国道29号線のカーブを曲がって来る魚の姿がはっきりと見えていた。他の人にはけして見ることのできない彼らだけの感性によって。孤独な二人が今まさに無二の仲間と出会えたのだった。
なかなか周囲には自分のことを理解してもらえないと悩んでいる人もいるだろう。でも必ずこの世界のどこかに自分と同じ世界を持つ人間はいる。そんな希望を抱ける物語。

何か棒立ちの人物たちがとにかく可笑しくて、きっとトンボやハルたちには世間の人たちがあんな風に無機質な感じで見えてたんだろう。彼らの独特な感性を通して世界を見ているかのようなとても興味深い作品だった。

本作は理解できない、わからないという思いを観客に持たせることができれば製作した意味があったと言えるかもしれない。
他者を簡単に理解しようなどということは傲慢なことなのかもしれない。

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レント

なぜか横一線

2024年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 本作公開の報を目にしてから期待していた作品です。まず、怪作とも言うべき『こちらあみ子』で鮮烈な監督デビューを飾った森井勇佑の第2作であること。次に、同作で「何じゃこの子?」とやはり驚かされた子役・大沢一菜さんが再び出演する事。そして、奇妙な映像空間になるに違いない森井作に綾瀬はるかさんが起用された事です。特に大沢さんは『あみ子』があまりにはまり役だったので、「この子はこれ以外の役は出来ないのでは」と思っていただけに、期待半分・不安半分と言った思いでした。

 人との交わりが苦手で鳥取で清掃員として一人ぼっちで働く女性が、「姫路にいる娘を連れて来てほしい」と頼まれて彼女を連れて国道29号線沿いに北上するロード・ムービーです。

 まず、大沢さんがすっかり大人っぽくなった事に驚かされました。でも、独特の目力はやはり本作でも健在で、映画の中で輝いていました。また、本作ではかなり言葉少ない綾瀬さんも、静かでどこか奇妙な作品の空気を纏って新たな一面を見せて下さいました。

 そして、この作品自体は「監督は何を言いたかったのか」と言う事を言葉にしたら忽ち崩れてしまう世界に映りました。僕も何だかよく分からないのですが、それが監督の独りよがりとは感じられず、唐突に飛び込む「なんじゃこりゃ」の映像が強く印象に残るのです。

 横一線にならんだラバー・ダック、横一線に並んだ池のボート、横一線で夜空を見上げる街の人々、横一線に延々と並べられた小石。映像の中から伸びた手に脳みその裏側をくすぐられた様な思いがしました。これも映画でしか味わえない経験です。

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La Strada

3.5非現実

2024年12月3日
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WELOVEMOVIES

2.0あれっ?

2024年12月1日
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鑑賞方法:映画館

実は友人がエキストラで参加していたので鑑賞しました。
前知識もなく綾瀬はるかさんに期待していたのですが、
もう少しストーリーを深掘り出来なかったのだろうか?
演出が独特過ぎて観客に不安感を与えてないのだろうか?
起承転結がファジー過ぎないか?
など余計な心配しながら鑑賞してしまいました。
興行的には厳しいでしょうね。
突っ込み処満載の脚本に私的には「あれっ?」が感想です。

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トシ

1.0わけわからん映画?

2024年11月29日
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鑑賞方法:映画館

難しい

感想 意味不明わけわからん 主題はなに?何を言いたい!何に閉じこもり何から解放されたのか?まったく不明!
動機 綾瀬はるかファン 27日で終了のため
良かった点
1.鳥取砂丘の海の青さ
2.綾瀬はるかのランニングシーン
3.29号をはしる巨大な黄金色の魚 鯉?
残念な点
1.主題テーマ描きたいことか全く分からない
ハルが居なくなって寂しかった 最後の鳥取砂丘でのトンボの台詞である。何かに縛られそれから解放される その答えが29号ハルとの旅   わからない?
2.綾瀬はるかの衣装はつなぎの作業服のみ約5000円。
3.各シーンの繋ぎがない。
振り替えっても意味不明の映像ばかり 未編集か?
4.エキストラが突っ立っている。意図的であり主人公以外の時間が止まっている演出か?
5.無声音映画のよう

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おさむちゃん

2.5長かった…

2024年11月28日
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鑑賞方法:映画館

未読だけども、原作の詩集は良いのかも知れませんね…。
詩集を物語にするのは、結構、難しかったのかな?
詩集を読んで浮かんだ、監督さんや脚本さんの頭の中の映像を優先させて、
そのまま作品にした感じ??
受け手がどう思うかは、置いてけぼりな感じ???

とにかく、引きの映像ばかりで飽きるし、それがそんなに良いとも思わないし…。
ドヤ顔浮かぶんですよね…。

お姉さんの話も長いしねぇ。
途中までは良かったのに。
長い間や、無音の映像から何も伝わらなくて、
結局、少ない説明セリフで伝えようとするから、「ふーん…」って感じ。

また、ハルの感じが、あみ子と変わらないのは敢えて?
12歳って、あんな感じだっけ??

画面も暗めだし、ラストのハッピー感も薄いし、観ていて疲れちゃったよぉ…。

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hkr21

2.5人生の時計

2024年11月25日
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hiro

3.0独特な世界観の映画

2024年11月24日
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くろくるりん

2.0綾瀬はるかを主演に迎え、詩人・中尾太一の詩集「ルート29、解放」に...

2024年11月24日
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鑑賞方法:映画館

難しい

綾瀬はるかを主演に迎え、詩人・中尾太一の詩集「ルート29、解放」にインスピレーションを受けた独創的なストーリーで撮りあげたロードムービー。

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てかる

5.0現実と幻想の狭間で揺れる旅路

2024年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「こちらあみ子」の持つ現実感をさらに溶かし、死と生の狭間を静かに旅するような物語。その空気感には、現実と幻想の境目が曖昧になっていく美しさが漂っている。

物語を見つめるうちに、ふと「崖の上のポニョ」を思い出した。魚がさりげなく登場することが、その記憶を呼び起こしたのかもしれない。

ハルがトンネルを通ることを強く拒む場面では、「ポニョ」や「千と千尋の神隠し」の記憶が胸をよぎった。どちらの物語においても、トンネルはこの世とあの世の境界として象徴的に描かれていた。

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osrk

5.0リボルバー・リリー(未見)の次がこれ

2024年11月24日
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泣ける

知的

2回観てしまった。常に違和感と驚きを仕掛けてくる作り込んだシーンの連続に初見でくらくらした。シンメトリーや横移動などウェス・アンダーソン味のある画面を基調に、冒頭の修学旅行で日傘を差している中学生から始まって、あらゆる場面に「なんで?」という引っかかりが仕込んであって気が抜けない。ただし、ウェス監督作と違って字幕がないおかげで映像に集中しやすい(笑)。

しかし意味不明なこの作品世界、いったいなんの話なのか。自分の解釈としては、スイス・アーミー・マンと同じ手触りの話であり、森井勇佑監督の前作こちらあみ子からつながる続編だと思った。明確に言及はされないが、スイス〜はASD?の主人公ハンクから捉えた世界の話だし、こちらあみ子も何らかの発達障害をもつ女児あみ子と周囲との関係を描いた作品だ。

のり子は人とコミュニケーションが取れず孤独に生きる女性という設定だが、つまりハンクやあみ子と同様の気質(脳のレントゲンの丸い空洞で表される?)があり、本作はそんな彼女が見て聞いて感じている世界を表現しているのだと思う。世間から見ればタバコに着火する風除けとしか思われない存在感の薄い孤独なのり子の精神世界では、ぷくぷくと鳴る(砂漠の上を黄色い魚が泳いでいるような)音が聞こえたり、人々が亡霊のように動き抑揚なく話したりしているのだろう。

大沢一菜がハルを演じているのはそのものズバリ、成長したあみ子の姿なのだと思った。あみ子の母は娘の振る舞いで心を病み、母娘は別々に暮らすこととなった。ハルの母も精神科病院で別居しているが、「母親は自分を好きじゃなかったかも」というハルのセリフから、その原因はハルである可能性も示される。のり子とハルはともに一般社会には適応できず、他人の気持ちを理解するのが難しい種類の人間だが、そんな2人が国道29号線を端から端まで一緒に旅することで、お互いが心を通わせていく話である。

本作にはあちこちに死の気配がただよっている。ハルの母親はもうじき死ぬと言い、車の爺さんは死んでいるとハルは言う。R29の山間は異界のように描かれ、高良健吾親子が生活する森の沢はあの世とこの世を隔てる三途の川に思える。また、犬連れの女の赤い服や爺さんを迎える10艇の赤いカヌー、商店街の事故時に見える巨大な赤い月など、死は赤色で示されている。考えてみれば、スイス〜は死体と森をさまよう話だし、こちらあみ子にもボートに乗った亡霊が現れるなど、本作に通じるものがある。のり子やハルのような人々は日頃から死をかなり身近に捉えているのだろうか?

場面ごとの細部についてもいろいろ考察したくなるが、キリがないので最後に。本作のような一定の気質をもつ人たちの感覚やイメージを描き出すのは、その当人でなければなかなか難しいのではないか。ちなみにスイス・アーミー・マンの監督(の片方)ダニエル・クワンはADHDなのだそうだが、森井監督もそういった才能の持ち主なのかもしれない。

レビューの低評価が示す通り、綾瀬はるか主演ながら興行的には苦戦しているようだが、綾瀬の顔面力に頼っただけではない傑作だと思う。3回目を観るか迷い中…。

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ジョンスペ

5.0星の数より好き

2024年11月23日
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綾瀬はるかこんな役もできるんだと思わせる作品
ストーリー的には大きな盛り上がりもなくフラットに進んでいくが、飽きることなくしっかり観れた

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卵かけご飯

3.0この映画のスタイルの意味とは?

2024年11月23日
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komagire23

4.0とってもスリリング!

2024年11月22日
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楽しい

興奮

知的

綾瀬はるか、頑張っていたね。ミシェル・ウィリアムズのようだった。まるでヨルゴス・ランティモスの一連の映画のようでもあり、ケリー・ライカートのような乾いた感じの女の子たち・人間関係の面白さのようでもあり、夏のロードムービーで言えば北野武「菊次郎の夏」のようでもあり、カラフルで仰々しく子どもの純真さをデフォルメするのは台湾映画チャン・ユーシン監督の「熱帯魚」のようで懐かしい。また、ストーリー展開は伏線回収もせずにほったらかしな様は「アンダー・ザ・シルバーレイク」を彷彿とさせた。監督の前作「こちらあみ子」より断然良かった。次に期待したい。

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羅生門

2.5Mirror

2024年11月22日
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ブレミン

共感出来ない

2024年11月21日
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今いち、誰にも共感出来ない。
綾瀬はるかじゃなくてもいい。

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えみ

3.5綾瀬はるか唯一無二

2024年11月21日
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楽しい

幸せ

綾瀬はるかが他のキャスティングでは成立しえなかった唯一無二の存在感でこのアンチ・ロマンを映画たらしめた。「こちらあみ子」の森井勇佑監督がそのままあみ子役の大沢一菜を起用して続編を作った感じなのだが、今回は「生と死」がテーマで虫や蛇カエルなど独特の自然と「生きている死者」の描写がより色濃くなった。国道の名を冠したロードムービーでありながら自動車は勝手に拝借したり盗られたりするもので早々に退場し死のイメージがつきまとう。他人と交われないのり子(綾瀬はるか)は将来のハル(大沢一菜)なのだろうけれど「私は回想構造が嫌(自分の人生が消化できておらず回想ができないらしい)なのでリアルタイムで並列して描く」と語っていた森井監督のインタビューが印象深い。夜ピアノ前で自分の人生を打ち消し続ける姉の長い長い語りと離れたダイニングテーブルで聞いているふりの綾瀬の小津的な切り返しの冗長なシーンがこの日常世界のむなしさを表していてだるいのだけれど心に残る。「あみ子」では子どもたちのランドセルだったが今作はハルとのり子が相合傘して歩くでかいこうもり傘と小学生のカラフルな小さい傘の群れがすれ違うシーンの美しさったらなくていつまでも二人の道行を観ていたい。

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たあちゃん

4.0姫路から鳥取までの国道29号。 人を連れてきて欲しいと頼まれ、いざ...

2024年11月20日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

難しい

幸せ

姫路から鳥取までの国道29号。
人を連れてきて欲しいと頼まれ、いざ見つけて二人旅の様子。

見るからに、人と合わせることができない役柄の二人、
考えも行動も掴みどころが無く、現実か夢かの境目が曖昧な。

ただ,、国道沿いや森の中の景色がきれいで、
眺めていて癒しの効果も授かりました。

左脳よりもむしろ右脳で感じて、ほっとする映像作品でした。

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woodstock

0.5見る価値無し

2024年11月20日
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何を訴求しているのか?ヒューマンドラマの様に強いて思うが感動も納得も何も得れない駄作である。綾瀬はるかの演技もイマイチで大学の演劇部の女子な学生でも演技が出来ると思った。

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BARUSA

1.0残念すぎます💧

2024年11月20日
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鑑賞方法:映画館

綾瀬はるか主演に惹かれて見に行きましたが、なんだかよくわからないストーリーで今まで見た映画の中でワースト1間違いなしです。
それとも私に感性がないのか、とにかく何がいいたいのか全くわからない映画でした。

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なお
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