「綾瀬はるかの魅力を引き出せず・・・」ルート29　琥珀糖さんの映画レビュー（感想・評価）

やっちゃいましたね。
森井監督は、ミニシアター系の作品を撮りたい人だと
思います。
メジャー級の実力派の出演者を使うなら、
もっと面白い脚本を書かなければ、
誰も一回も笑わない綾瀬はるかを見たくないですよ。
「こちらあみ子」の森井勇祐が監督・脚本とのことで、
この優秀な出演者が集まったのでしょうけれど、
全くに意図が伝わらない。
不発でした。
映画は脚本そしてアイデア。
撮影した映像はそれなりに面白い。
自分がどんな映画を撮りたいのか、
もう一度
見つめ直してほしい。

原作(中尾太一=詩人らしい)のタイトルは「ルート29、解放」、
ルート29に解放・・・という言葉が付け加えられている。
単行本はAmazonで販売しているが、中尾太一のWikipediaには
作品リストにカケラもない（何故だ？)
中尾太一の詩篇に、

声を押し殺し／
心を固く閉ざし／
わたしも、あなたも／
生まれたという
たったひとつの史実に
現れようと／
中指を突き立てる／

森井勇祐監督は、
現実と折り合えない人の代弁者なのか？
ハルを「あみ子」の大沢一菜が演じているが、
脚本が弱いので、「あみ子」のような攻撃性や魅力は
少しも感じられないのでした。