「人生がはじまる時に風は吹く」ルート29 メメントもりこさんの映画レビュー(感想・評価)
人生がはじまる時に風は吹く
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まずこの映画の本質は「誰のことばを聞くのか」という所にあると思う。
誰がどう「話すのか」ではなく、とんぼに「どう聞こえているのか」だ。
とんぼは、最初、精神疾患の患者さんが入院している隔離病棟で清掃員の仕事をしている。
そこで上司から「患者さんとは話をしないでね」と釘をさされる。
でも、なぜかスルッと話しかけて来る1人の女性から頼みごとをされてしまう。
そのやり取りが一連のロードムービーのスタート地点であるという所にこそ、この映画の良さが詰まっている。
要するに、言葉を軽んじられ易いであろう人の言葉を「引き受ける」良さである。
久しぶりにこんなに言葉を大切に使う映画を観たなと思った。
あとセリフを際立たせる構図が綺麗。
めっちゃ良かったです。
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