「無残すぎる失敗アートシネマ」ルート29 milouさんの映画レビュー(感想・評価)
無残すぎる失敗アートシネマ
いつものおなじみ低予算アートシネマ部隊を大手のプロダクションに乗せようと思い立った果敢な日本人がいたのは、あっぱれ。だけど予算をつけただけなので、カネと手間ばかりかかって全体が有機的に統合されていない。綾瀬はるかの下手くそな演技もそのまま。変なところで音楽が鳴るし…。興行的にもかなり無残な失敗。
へえと思わせるショットは、いくつもあります。冒頭のカプセルホテル、前作『こちらあみ子』のような町のどぶ川移動ショット、終盤の夜の商店街、等々。というかカメラはおおむね巧いのです。でもそれがつながっていかない。日本版ウェス・アンダーソンみたいなファンタジー風味グダグダ悲喜劇の気配はあるけども、俳優を適切に使えないならこんな脚本で映画撮るんじゃねえ。
ところでパンフレットは日本映画にしては丁寧だし資料性も高いんだけど、おおむねまっとうな書き手にこのレベルの作品を論じさせてるのは、正直苦痛。児玉美月みたいな無教養な自分語り大好きバカライターは、こういうしょうもない太鼓持ち駄文を書いてるのがお似合いなんだけど。この人、いっつもこんな感じなんだよね。
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