ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命のレビュー・感想・評価
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子どもの頃からアンソニー・ホプキンス主演の映画を
追い続けていたので迷わずに鑑賞。イギリス人がユダヤ人を救ったという事実は知らなかったので、勉強になりました。
「 ファーザー 」 は、ひょっとしたら本当にボケているのか?と思うくらいガチ演技だったので次回作もボケ老人役かと期待していたら、そんな事は無くろくに準備運動もせずにプールに飛び込む冒頭のシーンで、
「 お爺ちゃん、無理しちゃ駄目!お爺ちゃんが死んじゃう!」 とハラハラした。
近所で集めた募金箱から硬貨を選り分けるシーンは手がぷるぷる震えていて、演技なのか素なのか判断がつかず。
映画の内容については、他のレビューをあたってください。
大体、こんな誰もが感動できる文部科学省認定の作品について、何突っ込めばいいんだい?俺から突っ込み奪ったら何も残らないよ!
アンソニー・ホプキンスファンとしては
「 ホプキンスの出番が少ない!」 ってのが残念。
ラストあたりのTVのトークショーで
「 実は今日のお客さんは殆どが貴方が救った方々です!」と言われた時に、凡百の役者なら泣きじゃくるところを、泣かないで「 ありがとう、凄く嬉しいです... 」 という気持ちが伝わってくる絶妙な表情の所なんて他の役者には到底到達できない演技だったと思います。
万人受けする映画です。あー、突っ込めなくてしんどい...。
人の命を救うという事
夏風邪をひいて、3週間も映画館へ行けなかったのですっかり調子が狂ってしまった。観る予定だった映画も上映が終了してしまったり、優先順位が変わったり、家庭の事情もあったりで、やっと7月3本目である。今日2本ハシゴは辛いな。(と言う訳でソフト化されていない51年振りに再見予定だったベルモンドの「おかしなおかしな大冒険」はパス)
7月18日(木)新宿ピカデリーで実話の映画化「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を。
1938年、開戦直前のチェコスロバキアと49年後の1987年のイギリスを行き来しながら映画は進む。
1938年プラハで難民が悲惨な生活をしているのを目の当たりにしたニコラス・ウイントンは、まずは子供たちをイギリスに避難させようと移動の条件となるビザの発給、里親の確保、資金の調達をする活動を組織して尽力し、子供たちを次々と列車に乗せてイギリスへ送る。
しかし、9番目の250人の子供たちを乗せた汽車は開戦によりドイツ軍によって止められ、子供たちはイギリスへ来られない。多くはアウシュビッツへ送られたのだ。
救えなかった子供たちへの自責の念を持ち続けたニコラス・ウイントンだったが、49年後にBBCの番組に出演すると、意外な事実が明らかになるのだった。彼が救った669人の子供たちは、その子、孫まで入れると6,000人にもなっていた。
杉原千畝やオスカー・シンドラー以外にもナチスの脅威から人々の命を救った人たちがいたのだ。
しかし、現在でもヒトラーはいなくてもプーチンがいる。ウクライナやガザには避難が必要な子供たちが多くいる。
日本ではどうか。
日本は世界の中でも難民の受け入れが極めて少ない国である。
日本人で難民の里親になる人はいるか?
日本人で資金調達に協力する人はいるか?
金があり自分は月に行こうとしても、難民に資金援助をしたと言う話は聞いた事がない日本人の富豪もいる。
他人様の事は言うまい。
自分は、困っている人がいたら手を差し伸べる事が出来る人間でありたいものだ。
少しだけど、そう思った。
追記
スクラップブックを預かる富豪の婦人がマルト・ケラーだったのにビックリ。
「ブラックサンデー」や「悲愁」から何年経ったのだろう。46〜47年か。
ニコラス・ウイントンは、それよりも長く
救えなかった子供たちへの自責の念を持ち続けたのだ。
イギリス🇬🇧人すごい!
ニッキーは、もちろんですが…いや、ニッキーは純粋なイギリス人ではないわけか、、、お母さんも元々はドイツ人?
そう、きっと国ではないのだろうな。その人、一人一人の信条というか。
私はニッキー、お母さん、プラハの仲間達、そして里親の皆さんが本当に、すごいと思いました。だって、もしかしたら、ほんの期間限定で預かる…ような気持ちの人だっていたかもしれないわけで。平和が訪れたら、親元へ返すのだと、繰り返し言っていた。
親御さん達で、生き残れた人、再び子どもさん達に会えた人は何人いたのだろう。
人間はナチスのように、こうも残酷に残虐にもなれ、
ニッキー達のように、命をつなぐある意味、神にもなれるというように思えた。市井の神様です。
熱意と協力と報い
右ハンドルの自動車を運転していたので、イギリスだとわかった。プールに飛び込んで大丈夫かと思った。
若い頃の回想場面にはいり、チェコでユダヤ人の子どもを逃がそうとするけれども、資金もビザ発給権もなく、ただ熱意だけで母親も含めて協力者や、受入れ里親を増やしていった。当事者団体にリストを出してもらうために、自分の背景を問われ、祖父母がユダヤ人だけれども、イギリスで国教徒として洗礼を受け、社会主義者でもある、と答え、それでも信用を得ていた。
いくつかの作品のように、子どもたちだけの密かな逃避行ではなく、国際列車に大勢乗せて、ドイツ軍人のチェックを受けていた。しかし、ドイツのポーランド侵攻開始によって、その方法が閉ざされてしまっていた。
救いきれなかったたくさんの子どもたちや同士たちを失ったことで、自分の行為に自信がもてなかったけれど、テレビ取材とともに、多くの救出された人たちから感謝される機会を得て、報われたようだった。
チェコは、『ナチス第三の男』の舞台で、ロンドンから送り込まれた亡命政府の暗殺者が策動した地でもあり、子どもたちが送り出された縁もあったのだろうか。わずか二人のスロバキア系ユダヤ人たちがアウシュヴィッツ収容所を抜け出して、収容所内の実態を暴露した『アウシュヴィッツ・レポート』も、大きな救済につながったことが評価されていったので、そういう細かい功績の掘り起こしの一つと言えるかもしれない。
淀川さんだったら、何と言われただろう?
淀川長治さんが「シンドラーのリスト」について、一言述べたことはよく知られている。
私は「One life」は、大変良い映画だと思った。
背景は、第二次世界大戦直前のヨーロッパ。1938年9月29日、イギリスのチェンバレン首相は、ヒトラーの要求を呑んで、チェコスロバキアのズデーデン地方のドイツへの割譲を認める。宥和政策、しかし、一般には、この決断が先の大戦を招いたと言われている。ただし、ソ連を恐れたためとも言われ、この時の教訓が、今日のロシアによるウクライナ侵攻への対応にも影を落としている。
ドイツはもちろん、38年3月ドイツに併合されていたオーストリア、チェコの各地から、ナチを恐れたユダヤ人がプラハに逃げ込んでくる。住む場所も食料もほとんどなく、劣悪な環境。この状況を目にしたロンドンの若き株式仲買人、ニコラス・ウィントンは、ユダヤ人の子供たちを救おうとする。一体、どうやって?子供たちを、イギリスに避難させようとしたのだ。彼は、英国に帰って主旨を説明し、寄付金を集めて里親を探し、彼の母親バベットの助けを借りて、子供たちのためのヴィザを取得しようとする。何より大事だったのが、難民の子たちのリストを揃えることだったが、チェコスロバキア難民英国委員会のプラハ事務所の協力があった。
39年の3月、書類の揃った子供たちから、鉄道を使った避難が始まるが、時あたかも、ヒトラーが約束を破ってチェコ全土を占領した頃だから、その苦労は想像にあまりある。かろうじて宥和政策は続いていたので鉄道を利用することはできたが、終に、9月1日ドイツはポーランドに対し砲撃を開始し、3日イギリスとフランスに対し宣戦布告、両国もそれに対抗したため、3日に予定されていた250名の子供たちの救出は叶わなかった。それでも、ニコラスたちの努力は、669名の子供たちをチェコから脱出させることに成功した。しかし、彼の心に残ったのは、なぜもっとできなかったのか、だった。
50年後、妻のグレーテに言われて、書斎の片付けをするうち、どうしても片づけることができない、当時の子供たちの写真とリストが入った革の書類カバンが出てくる。この書類がきっかけになって、彼はBBCの人気番組に出ることになり、当時の子供たちとの再会を果たす。その喜びの結果として、彼は初めて過去の自分と向き合うことができたのだ。
印象的だった場面、ドイツがプラハに侵攻してきたとき、それまで保存していたユダヤ人の子供たちの書類を本人と係累のために、事務所の中庭に投げ捨て、燃やすところが出てくる。それは、50年後、ニコラスが家に蓄積していた書類の山を処分するところと、見事に響きあう。そう感じたのは、私自身がためてきた書類や書籍を処分する時が来ているからだろう。
私は、この映画の舞台の一つになったプラハ中央駅に行ったことがあった。何だか、がらんとして、大きい割には寂しい駅だった。それは、社会主義体制の遺残か何かと思ったのだが、あのような歴史を経験していたとは。
それにしても、ニコラスは、50年後でも、何という強靭な体力を持っていることか。ペンギン向けの(と自分で皮肉る)自宅の庭の冷水プールに飛び込むことができるなんて。「健康な身体に健全な精神を」とは言うけれど。
心が揺さぶられた作品でした。
特に戦闘シーンがあったり残虐な描写があるわけではないのですが、作中の緊張感が凄く伝わってきて飽きることがなかった。
助けた命もたくさんあったが助けれれなかった命を考えてしまうのはどうしても仕方がないことだと思う。そこから皆がどうなったのか考えると確かに自分自身も日常生活が続けられなく思考を停止してしまうかもしれない。
ラスト近くTV出演時のサプライズはとても驚いたし、その手法はあまり好きではなかった。
助けれれなかった人たちが助けられなくそのまま命を落としているということがまたとてもつらかった。
それでもつながった命も多く救われた気持ちにもなった。
見終わった後はとても余韻が強く、戦争を描く話が間接的なものが少しずつ増えてきて
これはとてもいいことだと思った。
ハナはどこへ行った
名優アンソニー・ホプキンスお目当て。
1938年。ナチス・ドイツがチェコの一部を併合。プラハに難民が押し寄せ、衣食住を欠き不衛生な環境に置かれる子供たちを救おうと、英国の移民局児童課の若い職員らがプラハからロンドンに子供を疎開させた実話を基にした作品。ザッツ·ライフというテレビ番組で取り上げられたことから、ニコラス·ウィントン(アンソニー・ホプキンス)に助けられた元·疎開児童が次々と名乗りをあげ、番組視聴席がいっぱいになるラストは感動的。生涯をかけて支援ボランティアの仕事をしてきた老人が妻に催促されて断捨離する終活話で始まる。そこで、どうしても処分できないスクラップブックを入れた古い鞄が古い机の引き出しにしまってあり、妻もその内容を知っていて、あなたこれどうするのよみたいな冒頭から始まる。廃棄処分することのできない重要なものであることがほのめかされる。老人はそれを資料として引き取ってくれる公的機関を探したりするがうまく行かない。当時共に尽力した旧友がマスコミに声をかけ、テレビ番組プロデューサーが手をあげることにより埋もれていた歴史が明らかになる。時代の背景としては杉原千畝の話にそのあと繋がるものだ。児童疎開と言っても大人はナチスの犠牲(防波堤)になるしかないことを彼らは察知していて、手放す親たちもうすうすは覚悟している状況だが、なかなか決断できなかっただろう。3人兄弟や前歯のない赤子を抱いた女の子がとくに頭から離れなかったニコラス。準備の時間がほとんどない状況で、イギリスでの里親募集やビザ発行、移送にかかる資金調達を模索しながら、実行決断する彼らの義勇心には頭が下がる。ニコラスの支えとなる母親のなりふり構わぬ行動力も強い結束力に裏打ちされたものであることも語られる。ニコラスの祖父母はドイツからイギリスに渡ったユダヤ人だった。子供たちのビザ申請に必要な写真と名前などの情報のリスト作成資料の控えがスクラップブックの中身だった。ブラハからイギリスにたくさんの子供を何組かに分けて移送する際に、実際に引率する職員のハナ(ハンナ?)と言う若いキュートな美人さんがいて、ドイツが開戦布告した日、9回目の250人の児童を乗せた列車が軍隊に阻止され、彼女も連行されてしまった😢
ハナ役の女優さんについてはメインキャストにはリストアップされてないし、パンフレットにも一切記載がなかった😢
レビュータイトルは説明するのも野暮ですが、ピート·シガーの世界一有名な反戦フォークの「花はどこへ行ったの : Where Have All the Flowers gone?」をモジッたものです😢
副題の6000人はニコラスらが救った669人の元児童のうち、名乗り出た約半数の人たちの子供、孫の人数のようだ。
人ひとり救うことだって大変なのに、この時代に若い人がチームで団結して成し遂げたことが表に出てきたことは喜ばしい。番組が放送されたときにはチームのうち生きていたのがニコラスだけだったらしい。そこは残念だったが、人生とはそんなものだ。
なかなかこういういい話に遭遇することはなく、極端な誇張のない映画だったこと、一人の老人の終活に絡めた展開もダブルミーニングな題名でようござんした。
個人的にはパレスチナ問題もイギリスが撒いた種だと思っているので、イギリスとしても少し穴埋めできてよかったんじゃないでしょうか😎
リストつながりでシンドラーのリストと関連付けたくはないですね。まったく違うリストだと思いますよ。
【第二次世界大戦直前のプラハ。669名のユダヤ人の子供の命を救った英国人の物語。ラスト、老いた男がTVに出た際に男の後ろの席に座っていた人達が次々に立ち上がるシーンには、思わず嗚咽した作品である。】
■1938年のプラハ。
ナチスの迫害から逃れたユダヤ人たちが集まっている難民キャンプを訪れたニコラス・ウィントン(ジョニー・フリン)は子供達だけでも英国に避難させようと決意し、チェコのボランティアたちや英国難民委員会自動課の仲間の協力の基、子供達の里親を英国内で探し、次々に子供達の里親を決め英国に送り出していた。
だが、開戦後、最後の9番目の英国行列車はナチスに妨害され、乗車していた子供達250人は親元に返されてしまう。
◆感想
・物語は1938、1939年のプラハと現在の英国に住むニコラス・ウィントン(アンソニー・ホプキンス)とを交互に映し出しながら、物語は進む。
・大戦前夜の混乱を極めるプラハ。難民の子供達にチョコレートの欠片を渡しながら、ニコラスは資金集め、里親探しでチェコのボランティアたちや英国難民委員会自動課の仲間と多忙な日々を送っていた。
ー ここで印象的なのは、ニコラスの気丈な母を演じたヘレナ・ボナム=カーターと、ニッキーの友人で、支援仲間を演じた久しぶりに観たジョナサンプライスである。ー
■今作は、英国BBCが制作に大きく関わっている事もあり、抑制したトーンで物語は進む。私は過剰な演出をしない英国BBC製作の映画が好きである。佳品が多いからである。
勿論、今作もその一作である。
・現在のニコラス・ウィントンの部屋は多数のメモ、雑誌の切り取りで一杯である。そして彼の古びた鞄に入っていたスクラップブックに記され、貼られていた数多くの子供達の写真。里親が決まった子の上には印が付いている。
彼は、このスクラップブックをやや後悔の表情を浮かべつつも大切に身の傍に置いているのである。
■今作で最も感動的なのは、英国のTV番組”ザッツ・ライフ”に登場した老いたニコラス・ウィントンが若き日にプラハで行った人道支援が、彼のスクラップブックと共に紹介されるシーンである。
当初、彼は救えなかった250人の子供達の姿を思い出すのか、浮かない顔をしている。
だが、ニュース・キャスターがニコラスの隣に座っていた人物を紹介するシーンから、観ていてグッと胸が詰まって来るのである。
その人物はニコラスが且つてプラハで救った子であったからである。
更に、キャスターが”ニコラスに助けて貰った方は、ご起立願います。”と言った後に次々と立ち上がるニコラスの後ろに座っていた人たち。
ニコラスは後ろを振り返り、驚きの表情を浮かべつつ、隣の婦人と抱擁するのである。
このシーンには、思わず嗚咽が出てしまったよ。
そして、その婦人の子供達や孫を自宅に招くシーン。女の子から”プールがあるんだね!”と言われて、嬉しそうなニコラスの表情。
ニコラスが助けた669人の子供達は”ニッキーの子供達”と呼ばれ、その孫たちを含めると6000人の命を救ったというテロップが流れた際には、もう本当に嬉しかったな。
<今作は、一人の英国人ニコラス・ウィントンが仲間達と危険極まりない状況下、669人のユダヤの子供達を助け、その50年後の間に6000人の新たなる命が産まれたという事実を描いた実話に基づいた作品なのである。
目の前の、餓えや恐怖に怯える子供達を、身命を賭して助けた英国人男性の尊崇な姿を描いた作品でもあるのである。>
人の生きる道
戦時の異常な時代背景の中、危険を顧みず多くの子供たちを救うために行動したにも関わらずもっと多くの子を救えなかったと自責の念に心を痛めるニコラス。しかし自身も間もなく孫が生まれる中で、救われた命がやがて子や孫へと広がり一人ひとりの偉大な人生に繋がり引き継がれていった事実を知ることになる。ヒトラーのような人間、ニコラスのような人間、どちらも同じ人間で人は悪魔にも成れれば天使にもなれる。他人のために行動できる生き方は人の生きる道において最も尊きものと感じ、こういった人が一人でも増えれば世の中はよりよくなる。ニコラスにはほど遠いが少しでもよりよく行動できる自分でありたいと思った。作品では救われた子供たちに比して、救われなかった子たちの悲しい末路も描くことでニコラスの偉大な行動がより浮き彫りになったのではないかと思った。ニコラスの母もまた偉大な人であり、彼の人格形成に多大な影響を与えたことが伝わってきた。
夢のような話だね
何故そこまで正義を貫いて赤の他人の難民の子どもたちを救ったのか?そしてそれに協力するボランテイアの人たちの勇気も見事だと思いました。
殺されるかもしれないのに・・。 実際に彼らは収容所に入れられて殺された・・。
でも代償に子どもたちは救われた・・。 あと1000人助かるはずが、2日違いの戦争が起きたから彼らは救われなかった。なんという世界の無情と非情であることか・・。
主人公はそれをずっと悔んでいる・・。
それに胸にせまりました。
最後には報われた主人公よ‥幸福になって下さい。救い救われた子どもたちと幸福になって下さい。
唯それだけです。
"不可能でないなら、実行する方法はあるはず"
本作の日本公開日は6月21日。
さて問題です。前日の6月20日は何の日でしたでしょうか?
答えは「世界難民の日」。
『難民の保護と支援に対する世界的な関心を高め、UNHCRを含む国連機関やNGOによる活動に理解と支援を深める日』として、国連の難民支援機関であるUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が呼び掛けている。日本人初の国連難民高等弁務官となった緒方貞子さんがご活躍され----と聞くと記憶に蘇ります。
ここのところ立て続けに良作を引っ張ってくる某配給会社が狙ったものかどうかは私には知る由もないが、スカイツリーを始め日本各地のランドマークが難民の日の周知目的で「青色」にライトアップされた、その翌日に本作は公開された。
再現された物語はまさに現代世界への警鐘のようだ。ちなみに、第2次大戦前夜にこのような善行があったことは、私も含め知らなかった人も多いのではなかろうか。
ニコラス・ウィントンの活動は開戦と共に止められてしまうことになったが、この頃、ブルニェネツという町にはオスカー・シンドラーがいた。リトアニア日本領事館には杉原千畝がいた。非道な世界にわずかであっても光は存在していた。
「ひとりの誰か」が世界を混乱に巻き込んだ20世紀。まさか21世紀もそのような時代になると、誰が予想できただろうか。いま「ひとりの誰か」がひどく政治的、また個人的な理由により世界を混乱に巻き込んでいる。
ただし、まだ【混乱の坩堝】ではない。現代は「誰かひとり」が果たす力を期待しにくい。よって世界の多くの「普通の人々」による、グローバル化された善意が光となり、我々自身を正常な立ち位置にバランスさせ、坩堝にまでの惨禍に繋がらせないことが肝要とおもう。
その意味において本作の果たす役割は小さくない。
とはいえ現在、世界の難民・避難民の人口は1億2000万人を超えている。
日本の総人口と同じくらいの数・・・。
その40%は18歳以下の子供たちと言われている。
レビュータイトルに挙げたニコラスのモットーを借りるとすれは、我々はまだ、後悔の落涙をしてはならないのだ。
普通の人が普通に行うことは、今の方が難しくなっているのかもしれません
2024.6.27 字幕 MOVIX京都
2023年のイギリス映画
原作はバーバラ・ウィルトンの著書『If It’s Not Impossible.. The Life of Sir Nicolas Winton』
第二次世界大戦中にプラハにて難民の子どもたちを救ったイギリス人たちを描いた伝記映画
監督はジェームズ・ホーズ
脚本はルシンダ・ニクソン&ニック・ドレイク
原題は『One Life』で、劇中で登場するセリフの一部
物語は、1938年のイギリス・ロンドンにて、友人の新聞記者マーティン・ブレイク(ジョナサン・プライス、若年期:ジギー・ヘス)から「プラハの惨状」について聞かされるニッキーことニコラス・ウィルトン(アンソニー・ホプキンス、若年期:ジョー・フリン)が描かれ、それと同時に老齢期に差し掛かったニッキーが自宅の整理を行う様子が描かれていく
老年期のニッキーは、妻グレーテ(レナ・オリン)から言われて大掃除を始めるのだが、そこで机に大事にしまわれたカバンと、その中に入っているスクラップブックに想いを馳せていた
そのカバンはプラハ時代に仲間のトレバー(アレックス・シャープ)から貰ったもので、そのスクラップブックは「プラハでの活動記録をまとめたもの」だった
これまでの慈善活動の資料などを燃やせても、そのスクラップブックだけは燃やすことができない
そこで、その資料を何かの役に立てないかと動いていくニッキーが描かれていく
1938年、ナチスはチェコスロバキアに侵攻し、多くのユダヤ人はプラハに逃げていた
だが、その場所は悲惨な状況で、ナチスの進軍がいつ訪れるかもわからない状況だった
マーティンから話を聞いたニッキーはプラハに出向き、そこでチョコスロバキアの難民英国委員会として活動しているドリーン・ワリナー(ロモーラ・ガライ)、トレバー、連絡係のハナ・ヘイドゥコワ(ジュリアナ・モスカ)たちと出会う
道端で過ごしている人々を見たニッキーは立ち尽くし、何かできないかと考える
そこで彼は、母にバビ(ヘレナ・ボナム・カーター)にイギリスに入国するための条件を移民局に聞きに行ってもらい、それを用意することになった
こどもひとりにつき里親、保証金、医療証明書などが必要で、それによってビザが発給される
だが、イギリス国内でも戦争の機運が高まっていて、移民局も業務に追われていたのである
映画は、史実ベースになっているが、人物を知らなくてもおおよその流れさえ把握していれば問題はない
事実、ニッキーのことが世に出たのも、映画で登場する「That's Life」出演が期になっていて、それまでこの活動については語られることはなかった
番組にて再会を果たす子どもたちだが、669人のうちの大半の行方は今もわかっていないという
それでも、ルーツとその後を追いかけられた人だけで6000人もの子孫がいることになり、実際に669人すべての予後がわかるのなら、1万人を超えてくるのではないだろうか
映画の再現番組には実際に助けられた子どもたちがエキストラとしてたくさん参加されている
映画では、スノネク一家、ヴェラ・ギッシングことヴェラ・ディモントヴァ(Henrietta Garden、幼少期:Frantiska Polakova)の家族などが登場しているが、その他にも多くの子どもたちが番組を見て問い合わせをして、彼のもとに駆け付けていたのである
いずれにせよ、ホロコースト前夜の物語で、助かった人は本当に運が良かったのだと思う
あまりにも幼くて、自分がどうなったのかわからない子どもたちもいて、育てられたのが里親だったということを知らない幼い子どもたちもいたと思う
そういった結果があっても、救えなかった命がニッキーの心の重しになっているのだが、「普通の人が普通のことをする」ことの尊さはいつの世も変わらない
今だと様々な法的な制限や、一部の保護者の反応を恐れて放置される「普通の人が行う普通のこと」というものもあるので、有事以外では機能しないのかな、と感じた
人間であることを誇りに思えるような作品
主人公は勿論のこと、周りの仲間も母親も、人間的に尊敬に値する。特にチェコに残った人々は命懸けだったことだろう。
深い描写はないが、里親になることだって、物凄い覚悟が必要なことだし、人としての矜持を感じることができた。
最後のシーンを含めて、目頭が熱くなる場面が度々だった。
スクラップの送り先がイスラエルのホロコースト博物館という字幕を見て、今のガザの様子を思い出し、涙がすぅーと引いていった。
子供達を救え 〜 プラハからロンドンへ
チェコの子供達をナチスから救う為、プラハで活動する同志達と共に奔走したイギリス人ニコラス・ウィントンを、アンソニー・ホプキンスとジョニー・フリン( 青年時代 )が熱演。
息子ニコラスの意を汲んで、内務省に働き掛け尽力する母親バベットをヘレナ・ボナム = カーターが好演。知的で行動力のある役柄が合いますね。
大切な子供を託す親達、泣きながら列車から手を振る子供達の姿が辛い。
何故歴史は何度も繰り返されるのだろう。
ー 見たものを見なかった事には出来ない
映画館での鑑賞
ドライアイ気味がいっきに潤う
液晶画面見過ぎなんでしょー、乾き気味でツラいわたしの目玉はびしょびしょに♪
ニッキーと再会したヴェラのお孫さんたちがプールでキャッキャッしてるシーン、
ほんと、みんなよかったね、生まれてこれて!
669人が6000人に、というテロップ読んで思いをあらたにしました。
静かな余生に見えても、救えなかった子供たちと赤毛の現地ボランティアの女性、
ハナさんでしたっけ、そういう仲間な大人の人たちもみーんな助けられなかったことを
心の奥底ではずっと抱えてたんですよね。
助けた子たちの将来も考えないようにしてたくらいですから。
始めたら終わらせろ
酷な格言となりましたね、
終わらせたくったって途中で強制終了させられちゃったから。
でもやっと終わらせることができたんじゃないかと。
その後の余生はナイトになって、106歳までのんびりほのぼのしてくれたんだろうと
願わずにはいられません。
階級社会のUKでドイツから結婚のために移民してきたお母さん、
いい息子、育てましたよね。生粋のイギリス人より、イギリス人が理想とする良心を
ニッキーが宿すわけです。全力で支えてくれるし。
ヘレナボナムカーターさん、あんまり好きじゃなかったんですけど、この役は最高でした。
レナオリンさんは歳を重ねても、逆にいい感じでニッキーのそばにぴったりです。
ホプキンスさんは、別にこんなの演じなくてもいいんだけどなぁ、
などと勝手に思ってしまう映画でよくお会いしてますが、
今回はあなたでなくてはなりませんでした!いままですみません。
今年観た映画で、映画館で観てよかったと思ったいちばんの作品です。
サプライズ。
1938年第2次世界大戦直前、ナチスから逃れたプラハで暮らすユダヤ人難民の子供669人を救ったニコラス・ウィントンの話。(実話)
ナチスの侵攻が迫るなかプラハで暮らす難民の子供達を列車を使いイギリスまで移動させようと動き出す…。
正直歴史に疎いし、ナチスとかこっち系の話は苦手なんだけど、ストーリーはシンプル、ナチス侵攻前に子供を安全な場所へ移動させようなんだけど、ただただ子供を救いたいで動くニコラス・ウィントンの真っ直ぐさと必死さみたいなものが凄く伝わって涙無しでは観れませんでした。
本人的には救えた子と救えなかった子がいて、救えなかった子の事を何十年も気にかけてた様に見えたけど、本作観てるこっち側からしたら充分だと思うし素敵でした。
収容所に連れていかれた子は約1万5千人その内助かった子供達は200人以下、ニコラス・ウィントンが助けた子供は669人と。
ラストの番組出演でのサプライズは感動、自宅に招いての楽しむ姿も良かった。
子供達を見る優しい目と、一枚の板チョコを割って子供達に配る姿が印象的だった、このシーンが実際の実話部分かは分からないけど。
※数字間違ってたらすみません
抱え込む
チェコに命懸けでずっと駐留して救ったのかと思いきや、英国側から手配したお話、思ってたのとはちょっと違った しかしどの役割も簡単に誰でも出来るものではなく、特にニコラスさんの母上はちと強引だけど凄い交渉力。ユダヤ人ではなく難民扱いだったのも意外だった 殺されたユダヤ人何百万人のうちの669人だけど、そこから子供も孫もいて、ひいては何千、何万も救ったことになるのだ ただかなり短期間で進めていたので養子になった先で全ての子供が幸せだったのかなぁ?と、映画自体何だか暗い雰囲気だし、人助けしてるのにニコラスさん浮かない表情だったのもあって気になってしまった 「ハイドリヒを撃て」見てたんでチェコも占拠されるのに何を悠長なことをやってるんだと思っていたらやっぱり最期の列車は...もう少し早く動けていたら とても感動なのに最後の番組がドッキリ風だった
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